分厚いメガネ令息の非日常

餅粉

文字の大きさ
7 / 9

6.後輩(ゼンside)

しおりを挟む
シリウスと剣を交わし合ってへとへとになり地面に突っ伏してしばらくしてのこと突然シリウスが叫び出した。何事だと疲れが果てている身体を無理やり起こした。
すると俺の目に入ってきたのはシリウスの驚愕している顔に異様なほどに顔の距離が近い一年生がいた。これはもしや!シリウスがあんまりにも貧弱に見えるからカツアゲされているのか?!
いかん!一年生が危ない

「おい、早まるんじゃないそこの一年!こいつをカツアゲしたからって何にも出ないぞ、むしろ返り討ちにされるだけだ!こいつこんな貧弱そうな見た目してるけど中身はゴリラなんだからな何だわからな!」

ぜぇはぁと息を切らしながら言った。そして俺は自分の命と引き換えに一年生を一名救ったのであった。何故なら背後から唯ならぬ殺気を感じるから

「おーそうか。どうやらゼンは体力が有り余っているようだ。お前今日は帰れると思うなよ気絶するまで追い込んでやるからな」

ヒェッと息を呑んだ。
やばいシリウスが木刀ではなく真剣を持ってきた。これ、ガチで俺殺される?
死を覚悟して目を閉じた。お父さんお母さん兄さん今までありがとう。ゼンは魔法師としての素質の方があったみたいです。とりあえず防御魔法だけ掛けとくか。体力がかなり限界で発動するかはわからないけど

パキッと音と同時に振り下ろしてきた剣が折れた。どうやら魔法がうまく発動したようだ。

「………チッこの死に損ないが、大人しく受け止めていればいいものを」

「先輩流石に殺しは良くないですよ。こんなところで殺してしまうとすぐにバレてしまいます。殺すなら山奥がおすすめです、魔獣に喰われたのであれば誰か殺しなかなんて分かりません」

「なるほど……それもいいな。参考にさせてもらうよ」

「ちょっと待って!なんで俺を殺す前提なんだよ!そこの一年俺はお前の命の恩人だぞ!?」

お前がシリウスにカツアゲしようとしたからこうなったんだろ!?感謝しろよこの俺に!

「何を言っているのか理解し難いです」

「すまん。こいつたまにおかしくなるんだ。大目に見てやってくれ」

おい!と反論したかったが一つ気になることがあった。

「なあ、今一年生って校内見学してるんじゃないのか?一年のお前何でここにいるんだ?」

俺の質問に弧を描いたような笑みをしてシリウスの方に視線を向けて言った。

「先輩に会いに来たんです。今朝ぶつかってしまったお詫びも込めて…ですので抜けてきました」

「いや、それは俺が急いでいて俺の不注意でぶつかったんだから俺が悪いよ。本当にすまん見学を抜け出すほどの思いをさせて」

うーん?なんか妙にすれ違ってないか?気のせいか?つかこの一年何処かで見たことがあるんだよな何処だ?確か……あぁ!王太子主催の宴で名前は……

「思い出した!お前ラファエロか」

俺が名前を出した瞬間ラファエロは蔑んだ目で俺を見てきた。な、何だ?まさか名前が違ったのか?

「あーはい。ラファエロと言います」

「ラファエロっていうのか。俺はシリウスって言うんだ。騎士科の2年委員会は美化委員。どうだ?美化委員オススメだぞ!」

「そうですね、先輩が入っているみたいですし入ります」

「本当か?助かるよ人手が足りないんだ。ほら美化委員って何するかわからないし、雑務が多いからあんまり人が集まらないんだよ。明日か明後日くらいに委員会の申請書を委員長……いや、俺に渡してくれ」

「ええ、わかりました」

二人が盛り上がっているのを俺は横目で見ることしかできない。まぁお陰で俺の体力は回復しつつあるから別にいいけど……ラファエロってあんなに笑うやつだったんだ。噂では表情筋を剣神に取られたのではないのかって言われてるのに……って!これはもしやチャンスなのでは?今ならシリウスに気づかれずに逃げ出せる!魔法科では美女が俺を待っているんだ。急がば回れだ。気づかれぬようにそっと俺は逃げ出すことに成功した。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

モブらしいので目立たないよう逃げ続けます

餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。 まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。 モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。 「アルウィン、君が好きだ」 「え、お断りします」 「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」 目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。 ざまぁ要素あるかも………しれませんね

私の庇護欲を掻き立てるのです

まめ
BL
ぼんやりとした受けが、よく分からないうちに攻めに囲われていく話。

BLゲームの悪役に転生したら攻略対象者が全員ヒロインに洗脳されてた

BL
主人公のレオンは、幼少期に前世の記憶を思い出し、この世界がBLゲームで、自身は断罪される悪役だと気づく。 断罪を回避するため、極力攻略対象者たちと関わらないように生きてきた。 ーーそれなのに。 婚約者に婚約は破棄され、 気づけば断罪寸前の立場に。 しかも理由もわからないまま、 何もしていないはずの攻略対象者達に嫌悪を向けられてーー。 ※最終的にハッピーエンド ※愛され悪役令息

【bl】砕かれた誇り

perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。 「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」 「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」 「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」 彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。 「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」 「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」 --- いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。 私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、 一部に翻訳ソフトを使用しています。 もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、 本当にありがたく思います。

彼氏の優先順位[本編完結]

セイ
BL
一目惚れした彼に告白されて晴れて恋人になったというのに彼と彼の幼馴染との距離が気になりすぎる!恋人の僕より一緒にいるんじゃない?は…!!もしかして恋人になったのは夢だった?と悩みまくる受けのお話。 メインの青衣×青空の話、幼馴染の茜の話、友人倉橋の数話ずつの短編構成です。それぞれの恋愛をお楽しみください。

そばにいてほしい。

15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。 そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。 ──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。 幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け 安心してください、ハピエンです。

運命よりも先に、愛してしまった

AzureHaru
BL
幼馴染で番同士の受けと攻め。2人は運命の番ではなかったが、相思相愛だった。そんな時、攻めに運命の番が現れる。それを知った受けは身籠もっていたが、運命の番同士の子供の方が優秀な者が生まれることも知っており、身を引く事を決め姿を消す。 しかし、攻めと運命の番の相手にはそれぞれに別の愛する人がいる事をしり、 2人は運命の番としてではなく、友人として付き合っていけたらと話し合ってわかれた。 その後、攻めは受けが勘違いしていなくなってしまったことを両親達から聞かされるのであった。

【完結】悪役令息の役目は終わりました

谷絵 ちぐり
BL
悪役令息の役目は終わりました。 断罪された令息のその後のお話。 ※全四話+後日談

処理中です...