VRMMOの世界で薬屋を開いたレベル1の薬師

永遠ノ宮

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ポーション魔術師 ②

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「まだまだ続くよー!」
「みたいだねー!」
「じゃあ次は私が! さぁ来い!」

 姉はバレー選手がサーブを返す際にとる、腰を落として手を重ねる……まさにその体制をとっている。
 水着、そしてバレー選手のような構え。まさにビーチバレー選手って感じになってるよ……お姉ちゃん。

「ポーションいったぞー!」
「任せろボウズ! 無効反撃ノー・カウンター! そのサーブはそっくり返すぞエセ薬師!」
「一様そのお方はポーション魔術師ですけどねー」

 無効反撃は、ポーションなどの特別効果を持つもので攻撃された際に全効果を無効化し、さらにその効果を付与してレシーブ、返してしまう最強魔法。
 お姉ちゃんは無課金プレイヤー最強者って、日本国内で有名なのに……存在自体は謎のよく分からない人なんだよね。
 それに、可憐さんも笑顔で丁寧なツッコミ入れれるほど余裕だなんて凄い。
 そんなことを私が考えていると、カチーシェさんとルルさんが互いの武器を交換して地面に突き刺した。

「相互の愛は夢幻!」
「相互の間に咲くは恋の大輪!」
「「即ちその名は愛の夢幻花烈花! 地から根を巡らし最強の愛による神攻撃をここに! ムード・フラワー・キスショット!!」」

 ゲーム内で夫婦になると使うことができる同武器交換、それを使って今回2人が放った攻撃はムード・フラワー・キスショット。
 私は始めてまだ1週間ほどしか経っていないから、この技は全く知らない。
 今回初めて知る技は、地割れした隙間から花が咲き乱れていく幻想的なものだった。
 みるみるうちにコロシアムはお花畑に変わり、ウィザースターは花弁の竜巻に囲まれ動けずにいる。
 そこへすかさず、霧ちゃんが金狼で狼を出して突撃させる。
 霧ちゃんに乗っかる形で、私はマグマクラッシュポーションを投げる。

「ナイス連携だが……あいつら死なないぞ」
「お姉ちゃん分かるの?」
「ウィザースターは、魔物に取り憑かれた聖女と設定されている。だからここは──聖女の可憐さーん! 聖なる光る剣エクスカリバー頼んますー!」
「お任せあれー。浄化は得意なんですよー!」
「よし! 私も詠唱しよう! 浄化魔法……改の力をここに」

 姉も浄化魔法を覚えているのか、体から白い光が溢れだしている。
 可憐さんと姉が浄化魔法を最大限まで高めるため、残った私達は時間を稼ぐことが仕事となった。

「よしもう一発いくぞカイト!」
「なら私達もいこうルル!」


「「「「うぉおおおおおお!!」」」」

 
 4人同時に気を高め、みるみると体から出る魔力の光が天高くまで伸びていく。
 霧ちゃんは装備していた火縄銃に弾薬を込め、スコープを覗きながら魔力を高めて光を放ち始める。
 そして、私。
 私がすることは一つ。
 ここにあるもので生成すること。
 だったらアイテムポーチ内の物で作ってみせる! 最高のポーションを! 

「ポーション生成! グレステッドコーラレ!」
「よし! それを投げてしまえリミアちゃん! グレステッドコーラレならポーション魔術師にとっては劇薬だ!」
「分かりました! いきますよー! ──ポーション効果起動! 魔女殺しの光ウィッチ・デス・ライト! ウィザードでも関係ないでしょー!」

 私が投げたグレステッドコーラレポーションは見事にウィザースターに命中した。
 光に苦しみ、不気味な唸り声がコロシアム内に響き渡る。
 魔女殺しの光はそのままの意味で、グレステッドコーラレと呼ばれるゲーム内鉱石が放つ光に魔女は苦しむ。
 ウィザードのウィザースターでもそれは変わらない。
 たまたまアイテムポーチに入っていたのがグレステッドコーラレで良かったよ。昨日なんてパンしか入れてきてなくて焦ったから。

「じゃあ俺達も!」
「アキラお兄さん……いこう」
「「──天魔の闇桜!!」」

 「なら私達も!」
「了解ー! カチーシェと一緒に!」
「「──ムード・フラワー・キスショット!!」」

 2つの協力魔法が同時にウィザースターを襲う。
 花弁の竜巻に乗って、アグナさんとカイトさんが風力を生かして人を超えた異次元の速さで斬り刻んでいく。
 そして、魔力を高め終えた可憐さんが叫んだ。

「浄化してさしあげますわ! ──聖なる光る剣!」

 空一面を覆っていた灰色の雲から一本の、とても綺麗な薄黄緑色の鉄槌が落ちてウィザースターに刺さる。また少し違う聖なる光る剣の攻撃方法。
 そして、こちらも魔力を高め終えた姉が叫ぶ。

「浄化されろ! サルライトムーン・アバロス!」

 雲全体が吹き飛んでいき、青く澄み渡った空が顔を覗かせ、そこから透き通った氷柱がウィザースターを貫いた。
 ウィザースターは、2つの浄化魔法に苦しみながら姿が薄くなっていく。
 そして……これが最後。
 3日限定イベントの2日目はこれにて終わりを告げる!

「ポーション効果起動! 回復を超越した力を見なさい! 天に帰りなさい! 聖なる水ホーリーウォーター!」

 私が密かに胸ポケに入れて持ち歩いていた聖水が役に立った。
 聖水の入った瓶がウィザースターの足元で割れ、中身を浴びたウィザースターが足先から真っ白な光となって消えていった。

「やった……。やった──────!」
「「「「「「「やった──────!」」」」」」」

 こうして無事2日目が終わり、最終戦への切符を手にすることができた。
 今回の私は運が良かった……。なんとか助かったよ。
 私は自分の右手を、雲が晴れて顔を出した太陽と重ねた。
 すると、足音一つ立てず近づいて来ていたみんなに後ろから抱きしめられ……

「く、苦しい……です……」
「「リミアちゃーん!?」」
「やり過ぎましたねー」
「やり過ぎたな」「やり過ぎだね」
「我が妹よ! これで死んではダメだ!」

 強く抱きしめられたことと、人数が7人。
 1人1人の力が現実の何十倍もあるゲーム内で一斉に抱きしめられた結果──私は窒息するところだった。
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