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雷鳴は思わぬ方角へ
第三章 22話『『元』究極メイド、発見する』
しおりを挟むアミナ達がゼゴット村に到着したその日の夜。
毎度の如く2人はリューネの自宅へと拠点を移し、誰に作戦を聞かれる訳でもなく、アルダナ教とグラッツの怪しい動きに対する作戦会議に勤しんでいた。
「やはり教会に乗り込むのが手っ取り早いだろうか……」
「いえ、それではあちらの聖魔法によってすぐ思惑が見破られてしまいます。……点検と称してリューネさんが入ったりなどは出来ませんか?短い間の村長とはいえ、この村に長年住んでいたのは確かなんです。いちいち確認されないのではないですか?」
「そりゃどうだろうな。リューネが外から来た私達とすぐに交流しちまってるんだ。リューネも勿論疑う対象になるだろ。村人全員がアルダナ教徒だって事も考えると、グラッツがいねぇ内に教会を調べちまうのが一番だと思うぜ」
それぞれが自身の中にある意見を述べていった。
リューネとメイは教会へ乗り込むという作戦。
アミナはもう少し捻りを加えた作戦を出した。
だがどれもなかなか決定打に欠け、3人は難儀していた。
「……やっぱり、エルダーがいないと……」
アミナは小さな声で呟いた。
彼女の純粋なアルダナへの信仰心には、恐らく教団内でも勝てる者はいないだろう。
そしてグラッツは何故かエルダーへは聖魔法の行使はしなかった。
出来なかったのかそれともやらなかったのか。そこは定かでは無いが、少なくともエルダーなら潜入できる事が2回目で分かった。
あとはそこから慎重に動けば……
アミナが心の中で呟くと、アミナの先程の言葉を聞いていたリューネが驚いたような顔をした。
「アミナ殿……その名前、どこで知ったんだ……?」
「へ?」
アミナが間抜けな声でリューネへと返した。
するとリューネは徐ろに椅子から立ち上がり、いそいそと2階へと上がっていった。
アミナは彼女の背中を目で追うが、メイは大あくびをして眠そうだった。
大分酒も飲んでいたようだし、睡魔が襲ってきても仕方がない。
そんな子供が眠そうにしているのを見ているかのような感想を抱いていると、リューネは2階から降りてきた。
しかも足音は1つではなく、リューネの後ろに隠れている小さな影が見えた。
「紹介しよう。彼女はエルダー。私の数少ない友人の1人だ」
「は、はじめまして、エルダーなのです。よろしくお願いしますなのです」
階段を降り終えてアミナ達の座っている椅子の前へと立ったリューネは、自身の後ろに隠れていた少女を紹介した。
エルダーは頭を下げてアミナとメイの2人へと挨拶をした。
メイは「よっ」と軽く挨拶を返したが、アミナはそこにエルダーがいる事に驚愕して声が出なかった。
どういう事……?エルダーはあの小屋から動こうとしなかったんじゃなかったのか……?リューネさんの性格上、恐らく何度も家に呼ぼうとしていたハズだ。だが頑なに動かなかったのを、私がスキルを見せた事でついてくるキッカケになった。
アミナはまじまじとリューネの顔を見る。
ふにふにで柔らかそうな頬に、血色の良い肌。その小動物的な可愛さに思わず顔がトロけそうになるが、なんとか持ち直して思考を続ける。
時間が巻き戻っても大まかな事象は変わっていなかった。だけどエルダーがここにいるのは想定外だ。1度目も2度目も、どちらも私が関わっていた。それが少なくともエルダーが外に出る条件なのは、1度目と2度目を合わせて何となく理解出来た。だからこそエルダーがここにいる理由が不思議でならない。1度や2度起きた現象でも、変わる事があるのだろうか……。
アミナにジッと見つめられ、エルダーはあたふたとしていたが、それを苦笑いで返すリューネ。
そしてようやくハッとしたアミナは「あっ、すみません」と見つめていた事をエルダーに謝罪し、腕を組んだ。
「エルダーはアルダナ教となんか関係あんのか?」
「いや、その逆だ。アルダナ教と全く関係が無いからこそ、今回ここに呼んだのだ。しかしエルダーのアルダナへの信奉っぷりは並の信者の比ではないだろう」
リューネは自信満々に言った。
恐らくリューネとエルダーが出会った当初から、エルダーはアルダナを女神様と慕っていたのだろう。
その口振りから、随分前から言われ続けていたのが伝わってきた。
「それじゃあエルダー。君にはさっき説明した通り、アルダナ教への潜入をお願いしたい。頼めるだろうか」
「はい!お姉ちゃんがお迎えに来て、改めて出かけていった時にお願いされたので、エルダーもいっぱい考えれました!エルダーは女神様が大好きなので、それを悪い事に使っている人達を、コラって言いたいので、お姉ちゃんが言ってた、せんにゅうをやるのです!」
背筋をピンと伸ばして胸を張った。
そのあまりの可愛さにリューネは彼女を持ち上げて頬をスリスリとした。
もちもちで柔らかい肌がくっつき合い、それを見ていたアミナは真顔で手をワキワキさせた。
「リューネさん……私にも少し……」
「フフフ……これは私だけの特権なのさ」
指を曲げたり伸ばしたりしながらアミナは近づくが、リューネは全くエルダーを渡そうとせず、2人は微妙な距離感で、微妙な速度の追いかけっこを始めてしまった。
椅子に座って見ていたメイは再び大きなあくびをし、今夜の作戦会議はそこで幕を閉じた。
―――
家の中には、静けさが満ちていた。
メイとリューネが街の様子を見に出ていってから、まだそれ程時間は経っていない。
しかし、アミナにとってはすでに一刻ほど経ったような、妙に長い静寂だった。
「エルダーは無事潜入出来たでしょうか……」
この場でしてもしょうがない心配をしつつ、アミナは窓際の椅子に座っていた。
開けた窓から入る風は涼しく、薄く埃っぽい。風に揺れて棚の上の何かが微かにカサリと鳴る。
グラッツさんの目的は、何故か村の周囲を覆っている結界を破壊する事……。それに血の紋とは一体……。
そんな事を考えていても今は答えが出ない。
だが確実なのは、グラッツが何か大きな事をしでかそうとしているという事だけ。
何か対策を考えなければ。そう考えながら、アミナは家の中を無意識に見回した。
「そういえばリューネさんの家を散策した事はありませんでしたね……。少し見てみましょうか」
アミナはそう言って椅子から立ち上がった。
そこから少し、リューネの家の中を歩いてみた。
リューネの家は古風な建築で、石と木が交じり合った重厚な造りをしている。
家の中は整っていて、生活の痕跡がそこかしこにあった。干したばかりのハーブ、古びた本棚、煤けたランプ、使い込まれた椅子とクッション。
全てが落ち着いた色味でまとめられ、誰かの日常がそのまま封じ込められているようだった。
そんな中、アミナは2階にあったとある部屋が気になった。
入った事のないその部屋を少し遠くから見つめてみる。
――何か引っかかる。
理由の分からない違和感が、胸の奥でざらついていた。
外の音があまりに遠い。誰もいない部屋の空気がやけに澄み過ぎている。
アミナは手にしたカップを近くの机の上に戻し、部屋をそっと見渡す。
誰もいないと分かっているのに、息をひそめるように足音を殺しながら、部屋の奥へと進んでいく。
通された居間の奥の階段を上がり、少し狭い廊下の先に、小さな物置のような部屋があった。
扉は半分開いていて、中には整理された道具や古い本が積まれている。ぱっと見ではただの物置だ。
だが、アミナはふと足を止めた。
部屋の奥―――壁の一角だけ、何かが違う。
いや、全く同じ材質、同じ色合い、同じ木目のハズなのに、何かが違うと感じられた。それは職業柄と言って良いものか分からなかったがきっとそれだろう。
無意識の内に、視線がそこに吸い寄せられていた。
棚の裏側。少し空間が広い。奥行きがあるように見える。
アミナは棚に手をかけ、少しずつ押してみる。
ギィ、とわずかに音を立て、重い木製の棚が動いた。
埃が舞い、風の流れが変わる。
そこには、一枚の壁板がはめ込まれていた。
見た目は他の壁となんら変わりない。
だがアミナの目はその角の部分、ほんのわずかに浮いている縁を見逃さなかった。
手探りで縁に指をかける。冷たい木肌が指先に触れた。
力を入れてみると、パキ、と乾いた音を立てて、板がわずかに外れた。
その瞬間、ふわりと空気の流れが変わった。
閉じられていた場所から、長く封じられていた空気が漏れ出してくる。微かな鉄と墨の匂いが混じっていた。
アミナはゆっくりと板を引き抜いた。
その奥には、狭い通路のような空間が続いている。幅は人ひとり分。だが、奥に向かって階段が伸びていた。
「……隠し部屋」
独り言のように呟いて、アミナは足を踏み入れた。
足音を消すように慎重に階段を降りていく。階段の壁には薄暗いランプがかけられており、弱々しい光が進む先を照らしていた。
階段は十段ほどで終わり、重い扉の前に出た。
扉は金属製ではなく、木製の重厚な造りだった。
取っ手も鍵もない。だが、よく見ると扉の中心に小さな円形の飾りが埋め込まれている。アミナが触れると、その飾りがカチリと音を立てて回転し、内部で何かが動いた気配があった。
次の瞬間、扉はわずかに軋んでゆっくりと開いていく。
重い音とともに、室内の空気がアミナの前に流れ出た。
ほんのりと紙とインク、そして時間の経過を感じさせる微かな木の匂い。
目の前に広がったのは、想像よりも遥かに広い空間だった。
四方を壁に囲まれているにも関わらず、天井は高く、部屋の奥まで本棚がびっしりと並んでいた。
中央には巨大な机と椅子。その周囲には地図、手書きの書類、蝋燭立て、細工の施された文箱、古代語で書かれた本などが雑然と並び、空間全体に荘厳な緊張感が満ちていた。
「凄い……こんなにも本や紙が……」
第二大陸ではとても貴重な紙、それを使用した本。
安くても金貨数枚程するそれ等が大量にあった。
この部屋だけで一体いくらの価値があるのだろうか。
床は木製。歩けば音を立てそうだったが、アミナは一歩、また一歩と中へと進む。
光源は少ないのに、どこか部屋全体が柔らかく明るく感じられた。
ひとつの壁面には、大きな絵がかかっている。人影は描かれておらず、風景だけの静謐な画。
天井から吊るされた鎖にぶら下がる蝋燭の群れが、わずかに揺れていた。
机の上の書類には、見たこともない地名が書かれていた。
広げられた地図は、現在の世界地図とは違っていた。
壁にかけられた棚の一部には、封をされたままの箱が無数に並び、そのひとつひとつに印章が押されていた。
「……これは……」
声が、自然と消える。
アミナは部屋の中央に立ったまま、辺りを見渡した。
空気が重い。時が止まったようだった。
けれど、確かにここは存在している。
静謐で閉ざされた秘密の書斎が、そこに現れていた。
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