16 / 52
Karte3:薬師って残酷な生き物なんです
第17話 トリアージ
しおりを挟む
村の入り口にもなっている街道の分岐点からすぐのところ。そこには事故を聞いて駆けつけた大勢の村人いて、けが人の介抱や転覆した馬車を引き起こそうとしていました。
「皆さん! 薬師のソフィアです! 処置を始めますからけが人から離れてくださいっ」
現場に着いた私はまず村人たちをけが人から遠ざける。介抱してくれているのはありがたいけど、けがの度合いによってはそれが命取りになることだってあるからです。
「誰かお水を桶一杯に汲んできてください!」
「じゃ、じゃあわたしが汲んでくるわ」
「ソフィーちゃん他に出来ることはないか⁉」
「応急処置を終えたらすぐに医師がいる街へ運びます。一番近い医師がいる街はどこですか」
尋ねる私に誰かがセント・ジョーズ・ワートと答えます。やっぱりそこだよね。歩けば少なくとも3日、どんなに早い馬車でも2日は掛かるけどそこしかないよね。
「わかりました。バートさん、直ぐに発てるように馬車の手配をお願いします。もちろん一番速い馬でお願いしますっ」
「任せろ」
「ありがとうございます! あとは添え木用の木材を見繕ってください」
「わかった。そこの壊れた馬車から取るぞ。みんな手伝え!」
「みなさんお願いしますっ」
村人たちに一通り指示を出したところでようやくけが人の処置に移れる。薬師の指示とはいえ、みんな協力してくれるのはとてもありがたいです。
3人のけが人は村の人たちの手で転覆した馬車から救出され、馬車から少し離れたことろに寝かされていました。一人ははっきりと意識があり、しきりに足が折れたと叫んでいる。残りの二人は見ただけでは生きているのかもわからない。特に女性の方は聞いた通り左腕が上腕より下から千切れています。馬車の車輪に巻き込まれたみたいです。
「状況からすれば女の人だけど……」
腕がなくなっている女性の怪我が最も深刻なのは誰の目にも明らか。けれども見た目だけで処置の優先度を決めるわけにはいかない。なにより3人を一度に処置するのは無理です。
「お、おい。ソフィーちゃん、そっちは――」
村の誰かが骨折の疑いがある男性に近づく私に声をかけます。まぁ、普通はそうだよね。でもこれには理由があるんですよ。
「薬師のソフィアと申します。お話しできますか?」
横たわる男性に近づくと跪き、出来るだけ目線を男性に合わせて話し掛けます。どんな時だって目線は患者さんに合わせる。それが師匠から教わって鉄則の一つ。目線を合わせることで相手に安心感を与えるのです。
「く、薬師か。助けてくれ。足が折れてる」
「右ですか? 少し触りますね」
「いっ、痛ぇ! 触るなっ」
「確かに折れてますね。他に痛いところはありますか?」
「ない。頼むっ。助けてくれ!」
「大丈夫ですよ。いま仲間が薬を持って来ていますから、到着したら処置をして痛み止めをお出しします。それを飲んで医師がいるセント・ジョーズ・ワートまで我慢してください」
痛がる男性へ簡単に処置内容を伝えると私は何もせずに立ち上がる。アリサさんたちが持ってくる薬がないと処置できないし、いまはただ処置の優先順を決めるトリアージをしているだけだから。
「お、おいっ。助けてくれねぇのか!」
「診たところ、骨折以外にけがはないようですし、しっかりお話も出来ています。申し訳ないのですが現時点では最後に処置をさせてもらいます」
ちょっと――いや、誰が見ても冷酷な対応だと思うだろう。けれどもいまは同時に数人の患者診なければならないイレギュラーな事態が起きているのです。そのような中では処置の優先順位を決めるトリアージが必要となります。この人の場合だと骨折以外に緊急性のあるけがは見当たらず、会話も十分できていることから意識もはっきりしていると判断できる。すなわち治療の優先順位は低くなります。
「吐き気や会話が出来なくなればすぐに処置をしますから安心してください」
「頼むっ。助けてくれ!」
「見捨てたりはしませんから心配しないでください。少し、離れるだけですから」
隣に寝かされているこの人よりは重症に見える男性のもとへ行こうと立ち上がる私の足首を掴む骨折患者。ちょっと厄介なことになってきたかな。私は再び跪くと優しく、相手を刺激しないように話し掛けました。
「痛いのはよくわかりますが足が折れているだけです。もう少ししたら痛み止めのお薬が届きますから我慢してください」
「金なら払うっ。だからあいつらより先に助けてくれっ」
「お金の問題じゃありません。より重症の方を優先して処置を施すだけです」
「そうか……これでもかっ」
「――――っ⁉」
「こ、これでもあいつらを優先するのか」
私にナイフを突きつけ脅し始める骨折患者。いったいどこから出したんだという疑問はさておき、周囲にいた村人たちみんなに緊張が走ります。私も一瞬だけその鋭い刃に怯んでしまう。
「し、死にたくなかった俺を助けろっ」
「出来ません」
「なっ⁉」
「その程度の脅しに屈するほど薬師はバカじゃありません」
「し、死にたいのかっ」
「私を殺すことで満足できるなら、刺して頂いて構いません。ただ、私が死ぬとあなたを助けられる者は誰もいません。もちろん隣にいる方たちも。この村に薬師は私一人ですし、私を殺した人をセント・ジョーズ・ワートまで運ぶとも思いません」
脅しに屈せず、ただ冷静に私を殺すことで生じるデメリットを説明する。この人だって本当に刺すつもりはないはず。ただ痛みと事故の衝撃で冷静な判断が出来なくなっているだけ。その証拠にナイフを持つ手は震え、ナイフの柄を握る力は弱くなっています。
「これは預かってますね」
相手が戦意を喪失したところで骨折患者の手からナイフを振り落とし、危険を除去する。すかさず近くにいた村の男性がその刃物を回収してトラブル解決。
「すみませんが、エドたちが来るまでこの人の監視をお願いします」
「お、おう。それじゃ俺たちが見てる」
「お願いします。もし、吐き気を訴えたり意識を失ったらすぐ教えてください」
「良いのか。こいつ、ソフィーちゃんを――」
「それはそれです。それじゃよろしくお願いします」
患者の監視を村人に任せて今度こそ残り二人のトリアージに入る私。呼びかけにも反応しないというもう一人の男性は脈が取れず、呼吸もしていない。救命措置をすれば助かるかもしれないけど、この人の処置は後回しにせざるを得ないな。
腕が千切れた女性次第だけど、おそらく処置の優先度は最下位。私は脈がないことを確認する程度でこの人に対するトリアージを終え、さらにその隣で寝かされた女性に意識を集中させます。
(……これ、完全にお門違いだよ)
女性の左腕はやはり車輪に巻き込まれ捻じれ切れた感じです。露出した骨は一部が砕け、彼女の周囲の地面は血でどす黒く染まっている。これだけのけがは正直初めて目にするし、薬師でなければ絶対目を逸らしています。
「薬師のソフィアと言います! あなたの右手を握っていますっ。私の声が聞こえたら握り返してください!」
彼女の横に跪き、手を握る私は叫ぶように声を掛けるけど残念ながら呼びかけに反応はありません。けれども脈は力強く、呼吸もしっかりしている。この人は腕が千切れた衝撃で失神しているだけみたい。決まりだ。私は村人たちがいる方に体を向けると女性の手当を優先すると宣言しました。
「この人を最優先で処置します! お水はまだですかっ」
「汲んできたよ。これでどうだい」
「十分です。ありがとうございます!」
処置に必要な水は準備できました。まずは出血を抑える為に千切れた腕の付け根、つまり左肩の少し下を自分が身に着けていたリボンできつく縛ります。そして傷口が心臓の位置より高く腕を持ち上げて血の流れを抑制。あとは薬が届けば――
「皆さん! 薬師のソフィアです! 処置を始めますからけが人から離れてくださいっ」
現場に着いた私はまず村人たちをけが人から遠ざける。介抱してくれているのはありがたいけど、けがの度合いによってはそれが命取りになることだってあるからです。
「誰かお水を桶一杯に汲んできてください!」
「じゃ、じゃあわたしが汲んでくるわ」
「ソフィーちゃん他に出来ることはないか⁉」
「応急処置を終えたらすぐに医師がいる街へ運びます。一番近い医師がいる街はどこですか」
尋ねる私に誰かがセント・ジョーズ・ワートと答えます。やっぱりそこだよね。歩けば少なくとも3日、どんなに早い馬車でも2日は掛かるけどそこしかないよね。
「わかりました。バートさん、直ぐに発てるように馬車の手配をお願いします。もちろん一番速い馬でお願いしますっ」
「任せろ」
「ありがとうございます! あとは添え木用の木材を見繕ってください」
「わかった。そこの壊れた馬車から取るぞ。みんな手伝え!」
「みなさんお願いしますっ」
村人たちに一通り指示を出したところでようやくけが人の処置に移れる。薬師の指示とはいえ、みんな協力してくれるのはとてもありがたいです。
3人のけが人は村の人たちの手で転覆した馬車から救出され、馬車から少し離れたことろに寝かされていました。一人ははっきりと意識があり、しきりに足が折れたと叫んでいる。残りの二人は見ただけでは生きているのかもわからない。特に女性の方は聞いた通り左腕が上腕より下から千切れています。馬車の車輪に巻き込まれたみたいです。
「状況からすれば女の人だけど……」
腕がなくなっている女性の怪我が最も深刻なのは誰の目にも明らか。けれども見た目だけで処置の優先度を決めるわけにはいかない。なにより3人を一度に処置するのは無理です。
「お、おい。ソフィーちゃん、そっちは――」
村の誰かが骨折の疑いがある男性に近づく私に声をかけます。まぁ、普通はそうだよね。でもこれには理由があるんですよ。
「薬師のソフィアと申します。お話しできますか?」
横たわる男性に近づくと跪き、出来るだけ目線を男性に合わせて話し掛けます。どんな時だって目線は患者さんに合わせる。それが師匠から教わって鉄則の一つ。目線を合わせることで相手に安心感を与えるのです。
「く、薬師か。助けてくれ。足が折れてる」
「右ですか? 少し触りますね」
「いっ、痛ぇ! 触るなっ」
「確かに折れてますね。他に痛いところはありますか?」
「ない。頼むっ。助けてくれ!」
「大丈夫ですよ。いま仲間が薬を持って来ていますから、到着したら処置をして痛み止めをお出しします。それを飲んで医師がいるセント・ジョーズ・ワートまで我慢してください」
痛がる男性へ簡単に処置内容を伝えると私は何もせずに立ち上がる。アリサさんたちが持ってくる薬がないと処置できないし、いまはただ処置の優先順を決めるトリアージをしているだけだから。
「お、おいっ。助けてくれねぇのか!」
「診たところ、骨折以外にけがはないようですし、しっかりお話も出来ています。申し訳ないのですが現時点では最後に処置をさせてもらいます」
ちょっと――いや、誰が見ても冷酷な対応だと思うだろう。けれどもいまは同時に数人の患者診なければならないイレギュラーな事態が起きているのです。そのような中では処置の優先順位を決めるトリアージが必要となります。この人の場合だと骨折以外に緊急性のあるけがは見当たらず、会話も十分できていることから意識もはっきりしていると判断できる。すなわち治療の優先順位は低くなります。
「吐き気や会話が出来なくなればすぐに処置をしますから安心してください」
「頼むっ。助けてくれ!」
「見捨てたりはしませんから心配しないでください。少し、離れるだけですから」
隣に寝かされているこの人よりは重症に見える男性のもとへ行こうと立ち上がる私の足首を掴む骨折患者。ちょっと厄介なことになってきたかな。私は再び跪くと優しく、相手を刺激しないように話し掛けました。
「痛いのはよくわかりますが足が折れているだけです。もう少ししたら痛み止めのお薬が届きますから我慢してください」
「金なら払うっ。だからあいつらより先に助けてくれっ」
「お金の問題じゃありません。より重症の方を優先して処置を施すだけです」
「そうか……これでもかっ」
「――――っ⁉」
「こ、これでもあいつらを優先するのか」
私にナイフを突きつけ脅し始める骨折患者。いったいどこから出したんだという疑問はさておき、周囲にいた村人たちみんなに緊張が走ります。私も一瞬だけその鋭い刃に怯んでしまう。
「し、死にたくなかった俺を助けろっ」
「出来ません」
「なっ⁉」
「その程度の脅しに屈するほど薬師はバカじゃありません」
「し、死にたいのかっ」
「私を殺すことで満足できるなら、刺して頂いて構いません。ただ、私が死ぬとあなたを助けられる者は誰もいません。もちろん隣にいる方たちも。この村に薬師は私一人ですし、私を殺した人をセント・ジョーズ・ワートまで運ぶとも思いません」
脅しに屈せず、ただ冷静に私を殺すことで生じるデメリットを説明する。この人だって本当に刺すつもりはないはず。ただ痛みと事故の衝撃で冷静な判断が出来なくなっているだけ。その証拠にナイフを持つ手は震え、ナイフの柄を握る力は弱くなっています。
「これは預かってますね」
相手が戦意を喪失したところで骨折患者の手からナイフを振り落とし、危険を除去する。すかさず近くにいた村の男性がその刃物を回収してトラブル解決。
「すみませんが、エドたちが来るまでこの人の監視をお願いします」
「お、おう。それじゃ俺たちが見てる」
「お願いします。もし、吐き気を訴えたり意識を失ったらすぐ教えてください」
「良いのか。こいつ、ソフィーちゃんを――」
「それはそれです。それじゃよろしくお願いします」
患者の監視を村人に任せて今度こそ残り二人のトリアージに入る私。呼びかけにも反応しないというもう一人の男性は脈が取れず、呼吸もしていない。救命措置をすれば助かるかもしれないけど、この人の処置は後回しにせざるを得ないな。
腕が千切れた女性次第だけど、おそらく処置の優先度は最下位。私は脈がないことを確認する程度でこの人に対するトリアージを終え、さらにその隣で寝かされた女性に意識を集中させます。
(……これ、完全にお門違いだよ)
女性の左腕はやはり車輪に巻き込まれ捻じれ切れた感じです。露出した骨は一部が砕け、彼女の周囲の地面は血でどす黒く染まっている。これだけのけがは正直初めて目にするし、薬師でなければ絶対目を逸らしています。
「薬師のソフィアと言います! あなたの右手を握っていますっ。私の声が聞こえたら握り返してください!」
彼女の横に跪き、手を握る私は叫ぶように声を掛けるけど残念ながら呼びかけに反応はありません。けれども脈は力強く、呼吸もしっかりしている。この人は腕が千切れた衝撃で失神しているだけみたい。決まりだ。私は村人たちがいる方に体を向けると女性の手当を優先すると宣言しました。
「この人を最優先で処置します! お水はまだですかっ」
「汲んできたよ。これでどうだい」
「十分です。ありがとうございます!」
処置に必要な水は準備できました。まずは出血を抑える為に千切れた腕の付け根、つまり左肩の少し下を自分が身に着けていたリボンできつく縛ります。そして傷口が心臓の位置より高く腕を持ち上げて血の流れを抑制。あとは薬が届けば――
10
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
狼になっちゃった!
家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで?
色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!?
……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう?
これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜
キノア9g
ファンタジー
※本作はフィクションです。
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」
20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。
一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。
毎日19時更新予定。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる