ウルティメイド〜クビになった『元』究極メイドは、素材があれば何でも作れるクラフト系スキルで魔物の大陸を生き抜いていく〜

西館亮太

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雷鳴は思わぬ方角へ

第三章 69話『聴覚』

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 本来静かであるハズの図書館に、永遠とも思えるような筆記音が単調かつ同じペースでただ反響していた。
 その様子を遠くから横目に見ている2人の人物がそれを見て呟く。

「す、凄い集中力ですね……」

「あぁ、開館直後から7時間。全く資料を読む速度と書き上げる速度が変わっていない。しかも昼時だってのに食事はおろか水分すら摂ってない。まるでその全てが無駄であるかのように本にかぶりつきだ……」

 彼等は王立図書館の門番とは別の、王立図書館のを見回り、警備している警備員だ。
 門番は外を、警備員は中を守っている。
 ファーマスの王立図書館には様々な情報が眠っている。国家機密に関わる事から、王女の好きなスイーツのレシピまで王国に関する事ならば何でも揃っている。

 だがそれ故に盗みを働く者も多く、そういう輩が資料を持ち出せないようにする為、侵入を阻止する門番が強いのは当然であり、仮に内部に侵入されたとしても、門番よりも強い魔導騎士団の団員である警備員が待ち構えている。
 街の住人からは時々『侵入されてしまった前提で警備を配置するな』と、不満しか発言できない反王政組織に言われたりしてきたが、国民からの支持が強い国王にすぐに弾圧された。

 彼等警備員はいなくなる時間帯が無く、常に厳戒態勢を敷き、交代中には騎士団の訓練に参加する。警備員はそれ程までのハードスケジュールをこなしている。
 だが、そんな彼等でも驚く集中力を見せているカイドウ。周囲の音は全く聞こえていない様子だった。

「でも、あれって良いんですか?」

「あれって?」

「いや、資料を書き写すのですよ。情報漏洩させない為に僕等警備員や門番がいるんじゃないですか」

 若い方の警備員が言った。
 確かに彼の言う通り、わざわざ同行者を付き添わせないようにしたりしているにも関わらず、カイドウが書き写しているのをもう1人の警備員は黙認している。
 するともう1人の少し年上の警備員が答える。

「お前は新入りだから知らないんだろ。確かに資料を持ち出したり盗み出したりするのは重罪だ。だけどあれはただ自分の頭の中にある事を書き出しているだけ。喋ってるのとなんら変わりない。読んだことを外に出て口にしないなんて誰が信用できる。だから紙や木に書いて持ち出すのは許されてんだ」

「でもそれじゃあ情報漏れたい放題じゃないですか」

「そうだな。でもそれじゃあ図書館を開いてる理由が無くなっちまう。国王様がわざわざ、国民に国の事を知って欲しくて、リスクを承知でやってくれてんのに、それじゃ報われねぇだろ」

「まぁ……確かにそうですね」

 若い方はあまり納得のいっていない顔をした。それを見た先輩の警備員はフッと笑って彼の頭を数回ポンポンと叩いた。まるで心配するなと言わんばかりの表情だ。

「安心しろ。ここに入るにはかなりの手間がかかる。それにあそこにいるあの人は―――」

「貴様!何者だ!」

 警備員が口にしようとした瞬間、何やら入り口の方で大きな叫び声が聞こえた。

「ここは許可のある者しか入る事は出来ない。入りたいのならば許可証と入館証を提示しろ」

「まぁまぁ、そんなに声を張り上げないで下さい。そんなに怒号を上げられると………下腹部がウズウズしてしまいますぅ」

 どうやら問題を起こしているのは女性らしく、言った通りに下腹部を押さえてモジモジとしている。

「な、何を言っているんだこいつは……」

「あぁ、すみません。私、過去の経験から男性から手をあげられたり追い詰められたりすると体が疼くようになってしまったのです。どうぞ、お気になさらず」

 女性の言葉に門番たちは混乱し、困惑する。顔を見合わせて何を言っているのだ、ともい言いたげな顔を突き合わせる。

「……ご心配をおかけしてしまい、誠に申し訳ありません。けれど、どうか今は、私の話に耳を傾けて頂けませんでしょうか。私の望みは、ただひとつだけです。――この王立図書館の扉を開けていただきたい。それだけなのです。確かに、あなた方が懸念されている通り、王立図書館に収められた書物の中には、国家にとって重要な情報や機密が含まれていることでしょう。そして、それらが外部に漏洩することは、この国にとって多大な損害となる危険性を孕んでいる。私がそのような場所へ立ち入ろうとすること自体、慎重に扱われるべき問題である事は重々理解しております。その点について、私自身の配慮が欠けていたことも否定できません。突然こうして押しかけ、信頼を築く前に願いを述べてしまったこと、それにより皆様の不安を煽ってしまった事……心から反省しております。そして、今この場で、その非礼をお詫び申し上げます。ですがそれでも……それでも私は、この図書館に入らせて頂きたいのです。私は、この国の人間ではありません。かつて、北の国で奴隷として生きていました。生まれた時から、自由というものに手が届かず、学ぶ事すら許されなかった人生でした。けれどこの今は幸いにも生きるという事を、選ぶ事ができるようになったのです。そして今、仲間たちと共に歩んでいます。彼等は、私に生きる意味を与えてくれました。だから私は、彼等の力になりたい。この国の力になりたい。誰かの悲しみを減らすために、どうしても知識が必要なのです。どうか、私がこの場所に入ることをお許しください。 勿論、私が得た情報を他国に渡すような行為は、決していたしません。約束いたします。私はその知識を、己の私利私欲のために使うつもりはございません。ただ、仲間たちと共にこの国を守り、より良い未来を築くためにこそ、使いたいのです。
私は、多くのものを失いながら、ようやくこの場所に辿り着きました。生まれた時から全てを持たぬまま、ここまで来ました。ですからどうか、どうかお願いです。この国でようやく手にしかけた小さな希望――ほんの小さな祝福を、私に与えていただけませんか。……それが、私の唯一の願いなのです」

 その言葉を持って、長々と講釈をたれた女の言葉は終わった。
 最後まで聞いたのも騎士の情か、それを聞き終わった門番は、「ペラペラとっ……!」と呟きながら、もうこの女には話が通用しないと思ったのか、彼女の言葉を無視し始めた。

「あら、何も言わないという事は私の考えをようやく理解されたのですね。素晴らしい、素晴らしいです!私は今猛烈に感動しています!理解され難いと分かっていながらも馬車馬のように動かなければならない私の言葉を、言動を、全て寛容な態度で受け入れてくださった。門番の皆様には感謝しかありません!!」

 女は勢いよく門番の眼前へと顔を間近に近づけ、頭を深々と振り下ろした。門番はそれを辛うじて回避すると、女は柱に頭を打ち付けた。
 血が溢れ、石造りの柱が砕け散る。その様子は外からも丸見えであり、ざわざわと噂をされている。
 だが女は変わらず何度も頭を打ち付け続け、血を流しながら笑顔を見せている。

「き、貴様!いい加減にっ―――」

 門番が痺れを切らして女へと手を伸ばした瞬間だった。
 何かが弾けるような音が鳴り響き、警備員たちも流石に図書館の外へと体を向け、腰に携えた剣に手をかけた。

「な、なんだ一体……!」

「いつもの馬鹿騒ぎって訳でもなさそうだな……」

 話し合っていた2人の警備員はジリジリと入り口へと歩み寄っていく。
 すると硬く閉ざされていたハズの扉が音を鳴らしながら開き、1人の影が入ってくる。

「何者だ!」

「あらあら、同じ質問をされてしまいましたね。それ程私が何をしに来たのか気になっているのでしょう。……ですが、1度伝えた事を同じ職種の方に再び伝えるというのは、情報の共有を疎かにしてしまいそうなので遠慮させて頂きます」

 警備員たちに頭を下げる。そして頭を上げると再び歩き出した。
 女のその態度と行いに痺れを切らした警備員は剣を引き抜いて斬りかかる。
 年上の警備員のその一太刀は一瞬にして女の体を斜めに斬り裂き、その半身を地面にボトッと重い音をさせながら落とした。

「普段引きこもりだのなんだの言われてる俺等だがよ。……情報の宝庫守ってんだ。普通の団員より強いに決まってるだろ」

 血を振り払って鞘へと刃を収める。
 そして振り返って後ろにいる後輩へと声を掛ける。

「すぐに詰め所に連絡しろ。こいつの脳を調べて、どこから来たか、何が目的なのかを明らかにするんだ」

「は、はい……!!」

 後輩の警備員は急いで駆け出す。警備員の職務室には通信用の水晶が設置されている。そこから詰め所にも王城にも連絡する事が出来る。
 それを知っている警備員が駆け出した時、彼の体は斜めに斬り裂けた。

「えっ……?」

 ドチャッと鈍い液体の音をさせながら、警備員は前のめりに倒れ、何が起きたかも分からないまま目を開けて死んでいた。

「な、何でだ!一体どうなって―――!!」

「いやぁ、連絡されては困りますねぇ。折角、外でお亡くなりになった門番の方々を見ていた方たちにも、口を噤んでもらったというのに……」

 その憎たらしい声には聞き覚えがある。つい先程、自身が斬り殺したハズの女の声だ。
 警備員は体中の毛穴から汗を吹き出させ、目を見開きながら振り返る。

「な、何故生きて―――」

 そう問いかけようとした瞬間には、全てが遅かった。
 視界が左右で分かれている。右目は視点が下がり、左目は少しだけ左側に偏っている。
 そんな不思議な光景を最期に目にしながら、残った警備員は顔を真っ二つに割られて死んだ。

「同じ質問は駄目です。大切な事なので1度しか言いません」

 片目を閉じ、人差し指を口の前に持ってきて呟く。女の足元には血の池が出来ている。
 地面に溜まった血に反射した自身を見て、女は何を思ったのか、焦燥に駆られるかのように突然しゃがみ込んで血を掌に乗せてから、頭の上に持っていき、頭から血を被った。

「あぁ……奇貨奇貨奇貨奇貨奇貨奇貨奇貨!!!!あれ程まで怒っていた男性の臓物……やはり暖かく心地よい……。……メルナスは勿体ないですねぇ、最近は気に入った人の血肉にしか触れていない。こんなにも素晴らしいというのに………」

 そう呟いて血を滴らせた。出血して間もない血は鮮やかだが赤くて黒い。
 だか彼女には一段と輝いて見えているかのようだった。

「あぁ………祝福とはまさに奇貨」

 そう呟いたかと思うと、彼女は小さな声で「奇貨奇貨奇貨」と呟き始め、その声は次第に大きくなっていく。

「奇貨奇貨奇貨奇貨奇貨奇貨ーーーーーッッッ!!」

 血を被りながらそう甲高く叫んだ。
 そんな様子を遠くの机の影から見ている1人の男がいた。彼は隠れながらその女の同行を見つつ、ひたいに汗をかいて驚愕していた。

何何何あれ……!!あの女の人警備員の人を一瞬で……!!それにメルナスって……僕を撃ち抜いた魔人会の幹部の名前だ……!!

 カイドウは目だけを向けて女を見る。
 相変わらず血を浴び、臓物を抱き締めている。しかしその体には血液一滴ついておらず、頬を紅潮させながら血の池に座っている。

と、とにかく急いでアミナさんの所に戻らないと……!まだカチューシャを見つけれてないけど、この事をアミナさん……いや、アミナさんは今エルミナさんと仕事に行ってるから駄目だ。メイさん……はどこにいるか分からない。………そうだ!!騎士団の詰め所の方が近い。ガヴェルドにこの事をすぐに―――

 振り向いて立ち上がろうとすると、そこには青い髪の毛を爛れさせ、右頬に傷のある女がカイドウの顔を覗いていた。

「おや、とてもハンサムなお兄さん。どちらに向かわれるのですか?」

「……!!」

 カイドウは振り返って血溜まりを見る。
 そこに先程の女の姿はなく、一瞬にして自身の目の前に現れたのだと知る。

「おや、どうしたのですか?そんなに恐怖に染まった顔をして……」

 カイドウに顔をめいいっぱい近づけ、大きく見開かれた目と目を触れ合わせた。眼球が触れ合う感触が気持ち悪いハズだが、何故かカイドウは何も感じず、行われているという事実に恐怖するだけたった。
 あまりの驚きと恐怖にカイドウは動けずにいると、女は手をパンッと大きく鳴らしてから思い立ったように口を大きく開いた。

「あぁ、そうでしたそうでした!!相手を知るにはまずはご挨拶でしたね。私とした事が失念していました」

 女は数歩飛び退いて丁寧に足を合わせると、カイドウに向かって頭を下げてお辞儀した。
 その所作は丁寧で、まるでどこかで仕込まれたかのようにすら感じられる。

「私は魔人会最高幹部、天魔六柱が1人。『環害』のフォルネウス・ベルーラ、と申します」



 耳から、恐怖が流れ込んできた音がした。









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