13 / 26
ユリエの憂鬱
5-1 小姓のお仕事
しおりを挟む
こうして始まったユリエのカイルーズの側近代行の初仕事は、なんと次の日からだった。
「どうぞ」
渋々第二王子の執務室の扉をノックすると、中から返事があり、入室を促される。
「失礼致します」
入室の挨拶をして扉を開けたユリエは、室内の惨状を目にし、愕然とした。
「な、ななな何、これは……」
三国の中でも最も大きく栄えているアシェイラ国、その王位継承者の執務室は、足の踏み場がない程に書類に埋もれていたのだ。
「ちょっと、何なのよ。この状態は! あんた、今まで何やってた訳!?」
そう怒鳴ってカイルーズを見たユリエは、相手が呆気にとられているのに気づく。
「……?」
いぶかしげに眉をひそめた瞬間
「ぶ~~はっ、似合う! 似合いすぎるよ、君~~~~!その、小姓の衣装!」
「なっ! だってこれは、あなたが仕事をする時に着るようにってよこしたんでしょう!?」
そう、昨日クマ吉が持ってきた荷物の包みの中身は、この小姓の衣装一式とこれを絶対に着るようにというカイルーズのメモだったのだ。真赤になってカイルーズを睨み見るユリエの着る衣装、実はリュセル付きの小姓であるティルなど、小姓の少年達が着ている制服なのである。
紺色のシャツにくすんだ水色の下衣。その上から膝まである長衣を身につけて、腰に紺色の帯を締める。働きやすいようにと、いつものように二つに分けたおさげ髪ではなく、背後で黒髪を一本に束ねたユリエの姿は、どこからどう見ても小姓の少年だ。
「いや~~、まさか、そこまでその衣装がハマるなんて予想外だよ」
笑い過ぎで、ぜえぜえと息を切らすカイルーズを睨みながらも、ユリエは書類の海を泳ぐようにしてカイルーズのいる執務机に近づいた。
「私が小姓の衣装が似合おうと似合うまいと、これからの仕事には一切関係ないわ。いい? 三日よ」
「はい?」
三本の指を自分の前に掲げたユリエに、カイルーズはのん気に首を傾げる。
「三日の内に、この書類の山をどうにかするわよ」
「本気?」
「あなたねえ、この状態でどうやって執務を続けるつもり!? ともかく、私が仕分けをするから、仕分けの済んだものから目を通してちょうだい」
そして、その瞬間から、ユリエは書類整理の鬼と化したのだった。
(すごいな)
ユリエの三日で書類整理完了宣言から数刻後、カイルーズの執務机には、きちんと仕分けされた書類がわかりやすく並べられていた。
期限の迫っているものから順に並べられたそれらに目を通し、印を押していく。そんなカイルーズの目の端では、せかせかとよく動く小さな体が、右へ左へと何度も行き来している。
ユリエは執務室の端から端までに縦横無尽に広がった書類の内容と期限を確認すると、それを仕分けし、束にして、紐でくくり、空の本棚に収納していた。そして、執務机の書類が少なくなると同時に、本棚収納した書類の束を机の上に持って行き、回収した処理済みの書類は、その書類が必要な場所ごとに分けて、お手伝いにきてくれていたクマ吉に届けさせるのだ。
その、慣れた手つきで書類を分け、部屋を片付けるユリエの手の早い事。まさに神業である。
そうして、三日の間というもの、他国の客人であるにも関わらず、ユリエはサンジェイラにいた時同様に働いた。……いや、働かされた。
一刻も早く、この大量書類を片づけない事には、アシェイラ来国目的である、ツバキの縁談をまとめるという肝心の使命が果たせない。何せカイルーズは、初日にツバキと会って以来、面会にも行かないのだ。
まあ、ツバキはツバキで、アシェイラという大きな国の王宮を満喫している様子なので、婚約者が会いに来ない事など気にもしていないようだったが。
(まさか、ツバキでは不満だとでもいうの!?)
書類の片づけを続けながらも、ユリエはそんな事を考える。
(おのれ、私と違って、才色兼備と謳われるツバキのどこが気に入らないっていうのよ!)
ギラギラとした目で大人しく執務の席についている件の王子を睨みつけていると、それに気づいたカイルーズが、目を通していた書類から目を上げた。
険悪な表情で自分を睨むユリエに、カイルーズはにっこりと笑いかける。
「ねえ、聞いてびっくりしちゃったんだけれど、君って二十五歳なんだって?」
「ええ」
一体、急に何を言い出すのか、カイルーズは持っていた羽ペンを置くと、机の上に両肘をついて小首を傾げた。
「兄上よりも年上なんてさ~、全っ然見えないけど……。僕より五つも年上って事だよね」
「そ、そうよ」
「ならさ~、その態度って、大人げないんじゃない?」
ピキッ
カイルーズの台詞を聞いたユリエの額に亀裂が入った。頭にくる程に正論である。そう。確か、カイルーズ王子は二十歳。
(五歳年下って事は、私が二十歳の時は十五歳、私が十五歳の時は奴は十歳、私が五歳の時にようやくこの世に生まれ出たって事よね)
カイルーズの言葉を聞いた途端、顔を伏せてブツブツと呟いていたユリエは、ふと顔を上げると、会心の笑みを浮かべた。
(!?)
警戒するような顔になった青年にゆっくりとユリエは近づくと、座るカイルーズに上から目線で告げる。
「そうよね、私が大人げなかったわ。ごめんなさい」
台詞だけ聞けば殊勝に謝っているようにしか聞こえないが、不必要なまでに優しい猫撫で声は、年の離れた姉がやんちゃな小さな弟を相手にする時のような口調だった。
「あ……、ああ」
反射的に頷いたカイルーズにユリエはまとめた書類を渡す。
「よかったわ。ご機嫌が直って……。さあ、これが終わったら、おやつにしましょうね。うふふふ、お腹が空いてご機嫌が悪かったんでしょう?」
「なっ!」
まさに、子供扱い。カイルーズは、ショックのあまり体を硬直させた。
「僕を何だと思ってるんだ!」
なんとか我に返り立ち上がったカイルーズを、傲岸不遜な目の前の姫君は鼻で笑ったのだ。
「何って、わがままな子供よ。私の弟にも一人いるわ、あなたみたいな子がね。ああ、今年、八歳になったばかりなんだけれど……」
八歳の子供と同レベルにされたカイルーズは、その後、無言のまま、溜まった書類を意地で片づけたのだった。
「やれば出来るじゃない」
すっきり片付いた執務室を見回しながら、ユリエは満足そうに頷いた。
散々な惨状だった執務室の片づけに大きく貢献したユリエを見返す為、がむしゃらにやった結果だったのだが、あっさりと自分を認められてカイルーズは拍子抜けした。
(変な女)
最初に彼女が宣言した通り、本当に三日間で滞っていた仕事の大部分を終らせる事が出来たが、カイルーズはつい、そう思ってしまう。
今まで出会った事がないタイプの女性だ。有能である事は間違いない。そのサポート能力は、カイエに引けをとらない事を、この3日で実感した。
それに、今は小姓の衣装を着ているから尚更そうなのかもしれないが、あまり彼女から女を感じる事がなかった。気性もどちらかといえばさっぱりしているようだし、女らしい色気もない。小姓の衣装を着ている姿は、まるで少年である。
「がんばったわね、疲れたでしょう?」
そう言って差し出されたのは、紅茶とクッキーだ。こんな細かい気遣いは、女性らしいのだが……。それにしても、どこまでも年下扱いするのが癇に障る。最初に年下の自分に大人げない態度をとるのはどうかと指摘したからだろうか?ずっとこの調子だ。
「いい加減、僕を年下扱いするのは止めろよ」
カイルーズの不満そうな声を聞き、ユリエは一瞬きょとんとした。
「あら? 年下扱いなんてしていないわよ」
その答えに怪訝そうに眉をしかめるカイルーズを見て、ユリエはクスリと笑う。
「子供扱いはしているけれど」
(尚悪い!)
カイルーズは口元を引きつらせた。
「それはそうと、ここまで片付いたのだから、今日は午後から暇をちょうだい」
カイルーズの不満など意にも介さずに、自分の望みを口にするユリエは、相当肝が据わっていると言えよう。
「暇? 休みが欲しいのか?」
カイルーズの不思議そうな問いかけに、ユリエは頷いた。
「ええ、カイエ兄さんのお見舞いに行きたいのよ」
「……………………」
「何よ、その顔」
「……別に」
不機嫌そうにユリエから顔をそむけながら、カイルーズは胸がムカムカするのを感じていた。何故か、この姫君がカイエの事を気にするのが気に入らなかったのだ。自分に対しては散々なくせに、カイエに対しては慈愛めいた表情を浮かべるのがムカつく。
「別にって、顔してないじゃない。ちょっと、あなた、顔だけはいいんだから、唇とがらせるの止めなさいよ」
「顔だけとはなんだ! 失礼な奴だなっ……、いいか!? よく聞け、この無礼者」
そう怒鳴りながら、座っていた執務椅子から勢いよく立ちあがったカイルーズは、ダンッと机に両手をついた。
「な……、何よ」
その迫力にユリエがたじろぐと、カイルーズは大声で主張した。
「僕は、脱いでもすごいんだああああああああっ!」
力のこもり過ぎたその主張に、ユリエはうつろな目をしたのだった。
「どうぞ」
渋々第二王子の執務室の扉をノックすると、中から返事があり、入室を促される。
「失礼致します」
入室の挨拶をして扉を開けたユリエは、室内の惨状を目にし、愕然とした。
「な、ななな何、これは……」
三国の中でも最も大きく栄えているアシェイラ国、その王位継承者の執務室は、足の踏み場がない程に書類に埋もれていたのだ。
「ちょっと、何なのよ。この状態は! あんた、今まで何やってた訳!?」
そう怒鳴ってカイルーズを見たユリエは、相手が呆気にとられているのに気づく。
「……?」
いぶかしげに眉をひそめた瞬間
「ぶ~~はっ、似合う! 似合いすぎるよ、君~~~~!その、小姓の衣装!」
「なっ! だってこれは、あなたが仕事をする時に着るようにってよこしたんでしょう!?」
そう、昨日クマ吉が持ってきた荷物の包みの中身は、この小姓の衣装一式とこれを絶対に着るようにというカイルーズのメモだったのだ。真赤になってカイルーズを睨み見るユリエの着る衣装、実はリュセル付きの小姓であるティルなど、小姓の少年達が着ている制服なのである。
紺色のシャツにくすんだ水色の下衣。その上から膝まである長衣を身につけて、腰に紺色の帯を締める。働きやすいようにと、いつものように二つに分けたおさげ髪ではなく、背後で黒髪を一本に束ねたユリエの姿は、どこからどう見ても小姓の少年だ。
「いや~~、まさか、そこまでその衣装がハマるなんて予想外だよ」
笑い過ぎで、ぜえぜえと息を切らすカイルーズを睨みながらも、ユリエは書類の海を泳ぐようにしてカイルーズのいる執務机に近づいた。
「私が小姓の衣装が似合おうと似合うまいと、これからの仕事には一切関係ないわ。いい? 三日よ」
「はい?」
三本の指を自分の前に掲げたユリエに、カイルーズはのん気に首を傾げる。
「三日の内に、この書類の山をどうにかするわよ」
「本気?」
「あなたねえ、この状態でどうやって執務を続けるつもり!? ともかく、私が仕分けをするから、仕分けの済んだものから目を通してちょうだい」
そして、その瞬間から、ユリエは書類整理の鬼と化したのだった。
(すごいな)
ユリエの三日で書類整理完了宣言から数刻後、カイルーズの執務机には、きちんと仕分けされた書類がわかりやすく並べられていた。
期限の迫っているものから順に並べられたそれらに目を通し、印を押していく。そんなカイルーズの目の端では、せかせかとよく動く小さな体が、右へ左へと何度も行き来している。
ユリエは執務室の端から端までに縦横無尽に広がった書類の内容と期限を確認すると、それを仕分けし、束にして、紐でくくり、空の本棚に収納していた。そして、執務机の書類が少なくなると同時に、本棚収納した書類の束を机の上に持って行き、回収した処理済みの書類は、その書類が必要な場所ごとに分けて、お手伝いにきてくれていたクマ吉に届けさせるのだ。
その、慣れた手つきで書類を分け、部屋を片付けるユリエの手の早い事。まさに神業である。
そうして、三日の間というもの、他国の客人であるにも関わらず、ユリエはサンジェイラにいた時同様に働いた。……いや、働かされた。
一刻も早く、この大量書類を片づけない事には、アシェイラ来国目的である、ツバキの縁談をまとめるという肝心の使命が果たせない。何せカイルーズは、初日にツバキと会って以来、面会にも行かないのだ。
まあ、ツバキはツバキで、アシェイラという大きな国の王宮を満喫している様子なので、婚約者が会いに来ない事など気にもしていないようだったが。
(まさか、ツバキでは不満だとでもいうの!?)
書類の片づけを続けながらも、ユリエはそんな事を考える。
(おのれ、私と違って、才色兼備と謳われるツバキのどこが気に入らないっていうのよ!)
ギラギラとした目で大人しく執務の席についている件の王子を睨みつけていると、それに気づいたカイルーズが、目を通していた書類から目を上げた。
険悪な表情で自分を睨むユリエに、カイルーズはにっこりと笑いかける。
「ねえ、聞いてびっくりしちゃったんだけれど、君って二十五歳なんだって?」
「ええ」
一体、急に何を言い出すのか、カイルーズは持っていた羽ペンを置くと、机の上に両肘をついて小首を傾げた。
「兄上よりも年上なんてさ~、全っ然見えないけど……。僕より五つも年上って事だよね」
「そ、そうよ」
「ならさ~、その態度って、大人げないんじゃない?」
ピキッ
カイルーズの台詞を聞いたユリエの額に亀裂が入った。頭にくる程に正論である。そう。確か、カイルーズ王子は二十歳。
(五歳年下って事は、私が二十歳の時は十五歳、私が十五歳の時は奴は十歳、私が五歳の時にようやくこの世に生まれ出たって事よね)
カイルーズの言葉を聞いた途端、顔を伏せてブツブツと呟いていたユリエは、ふと顔を上げると、会心の笑みを浮かべた。
(!?)
警戒するような顔になった青年にゆっくりとユリエは近づくと、座るカイルーズに上から目線で告げる。
「そうよね、私が大人げなかったわ。ごめんなさい」
台詞だけ聞けば殊勝に謝っているようにしか聞こえないが、不必要なまでに優しい猫撫で声は、年の離れた姉がやんちゃな小さな弟を相手にする時のような口調だった。
「あ……、ああ」
反射的に頷いたカイルーズにユリエはまとめた書類を渡す。
「よかったわ。ご機嫌が直って……。さあ、これが終わったら、おやつにしましょうね。うふふふ、お腹が空いてご機嫌が悪かったんでしょう?」
「なっ!」
まさに、子供扱い。カイルーズは、ショックのあまり体を硬直させた。
「僕を何だと思ってるんだ!」
なんとか我に返り立ち上がったカイルーズを、傲岸不遜な目の前の姫君は鼻で笑ったのだ。
「何って、わがままな子供よ。私の弟にも一人いるわ、あなたみたいな子がね。ああ、今年、八歳になったばかりなんだけれど……」
八歳の子供と同レベルにされたカイルーズは、その後、無言のまま、溜まった書類を意地で片づけたのだった。
「やれば出来るじゃない」
すっきり片付いた執務室を見回しながら、ユリエは満足そうに頷いた。
散々な惨状だった執務室の片づけに大きく貢献したユリエを見返す為、がむしゃらにやった結果だったのだが、あっさりと自分を認められてカイルーズは拍子抜けした。
(変な女)
最初に彼女が宣言した通り、本当に三日間で滞っていた仕事の大部分を終らせる事が出来たが、カイルーズはつい、そう思ってしまう。
今まで出会った事がないタイプの女性だ。有能である事は間違いない。そのサポート能力は、カイエに引けをとらない事を、この3日で実感した。
それに、今は小姓の衣装を着ているから尚更そうなのかもしれないが、あまり彼女から女を感じる事がなかった。気性もどちらかといえばさっぱりしているようだし、女らしい色気もない。小姓の衣装を着ている姿は、まるで少年である。
「がんばったわね、疲れたでしょう?」
そう言って差し出されたのは、紅茶とクッキーだ。こんな細かい気遣いは、女性らしいのだが……。それにしても、どこまでも年下扱いするのが癇に障る。最初に年下の自分に大人げない態度をとるのはどうかと指摘したからだろうか?ずっとこの調子だ。
「いい加減、僕を年下扱いするのは止めろよ」
カイルーズの不満そうな声を聞き、ユリエは一瞬きょとんとした。
「あら? 年下扱いなんてしていないわよ」
その答えに怪訝そうに眉をしかめるカイルーズを見て、ユリエはクスリと笑う。
「子供扱いはしているけれど」
(尚悪い!)
カイルーズは口元を引きつらせた。
「それはそうと、ここまで片付いたのだから、今日は午後から暇をちょうだい」
カイルーズの不満など意にも介さずに、自分の望みを口にするユリエは、相当肝が据わっていると言えよう。
「暇? 休みが欲しいのか?」
カイルーズの不思議そうな問いかけに、ユリエは頷いた。
「ええ、カイエ兄さんのお見舞いに行きたいのよ」
「……………………」
「何よ、その顔」
「……別に」
不機嫌そうにユリエから顔をそむけながら、カイルーズは胸がムカムカするのを感じていた。何故か、この姫君がカイエの事を気にするのが気に入らなかったのだ。自分に対しては散々なくせに、カイエに対しては慈愛めいた表情を浮かべるのがムカつく。
「別にって、顔してないじゃない。ちょっと、あなた、顔だけはいいんだから、唇とがらせるの止めなさいよ」
「顔だけとはなんだ! 失礼な奴だなっ……、いいか!? よく聞け、この無礼者」
そう怒鳴りながら、座っていた執務椅子から勢いよく立ちあがったカイルーズは、ダンッと机に両手をついた。
「な……、何よ」
その迫力にユリエがたじろぐと、カイルーズは大声で主張した。
「僕は、脱いでもすごいんだああああああああっ!」
力のこもり過ぎたその主張に、ユリエはうつろな目をしたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
「わざわざ始まるまでまたないで、今のうちに手を打ったってよくない?」
イチイ アキラ
恋愛
アスター公爵令嬢エステルは、夢をみる。それは先を映す夢。
ある日、夢をみた。
この国の未来を。
それをアルフレッド王太子に相談する。彼女を愛して止まない婚約者に。
彼は言う。
愛する君とぼくの国のためなら、未来を変えるのも仕方なくない?
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる