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その他恋愛小説
鼓動の速さ
しおりを挟む「好きなのはお前だけだし」
彼は私にそう言った。
「嘘…ばっかり」
私は唇を尖らせた。
というのも、今朝
彼が女の子とLINEしてるのを
見てしまったからだ。
別にやましい内容ではなかったけれど
私にはほんの少しの
ヤキモチを妬く権利くらい
ある気がするの。
付き合おうって約束を
交わしたわけじゃないけれど
だって、ね
彼は
お前だけだ、なんて
甘く繰り返す。
「ほら」
私を呼ぶ様に優しくそう口にして
私の手を彼は誘っていく。
私の指先が行き着いたのは
彼の左胸。
とっ、とっ、とっ、
規則的な心臓の足音。
駆け足なのが嬉しい。
「速いだろ」
「…普通だよ」
「強情だなぁ」
「違うもん」
「んー」
じゃあこれでどう?
彼はそう小さく呟くと
いたずらっこみたいに
何か企んだ口で
私の唇を奪った。
固く閉じた唇を
僅かに緩めるとごく当たり前に
それを割って入り込む彼の舌。
唇に吸い付き
歯をなぞり
舌先を絡めて
息をすることも忘れて
安らぎへ落ちていく。
彼の胸に触れたままの
指先から伝わる命の音は
とととととと
愛しく思う程
スピードを増していた。
たまらない、その気持ちが伝わるほど
髪を優しく、時に乱暴に撫でられる。
私はただ、されるがままに
彼の愛を受け入れた。
「なあ、俺の心臓、速いだろ?」
「……うん」
「……お前は?」
「ん?」
「お前の…に、触れていい?」
ああ、また彼に
うまいこと丸め込まれちゃうなあ。
そう思いながらも
こんな時だけ子犬みたいな彼の
眼差しに逆らうことが出来ない。
「いいよ」
一緒に溶け合おう。
溶け合い続けたら
いつかあなたの
お嫁さんにしてくれる?
そんな物語を夢に見て
私は彼と幸せの中へ
旅を始めた。
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