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情報漏洩
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「よう。遅かったな」
まるでこのタイミングで来ることを予期していたかのように、いや予期していたのだろう神ノ原はそう言った。
「まずはいい情報を話してやろう。小野坂圭吾は今回来ていない」
「何でだ?」
「俺と戦ったからだ。こっちも死にかけたがあっちも死にかけだ。だが俺には治癒能力がある。お前の彼女には劣るがな。だからこの短時間で復活できたわけだが奴には治癒能力がない。よって復活は不可能だ」
これは朗報だった。小野坂は組織の大型戦力だ。あいつ一人いるだけで詰んでいるまである。最大の障害だ。だがそれが無くなったとなるとこちらには神様もいることだし問題ないのではないか?
「ここから悪い情報だ。俺は復活したが万全ではない。力はほとんど使えないと言ってもいい。実際今はお前らの心を読むのも難しい」
「朝何とかしてやると言ったのはどこの誰だ?」
「知らん。どこの誰だ?」
しらばっくれやがった。噓つき神様がいるのだとしたらこいつのことなのかもしれない。
「それとお前らの情報が漏れているぜ」
確かに。言われてみればそうだ。組織はなぜ今日になって佳華を捕まえようとしたのだ?三ヶ月間も放置しておいて。デートで彼女の気が緩むところを狙ったのか?それとも今日を逃せば彼女は消えてしまうからか?どちらにせよなぜこれらの情報を知っている?
答えは簡単だ。情報が漏れている。今日デートに行くことも彼女が消えてしまうことも。全部。どこから漏れた?佳華がベラベラ話すとも思えないし僕に至っては話す相手がいない。
「まあそれは後々考えるとして今はこれからどうするかだ。情報が漏れているとするとここがばれている可能性も高い。とりあえず確かに奴らの状況を確認しに少し飛んでくる」
と言って神ノ原は神らしく上空へ舞い上がっていった。
「なあ佳華。情報が漏れていた件どう思う?」
「そうね。あっちに心を読む能力者がいたとか、かしらね」
「成程」
組織は能力者の敵というイメージが強かったため奴らに協力する能力者がいるという可能性を自然と捨てていた。盲点だったな。
「悠斗君は何かある?まああなたに考える脳みそがあればの話だけど」
「僕を馬鹿にするのも大概にしろ。こう見えても化学は学年二位だぞ」
言ってやったと思った。だが言ってやれてなかった。
「私は百点をとって堂々の一位よ」
「だからいくらいい点数をとっても二位だったのか……」
謎が解けた。できれば解きたくない謎だった。真実とは残酷だ。
「それより情報漏洩の件だったか。例えばそうだな。ここ三ヶ月の間でたくさん話すようになった奴とか怪しいんじゃないか?」
ん?ここ三ヶ月間でたくさん話すようになった相手?とある人物のことが頭に浮かんだが忘れることにした。
「まあ僕が話す相手とかお前ぐらいだし関係なさそうだな」
まさかな。あるわけがない。だってあいつの能力は……、いやそれが始めから嘘だったとしたらどうなる。
「お前ら喜べ」
と言いながら神ノ原は神らしく天から舞い降りてきた。
「どういうわけかあいつら別の建物に入っていきやがった。隣町まで行くのなら今がチャンスだ」
「なあもしかしてその建物ってこことよく似た感じの建物か?」
「そうだがそれがどうした?」
一瞬、最悪の可能性が頭をよぎった。絶対にあってはならない可能性だったが全ての辻褄があってしまう。駄目だ。こんな結末があっていいわけがない。
そう思った時にはすでに僕の足は動いていた。くそみたいな結末を変えるために。
まるでこのタイミングで来ることを予期していたかのように、いや予期していたのだろう神ノ原はそう言った。
「まずはいい情報を話してやろう。小野坂圭吾は今回来ていない」
「何でだ?」
「俺と戦ったからだ。こっちも死にかけたがあっちも死にかけだ。だが俺には治癒能力がある。お前の彼女には劣るがな。だからこの短時間で復活できたわけだが奴には治癒能力がない。よって復活は不可能だ」
これは朗報だった。小野坂は組織の大型戦力だ。あいつ一人いるだけで詰んでいるまである。最大の障害だ。だがそれが無くなったとなるとこちらには神様もいることだし問題ないのではないか?
「ここから悪い情報だ。俺は復活したが万全ではない。力はほとんど使えないと言ってもいい。実際今はお前らの心を読むのも難しい」
「朝何とかしてやると言ったのはどこの誰だ?」
「知らん。どこの誰だ?」
しらばっくれやがった。噓つき神様がいるのだとしたらこいつのことなのかもしれない。
「それとお前らの情報が漏れているぜ」
確かに。言われてみればそうだ。組織はなぜ今日になって佳華を捕まえようとしたのだ?三ヶ月間も放置しておいて。デートで彼女の気が緩むところを狙ったのか?それとも今日を逃せば彼女は消えてしまうからか?どちらにせよなぜこれらの情報を知っている?
答えは簡単だ。情報が漏れている。今日デートに行くことも彼女が消えてしまうことも。全部。どこから漏れた?佳華がベラベラ話すとも思えないし僕に至っては話す相手がいない。
「まあそれは後々考えるとして今はこれからどうするかだ。情報が漏れているとするとここがばれている可能性も高い。とりあえず確かに奴らの状況を確認しに少し飛んでくる」
と言って神ノ原は神らしく上空へ舞い上がっていった。
「なあ佳華。情報が漏れていた件どう思う?」
「そうね。あっちに心を読む能力者がいたとか、かしらね」
「成程」
組織は能力者の敵というイメージが強かったため奴らに協力する能力者がいるという可能性を自然と捨てていた。盲点だったな。
「悠斗君は何かある?まああなたに考える脳みそがあればの話だけど」
「僕を馬鹿にするのも大概にしろ。こう見えても化学は学年二位だぞ」
言ってやったと思った。だが言ってやれてなかった。
「私は百点をとって堂々の一位よ」
「だからいくらいい点数をとっても二位だったのか……」
謎が解けた。できれば解きたくない謎だった。真実とは残酷だ。
「それより情報漏洩の件だったか。例えばそうだな。ここ三ヶ月の間でたくさん話すようになった奴とか怪しいんじゃないか?」
ん?ここ三ヶ月間でたくさん話すようになった相手?とある人物のことが頭に浮かんだが忘れることにした。
「まあ僕が話す相手とかお前ぐらいだし関係なさそうだな」
まさかな。あるわけがない。だってあいつの能力は……、いやそれが始めから嘘だったとしたらどうなる。
「お前ら喜べ」
と言いながら神ノ原は神らしく天から舞い降りてきた。
「どういうわけかあいつら別の建物に入っていきやがった。隣町まで行くのなら今がチャンスだ」
「なあもしかしてその建物ってこことよく似た感じの建物か?」
「そうだがそれがどうした?」
一瞬、最悪の可能性が頭をよぎった。絶対にあってはならない可能性だったが全ての辻褄があってしまう。駄目だ。こんな結末があっていいわけがない。
そう思った時にはすでに僕の足は動いていた。くそみたいな結末を変えるために。
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