ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太

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雷鳴は思わぬ方角へ

第三章 54話『『元』究極メイド、話に花を咲かせる』

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 人生で未だ味わった事のない食事をし終えたアミナ達。
 時間もあっという間に過ぎて、流石の王都も静まり返っていた。
 そんな中、とある宿屋だけは他とは違い、少しの賑わいを見せていた。

「さぁーて、夜も更けってきたという事でお待ちかねのぉ―――」

 寝間着に着替えたケイが言った。
 ピンクの寝間着に胸元にある熊のアップリケが可愛らしく、子供っぽい彼女の体型によく似合っている。
 聞けばあれはギーラがやったものらしく、見た目の割に随分と器用らしい。

「―――夜のお楽しみの時間だぁぁ~~!」

「しぃ~っ」

 アミナにそうやられ、思わず大きな声を出してしまったケイは「ごめんごめん」と頭をかきながら言った。
 恐らく彼女はアミナと同様、同年代の同性と気さくに話せる機会が少ないのだろう。
 アミナ達にはこういった接しやすい態度で話してくれるが、レリックの英雄として持ち上げられている彼女達に対して一般人と同じ扱いをして話せる人は限られてくる。
 だから友達として話せるのが何より嬉しいに違いなかった。

「ンなもん良いから寝かせてくれに一票」

 両手で枕を作りながらメイが言った。
 それに対してエルミナも「そうだぞケイ。アミナさん達は来たばかりで疲れているハズだ。それは明日でもいいのではないか?」とケイを諭した。
 だがそれでも不満そうなケイは「む~~っ」と頬を膨らませて目をジトッとさせた。

「私は構いませんよ。皆さんとお話したいと思っていたので」

 アミナは微笑みながら了承する。ケイの気持ちが分かるからか、それとも自身もケイと同じ気持ちだからかは分からないが、この場にいる全員と話したいというのは本意だった。

「マジかよ……。まぁ、アミナが良いってんならいいけどよ。な、カルム。お前も混ざれ」

 右脇を下にし、頬に手をつく体勢になると、メイはカルムへと問いかけた。
 カルムは相変わらず警戒を怠っていないようで、自身の愛刀である赤刀・ダムネスを片手に持ったまま正座している。

「メイ様がそう仰られるのならば」

 数歩近づいてカルムも話し合いに参加する事となった。だが変わらず正座のままなのが少しだけ堅苦しくも感じられた。
 だがそうなっては、唯一堅苦しく場の空気を保ってくれそうなカルムもケイ側へと回ってしまった。こうなっては多対一となってしまう。
 その為エルミナも諦めて「分かった……今夜は語り明かすとしよう」と言って夜の女性陣による他愛もないお話が始まった。

「エルミナさん、ケイさん。私の家から出た後、何か変わった事はありますか?」

 最初にアミナが話題を投げた。
 その内容とは、コルネロ帝国での一件があった後、アミナの家に一時滞在していたエルミナ達が、アミナの家を出た後の話だった。

「そうだな……私達は普段通りに過ごしていたな。だが国王陛下はかなり怒っている様子でな。最初はアミナさんの家でダラダラしていて報告が遅れたのを怒っているのかと思ったのだが、家臣の人に訪ねた所、どうやらククルセイの国王が陛下に泣きついてきたらしくてな。それに対しての怒りがしばらく収まっていなかったらしい」

 とエルミナは答えた。
 それに続いてケイも「そうそう!」と少し興奮気味に言葉を続けた。

「玉座のある部屋なんだけどね、私達が帰った時には既に直ってたんだけど、地面にスキルか魔法を使った形跡が残っててね。その時全部察したね。私達が帰る前に何があったのか」

 ケイはそれを口に出すのも憚られるように身を震わせた。
 その先はアミナでも大体の見当はつく。恐らく、レリックの国王に泣きついたククルセイの国王は、いい加減痺れを切らしたレリックの国王にスキルか魔法で殺されてしまったのだろう。
 以前アミナは、初めてエルミナ達に出会った時に、ケイによってスキルを使っている事が見抜かれた事があった。その彼女がそう言うのならば、そう考えて間違いはないだろう。

「じゃあレリックの王様はスキル持ちなんですね。一体どんな能力なんでしょう」

「地面に痕跡が残るようなスキルはまぁ間違いなく攻撃系のヤツだろうな。燃やすか凍らすか切り刻むか。あるいは他に類を見ねぇ何かか」

「おっ、プロからの視点ですかな」

 ケイが茶化すように言い、メイは「派手な技は専門外だがな」と笑いながら答えた。
 しかしアミナは「よく言いますよ。地面を踏み込むだけで周辺をへこませるのに」とメイと戦闘した時の事を思い出して言った。
 それに続くようにカルムも「メイ様は魔法は使えませんが広範囲に対応する攻撃を複数持っています」とも続けた。メイのあのようなやり方は前々かららしい。

「そんな事あったんだ……そういえば私、アミナさんとメイさんの出会った話、手紙でしか見てないから、ちゃんと聞いてないかも」

「思えば私もだな。アミナさん、聞かせてくれないか?」

 エルミナにそう言われると、アミナの表情が一気に晴れる。ニヤリと悪そうな笑みを浮かべ、メイの顔をニマニマと見つめた。

「えぇ、いいですともいいですとも。教えて差し上げましょう。今より遥かに尖っていた、メイさんの話を……」

「はぁ、くだらねぇ。盛ったり嘘ついたらすぐに言うからな。お前等も話半分で聞けよ」

 メイは指を差して念の為に釘を刺すが、アミナもケイもエルミナも特に気にしている様子は無かった。
 呆れたメイは口出しする事を諦め、アミナが話すメイとの出会いに一応耳を傾けた。

「それじゃあ話しますよ。……あれは今から数ヶ月程前。スターターで収穫祭が行われ―――」



―――



「―――っと言った感じですかね。そんなメイさんも今や勝手に私の分の冒険者カードまで作ってくる始末。人間どうなるか、よく分からないですね」

 収穫祭での出来事を詳細に伝えると、エルミナもケイも目を丸くして驚いていた。
 何故なら、メイのそこの話だけを聞くと、完全なる犯罪者だからだ。だがそんな彼女の態度も今やアミナの言う通り丸くなっており、そこに一段と驚いた。

「メイさんってそんな感じだったんだ。まぁ、殺し屋って時点で何となく察してたけど、ホントに犯罪組織にいたなんて……」

「所属はしてねぇ。ただ金で雇われてただけだ」

「まぁ我々は衛兵でも騎士でもない。メイ殿の生き方を尊重するさ。メイ殿が強い理由も、何となく理解できたしな」

 エルミナもケイも特にメイを非難するような事は言わなかった。
 自由に生きる冒険者という職業は、他者の自由にも寛容という事なのだろう。

「って今さらっと冒険者カード作ったって言った?」

「はい。私の個人情報を勝手に持ち出して勝手にメイさんが作りました」

 何も言い返せないメイはアミナの言っている言葉を飲み込みながら聞いている。

「ならばアミナさん。明日は私達と仕事に行かないか?」

「えっ?」

「それいいかも!!」

 エルミナの提案にケイは大きく頷いた。

「正式に仕事を受ければ冒険者としての名も上がるし報酬も貰える。それに私は―――」

 そう言った時、エルミナの脳裏にとある思い出が蘇る。
 それは迷宮遺跡・ララバイにアミナと共に行った時の記憶だった。
 アミナとの決闘に負けたエルミナは、アミナをもてなすという事で冒険者としての仕事についてきて貰ったのだ。その時の旅や会話が、どこをとっても楽しい記憶だった。

「―――また貴女と共に、冒険がしたい」

 英雄と持ち上げられる人物にとって、楽に話せる相手というのはそうそういない。ケイが話したいと言っていた時にそう理解したアミナは、エルミナの思いも理解できた。
 だがカイドウに調べ物を任せっきりにしてしまうという罪悪感もゼロでは無かった。

 アミナが悩んでいるのを察したメイは、アミナの背中を押すように声を掛ける。 

「いいんじゃねぇか。言っちゃあれだが、私達に出来る事はねぇんだしよ。久し振りにダチと羽伸ばしてこい」

「メイさん……」

 メイの言葉に少し考えると、アミナは小さく頷いた。

「分かりましした。私も少しは以前より強くなっているハズです。足手まといにならないよう、頑張りますね」

 笑顔でエルミナへと答えると、ケイは子犬のように小さく飛び跳ねて喜んだ。
 先程は静かにしろ的なジェスチャーをしてしまったが、よくよく考えればいるのはここにいるメンバーと男性陣だけだ。騒いでも問題はないだろう。

「それじゃあ朝一でアミナさんに合う依頼を探しに行こう」

「そうだね。……じゃあそろそろ寝ようか」

 ケイはそう言ってベッドに潜った。潜った瞬間にもう寝息を立てており、その就寝速度はまさに子供のようだった。
 それを見て微笑ましくなった一同も布団に潜った。寝ようとしないカルムはメイが無理やりベッドに引きずり込んで睡眠を促した。


 皆が寝静まってからしばらく経過した。
 しかしアミナはなかなか寝付けずにいた。
 それは初めてここまでの人数で自宅ではない場所に泊まるからなのか、未だ興奮が収まらずに目が冴えてしまっていたのだ。
 
「……アミナさん、起きているか?」

 ふと静かに声がかけられた。エルミナの声だ。彼女も寝れていないようで、アミナが寝ていない事を悟ったのか、声をかけてきてくれた。

「はい、起きてます」

 周りを起こさないように小さく呟く。

「なぁアミナさん。明日って、いつからだと思う?」

「急ですね」

「まぁ、寝れない女の戯言だと思って聞いてくれ」

 その言葉を聞いてから微笑むと、アミナは少し考えてから言った。

「まぁ、時間が一周したらですかね……。定義的にはそれが明日になるとは思います。だから今も厳密に言えば明日では無く今日ですね」

 と言ってみる。
 エルミナはアミナの言葉に小さく頷き、言葉を返す。

「私はな、寝て起きた後にようやく明日って感じがするんだ」

「どうしてですか?」

「……いつからだろうな。1人で旅をしていた頃、魔物に襲われても良いようにと一睡もせずに起きていたんだ。ある日ふと、誤って寝てしまった日があってな。焦って飛び起きると、そこには何があったと思う?」

 唐突に問いを投げられる。
 恐らく野営をしてたであろう時に目の前に広がっている景色。アミナは色々考えてみるが、特に何も出てこず、「……野生動物……?」と自身無さ気に言った。

「答えは、ただの夜明けの光だった」

「夜明けの……光……」

「あぁ。今まで何も気にしていなかった夜明けが、寝て起きた後にそれを見ただけで、その印象が私の中で大きく変化した。そして自覚もさせられた」

 エルミナは宿屋の窓の方を向いて小さく呟く。

「明日とは、その夜明け前の暗闇を逆行し、乗り越えた者に訪れるのではなく。共に歩みを進めた者にのみ訪れる。そんな簡単な事を己の弱さに気付かされてしまった。……弱いのも、悪くはないな」

「……はい。そうですね」

 エルミナの言葉に、アミナは心の底から頷いた。
 今までアミナは、自身の弱い部分を注視し続け、そこを責め続けてきた。
 しかし、今のエルミナの言葉には、自身の経験の事も含まれていたが、同時にアミナに送る言葉のようにも思えた。

「……すまない。話し過ぎてしまったな。そろそろ寝ようか」

「はい、エルミナさん。おやすみなさい」

「アミナさんもな」

 そう言って2人はゆっくりと目を閉じて、その暗闇へと身を預けた。
 だがその間も、アミナはエルミナの言葉をゆっくりと噛み締め続けていた。
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