9 / 45
ここからが本気の営業
本当の緊急クエスト
しおりを挟む
運営に見放されているとカイトさんが呟く。
「運営が見放している。配布アイテムやアップデートはやっているけれど、モンスターは放置か」
「と! とりあえずみんなで倒しましょう!」
とは言ったものの、モンスターの数が多すぎてどうしたらいいかなんて分からない。
とりあえず私は、後方からポーションを投げることしかできない。
モンスターの数は数百体を超え、群れを成して街の建物もろとも破壊しながら進行してきている。
まず誰かが止めないといけない。
「よーし! カチーシェ! 僕達で止めよう!」
「ほいよ! あの盾技決めよう!」
「よーし! ……あれれ!? 盾を忘れたから店内の空間アイテム倉庫から取ってくるから待ってて!」
「ルルー!? それさすがに無理ー!」
ルルさんが店内へとスキップで呑気に戻っていく。
カチーシェだけではあの群れの数はさすがに……そうだ、私のポーションの毒で足を止めればいいんだ。
毒ステータスマックスなら、毒系ポーションは全て最強のはず。
「私に任せてください! ……ポーション効果起動! 毒にもがきなさい! 毒の雨!」
「やったれ薬師ちゃん!」
「最強薬師のレベル1いけー!」
駆けつけてきた他のプレイヤーの方々に応援され、ポーションのコルクを抜いてモンスターの群れに投げつけた。
瓶が割れ、紫色の霧がモクモクと空に向かって上がっていくとその部分のみに雨が降る。
すると、霧の向こうからモンスターが一向に現れない。
「もしかして……やったとか?」
「いや……それはねーだろ。俺が様子を見てくる」
「僕も行くよアキラお兄さん」
アグナさんとカイトさんが、ゆっくりと毒霧に近づいていく。
私は毒消しのポーションを後方から投げて霧を消しておく。
すると、やはり予想通りモンスターは倒れていた。
「まじか……。ここまで毒ステータスマックスが強いなんてな」
「それについては僕も同感だよ……これは最強だね。でもまだみたい」
カイトさんがアグナさんを連れて戻ってくると、またモンスターの鳴き声が響いてくる。
さっきが地なら、次は空だと何となく本能で分かった。
そして、結局空からモンスターの群れが押し寄せてくる。
モンスターが多すぎて、もうどれも同じ種類に見えてきてしまった。
こんなに大量のモンスターを一回で目にしたことがないから口が閉まらなくなったよ……。
「お待たせー! 武器多すぎて大変で……ってこれ誰がしたの?」
「リミアちゃんがポーションで倒したんだよー? すごいよねー!」
「まじで!? すごいすごい! なら……あれもやってしまおう!」
店内から戻って来たルルさんが指した方向を見ると、そこに居たのは大きな蜘蛛だった。
私……蜘蛛は苦手だから無理ですルルさん。
なんて言えるわけはなく、嫌々で「行ってきます……」と、言ってしまった。
「可憐さーん。連れて行ってもらってもいいですか?」
「いいよー? だけど、聖女は蜘蛛に触れると死ぬ体質があるから遠いところから投げるね?」
「いえ、真上に連れて行ってくれれば燃やしますので。私を餌にしないでください……」
危なかった……可憐さんに蜘蛛の餌にされてしまうところだった。
ちなみに、大きな蜘蛛はスパイダーダークと言うらしい。
このゲームのモンスターは名前が表示されないから覚えるのに苦労してしまう。
ゲームを始めて4日か5日が経っているのに、覚えたモンスターはたったの3体だけ。
攻略本でも買わないとダメかな……。
「ここで止めてください!」
「はーい! じゃあ早く終わらしてねー」
「ポーション効果起動! 燃えなさい……炎炎炎!」
「じゃあ撤退しまーす!」
スパイダーダークはしっかりと燃やしたので、お店の前に戻ると、とても楽しそうだった。
空から降りてきた無数のモンスターが嘴で、走り回る2、30人のプレイヤーをモグラ叩きのように突こうとしている。
「楽しそうですね!」
「うーん……後は任せても問題なさそうだから店内でポーションでも作っておこうよリミアちゃーん」
「そうしましょう!」
モンスターとモグラ叩きを楽しむプレイヤー方を背にし、店内へと何も無かったかのように私と可憐さんは戻った。
数時間すると、カチーシェさん達が帰ってきた。
モンスターの叫び声や、大きな足音が聞こえてこないことから、全て倒したんだと分かる。
遊びながら倒して、レベルが付いてきてくれる。
いいゲームだけど、私のレベルを先に下さい……。
「よーし! 業務再開!」
「客寄せするね! みなさーん! 営業再開ですよー!」
ルルさんが呼びかけをすると、すぐにお客様が集団で入店してきてくれる。
店内はいつものように賑わい……でもよく見ると常連さんのみ。
私、新規のお客様がいないことに気づいてしまった。
──これは多分……色々とまずい。
「カイトさん! ゲーム内ネットワークでのホームページ開設と、電子掲示板での呼び込みを!」
「見たところ、お馴染みの顔ばっかりなんだろうなって……一目で分かったから、もうしておいたよ?」
私が言うまでもなく、カイトさんがとっくに行動をしてくれていた。
ゲーム内ネットワークで人目に止れば新規のお客様が増えることは間違い無し。
……今日でポーション2000瓶作ってるから、また貧血が。
「運営が見放している。配布アイテムやアップデートはやっているけれど、モンスターは放置か」
「と! とりあえずみんなで倒しましょう!」
とは言ったものの、モンスターの数が多すぎてどうしたらいいかなんて分からない。
とりあえず私は、後方からポーションを投げることしかできない。
モンスターの数は数百体を超え、群れを成して街の建物もろとも破壊しながら進行してきている。
まず誰かが止めないといけない。
「よーし! カチーシェ! 僕達で止めよう!」
「ほいよ! あの盾技決めよう!」
「よーし! ……あれれ!? 盾を忘れたから店内の空間アイテム倉庫から取ってくるから待ってて!」
「ルルー!? それさすがに無理ー!」
ルルさんが店内へとスキップで呑気に戻っていく。
カチーシェだけではあの群れの数はさすがに……そうだ、私のポーションの毒で足を止めればいいんだ。
毒ステータスマックスなら、毒系ポーションは全て最強のはず。
「私に任せてください! ……ポーション効果起動! 毒にもがきなさい! 毒の雨!」
「やったれ薬師ちゃん!」
「最強薬師のレベル1いけー!」
駆けつけてきた他のプレイヤーの方々に応援され、ポーションのコルクを抜いてモンスターの群れに投げつけた。
瓶が割れ、紫色の霧がモクモクと空に向かって上がっていくとその部分のみに雨が降る。
すると、霧の向こうからモンスターが一向に現れない。
「もしかして……やったとか?」
「いや……それはねーだろ。俺が様子を見てくる」
「僕も行くよアキラお兄さん」
アグナさんとカイトさんが、ゆっくりと毒霧に近づいていく。
私は毒消しのポーションを後方から投げて霧を消しておく。
すると、やはり予想通りモンスターは倒れていた。
「まじか……。ここまで毒ステータスマックスが強いなんてな」
「それについては僕も同感だよ……これは最強だね。でもまだみたい」
カイトさんがアグナさんを連れて戻ってくると、またモンスターの鳴き声が響いてくる。
さっきが地なら、次は空だと何となく本能で分かった。
そして、結局空からモンスターの群れが押し寄せてくる。
モンスターが多すぎて、もうどれも同じ種類に見えてきてしまった。
こんなに大量のモンスターを一回で目にしたことがないから口が閉まらなくなったよ……。
「お待たせー! 武器多すぎて大変で……ってこれ誰がしたの?」
「リミアちゃんがポーションで倒したんだよー? すごいよねー!」
「まじで!? すごいすごい! なら……あれもやってしまおう!」
店内から戻って来たルルさんが指した方向を見ると、そこに居たのは大きな蜘蛛だった。
私……蜘蛛は苦手だから無理ですルルさん。
なんて言えるわけはなく、嫌々で「行ってきます……」と、言ってしまった。
「可憐さーん。連れて行ってもらってもいいですか?」
「いいよー? だけど、聖女は蜘蛛に触れると死ぬ体質があるから遠いところから投げるね?」
「いえ、真上に連れて行ってくれれば燃やしますので。私を餌にしないでください……」
危なかった……可憐さんに蜘蛛の餌にされてしまうところだった。
ちなみに、大きな蜘蛛はスパイダーダークと言うらしい。
このゲームのモンスターは名前が表示されないから覚えるのに苦労してしまう。
ゲームを始めて4日か5日が経っているのに、覚えたモンスターはたったの3体だけ。
攻略本でも買わないとダメかな……。
「ここで止めてください!」
「はーい! じゃあ早く終わらしてねー」
「ポーション効果起動! 燃えなさい……炎炎炎!」
「じゃあ撤退しまーす!」
スパイダーダークはしっかりと燃やしたので、お店の前に戻ると、とても楽しそうだった。
空から降りてきた無数のモンスターが嘴で、走り回る2、30人のプレイヤーをモグラ叩きのように突こうとしている。
「楽しそうですね!」
「うーん……後は任せても問題なさそうだから店内でポーションでも作っておこうよリミアちゃーん」
「そうしましょう!」
モンスターとモグラ叩きを楽しむプレイヤー方を背にし、店内へと何も無かったかのように私と可憐さんは戻った。
数時間すると、カチーシェさん達が帰ってきた。
モンスターの叫び声や、大きな足音が聞こえてこないことから、全て倒したんだと分かる。
遊びながら倒して、レベルが付いてきてくれる。
いいゲームだけど、私のレベルを先に下さい……。
「よーし! 業務再開!」
「客寄せするね! みなさーん! 営業再開ですよー!」
ルルさんが呼びかけをすると、すぐにお客様が集団で入店してきてくれる。
店内はいつものように賑わい……でもよく見ると常連さんのみ。
私、新規のお客様がいないことに気づいてしまった。
──これは多分……色々とまずい。
「カイトさん! ゲーム内ネットワークでのホームページ開設と、電子掲示板での呼び込みを!」
「見たところ、お馴染みの顔ばっかりなんだろうなって……一目で分かったから、もうしておいたよ?」
私が言うまでもなく、カイトさんがとっくに行動をしてくれていた。
ゲーム内ネットワークで人目に止れば新規のお客様が増えることは間違い無し。
……今日でポーション2000瓶作ってるから、また貧血が。
0
あなたにおすすめの小説
元王城お抱えスキル研究家の、モフモフ子育てスローライフ 〜スキル:沼?!『前代未聞なスキル持ち』の成長、見守り生活〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「エレンはね、スレイがたくさん褒めてくれるから、ここに居ていいんだって思えたの」
***
魔法はないが、神から授かる特殊な力――スキルが存在する世界。
王城にはスキルのあらゆる可能性を模索し、スキル関係のトラブルを解消するための専門家・スキル研究家という職が存在していた。
しかしちょうど一年前、即位したばかりの国王の「そのようなもの、金がかかるばかりで意味がない」という鶴の一声で、職が消滅。
解雇されたスキル研究家のスレイ(26歳)は、ひょんな事から縁も所縁もない田舎の伯爵領に移住し、忙しく働いた王城時代の給金貯蓄でそれなりに広い庭付きの家を買い、元来からの拾い癖と大雑把な性格が相まって、拾ってきた動物たちを放し飼いにしての共同生活を送っている。
ひっそりと「スキルに関する相談を受け付けるための『スキル相談室』」を開業する傍ら、空いた時間は冒険者ギルドで、住民からの戦闘伴わない依頼――通称:非戦闘系依頼(畑仕事や牧場仕事の手伝い)を受け、スローな日々を謳歌していたスレイ。
しかしそんな穏やかな生活も、ある日拾い癖が高じてついに羊を連れた人間(小さな女の子)を拾った事で、少しずつ様変わりし始める。
スキル階級・底辺<ボトム>のありふれたスキル『召喚士』持ちの女の子・エレンと、彼女に召喚されたただの羊(か弱い非戦闘毛動物)メェ君。
何の変哲もない子たちだけど、実は「動物と会話ができる」という、スキル研究家のスレイでも初めて見る特殊な副効果持ちの少女と、『特性:沼』という、ヘンテコなステータス持ちの羊で……?
「今日は野菜の苗植えをします」
「おー!」
「めぇー!!」
友達を一千万人作る事が目標のエレンと、エレンの事が好きすぎるあまり、人前でもお構いなくつい『沼』の力を使ってしまうメェ君。
そんな一人と一匹を、スキル研究家としても保護者としても、スローライフを通して褒めて伸ばして導いていく。
子育て成長、お仕事ストーリー。
ここに爆誕!
拾った子犬がケルベロスでした~実は古代魔法の使い手だった少年、本気出すとコワい(?)愛犬と楽しく暮らします~
荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
旧題: ケルベロスを拾った少年、パーティ追放されたけど実は絶滅した古代魔法の使い手だったので、愛犬と共に成り上がります。
=========================
<<<<第4回次世代ファンタジーカップ参加中>>>>
参加時325位 → 現在5位!
応援よろしくお願いします!(´▽`)
=========================
S級パーティに所属していたソータは、ある日依頼最中に仲間に崖から突き落とされる。
ソータは基礎的な魔法しか使えないことを理由に、仲間に裏切られたのだった。
崖から落とされたソータが死を覚悟したとき、ソータは地獄を追放されたというケルベロスに偶然命を助けられる。
そして、どう見ても可愛らしい子犬しか見えない自称ケルベロスは、ソータの従魔になりたいと言い出すだけでなく、ソータが使っている魔法が古代魔であることに気づく。
今まで自分が規格外の古代魔法でパーティを守っていたことを知ったソータは、古代魔法を扱って冒険者として成長していく。
そして、ソータを崖から突き落とした本当の理由も徐々に判明していくのだった。
それと同時に、ソータを追放したパーティは、本当の力が明るみになっていってしまう。
ソータの支援魔法に頼り切っていたパーティは、C級ダンジョンにも苦戦するのだった……。
他サイトでも掲載しています。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される
向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。
アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。
普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。
白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。
そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。
剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。
だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。
おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。
俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
家の庭にダンジョンができたので、会社辞めました。
希羽
ファンタジー
都内のブラックIT企業で働く社畜・佐藤健太(27歳)。
手取り18万、残業100時間。唯一の資産は、亡き祖母から相続した郊外のボロ戸建てだけ。
「このまま死ぬのかな……」
そう絶望していたある夜、庭の物置の裏に謎の穴が出現する。
そこは、なぜか最弱モンスターしか出ないのに、ドロップアイテムだけは最高ランクという、奇跡のボーナスダンジョンだった。
試しにスライムを叩いたら、出てきた宝石の査定額はなんと――【1,000,000円】。
「……え、これ一個で、俺の年収の3分の1?」
スマホアプリで即換金、ドローン配送で手間いらず。
たった10分の庭仕事で5000万円を稼ぎ出した健太は、翌朝、上司に辞表を叩きつけることを決意する。
※本作は小説家になろうでも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる