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第2章「ほのぼの冒険者ライフ」
03,魔族討伐に出発
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「討伐対象はザルバ種かぁ。これはちょっときついわね」
「今回は複数パーティーで当たるんだ。うまく連携できればなんとかなるんじゃないのか?」
「あれはずる賢いからね。油断するとかえってこっちが分断されるわよ」
ギルドが用意した幌馬車のなかで、トリーシャとチャドが中心になって作戦会議中。
本来ならもっと準備に時間をかけるのだろうが、今回は移動しながら話し合いになっている。
報告からザルバ種という危険度Sクラスの魔族である可能性が高いと判断されたからだ。
王都にいた階梯1級以上の冒険者パーティーは総出で駆り出されて、緊急出発となった。
「ねぇ、カズマはザルバ種との戦闘経験ある?」
トリーシャの問いかけに応えて頷く。
今、俺はかなり嫌そうに顔をしかめている自覚があった。
「一応ある。けど、正直あまりやり合いたくない相手だなぁ」
「やっぱりそうよねぇ」
周りの皆も深い溜め息をついていた。
ザルバ種というのは地球で例えるなら類人猿型の魔族で、銀色の毛並みをしたオランウータンのような姿をしている。
魔力と知能が非常に高く、魔術と得意とする。反面、身体能力はそれほどでもない。
これだけならせいぜい危険度Bクラスなのだが、やっかいなのは必ず5、6体ほどの集団で行動し、連携して襲ってくること。
しかも残忍で狡猾なのだ。
前の世界で戦ったが、それはもういやらしい攻撃を集団でしてくる。
足止め、闇討ちは当たり前。
毒や麻痺といった状態異常魔術はてんこ盛り。
少しでも弱いところを見せればつけこんでくるし、死んだふりも、囮も、騙し討ちもやりたい放題。
罠を仕掛けてみたり、人質をとってみたり、伏兵してみたり。
言いたくはないけれど、要するに人間の狡猾さをそのまま持ってるんだよなぁ。
良心や倫理観の枷がまったくない極悪非道な犯罪者パーティーを相手にするようなもので、絶対に油断できない。
対人戦争と同じように、策の読み合い、つぶしあいになるから、本来は冒険者より正式な軍隊や騎士団のほうが討伐に適しているんじゃないかな、と思う。
「イネスはどう見る?」
「すでにイヤな予感がするぜ。そもそもギルドに報告したヤツも泳がされたんじゃねぇか?」
「その可能性も捨てきれないな。人族をおびき寄せるつもりか? だとするとラトールの村はすでに……」
「いいえ、ギルドによると、たまたま依頼があって1級のパーティーが逗留しているらしいわ。ザルバ種が1グループだけなら、防衛は不可能ではないと思う」
「そのパーティーがザルバ種との戦闘経験があれば、だな」
情報がなさすぎて、いまいち判断しきれない。
村が無事でも、そうでなくても、このままラトール村に行くと待ち伏せされている可能性もある。
他パーティーとも話し合って、少し道を外れて集合し、そこから偵察を入れて判断することにした。
村の状況次第では、数に頼んで力押しでいくしかないかもしれない。
もしその逗留パーティーがすでに破れていて、村が襲われた後だとすると、十中八九人質を取られているだろう。
あの魔族なら絶対にそうする。
本当に厄介なんだよ。あれに比べれば、前回戦ったトカゲのようなリンド種のほうがまだやりやすい。
「……こんな時にラドルがいればなぁ」
思わずぼやく。
前世界で魔王と戦った時、俺達パーティーの参謀はラドル爺さんだった。
伯爵として領地を統治し、戦争では有能な指揮官でもあったラドルは、俺達のなかでもっとも経験が深く、洞察力と判断力を持っていた。
……106回も死んだ俺も人の数十倍の経験をしているはずなのに、策略とか情報戦というのはプラスアルファが必要みたいだ。ラドルの足元にも及ばなかった。
怪しいものを嗅ぎ分ける危機判断や、直接戦闘における戦術には、それなりに自信ができたんだけどなぁ。
参謀や軍師には絶対になれそうもない。
「カズマはラドル殿を知っているのか?」
俺のつぶやきを聞きつけて、静かな声で問いかけてきたのはブラムだった。
……やはりそうなのか、と1人納得する。
「いや、知り合いってわけじゃない。知将って聞き及んでいたから、この場にいてくれたら安心できるのになぁって思っただけだよ」
「……そうか。失礼した」
そう言ったきり、いつものように無言で目をつぶるブラム。
俺も戦闘に備えて身体を休めながら、心の中ではやや興奮気味だった。
そうか。やっぱり「この世界のラドル」がいるのか。
するとコリーヌとマーニャもいるはずで、ますます魔王討伐をした英雄パーティーは彼らの可能性がでてきた。
この討伐が終わったら、少し調べてみよう。
これが第2のフラグに繋がるかまだ分からないけれど、とりあえずやるべきことが見えてきた気がした。
「今回は複数パーティーで当たるんだ。うまく連携できればなんとかなるんじゃないのか?」
「あれはずる賢いからね。油断するとかえってこっちが分断されるわよ」
ギルドが用意した幌馬車のなかで、トリーシャとチャドが中心になって作戦会議中。
本来ならもっと準備に時間をかけるのだろうが、今回は移動しながら話し合いになっている。
報告からザルバ種という危険度Sクラスの魔族である可能性が高いと判断されたからだ。
王都にいた階梯1級以上の冒険者パーティーは総出で駆り出されて、緊急出発となった。
「ねぇ、カズマはザルバ種との戦闘経験ある?」
トリーシャの問いかけに応えて頷く。
今、俺はかなり嫌そうに顔をしかめている自覚があった。
「一応ある。けど、正直あまりやり合いたくない相手だなぁ」
「やっぱりそうよねぇ」
周りの皆も深い溜め息をついていた。
ザルバ種というのは地球で例えるなら類人猿型の魔族で、銀色の毛並みをしたオランウータンのような姿をしている。
魔力と知能が非常に高く、魔術と得意とする。反面、身体能力はそれほどでもない。
これだけならせいぜい危険度Bクラスなのだが、やっかいなのは必ず5、6体ほどの集団で行動し、連携して襲ってくること。
しかも残忍で狡猾なのだ。
前の世界で戦ったが、それはもういやらしい攻撃を集団でしてくる。
足止め、闇討ちは当たり前。
毒や麻痺といった状態異常魔術はてんこ盛り。
少しでも弱いところを見せればつけこんでくるし、死んだふりも、囮も、騙し討ちもやりたい放題。
罠を仕掛けてみたり、人質をとってみたり、伏兵してみたり。
言いたくはないけれど、要するに人間の狡猾さをそのまま持ってるんだよなぁ。
良心や倫理観の枷がまったくない極悪非道な犯罪者パーティーを相手にするようなもので、絶対に油断できない。
対人戦争と同じように、策の読み合い、つぶしあいになるから、本来は冒険者より正式な軍隊や騎士団のほうが討伐に適しているんじゃないかな、と思う。
「イネスはどう見る?」
「すでにイヤな予感がするぜ。そもそもギルドに報告したヤツも泳がされたんじゃねぇか?」
「その可能性も捨てきれないな。人族をおびき寄せるつもりか? だとするとラトールの村はすでに……」
「いいえ、ギルドによると、たまたま依頼があって1級のパーティーが逗留しているらしいわ。ザルバ種が1グループだけなら、防衛は不可能ではないと思う」
「そのパーティーがザルバ種との戦闘経験があれば、だな」
情報がなさすぎて、いまいち判断しきれない。
村が無事でも、そうでなくても、このままラトール村に行くと待ち伏せされている可能性もある。
他パーティーとも話し合って、少し道を外れて集合し、そこから偵察を入れて判断することにした。
村の状況次第では、数に頼んで力押しでいくしかないかもしれない。
もしその逗留パーティーがすでに破れていて、村が襲われた後だとすると、十中八九人質を取られているだろう。
あの魔族なら絶対にそうする。
本当に厄介なんだよ。あれに比べれば、前回戦ったトカゲのようなリンド種のほうがまだやりやすい。
「……こんな時にラドルがいればなぁ」
思わずぼやく。
前世界で魔王と戦った時、俺達パーティーの参謀はラドル爺さんだった。
伯爵として領地を統治し、戦争では有能な指揮官でもあったラドルは、俺達のなかでもっとも経験が深く、洞察力と判断力を持っていた。
……106回も死んだ俺も人の数十倍の経験をしているはずなのに、策略とか情報戦というのはプラスアルファが必要みたいだ。ラドルの足元にも及ばなかった。
怪しいものを嗅ぎ分ける危機判断や、直接戦闘における戦術には、それなりに自信ができたんだけどなぁ。
参謀や軍師には絶対になれそうもない。
「カズマはラドル殿を知っているのか?」
俺のつぶやきを聞きつけて、静かな声で問いかけてきたのはブラムだった。
……やはりそうなのか、と1人納得する。
「いや、知り合いってわけじゃない。知将って聞き及んでいたから、この場にいてくれたら安心できるのになぁって思っただけだよ」
「……そうか。失礼した」
そう言ったきり、いつものように無言で目をつぶるブラム。
俺も戦闘に備えて身体を休めながら、心の中ではやや興奮気味だった。
そうか。やっぱり「この世界のラドル」がいるのか。
するとコリーヌとマーニャもいるはずで、ますます魔王討伐をした英雄パーティーは彼らの可能性がでてきた。
この討伐が終わったら、少し調べてみよう。
これが第2のフラグに繋がるかまだ分からないけれど、とりあえずやるべきことが見えてきた気がした。
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