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夜のシルドの街、そこを一陣の風が吹き抜ける。言葉にすれば大層なことだが、実際にはモグラが妖精族の少女、シルフィーを小脇に抱えて走っている。悪く言えば人さらいにも似ている行為に、(ひょっとして俺はとんでもないことをしているのでは?)と思うが首を横に振り、
(いや、今はそんなことを考えている暇はない。)
と考え直す。街の門は当然のように閉まっているが、上からひょいひょいと飛び越え、巡回している警備兵の明かりに照らされないように気を付けながら街の外に出ていた。
「す、すごい~れすね~。」
シルフィーは風属性の妖精だが、完全に目を回し、気を失う直前だった。
「すまぬ。だが、急がなければ間に合わないのではないか?」
息が荒れることもなく、走りながら普通に声を掛ける。
「あうぇ、そうらーすなぁ~。」
シルフィーはもう意識を失いそうになる寸前で言葉を発している。その数分後、完全に意識を失った。それを気にせず夜の平原を駆ける。
(ギルド職員を捕まえるのに手こずって1時間も掛かってしまった。おそらくこのシルフィーと言う少女。依頼書を持たされ、シルドの街に逃がされたのだ。緊急クエストにしては身なりが整っている。それに金だ。結構な額を持たされている。間に合えばいいが・・・。あのクソジジイのすることだ。どうせ、何も言わずに追い出したのだ。)
聖剣の勇者だったころ、意味の無いクエストを何度も出されたことを思い出す。山頂のあの花を取ってこい、林のあのでかいやつを倒してこい、今日は釣りして来い・・・そう言った何のためにやるのかを何も言わずにきついクエストをやらされ気が付くとSランクになっていた。最後にモグラに対してにこりと笑い、「じゃ、元気で!」と言って、突然村から追い出された経験がある。今回もそう言ったことなのだろう。
「とにかく今は一刻も早く妖精族の村、グランハイランドへ行かなければ!」
さらに、スピードを上げると小脇から何かべちょべちょしたものを感じたが、気にせずに走った。
一方、シルドの街では会議が思ったよりも早く終わり、Sランク冒険者や神殿関係者が領主の館の大広間に集まり、懇談会が開かれていた。
「ふう、ちょっと疲れたわね。」
Sランク冒険者のファルシオンは外の空気を吸おうとテラスに出る。外からはセレンや神官長が和気藹々と話しており、一方、ヘンリー王子は机に伏して寝ている様子が見て取れた。意外だったのは、エルドラドと盾の勇者が仲良く話し、ついには盾の勇者がエルドラドの胸に飛び込み、頭をなでている。
「あの子達、絶対そりが合わないと思っていたのに・・・。」
出された炭酸入りのワインを飲みながら、そう思った。実際、エルドラドも盾の勇者も旅の道中で話したことがある。ファルシオンから見て盾の勇者は完全に壊れていた。仲間を守るために自分が血だらけになったとしても笑顔で「大丈夫。」と言っていた光景は悍ましいとも思えた。対してエルドラドに関しては所謂世間知らずのお嬢様と言った感じだ。つまり、普通なのだ。
「面白い組み合わせね。ふふふ。」
ファルシオンはくすくすと笑うと街を一望した。
「あら、今、何か・・・。」
マナが高速で移動する様子が見えた気がした。
「遠見の陣。」
そう詠唱すると眼前に魔法陣が展開する。Sランク、演熱のファルシオン。魔導士としてこの国に座してから、もう何百年と生きている魔女。彼女はエルフではないが、いつから生きているのかを人々に聞くと、人によって回答が違う。とあるものは彼女が子供のころから、とあるものは私が子供だった頃からと人によって内容が大きくことなると言った謎が多い人物だった。実際は、2000年くらいは生きているのだが、ある時から歳を数えるのをやめた。女性にとっては苦でしかないらしい。なので、本人は永遠の17歳を名乗っている。
そんな彼女は目を輝かせた。自分の知らないような知識が目の前にあると。
「ここにいても退屈だし・・・会議の件もあるし、ね。興味があるわ。」
そう呟くと、
「風の精、私を彼のもとに届けよ。」
と呟くと、彼女は瞬く間にその場から消えたのだった。
(いや、今はそんなことを考えている暇はない。)
と考え直す。街の門は当然のように閉まっているが、上からひょいひょいと飛び越え、巡回している警備兵の明かりに照らされないように気を付けながら街の外に出ていた。
「す、すごい~れすね~。」
シルフィーは風属性の妖精だが、完全に目を回し、気を失う直前だった。
「すまぬ。だが、急がなければ間に合わないのではないか?」
息が荒れることもなく、走りながら普通に声を掛ける。
「あうぇ、そうらーすなぁ~。」
シルフィーはもう意識を失いそうになる寸前で言葉を発している。その数分後、完全に意識を失った。それを気にせず夜の平原を駆ける。
(ギルド職員を捕まえるのに手こずって1時間も掛かってしまった。おそらくこのシルフィーと言う少女。依頼書を持たされ、シルドの街に逃がされたのだ。緊急クエストにしては身なりが整っている。それに金だ。結構な額を持たされている。間に合えばいいが・・・。あのクソジジイのすることだ。どうせ、何も言わずに追い出したのだ。)
聖剣の勇者だったころ、意味の無いクエストを何度も出されたことを思い出す。山頂のあの花を取ってこい、林のあのでかいやつを倒してこい、今日は釣りして来い・・・そう言った何のためにやるのかを何も言わずにきついクエストをやらされ気が付くとSランクになっていた。最後にモグラに対してにこりと笑い、「じゃ、元気で!」と言って、突然村から追い出された経験がある。今回もそう言ったことなのだろう。
「とにかく今は一刻も早く妖精族の村、グランハイランドへ行かなければ!」
さらに、スピードを上げると小脇から何かべちょべちょしたものを感じたが、気にせずに走った。
一方、シルドの街では会議が思ったよりも早く終わり、Sランク冒険者や神殿関係者が領主の館の大広間に集まり、懇談会が開かれていた。
「ふう、ちょっと疲れたわね。」
Sランク冒険者のファルシオンは外の空気を吸おうとテラスに出る。外からはセレンや神官長が和気藹々と話しており、一方、ヘンリー王子は机に伏して寝ている様子が見て取れた。意外だったのは、エルドラドと盾の勇者が仲良く話し、ついには盾の勇者がエルドラドの胸に飛び込み、頭をなでている。
「あの子達、絶対そりが合わないと思っていたのに・・・。」
出された炭酸入りのワインを飲みながら、そう思った。実際、エルドラドも盾の勇者も旅の道中で話したことがある。ファルシオンから見て盾の勇者は完全に壊れていた。仲間を守るために自分が血だらけになったとしても笑顔で「大丈夫。」と言っていた光景は悍ましいとも思えた。対してエルドラドに関しては所謂世間知らずのお嬢様と言った感じだ。つまり、普通なのだ。
「面白い組み合わせね。ふふふ。」
ファルシオンはくすくすと笑うと街を一望した。
「あら、今、何か・・・。」
マナが高速で移動する様子が見えた気がした。
「遠見の陣。」
そう詠唱すると眼前に魔法陣が展開する。Sランク、演熱のファルシオン。魔導士としてこの国に座してから、もう何百年と生きている魔女。彼女はエルフではないが、いつから生きているのかを人々に聞くと、人によって回答が違う。とあるものは彼女が子供のころから、とあるものは私が子供だった頃からと人によって内容が大きくことなると言った謎が多い人物だった。実際は、2000年くらいは生きているのだが、ある時から歳を数えるのをやめた。女性にとっては苦でしかないらしい。なので、本人は永遠の17歳を名乗っている。
そんな彼女は目を輝かせた。自分の知らないような知識が目の前にあると。
「ここにいても退屈だし・・・会議の件もあるし、ね。興味があるわ。」
そう呟くと、
「風の精、私を彼のもとに届けよ。」
と呟くと、彼女は瞬く間にその場から消えたのだった。
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