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緊急です緊急です
緊急──チーターとの戦争1
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「聞いていると思いますが……チーターです。それも集団です」
昨晩の電話の後に、姉から聞いたチーターの件。
そして、その次の日、つまり今日の朝8時に運営から全ローカル(日本国内)プレイヤーに配信されたメールには──
[本日19時。ギルド本部にて緊急発令事案について集会を行います。参加できない方は空メールをお返しください]
チーターの件が……ゲーム内で大事件となっているのだった。
私と姉は、2人で19時前からギルド本部に行き、情報を掻き集めることにした。
「受付嬢、リリーミ・シュテンと言う運営のプレイヤーはいるかね?」
「リリーミ……? どなたでしょうか」
「お姉ちゃん……」
「アイツ──もしかしてほんまのチーターで、初めから荒らすつもりでいたのか?」
リリーミさんって、運営側じゃなかったの? じゃあ、あのリリーミさんって……実は私達と同じプレイヤーでチーター?
私は頭の中がぐるぐると回り、脳がパンクしそうになる。
リリーミさんは元より謎の人だったけれど、今回でより謎に包まれ──疑いになった。
チーターの主犯がリリーミ・シュテン……信じたくないよ。
初めはめちゃくちゃで、3日間限定イベントでは怖かった……でもその後は優しくて、お店の売れ行きに繋がるアドバイスもくれて──嘘って言ってよ。
「何信じてるの?」
「だってそうなるじゃないですか! ──リリーミさん!?」
「うーん。私が主犯なんじゃなくてね? ……容姿をコピーされてしまってて困ったよー」
ギルド本部の裏から、暖簾を分けて出てきた金髪、黒肌、低身長、アニメ声──リリーミさんだった。
あまりの展開に、私は驚くこと以外できなかった。
一ヶ月どこかへ行くと言っていたリリーミさんが……ゲーム内にいるのだから。
そして、犯人像と一致する容姿を持ちながらギルド本部にいるのだから。
「リリーミさん……。どうしてここにいるんだい?」
「私は運営でも、リリーミで通ってないんだよねー! 私は暗殺者……ジャックと呼ばれているから──ねー?」
「ジャックさんの本名、リリーミ・うんたらと言うんでしたか。知りませんでした」
リリーミさんは、運営ではジャックと呼ばれているらしい。
通りで、リリーミ・シュテンと名前を出しても受付嬢さんも運営の人なのに知らないわけだ……。
でもさっき、リリーミさんは容姿をコピーをされたって……
「皆さんお集まりいただきありがとうございます! 今からお話をしますのでステージ前に集まってください!」
「だってー! 行こう行こう! お仲間ちゃんみんな来てるみたいだしー」
リリーミさんに言われ、ギルド本部の最奥部にあるステージを見ると、カチーシェさんの後ろ姿と杖に座って浮いているルルさんが見えた。
私と姉は、すぐに大群衆の中に混じって行き、カチーシェとルルさんのいるところまで掻き分けて辿り着いた。
「カチーシェさん……ハァハァ……ルルさん……ハァハァ」
「リミアちゃん弱っちー! 見てて面白かったよー?」
「アハハハ……。それで──参加するんですか?」
「チーター狩り……しないとリリーミさんの容疑晴らせないから私とルルはしようと思う!」
カチーシェさんがガッツポーズをしてニコッと笑った。
私はとても嬉しくなり、カチーシェさんに飛びついてしまった。
リリーミさんの容疑を晴らしたい、そう思ってくれている人が私以外にもいたからだ。
「それは俺達も同じさ。とりあえず店はお預け……みんな他にも来ているからな」
「アキラさん! カイトさん!」
「みんな集まってるな! 俺達も参戦だ!」
「マスターさん! テリヌさん! グレモアさん!」
みんな、リリーミさんと繋がりのある人達ばかりだった。
そして、みんなリリーミさんを守りたい、容疑を晴らしたいと思っている人ばかり。
みんなで力を合わせて、リリーミさんの容疑を晴らさなきゃ!
「それでは、今紙を配っていますので確認ください!」
「……これって!」
「やっぱり噂通り……金髪ガングロギャル幼女と同じ容姿か」
「チーターと言うよりかは……計画犯ですねこれ。昨晩、データから割り出して分かったのですが、チーターは団体を5つほど持っているかと……出現場所、時間帯、数を計算してですが」
カイトさんは高校生数学選手権の2位だったらしく、すぐに計算してデータに起こすことが趣味だとかどうとか。
それでカイトさんが計算した結果、チーターの団体は5つあるらしい。
ならこっちは──1、2……12人、あれ?
「可憐さんと可鱗さん!?」
「はーい、ちゃんときましたよー」
「鼎さん昨日ぶりですね、私も参戦いたしますね」
「これで面子は揃ったんだね! なら私も混ぜてもらって12人、そして残り3人は──ギルマス!」
「俺達も──参戦しよう! 伝説の神器を持ちしパトロール界の伝説が!」
ギルドマスターさん、副ギルドマスターさん、そして受付嬢さん。
リリーミさんを混ぜて12人だったところに、伝説のパトロール隊の3人が加わり、合計15人となった私達は、1チーム3人を5チーム作ることができるようになった。
昨晩の電話の後に、姉から聞いたチーターの件。
そして、その次の日、つまり今日の朝8時に運営から全ローカル(日本国内)プレイヤーに配信されたメールには──
[本日19時。ギルド本部にて緊急発令事案について集会を行います。参加できない方は空メールをお返しください]
チーターの件が……ゲーム内で大事件となっているのだった。
私と姉は、2人で19時前からギルド本部に行き、情報を掻き集めることにした。
「受付嬢、リリーミ・シュテンと言う運営のプレイヤーはいるかね?」
「リリーミ……? どなたでしょうか」
「お姉ちゃん……」
「アイツ──もしかしてほんまのチーターで、初めから荒らすつもりでいたのか?」
リリーミさんって、運営側じゃなかったの? じゃあ、あのリリーミさんって……実は私達と同じプレイヤーでチーター?
私は頭の中がぐるぐると回り、脳がパンクしそうになる。
リリーミさんは元より謎の人だったけれど、今回でより謎に包まれ──疑いになった。
チーターの主犯がリリーミ・シュテン……信じたくないよ。
初めはめちゃくちゃで、3日間限定イベントでは怖かった……でもその後は優しくて、お店の売れ行きに繋がるアドバイスもくれて──嘘って言ってよ。
「何信じてるの?」
「だってそうなるじゃないですか! ──リリーミさん!?」
「うーん。私が主犯なんじゃなくてね? ……容姿をコピーされてしまってて困ったよー」
ギルド本部の裏から、暖簾を分けて出てきた金髪、黒肌、低身長、アニメ声──リリーミさんだった。
あまりの展開に、私は驚くこと以外できなかった。
一ヶ月どこかへ行くと言っていたリリーミさんが……ゲーム内にいるのだから。
そして、犯人像と一致する容姿を持ちながらギルド本部にいるのだから。
「リリーミさん……。どうしてここにいるんだい?」
「私は運営でも、リリーミで通ってないんだよねー! 私は暗殺者……ジャックと呼ばれているから──ねー?」
「ジャックさんの本名、リリーミ・うんたらと言うんでしたか。知りませんでした」
リリーミさんは、運営ではジャックと呼ばれているらしい。
通りで、リリーミ・シュテンと名前を出しても受付嬢さんも運営の人なのに知らないわけだ……。
でもさっき、リリーミさんは容姿をコピーをされたって……
「皆さんお集まりいただきありがとうございます! 今からお話をしますのでステージ前に集まってください!」
「だってー! 行こう行こう! お仲間ちゃんみんな来てるみたいだしー」
リリーミさんに言われ、ギルド本部の最奥部にあるステージを見ると、カチーシェさんの後ろ姿と杖に座って浮いているルルさんが見えた。
私と姉は、すぐに大群衆の中に混じって行き、カチーシェとルルさんのいるところまで掻き分けて辿り着いた。
「カチーシェさん……ハァハァ……ルルさん……ハァハァ」
「リミアちゃん弱っちー! 見てて面白かったよー?」
「アハハハ……。それで──参加するんですか?」
「チーター狩り……しないとリリーミさんの容疑晴らせないから私とルルはしようと思う!」
カチーシェさんがガッツポーズをしてニコッと笑った。
私はとても嬉しくなり、カチーシェさんに飛びついてしまった。
リリーミさんの容疑を晴らしたい、そう思ってくれている人が私以外にもいたからだ。
「それは俺達も同じさ。とりあえず店はお預け……みんな他にも来ているからな」
「アキラさん! カイトさん!」
「みんな集まってるな! 俺達も参戦だ!」
「マスターさん! テリヌさん! グレモアさん!」
みんな、リリーミさんと繋がりのある人達ばかりだった。
そして、みんなリリーミさんを守りたい、容疑を晴らしたいと思っている人ばかり。
みんなで力を合わせて、リリーミさんの容疑を晴らさなきゃ!
「それでは、今紙を配っていますので確認ください!」
「……これって!」
「やっぱり噂通り……金髪ガングロギャル幼女と同じ容姿か」
「チーターと言うよりかは……計画犯ですねこれ。昨晩、データから割り出して分かったのですが、チーターは団体を5つほど持っているかと……出現場所、時間帯、数を計算してですが」
カイトさんは高校生数学選手権の2位だったらしく、すぐに計算してデータに起こすことが趣味だとかどうとか。
それでカイトさんが計算した結果、チーターの団体は5つあるらしい。
ならこっちは──1、2……12人、あれ?
「可憐さんと可鱗さん!?」
「はーい、ちゃんときましたよー」
「鼎さん昨日ぶりですね、私も参戦いたしますね」
「これで面子は揃ったんだね! なら私も混ぜてもらって12人、そして残り3人は──ギルマス!」
「俺達も──参戦しよう! 伝説の神器を持ちしパトロール界の伝説が!」
ギルドマスターさん、副ギルドマスターさん、そして受付嬢さん。
リリーミさんを混ぜて12人だったところに、伝説のパトロール隊の3人が加わり、合計15人となった私達は、1チーム3人を5チーム作ることができるようになった。
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