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可愛いふたり
アルコール
しおりを挟む「ねー、ちゅーは?」
「…やだよ」
「えー、おやすみのちゅー!」
「やだって」
彼は近づいたあなたの顔を
手で押しのけキスを拒みます。
あなたは頬を
風船のように膨らめました。
「むぅ、なんでー?」
「なんでって…考えてもみろよ」
「ん?」
「新年会で俺、しこたま酒浴びてきたんだぞ」
「…だから?」
あなたは頭上にはてなマークを
沢山浮かべて彼の言葉を待ちました。
彼はオーギュスト・ロダンの
「考える人」のようなポーズで
恥ずかしさを逃しながら言います。
「さ、酒臭い口で…お前とキス、出来ねえよ」
「え、超可愛い。なにその理由。ますますしたい。しよー??」
「ちょっ、なんでそうなる!」
ますます顔が紅潮していく彼に
あなたは詰め寄ります。
「だってえ、呑んだのは私も一緒だよ」
「それは、そうだけどっ、お前は別に臭くねえし」
「えー?お酒臭いの一緒だよ」
「じゃあお前は餃子食べてニンニク臭くても、ニンニク臭いの同じだからってキス出来んの!?」
「んーーー…それは嫌かも」
「ほら見ろ!それといっ……」
あなたはどや顔で
声を張り上げる彼の口を
「すきあり♪」唇で塞ぎました。
漏れる吐息
別々のからだな事が
もどかしいくらい
その触れ合いが愛しい。
愛しすぎてお酒の臭いなんて
感じませんよね。
「……やだって言ったのに」
「臭くないよ?」
「絶っっ対、嘘だっ」
あなたに不快な思いを
させたくなかったのでしょう。
彼はすっかり意気消沈。
「ねえ」
あなたは
彼の足の間に上手く滑り込んで
彼の顔を覗き込みます。
熱っぽく潤んだ彼の目。
「あー…超かわいいね」
「あのなあ…何度もかわいいって言うなよ」
「ねえ」
「今度は何?」
「もっかいしてもいい!?」
「鼻息荒い!だめ。なんかお前中年オヤジみたいだぞ」
「この際オヤジでもなんでもいい…ね、もぅー1回だけ!」
「女がオヤジでいいなんて言うな!だめ!」
新年早々
こんなやりとり。
戯れるように何度も言葉を交わしながら
二人は陶酔していくのです。
明日はきっとお互い二日酔いでしょう。
だけど辛いも苦しいも、二日酔いだって
この二人なら笑って吹き飛ばせるはず。
「ねー、ちゅー」
「しつこいっオヤジ女子!」
「なによー、ナヨ系男子ー」
言い合いにも幸せを感じる二人の夜は
まだまだ終わりそうにありませんね。
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