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第2章
第10話:合格
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※サオリ視点
メイちゃんと待合室で待たされている。色々な意味でドキドキする。
私は面接時の会話に不安があった。それに反してメイちゃんは、実に堂々としていた。
(メイドさんになれるのは、メイちゃんかもしれないな……次の仕事、何探そう?)
何かほかに仕事がないかと悩んでいると、待合室のドアが開かれた。
「メイ、サオリ、メイドの面接は合格です。いつから仕事を開始できますか?」
私は唖然とした。どちらか片方と思っていたし、それもメイちゃんが選ばれると思っていた。私の心が追い付かないうちに、メイド長シャーリーとメイちゃんが話を進める。
「すぐにでも!」
「そうですか。サオリは?」
「え? あ? 私もすぐに平気」
「……二人にはメイドの仕事はもちろん、マナーも身につけてもらわないといけませんね」
シャーリーさんは額に手をかざして、悩まし気に頭を横に振った。
「では、部屋に案内します。ついてきなさい」
「「はいっ!」」
私とメイちゃんは椅子から立ち上がり、シャーリーさんについて行く。細長い通路に差し掛かった。その通路を通っていく。左右には小窓があり、外の景色が見える。どうやら離れの建物らしい。
その別館の一階の一室に通された。
「さあ、この部屋を使いなさい。二人ペアで仕事をしてもらいます。早速明日から働いてもらうので、荷物があれば今日中に運び込みなさい。その際は、この使用人棟の出入り口を使用するように。くれぐれも本邸の出入り口は使わないように。私の業務もあるので、その他諸々の話はまた後でします」
それだけ説明すると、シャーリーさんは自分の業務をやるために、本邸へと戻って行った。
メイちゃんと二人、ぽつんと取り残された。うっ……気まずい。私は逃げるべく、いや、荷物を持ってくるために、メイちゃんに一言告げる。
「私、宿屋に行って荷物を取ってくるよ」
「あっそ」
メイちゃんのツンツンした態度に、困ってしまう。今後仲良くできるのだろうか?
とりあえず、使用人棟の出入り口を探して、スーリさんの宿屋に足を運んだ。
広場を通り抜け、そこでふと思う。最底辺のメイド、スカラリーメイドの仕事として、朝市とかでの買い出しもあるのだろうか? 屋敷は大きい。人数分を購入するとなると、かなりの重労働となる。いや、領主様を経由して販売しているのだから、自分たちの分を確保してから、流通させているのか?
そんなことを考えているうちに、宿屋に着いた。
「ただいまぁ~」
「おかえり、面接どうだった?」
心配そうな表情をして、スーリさんは聞いてくる。メイちゃんという同僚に不安を感じてはいるが、心配をさせないように、堂々と答える。
「うん! 面接に合格して、明日から働くことになったよ! だから、荷物を取りに来たの、宿代の精算に来たの」
「そう、合格してよかった。でも、サオリがいなくなるのは、少し寂しいね」
「……」
この場合、何と言ったらいいのか考え付かずに、私は無言になってしまった。寂しいと言ってくれるのは、リンドン村みたいに『家族の一員』とまではいかなくても、数日過ごした仲である。私自身も慣れてきた所なのだが、宿屋とお客の関係上、仕方のないことだ。私は言葉を探して紡ぐ。
「もし、メイドの仕事でミスをしちゃってクビになったら、またお世話になるね」
「ちょっと~、クビになるなんて、縁起でもない。もっと自信を持ちなさいよ。サオリならできるよ」
「うん」
スーリさんは、笑いつつ励ましてくれる。私も釣られて笑顔になる。
「じゃあ荷物持ってくるから」
「あいよ」
歩き慣れた階段を上り、使用していた荷物をまとめた。
荷物を肩に担いで、階段を下りていく。短い期間であったが、感慨深いものがある。
女神になって夜に抜け出したときのことを思い出す。雛が巣から飛び立つような。今まさにそんな気分である。
私はスーリさんの所に行き、今まで泊まっていた分の精算をする。「何かの時の為に、少しでも多くお金はあった方がいいだろう」と言い、少し割引をしてくれた。
私はぺこりと頭を下げて、「お世話になりました」とお礼を述べる。
スーリさんは、私に「クビにならないように頑張りなよ」と励ましてくれた。
手を振り宿屋から出た。私も『この街の巣』を離れたことで、気合を入れなおす。
再び、屋敷へと足を向けた。
メイちゃんと待合室で待たされている。色々な意味でドキドキする。
私は面接時の会話に不安があった。それに反してメイちゃんは、実に堂々としていた。
(メイドさんになれるのは、メイちゃんかもしれないな……次の仕事、何探そう?)
何かほかに仕事がないかと悩んでいると、待合室のドアが開かれた。
「メイ、サオリ、メイドの面接は合格です。いつから仕事を開始できますか?」
私は唖然とした。どちらか片方と思っていたし、それもメイちゃんが選ばれると思っていた。私の心が追い付かないうちに、メイド長シャーリーとメイちゃんが話を進める。
「すぐにでも!」
「そうですか。サオリは?」
「え? あ? 私もすぐに平気」
「……二人にはメイドの仕事はもちろん、マナーも身につけてもらわないといけませんね」
シャーリーさんは額に手をかざして、悩まし気に頭を横に振った。
「では、部屋に案内します。ついてきなさい」
「「はいっ!」」
私とメイちゃんは椅子から立ち上がり、シャーリーさんについて行く。細長い通路に差し掛かった。その通路を通っていく。左右には小窓があり、外の景色が見える。どうやら離れの建物らしい。
その別館の一階の一室に通された。
「さあ、この部屋を使いなさい。二人ペアで仕事をしてもらいます。早速明日から働いてもらうので、荷物があれば今日中に運び込みなさい。その際は、この使用人棟の出入り口を使用するように。くれぐれも本邸の出入り口は使わないように。私の業務もあるので、その他諸々の話はまた後でします」
それだけ説明すると、シャーリーさんは自分の業務をやるために、本邸へと戻って行った。
メイちゃんと二人、ぽつんと取り残された。うっ……気まずい。私は逃げるべく、いや、荷物を持ってくるために、メイちゃんに一言告げる。
「私、宿屋に行って荷物を取ってくるよ」
「あっそ」
メイちゃんのツンツンした態度に、困ってしまう。今後仲良くできるのだろうか?
とりあえず、使用人棟の出入り口を探して、スーリさんの宿屋に足を運んだ。
広場を通り抜け、そこでふと思う。最底辺のメイド、スカラリーメイドの仕事として、朝市とかでの買い出しもあるのだろうか? 屋敷は大きい。人数分を購入するとなると、かなりの重労働となる。いや、領主様を経由して販売しているのだから、自分たちの分を確保してから、流通させているのか?
そんなことを考えているうちに、宿屋に着いた。
「ただいまぁ~」
「おかえり、面接どうだった?」
心配そうな表情をして、スーリさんは聞いてくる。メイちゃんという同僚に不安を感じてはいるが、心配をさせないように、堂々と答える。
「うん! 面接に合格して、明日から働くことになったよ! だから、荷物を取りに来たの、宿代の精算に来たの」
「そう、合格してよかった。でも、サオリがいなくなるのは、少し寂しいね」
「……」
この場合、何と言ったらいいのか考え付かずに、私は無言になってしまった。寂しいと言ってくれるのは、リンドン村みたいに『家族の一員』とまではいかなくても、数日過ごした仲である。私自身も慣れてきた所なのだが、宿屋とお客の関係上、仕方のないことだ。私は言葉を探して紡ぐ。
「もし、メイドの仕事でミスをしちゃってクビになったら、またお世話になるね」
「ちょっと~、クビになるなんて、縁起でもない。もっと自信を持ちなさいよ。サオリならできるよ」
「うん」
スーリさんは、笑いつつ励ましてくれる。私も釣られて笑顔になる。
「じゃあ荷物持ってくるから」
「あいよ」
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荷物を肩に担いで、階段を下りていく。短い期間であったが、感慨深いものがある。
女神になって夜に抜け出したときのことを思い出す。雛が巣から飛び立つような。今まさにそんな気分である。
私はスーリさんの所に行き、今まで泊まっていた分の精算をする。「何かの時の為に、少しでも多くお金はあった方がいいだろう」と言い、少し割引をしてくれた。
私はぺこりと頭を下げて、「お世話になりました」とお礼を述べる。
スーリさんは、私に「クビにならないように頑張りなよ」と励ましてくれた。
手を振り宿屋から出た。私も『この街の巣』を離れたことで、気合を入れなおす。
再び、屋敷へと足を向けた。
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