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「モニカ嬢! あなたに対し婚約破棄を宣言する!」
わたしは、幼少の頃、神殿で誓約した正式な婚約者であるわが身に対し非礼にも人差し指を突きつけ、極度に興奮した様子で、そう、告発と断罪の言葉を叫んだ王子を冷ややかな視線で見返した。
王子の容姿はきわめて美しい。わたしはその冷たく蒼い切れ長の瞳も、豊かな黄金色の頭髪もとても好きだった。
しかし、いま、わたしに対する敵意を満面にみなぎらせてわたしの悪行を次々と告発して来るその姿は、どうしても好きになれそうにない。
悪い人ではないのだと、わかってはいる。ただ、あまりに素直で信じやすい性格であるだけなのだ。
しかし、お人好しの彼はこのそれぞれの利害が対立する状況にあって、一方の「被害者」の言葉だけを、鵜呑みにしすぎてはいないだろうか。
いくら、いま、その「被害者」に恋をして、まさに盲目の状態になっているとしても。
「モニカ・ダンデライオン公爵令嬢、あなたはここにいる聖女ユウナに対して延々と加虐行為を続け、教えるべきことを教えず、伝えるべきことすらも伝えなかった。ユウナは遠い異世界からやって来た孤独な身であり、本来なら親切に接してもらえるべき哀れな立場であるにもかかわらず、あなたは嫉妬から攻撃したのだ。これは許されるべからざる罪である。よって、あなたとの婚約はこれまでだ。何か云いたいことはあるか!」
「何も」
わたしは小さく吐息すると、静かに答えた。
「何もありません」
「何だと?」
王子はいささか訝しげな様子で、端正な眉をひそめた。
「それは告発された内容をすべて認め、反省し、罪をつぐなう意思があるということか?」
「いいえ」
初めて、決然と王子を見つめる。
その視線の勁烈さに、王子は、わずかに怯んだようだったが、それでもきつく見返して来た。
その敵意の強さが何とも哀しくて、わたしは少し心が折れそうだった。しかし、この展開は以前からいつか訪れるとわかっていたことだったので、すでに覚悟はできていた。
「いいえ、その告発を認めるつもりはありません。それに、それらはそもそも法で禁じられた罪にあたるわけでもないでしょう。ただ、あなたがわたしをそのように一方的に断罪なさるのなら、これ以上の婚約関係を続けても無意味だと認識しただけです。殿下」
いま王子が滔々と読み上げた「悪行」に関しては、わたしのほうにもいくつも云い分がある。
その大半はユウナによって捏造されたものだし、残りも微妙な解釈の問題でしかない。
少なくともわたしにはそう思えるのだが、そんなことを彼に云ってみてもしかたないだろう。
王子の心はわたしにいじめられたと控えめに(彼女はいつも控えめなのだ)告発した異世界からやって来た少女ユウナのことですべて占められている。
それが、ユウナの個人的な魅力によるものなのか、それとも何か超常の力が関与しているのかはわたしにはわからないが、とにかく王子はユウナにひと目惚れし、それから婚約者であるわたしのことを憎むまでになった。
ユウナが「魅了チート」などと、意味がわからない言葉を自慢げに口にしているところを偶然聴いてしまったこともあるが、その真意はどうでも良い。
いずれにしろ、もうわたしには関わりがなくなる人たちなのだから。
「そうか」
王子は一段高い壇上から忌々しそうにわたしを見下ろした。
「罪を認めないことは不届きだが、婚約解消を受け入れる態度は殊勝である。良かろう。これで済ませてやろうではないか」
「わかりました。最後にひとつだけお伺いしてもよろしいでしょうか」
「何だ?」
王子は怪訝そうにわたしを見つめた。
かつて、たしかにある程度の愛情と信頼が込められていたと思えたその蒼い双眸には、いま、紛れもなく敵意と疑惑しか感じ取れない。そのことが、少しだけ哀しかった。
あるいは、ユウナに魅了されてしまっているからそうなっているのかもしれないが、すべてがユウナのせいというわけでもないだろう。
この人は、もともと、わたしのことをそれほど可愛いとは思ってはいなかったのだ。
幼い頃からあまりに有能すぎ、美貌すぎ、完璧すぎて可愛げがないと何度いわれたことだろう。
女はもっと控えめに、自分を出さずに振る舞うものだ、それが女らしさの美徳なのだと何度告げられたことだろうか。
わたしはそれらの批判をすべて蹴り倒し、ここまで生きて来た。
だが、それは王子にしてみれば劣等感をそそられるものだったのだろう。
男というものは、自分より遥かに聡明な妻など持ちたいとは思わないものなのかもしれない。その気持ちは、わからないでもない。
良かったですね、王子。こんなわたしと離れることができて。
わたしはすぅっと大きく息を吸うと、ほとんどひと息に言葉を吐き出した。
「あなたもご存知のように、この王国の財政基盤はわが公爵家の領地に大きく依存しています。王子、あなたはわたしと婚約解消することで公爵家から見限られたなら、この後、どう国を経済的に成り立たせてゆくつもりなのですか?」
「そ、それは――」
王子は目に見えてあせった。
まさか、その程度のことも考えていなかったというのだろうか? 美しい人形のようなその頭は空っぽなの?
そうね、いつもわたしに対して、きみはあまりに賢すぎて頭でばかりものを考えようとする、と云っていたものね。
「さらに加えて述べるなら、わが公爵家はもともと王家とは独立した領邦でした。わたしたちの婚約は、その両者を結び付けようという意図のもとで成されたいわば政略婚約です。それを、あなたおひとりのご意思で解消してしまうことが、どのような意味を持っているのかわかっているのですか? この茶番にしても、国王陛下の承諾は得たの?」
「う、うるさい!」
王子は答えに窮して、感情的に腕を振るった。
「そんなことは、これから考えれば良いことだ。父王陛下のお言葉もいまから得れば良いだけのこと。モニカ嬢、あなたごときが差し出口を叩くべきことではない!」
「そうですか」
わたしはいよいよ自分の心が冷え冷えと凍りついていくことを感じながら、何の権利があってか、王子である恋人の横に佇み、壇上から嘲けるようにわたしを見下ろしてくる〈聖女〉に視線を向けた。
「ユウナさん」
「な、何よ」
少女は怯えたように視線を逸らした。
わたしがただ一方的に告発され、断罪されるところを見物することは愉快でも、わたしと対等に言葉を交わす勇気はないらしい。
「王子に随分と色々なことを吹き込んでくれたわね。そう、遠い異世界からやって来て、たったひとり、頼るあてもないあなたに対して、わたしはたしかに十分に優しく振る舞ったとは云えないかもしれません。そのことは謝るわ。ごめんなさい。でも、宮廷に入り、聖女になることを望んだのは、あなた自身よ。だからわたしはあなたに聖女としての振る舞い方を教えてさしあげなければならなかった。あなたにとっては、辛いことだったとしても、この国にもこの国なりのやりかたがあるのです。あなたは、それに耐えるべきだった。それができていたなら、恋は自由、わたしも王子のことはあきらめていたでしょう。でも、あなたは権利だけを取り、義務を投げ出した。そのことについてどう考えていますか?」
「そ、そんなことないわ。それは、その――殿下!」
ユウナはいかにも可愛いらしい小動物のような動作で、媚びを売るように王子の腕にすがりついた。
わたしにはどうしても選ぶことができなかった態度だ。もしわたしがああいうふうに接していたなら、王子も少しはわたしのことを可愛いと思ってくれただろうか。愛情を注いでくれただろうか。
いや――いまとなっては、それもまた、愚かな未練でしかない。
「モニカ嬢」
王子はいまや本物の憎悪を込めて、わたしを凝視した。
だれかから真実を告げられるとその告げた人間を憎む人種がある。どうやら、この人もその種の人間だったようだ。
「もはやあなたに告げる言葉はない。あなたに少しでも改悛する気持ちがあったなら、こちらにも選ぶべき態度があったのだが、どうやらそれは望み過ぎのようだ。さあ、悪意の令嬢モニカ! いますぐこの広間から出て行くが良い! そして、二度とここには戻って来るな!」
広間は、しんと静まり返った。
何十人もの王侯貴族たちが、王子とわたしの一挙一動を興味深そうに見つめている。
そのなかにはわたしに対する同情の視線も含まれていたかもしれないが、わたしにとってはほんとうにどうでも良いことだった。
他人がどう思おうと、わたしはわたしの道を往く。それはいままでどうしても枉げることができず、そしてこれからも生涯を通して枉げるつもりのない、わたしの誇り、わたしの意思だった。
それを王子が悪と呼ぶのなら、悪でも良い。
自分の正しさを貫くとき、べつのだれかの物語では悪役となることは避けられない必然なのだから。
そう、だから、もし人がわが生き方を問うたなら、わたしはあえてこう名乗るだろう。
悪役令嬢、と。
わが名は、歴史に、異世界から召喚された聖女の陰謀の哀れな犠牲者ではなく、どこまでも高貴に、誇り高く生きた孤高の悪役令嬢モニカと記載されるべきなのだ。
故に、わたしは枉げぬ。撓めぬ。
たとえ、人がどのように謗ったとしても、わが正義を貫いてみせる。
後世の人は、わたしのこの生き方を見て、どのようなことを思うだろうか。
「失礼します」
わたしは王子のまえで一礼して、ゆっくりとその場から歩み去った。
わたしの背中に、王子の憎々しそうな視線と、聖女の、すっかり自分の勝利を確信したのであろう失笑とが向けられることを感じたが、それでも、わたしは決しては背後を振り返ることはなかった。
◆◇◆
「モニカさま!」
それからしばらくして、王宮を去り、侍女たちとともに馬車に乗り込もうとしたわたしに声をかける者があった。
藍色のドレスに華奢な肢体を包み込んだ小柄な女性だ。
「ヴァネッサ、どうしたの?」
わたしの古い友人であるその少女、伯爵令嬢ヴァネッサ・トリノパルディは、可愛らしい顔を憤懣やるかたないといった表情に歪めていた。
「どうしたの、じゃありません! こんなのあんまりです!」
彼女はくやしそうにぎゅっと拳を握りしめた。
「あの娘、こともあろうに王子さまを誘惑するなんて。モニカさまは異世界からやって来て孤立しているあの子に対し、だれよりも親切に振る舞って、あの子が生意気な態度でまわりを敵にまわしつづけても、たったひとり守ろうとしてきたのに。それなのに、こんな、こんな――」
「ヴァネッサ、ありがとう」
わたしはついに泣きじゃくりはじめた少女に向かって、静かに白い手巾《ハンカチ》を差し出した。
ヴァネッサはそれで涙を拭いたが、怒りとくやしさはまったく収まっていないようだった。
わたしは幸せ者だ、と改めて思った。わたしのために泣いてくれる友人がいるのだから。それで十分。そうではないか。
「でもね、恋愛は自由に許されていることなのよ。誰もあの子を責められはしないわ。その、わたしの罪を捏造したことはちょっと許せそうにないけれど、でも、それも、自分の身を守るためだったのかもしれない。だれがどう考えても、あの子にとっていちばん大きな敵になりそうなのはわたしなのだから」
「モニカさま、お優しすぎます」
ヴァネッサは怒りでその目を爛々と輝かせた。
「そうだ、王家に対し、この件で正式な抗議をしましょう。モニカさまが仰る通り、王家は財政的に公爵家に大きく依存しています。もし、公爵家が王家に対し経済的な圧力をかけたら、王家だってただじゃ済まないはずです。それに、モニカさまがこんな目に合わせられたと知ったら、公爵領の貴族たちも、民衆たちもみんな激怒することでしょう。王国からの独立騒動になるかもしれません。そうしたら、王国だって成り立たない。王家のほうから必死になって謝って来るはずです。そのときは、その謝罪を断ってやりましょう。そのくらいのことはしても当然です。モニカさまのほうこそ、被害者なんですから」
「そうかしら?」
その応答に、ヴァネッサは不思議そうにわたしの顔を見つめた。
「モニカさま?」
「おかしなことね。わたしは自分のことを被害者だなんて考えもしなかった。そもそも何をどうされたら被害者で、どうしたら加害者なのかしら? 簡単に決められることじゃないと思わない? わたしはね、ただ誇り高く生きたいと思うの。くやしくないわけじゃない。怒っていないわけじゃない。でも、そのくやしさを、怒りを、あの人たちにぶつけてそれで破滅させてやったとしても、わたしの心は晴れない。それだけのことよ」
「モニカさま……」
「なんて、ちょっと格好良すぎるわね。ヴァネッサ、だれよりも早く来てくれたあなたにだけ、ひとつ、わたしの秘密を伝えておきましょう。内緒よ」
わたしは指を一本立てて、ヴァネッサに向けていたずらっぽくほほ笑みかけた。
「ほんとうはわたし、哀しくて寂しいの。ほんとうのことをいえば、誇り高さなんてどうでも良いから、王子に泣いてすがりたかった。わたしを捨てないで、わたしを、わたしだけを愛してって。そのくらいには、わたしはあの人が好きだったから。でも、公爵家の令嬢として、それはできなかった。そんなことをしたら、それこそ大問題になる。わたしは、こんなときでも、理性より感情を優先することができなかったの。わたしは、そういう女。それでいて、内心では相変わらずこんなことを考えてもいるの。そうね、ヴァネッサ。わたしはいま、とても哀しいわ。だって――」
このとき、ふいに、ヴァネッサの顔を含む視界全体が、わずかに歪んだ。
「わたし、ふられちゃったんだもの」
わたしの右の瞳から、いまさらようやく、ひと筋の涙の雫が、すうっと頬を伝わって落ちた。
感情のない女、〈氷のモニカ〉。
そんなあだ名をつけられたこともあった。
でも、そういう冷たい女でも恋をするのだ。あのお人好しの王子が好きだった。
彼が王族としてはあまりに愚かなことも、感情的すぎることも知ってはいたが、それは自分が補っていけば良いと思っていた。
しかし、その未来は、今日、ここで、永遠に消えてなくなったのだ。
「でも、復讐するつもりなんてない。もし、まわりが王家に反するようなことをしようとするなら、止めなければ。個人の屈辱で王国を揺らがせるようなことがあってはならないわ。わが公爵家は王家の忠実な臣下。その原則は決して歪めてはなりません。この国の民のために」
「モニカさま――」
ヴァネッサは、涙を止め、深く息を吸うと、小さく、優しく、わたしに笑いかけてきた。
「お美しい」
その賞賛の言葉は、わたしの容姿ではなく、心根、態度、姿勢のことを云ってくれているのだとわかった。
それは、わたしにとって、最高の慰めの言葉だった。
そう、わたしは美しく生きたいのだ。たとえ、その道がどれほど哀しく、辛い、孤独なものだとしても。
それが、それこそが、悪役令嬢の誇りなのだから。
◆◇◆
あれから数か月が経つ。
あの騒動によって、大変なことが次々と起きた。
わたしは激怒した父をどうにかなだめて婚約解消を受け入れさせたが、結局、公爵家の離反を怖れた国王は王子を廃嫡した。
また、聖女ユウナも数々の出来事を捏造していたことが発覚し、その責任を取らされて聖女の地位を追われることになった。
一時期、得意の絶頂にあった聖女はさまざまな人たちから責められ、いまでは廃人のようになっているという。
彼らがこれからさらにどこまで落ちていくのかはわからないが、残念ながら、わたしにはどうしてやることもできない。
せめて、自分なりの幸せを見つけてくれることを祈るばかりだ。
わたしはといえば、正式に次代のダンデライオン公爵に名乗りをあげた。
むろん、お父さまがご存命であるかぎりその地位を襲うことはできないが、いずれは爵位を継げるよう、精いっぱい努力するつもりだ。
幸いなことに、わたしのような可愛げのない女を支持し、補佐してくれるという臣下たちもたくさんいる。
みな、王家の態度には怒っていた。わたしたちの姫に対し、何ということをしてくれるのか、と。
ありがとう、みんな。あなたたちの存在こそ、わたしの最大の支えです。
あなたたちにあたらしい恋人を紹介できないことが残念だけれど、そうね、もしかしたら、どこかには、こんなわたしの夫になっても良いという人もいるかしらね。
とはいえ、いま、わたしは政治と経済について深く学んでいる最中だ。しばらくは、恋愛にかまけている暇はない。王子と聖女について考えることもこれが最後になるだろう。
さようなら、わたしの王子さま。
わたしは自由に生きてゆく。
わたしは、幼少の頃、神殿で誓約した正式な婚約者であるわが身に対し非礼にも人差し指を突きつけ、極度に興奮した様子で、そう、告発と断罪の言葉を叫んだ王子を冷ややかな視線で見返した。
王子の容姿はきわめて美しい。わたしはその冷たく蒼い切れ長の瞳も、豊かな黄金色の頭髪もとても好きだった。
しかし、いま、わたしに対する敵意を満面にみなぎらせてわたしの悪行を次々と告発して来るその姿は、どうしても好きになれそうにない。
悪い人ではないのだと、わかってはいる。ただ、あまりに素直で信じやすい性格であるだけなのだ。
しかし、お人好しの彼はこのそれぞれの利害が対立する状況にあって、一方の「被害者」の言葉だけを、鵜呑みにしすぎてはいないだろうか。
いくら、いま、その「被害者」に恋をして、まさに盲目の状態になっているとしても。
「モニカ・ダンデライオン公爵令嬢、あなたはここにいる聖女ユウナに対して延々と加虐行為を続け、教えるべきことを教えず、伝えるべきことすらも伝えなかった。ユウナは遠い異世界からやって来た孤独な身であり、本来なら親切に接してもらえるべき哀れな立場であるにもかかわらず、あなたは嫉妬から攻撃したのだ。これは許されるべからざる罪である。よって、あなたとの婚約はこれまでだ。何か云いたいことはあるか!」
「何も」
わたしは小さく吐息すると、静かに答えた。
「何もありません」
「何だと?」
王子はいささか訝しげな様子で、端正な眉をひそめた。
「それは告発された内容をすべて認め、反省し、罪をつぐなう意思があるということか?」
「いいえ」
初めて、決然と王子を見つめる。
その視線の勁烈さに、王子は、わずかに怯んだようだったが、それでもきつく見返して来た。
その敵意の強さが何とも哀しくて、わたしは少し心が折れそうだった。しかし、この展開は以前からいつか訪れるとわかっていたことだったので、すでに覚悟はできていた。
「いいえ、その告発を認めるつもりはありません。それに、それらはそもそも法で禁じられた罪にあたるわけでもないでしょう。ただ、あなたがわたしをそのように一方的に断罪なさるのなら、これ以上の婚約関係を続けても無意味だと認識しただけです。殿下」
いま王子が滔々と読み上げた「悪行」に関しては、わたしのほうにもいくつも云い分がある。
その大半はユウナによって捏造されたものだし、残りも微妙な解釈の問題でしかない。
少なくともわたしにはそう思えるのだが、そんなことを彼に云ってみてもしかたないだろう。
王子の心はわたしにいじめられたと控えめに(彼女はいつも控えめなのだ)告発した異世界からやって来た少女ユウナのことですべて占められている。
それが、ユウナの個人的な魅力によるものなのか、それとも何か超常の力が関与しているのかはわたしにはわからないが、とにかく王子はユウナにひと目惚れし、それから婚約者であるわたしのことを憎むまでになった。
ユウナが「魅了チート」などと、意味がわからない言葉を自慢げに口にしているところを偶然聴いてしまったこともあるが、その真意はどうでも良い。
いずれにしろ、もうわたしには関わりがなくなる人たちなのだから。
「そうか」
王子は一段高い壇上から忌々しそうにわたしを見下ろした。
「罪を認めないことは不届きだが、婚約解消を受け入れる態度は殊勝である。良かろう。これで済ませてやろうではないか」
「わかりました。最後にひとつだけお伺いしてもよろしいでしょうか」
「何だ?」
王子は怪訝そうにわたしを見つめた。
かつて、たしかにある程度の愛情と信頼が込められていたと思えたその蒼い双眸には、いま、紛れもなく敵意と疑惑しか感じ取れない。そのことが、少しだけ哀しかった。
あるいは、ユウナに魅了されてしまっているからそうなっているのかもしれないが、すべてがユウナのせいというわけでもないだろう。
この人は、もともと、わたしのことをそれほど可愛いとは思ってはいなかったのだ。
幼い頃からあまりに有能すぎ、美貌すぎ、完璧すぎて可愛げがないと何度いわれたことだろう。
女はもっと控えめに、自分を出さずに振る舞うものだ、それが女らしさの美徳なのだと何度告げられたことだろうか。
わたしはそれらの批判をすべて蹴り倒し、ここまで生きて来た。
だが、それは王子にしてみれば劣等感をそそられるものだったのだろう。
男というものは、自分より遥かに聡明な妻など持ちたいとは思わないものなのかもしれない。その気持ちは、わからないでもない。
良かったですね、王子。こんなわたしと離れることができて。
わたしはすぅっと大きく息を吸うと、ほとんどひと息に言葉を吐き出した。
「あなたもご存知のように、この王国の財政基盤はわが公爵家の領地に大きく依存しています。王子、あなたはわたしと婚約解消することで公爵家から見限られたなら、この後、どう国を経済的に成り立たせてゆくつもりなのですか?」
「そ、それは――」
王子は目に見えてあせった。
まさか、その程度のことも考えていなかったというのだろうか? 美しい人形のようなその頭は空っぽなの?
そうね、いつもわたしに対して、きみはあまりに賢すぎて頭でばかりものを考えようとする、と云っていたものね。
「さらに加えて述べるなら、わが公爵家はもともと王家とは独立した領邦でした。わたしたちの婚約は、その両者を結び付けようという意図のもとで成されたいわば政略婚約です。それを、あなたおひとりのご意思で解消してしまうことが、どのような意味を持っているのかわかっているのですか? この茶番にしても、国王陛下の承諾は得たの?」
「う、うるさい!」
王子は答えに窮して、感情的に腕を振るった。
「そんなことは、これから考えれば良いことだ。父王陛下のお言葉もいまから得れば良いだけのこと。モニカ嬢、あなたごときが差し出口を叩くべきことではない!」
「そうですか」
わたしはいよいよ自分の心が冷え冷えと凍りついていくことを感じながら、何の権利があってか、王子である恋人の横に佇み、壇上から嘲けるようにわたしを見下ろしてくる〈聖女〉に視線を向けた。
「ユウナさん」
「な、何よ」
少女は怯えたように視線を逸らした。
わたしがただ一方的に告発され、断罪されるところを見物することは愉快でも、わたしと対等に言葉を交わす勇気はないらしい。
「王子に随分と色々なことを吹き込んでくれたわね。そう、遠い異世界からやって来て、たったひとり、頼るあてもないあなたに対して、わたしはたしかに十分に優しく振る舞ったとは云えないかもしれません。そのことは謝るわ。ごめんなさい。でも、宮廷に入り、聖女になることを望んだのは、あなた自身よ。だからわたしはあなたに聖女としての振る舞い方を教えてさしあげなければならなかった。あなたにとっては、辛いことだったとしても、この国にもこの国なりのやりかたがあるのです。あなたは、それに耐えるべきだった。それができていたなら、恋は自由、わたしも王子のことはあきらめていたでしょう。でも、あなたは権利だけを取り、義務を投げ出した。そのことについてどう考えていますか?」
「そ、そんなことないわ。それは、その――殿下!」
ユウナはいかにも可愛いらしい小動物のような動作で、媚びを売るように王子の腕にすがりついた。
わたしにはどうしても選ぶことができなかった態度だ。もしわたしがああいうふうに接していたなら、王子も少しはわたしのことを可愛いと思ってくれただろうか。愛情を注いでくれただろうか。
いや――いまとなっては、それもまた、愚かな未練でしかない。
「モニカ嬢」
王子はいまや本物の憎悪を込めて、わたしを凝視した。
だれかから真実を告げられるとその告げた人間を憎む人種がある。どうやら、この人もその種の人間だったようだ。
「もはやあなたに告げる言葉はない。あなたに少しでも改悛する気持ちがあったなら、こちらにも選ぶべき態度があったのだが、どうやらそれは望み過ぎのようだ。さあ、悪意の令嬢モニカ! いますぐこの広間から出て行くが良い! そして、二度とここには戻って来るな!」
広間は、しんと静まり返った。
何十人もの王侯貴族たちが、王子とわたしの一挙一動を興味深そうに見つめている。
そのなかにはわたしに対する同情の視線も含まれていたかもしれないが、わたしにとってはほんとうにどうでも良いことだった。
他人がどう思おうと、わたしはわたしの道を往く。それはいままでどうしても枉げることができず、そしてこれからも生涯を通して枉げるつもりのない、わたしの誇り、わたしの意思だった。
それを王子が悪と呼ぶのなら、悪でも良い。
自分の正しさを貫くとき、べつのだれかの物語では悪役となることは避けられない必然なのだから。
そう、だから、もし人がわが生き方を問うたなら、わたしはあえてこう名乗るだろう。
悪役令嬢、と。
わが名は、歴史に、異世界から召喚された聖女の陰謀の哀れな犠牲者ではなく、どこまでも高貴に、誇り高く生きた孤高の悪役令嬢モニカと記載されるべきなのだ。
故に、わたしは枉げぬ。撓めぬ。
たとえ、人がどのように謗ったとしても、わが正義を貫いてみせる。
後世の人は、わたしのこの生き方を見て、どのようなことを思うだろうか。
「失礼します」
わたしは王子のまえで一礼して、ゆっくりとその場から歩み去った。
わたしの背中に、王子の憎々しそうな視線と、聖女の、すっかり自分の勝利を確信したのであろう失笑とが向けられることを感じたが、それでも、わたしは決しては背後を振り返ることはなかった。
◆◇◆
「モニカさま!」
それからしばらくして、王宮を去り、侍女たちとともに馬車に乗り込もうとしたわたしに声をかける者があった。
藍色のドレスに華奢な肢体を包み込んだ小柄な女性だ。
「ヴァネッサ、どうしたの?」
わたしの古い友人であるその少女、伯爵令嬢ヴァネッサ・トリノパルディは、可愛らしい顔を憤懣やるかたないといった表情に歪めていた。
「どうしたの、じゃありません! こんなのあんまりです!」
彼女はくやしそうにぎゅっと拳を握りしめた。
「あの娘、こともあろうに王子さまを誘惑するなんて。モニカさまは異世界からやって来て孤立しているあの子に対し、だれよりも親切に振る舞って、あの子が生意気な態度でまわりを敵にまわしつづけても、たったひとり守ろうとしてきたのに。それなのに、こんな、こんな――」
「ヴァネッサ、ありがとう」
わたしはついに泣きじゃくりはじめた少女に向かって、静かに白い手巾《ハンカチ》を差し出した。
ヴァネッサはそれで涙を拭いたが、怒りとくやしさはまったく収まっていないようだった。
わたしは幸せ者だ、と改めて思った。わたしのために泣いてくれる友人がいるのだから。それで十分。そうではないか。
「でもね、恋愛は自由に許されていることなのよ。誰もあの子を責められはしないわ。その、わたしの罪を捏造したことはちょっと許せそうにないけれど、でも、それも、自分の身を守るためだったのかもしれない。だれがどう考えても、あの子にとっていちばん大きな敵になりそうなのはわたしなのだから」
「モニカさま、お優しすぎます」
ヴァネッサは怒りでその目を爛々と輝かせた。
「そうだ、王家に対し、この件で正式な抗議をしましょう。モニカさまが仰る通り、王家は財政的に公爵家に大きく依存しています。もし、公爵家が王家に対し経済的な圧力をかけたら、王家だってただじゃ済まないはずです。それに、モニカさまがこんな目に合わせられたと知ったら、公爵領の貴族たちも、民衆たちもみんな激怒することでしょう。王国からの独立騒動になるかもしれません。そうしたら、王国だって成り立たない。王家のほうから必死になって謝って来るはずです。そのときは、その謝罪を断ってやりましょう。そのくらいのことはしても当然です。モニカさまのほうこそ、被害者なんですから」
「そうかしら?」
その応答に、ヴァネッサは不思議そうにわたしの顔を見つめた。
「モニカさま?」
「おかしなことね。わたしは自分のことを被害者だなんて考えもしなかった。そもそも何をどうされたら被害者で、どうしたら加害者なのかしら? 簡単に決められることじゃないと思わない? わたしはね、ただ誇り高く生きたいと思うの。くやしくないわけじゃない。怒っていないわけじゃない。でも、そのくやしさを、怒りを、あの人たちにぶつけてそれで破滅させてやったとしても、わたしの心は晴れない。それだけのことよ」
「モニカさま……」
「なんて、ちょっと格好良すぎるわね。ヴァネッサ、だれよりも早く来てくれたあなたにだけ、ひとつ、わたしの秘密を伝えておきましょう。内緒よ」
わたしは指を一本立てて、ヴァネッサに向けていたずらっぽくほほ笑みかけた。
「ほんとうはわたし、哀しくて寂しいの。ほんとうのことをいえば、誇り高さなんてどうでも良いから、王子に泣いてすがりたかった。わたしを捨てないで、わたしを、わたしだけを愛してって。そのくらいには、わたしはあの人が好きだったから。でも、公爵家の令嬢として、それはできなかった。そんなことをしたら、それこそ大問題になる。わたしは、こんなときでも、理性より感情を優先することができなかったの。わたしは、そういう女。それでいて、内心では相変わらずこんなことを考えてもいるの。そうね、ヴァネッサ。わたしはいま、とても哀しいわ。だって――」
このとき、ふいに、ヴァネッサの顔を含む視界全体が、わずかに歪んだ。
「わたし、ふられちゃったんだもの」
わたしの右の瞳から、いまさらようやく、ひと筋の涙の雫が、すうっと頬を伝わって落ちた。
感情のない女、〈氷のモニカ〉。
そんなあだ名をつけられたこともあった。
でも、そういう冷たい女でも恋をするのだ。あのお人好しの王子が好きだった。
彼が王族としてはあまりに愚かなことも、感情的すぎることも知ってはいたが、それは自分が補っていけば良いと思っていた。
しかし、その未来は、今日、ここで、永遠に消えてなくなったのだ。
「でも、復讐するつもりなんてない。もし、まわりが王家に反するようなことをしようとするなら、止めなければ。個人の屈辱で王国を揺らがせるようなことがあってはならないわ。わが公爵家は王家の忠実な臣下。その原則は決して歪めてはなりません。この国の民のために」
「モニカさま――」
ヴァネッサは、涙を止め、深く息を吸うと、小さく、優しく、わたしに笑いかけてきた。
「お美しい」
その賞賛の言葉は、わたしの容姿ではなく、心根、態度、姿勢のことを云ってくれているのだとわかった。
それは、わたしにとって、最高の慰めの言葉だった。
そう、わたしは美しく生きたいのだ。たとえ、その道がどれほど哀しく、辛い、孤独なものだとしても。
それが、それこそが、悪役令嬢の誇りなのだから。
◆◇◆
あれから数か月が経つ。
あの騒動によって、大変なことが次々と起きた。
わたしは激怒した父をどうにかなだめて婚約解消を受け入れさせたが、結局、公爵家の離反を怖れた国王は王子を廃嫡した。
また、聖女ユウナも数々の出来事を捏造していたことが発覚し、その責任を取らされて聖女の地位を追われることになった。
一時期、得意の絶頂にあった聖女はさまざまな人たちから責められ、いまでは廃人のようになっているという。
彼らがこれからさらにどこまで落ちていくのかはわからないが、残念ながら、わたしにはどうしてやることもできない。
せめて、自分なりの幸せを見つけてくれることを祈るばかりだ。
わたしはといえば、正式に次代のダンデライオン公爵に名乗りをあげた。
むろん、お父さまがご存命であるかぎりその地位を襲うことはできないが、いずれは爵位を継げるよう、精いっぱい努力するつもりだ。
幸いなことに、わたしのような可愛げのない女を支持し、補佐してくれるという臣下たちもたくさんいる。
みな、王家の態度には怒っていた。わたしたちの姫に対し、何ということをしてくれるのか、と。
ありがとう、みんな。あなたたちの存在こそ、わたしの最大の支えです。
あなたたちにあたらしい恋人を紹介できないことが残念だけれど、そうね、もしかしたら、どこかには、こんなわたしの夫になっても良いという人もいるかしらね。
とはいえ、いま、わたしは政治と経済について深く学んでいる最中だ。しばらくは、恋愛にかまけている暇はない。王子と聖女について考えることもこれが最後になるだろう。
さようなら、わたしの王子さま。
わたしは自由に生きてゆく。
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そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
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