16 / 45
限定品を求めて
ポーション魔術師 ①
しおりを挟む
「ナイスでビッグな……お胸で……」
「水着は久しぶりだねー! これで敵と戦うことを想像すると……心躍るねー!」
「もう! 肌を露出していないと敵とまともに戦えないのはやめてー!」
私の姉、高音は肌を露出しなければ敵とまともにやり合えない謎の個性を持っている。
VRMMORPGは、肌の露出が高いほど防御力が落ち、自身が受ける痛みは倍増する。
いつも肌を出して戦って、痛いはずなのになぜか強くなって……理解できない。
「コロシアム戦くらいは通常装備で来てよお姉ちゃん!」
「何を言うかね鼎! これが私の通常装備だ!」
「「白姫の姉貴、神ですぜ!」」
私は、姉の機嫌を上げるような発言をするカチーシェさんとルルさんの頭を殴った。
私は今、姉に少し苛立っている。
家を勝手に出て行き、モデルを始めるもろくに帰ってこずに都合よくゲームでは現れる。
私はお姉ちゃんっ子だからこそ、姉に帰ってきて欲しいのに。
「鼎! そんな暗い顔をするな! 明後日から鼎と一緒に住むことになっているし、行っていない大学も特別入学で私も1年生だ!」
「……え? モデルは!? モデルはどうしたの!?」
姉の突然の告白に戸惑った。
モデル優先だった姉が、大学に入るだなんて……考えられないからだ。
「モデルもやりながらだな! だからちゃんといるよ……私はこれから」
「お姉ちゃん……。もう! それならそれで連絡してよね? ゲームでの報告はズルい!」
「はいはい、御二人様そこまででーす。それでは討伐戦2日目、に行きましょうー」
私と姉の姉妹劇に間に割って入り、可憐さんがエントリーボタンを押した。
またまた見事にコロシアムへ転送され、しかも今日は観客がいた。
1日目を抜けたチームは極僅かしかいないことから注目を浴びているのだった。
「どうもどうも! 2日目ですねー! カリーナ・シュテンと言いまーす! 先日は姉がお世話になりました!(ぺこり) さてさて……それではもう説明不要と見たので始めまーす! 登場してくださいポーション魔術師ウィザースターちゃん! では御武運を!」
今日はなんたらシュテンさんの妹さん、カリーナ・シュテンさんが現れ……消えた。
昨日のウロボロスボルフは、一切説明なく始められたこともあって登場の際にみんなして戸惑った。
けれど今日、今回は登場モンスター名の紹介があったことで既にみんなは武器を持ち替えている。
私は持つものが基本的にはない。
腰にアイテム保管ベルトを巻き、ベルトにポーションを装備していれば何ら問題ない。
そう思うと、薬師って手荷物が全くなくて楽かも……ジーパンとポロシャツだし。
「さぁ、出てきたぜ?」
「ウィザースターちゃんお出ましだね」
「アイツは消えるから私は好きじゃないんだがなー! アハハハハハ!」
またまた頭上にレベル表記200を浮かべた体長3メートルほどのポーション魔術師が現れた。
マントを羽織り、深く被られた帽子で顔は隠れている。
魔女モンスターと呼ばれるウィザースターはイベントボスとしてよく姿をころころと変えて登場するのだそうで、レベルが3違うかで強さが大きく変わる厄介者なのだとか。
私は特にすることが無さそうだと、ウィザースターから一番遠く離れた位置で体育座りした。
「よーし早速じゃあ! ──って! リミアちゃーん!」
「……え?」
全く気づかない間に私の方へとポーションが飛んてきていた。
黒の液体……縛り系のポーション!
私は思わず飛び上がり、もたれていた壁を勢い良く蹴って前方に転がった。
危機一髪で避けたポーションが地面にぶち撒けられ、黒い液体からは白い煙が上がった。
「危なかった……。もう! 腹立っちゃった! 絶対にあの根暗倒してやる!」
「じゃあ、この武器だなカイト」
「はい……アキラお兄さん。僕もそれが一番いいと思う……」
アグナさんとカイトさんが、ウロボロスボルフの時同様に武器を変更、カチーシェさんとルルさんは今回盾ではなく片手剣にしていた。
可憐さんは宙に浮き、霧ちゃんはまたまた課金アイテムの火縄銃を構えていた。しかもその火縄銃はスコープ付き。
姉は何も手にしておらず、指をコキコキと鳴らしていた。
それは……素手でやるぞと言ってるのだよね、お姉ちゃん。
「じゃあやるか! クロス……」
「アルケミスト……」
「「デグアロウーズ……。咲き乱れろ! 天魔の闇桜!」」
アグナさんとカイトさんが装備していた武器は拳剣だった。
ぱっと見は色鮮やかなパンチンググローブの鉄版。
けれど、グローブの表面は触るだけで斬れてしまうほどの刃を持っている。
滑らか、そして刃などない……けれど斬れてしまう。
よくある現実では説明不可能な構造をした武器。
天使のグローブを装備したカイトさんが見えない速さで、殴っては移動し、また殴っては移動しを繰り返し、悪魔のグローブを装備したアグナさんは一撃の拳を溜めている。
「アキラお兄さん! 準備オッケーだよ!」
「溜まった溜まった! いくぜ……ガルムの黒印だー!」
溜めていた一撃がウィザースターに直撃した。
衝撃によって足元は地割れを起こし、観客は盛り上がっている。
しかしまだ終わっていない。
ブザーはまだ──鳴っていないのだから。
「水着は久しぶりだねー! これで敵と戦うことを想像すると……心躍るねー!」
「もう! 肌を露出していないと敵とまともに戦えないのはやめてー!」
私の姉、高音は肌を露出しなければ敵とまともにやり合えない謎の個性を持っている。
VRMMORPGは、肌の露出が高いほど防御力が落ち、自身が受ける痛みは倍増する。
いつも肌を出して戦って、痛いはずなのになぜか強くなって……理解できない。
「コロシアム戦くらいは通常装備で来てよお姉ちゃん!」
「何を言うかね鼎! これが私の通常装備だ!」
「「白姫の姉貴、神ですぜ!」」
私は、姉の機嫌を上げるような発言をするカチーシェさんとルルさんの頭を殴った。
私は今、姉に少し苛立っている。
家を勝手に出て行き、モデルを始めるもろくに帰ってこずに都合よくゲームでは現れる。
私はお姉ちゃんっ子だからこそ、姉に帰ってきて欲しいのに。
「鼎! そんな暗い顔をするな! 明後日から鼎と一緒に住むことになっているし、行っていない大学も特別入学で私も1年生だ!」
「……え? モデルは!? モデルはどうしたの!?」
姉の突然の告白に戸惑った。
モデル優先だった姉が、大学に入るだなんて……考えられないからだ。
「モデルもやりながらだな! だからちゃんといるよ……私はこれから」
「お姉ちゃん……。もう! それならそれで連絡してよね? ゲームでの報告はズルい!」
「はいはい、御二人様そこまででーす。それでは討伐戦2日目、に行きましょうー」
私と姉の姉妹劇に間に割って入り、可憐さんがエントリーボタンを押した。
またまた見事にコロシアムへ転送され、しかも今日は観客がいた。
1日目を抜けたチームは極僅かしかいないことから注目を浴びているのだった。
「どうもどうも! 2日目ですねー! カリーナ・シュテンと言いまーす! 先日は姉がお世話になりました!(ぺこり) さてさて……それではもう説明不要と見たので始めまーす! 登場してくださいポーション魔術師ウィザースターちゃん! では御武運を!」
今日はなんたらシュテンさんの妹さん、カリーナ・シュテンさんが現れ……消えた。
昨日のウロボロスボルフは、一切説明なく始められたこともあって登場の際にみんなして戸惑った。
けれど今日、今回は登場モンスター名の紹介があったことで既にみんなは武器を持ち替えている。
私は持つものが基本的にはない。
腰にアイテム保管ベルトを巻き、ベルトにポーションを装備していれば何ら問題ない。
そう思うと、薬師って手荷物が全くなくて楽かも……ジーパンとポロシャツだし。
「さぁ、出てきたぜ?」
「ウィザースターちゃんお出ましだね」
「アイツは消えるから私は好きじゃないんだがなー! アハハハハハ!」
またまた頭上にレベル表記200を浮かべた体長3メートルほどのポーション魔術師が現れた。
マントを羽織り、深く被られた帽子で顔は隠れている。
魔女モンスターと呼ばれるウィザースターはイベントボスとしてよく姿をころころと変えて登場するのだそうで、レベルが3違うかで強さが大きく変わる厄介者なのだとか。
私は特にすることが無さそうだと、ウィザースターから一番遠く離れた位置で体育座りした。
「よーし早速じゃあ! ──って! リミアちゃーん!」
「……え?」
全く気づかない間に私の方へとポーションが飛んてきていた。
黒の液体……縛り系のポーション!
私は思わず飛び上がり、もたれていた壁を勢い良く蹴って前方に転がった。
危機一髪で避けたポーションが地面にぶち撒けられ、黒い液体からは白い煙が上がった。
「危なかった……。もう! 腹立っちゃった! 絶対にあの根暗倒してやる!」
「じゃあ、この武器だなカイト」
「はい……アキラお兄さん。僕もそれが一番いいと思う……」
アグナさんとカイトさんが、ウロボロスボルフの時同様に武器を変更、カチーシェさんとルルさんは今回盾ではなく片手剣にしていた。
可憐さんは宙に浮き、霧ちゃんはまたまた課金アイテムの火縄銃を構えていた。しかもその火縄銃はスコープ付き。
姉は何も手にしておらず、指をコキコキと鳴らしていた。
それは……素手でやるぞと言ってるのだよね、お姉ちゃん。
「じゃあやるか! クロス……」
「アルケミスト……」
「「デグアロウーズ……。咲き乱れろ! 天魔の闇桜!」」
アグナさんとカイトさんが装備していた武器は拳剣だった。
ぱっと見は色鮮やかなパンチンググローブの鉄版。
けれど、グローブの表面は触るだけで斬れてしまうほどの刃を持っている。
滑らか、そして刃などない……けれど斬れてしまう。
よくある現実では説明不可能な構造をした武器。
天使のグローブを装備したカイトさんが見えない速さで、殴っては移動し、また殴っては移動しを繰り返し、悪魔のグローブを装備したアグナさんは一撃の拳を溜めている。
「アキラお兄さん! 準備オッケーだよ!」
「溜まった溜まった! いくぜ……ガルムの黒印だー!」
溜めていた一撃がウィザースターに直撃した。
衝撃によって足元は地割れを起こし、観客は盛り上がっている。
しかしまだ終わっていない。
ブザーはまだ──鳴っていないのだから。
0
あなたにおすすめの小説
拾った子犬がケルベロスでした~実は古代魔法の使い手だった少年、本気出すとコワい(?)愛犬と楽しく暮らします~
荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
旧題: ケルベロスを拾った少年、パーティ追放されたけど実は絶滅した古代魔法の使い手だったので、愛犬と共に成り上がります。
=========================
<<<<第4回次世代ファンタジーカップ参加中>>>>
参加時325位 → 現在5位!
応援よろしくお願いします!(´▽`)
=========================
S級パーティに所属していたソータは、ある日依頼最中に仲間に崖から突き落とされる。
ソータは基礎的な魔法しか使えないことを理由に、仲間に裏切られたのだった。
崖から落とされたソータが死を覚悟したとき、ソータは地獄を追放されたというケルベロスに偶然命を助けられる。
そして、どう見ても可愛らしい子犬しか見えない自称ケルベロスは、ソータの従魔になりたいと言い出すだけでなく、ソータが使っている魔法が古代魔であることに気づく。
今まで自分が規格外の古代魔法でパーティを守っていたことを知ったソータは、古代魔法を扱って冒険者として成長していく。
そして、ソータを崖から突き落とした本当の理由も徐々に判明していくのだった。
それと同時に、ソータを追放したパーティは、本当の力が明るみになっていってしまう。
ソータの支援魔法に頼り切っていたパーティは、C級ダンジョンにも苦戦するのだった……。
他サイトでも掲載しています。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される
向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。
アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。
普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。
白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。
そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。
剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。
だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。
おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。
俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
家の庭にダンジョンができたので、会社辞めました。
希羽
ファンタジー
都内のブラックIT企業で働く社畜・佐藤健太(27歳)。
手取り18万、残業100時間。唯一の資産は、亡き祖母から相続した郊外のボロ戸建てだけ。
「このまま死ぬのかな……」
そう絶望していたある夜、庭の物置の裏に謎の穴が出現する。
そこは、なぜか最弱モンスターしか出ないのに、ドロップアイテムだけは最高ランクという、奇跡のボーナスダンジョンだった。
試しにスライムを叩いたら、出てきた宝石の査定額はなんと――【1,000,000円】。
「……え、これ一個で、俺の年収の3分の1?」
スマホアプリで即換金、ドローン配送で手間いらず。
たった10分の庭仕事で5000万円を稼ぎ出した健太は、翌朝、上司に辞表を叩きつけることを決意する。
※本作は小説家になろうでも投稿しています。
#密売じゃありません!ミツバイギフトで最高に美味しい果物作ったら、領主令息が夫になった件について
国府知里
ファンタジー
「がんばっても報われなかったあなたに」“スローライフ成り上がりファンタジー”
人生に疲れ果てた北村めぐみは、目覚めると異世界の農村で少女グレイスとして転生していた。この世界では6歳で神から“ギフト”を授かるという。グレイスが得た謎の力「ミツバイ」は、果物を蜜のように甘くするという奇跡の力だった!村を、領地を、やがて王国までも変えていく果樹栽培の物語がいま始まる――。美味しさが未来を育てる、異世界農業×スローライフ・ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる