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1章 王都ルーデリー 出会い編
1-49 未知の島へ
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「準備は出来たかい、兄ちゃん達。」
俺たちをグリーグ島に運ぶ船は軍で昔使用していたという上等な物だ。
物資の運搬・管理を担当するギルド職員のお兄さん「リカルド」が言うには、今回の船でグリーグ入りするのは俺たちだけのようだ。
他にのっているのは駐屯地の兵との交代要員。
一般的には海獣対策で冒険者が同行することも有るらしい、この辺の海域では小型のものがたまに出るくらいで問題になったことは無いそうだ。
なかなかの大きさの船だが、そのほとんどは駐屯兵への物資や、冒険者から依頼された物で運航費は国から出ている為、許可を貰ったものは無料で乗船できる。
「ま、短い間だけど仲良くやろう。」
リカルドは気さくなお兄さんだが、カルドラのギルドでは物品の管理を任される程優秀らしい。
年齢は聞くことが出来なかったが、恐らく35歳前後だろうと思う。
「リカルドさんってリルドさんに似てるね!
顔も名前も!」
ミーシャに言われて気付いたが、王都で合ったギルド幹部のリルドさんによく似ている。
「リルドは俺のおじさんだからね。
ちなみにグリーグ島に駐在してるのは俺の兄貴だ、腕は保障するから困ったことがあったら頼るといい。」
なんとも頼もしい一家だ。
ーーーーーーーーー
いよいよ出発だ、この世界の船の動力は魔石を利用したエンジンのような装置で、プロペラを回し海を進む。
「ただし、大型船だと必要な魔力量も多くなるので、充填に時間がかかってしまうのです。」
との事だ、クリーンなエネルギーいつだって補充に時間がかかるものさ。
バッテリーのように、魔石の入れ替えれば…
とも思ったが、そんなことはすでにテスト中らしく。
「似たような話を聞いた事がありますが、実験段階でうまく言ったとの報告は聞いてません。」
軍部で秘匿してる可能性もありますが、と付け足してナツキが教えてくれる。
やはりこの世界、いやこの国だけなのかは分からないが、技術レベルは恐ろしく高い。
飛行船の類もどこかで動いているかもしれない。
俺たちに当てられた船の一室で、興味本位から発展した話だが、知らない技術はやはりワクワクする。
「それは難しいわね。
この船に積んでるB級魔石でもなかなか市場に出回らない上、目のくらむような金額なのよ。
空を飛ぶ船なんて採算が取れるとも思わないし、速度が出なければグリフォンやドラゴンの良い的よ。」
飛行船の話をすると、リーズから否定的な答えが返ってくる。
当たり前だが、この世界にはこの世界の事情がある。
だが、ここまで技術の進んだ国だ、そういう話が進んでいてもおかしくはないと思う。
軍が極秘で研究している可能性は十分あるだろう。
興味なさそうに話を聞いていたミーシャはすでに昼寝を始めている。
船酔いに苦しむかもしれない、俺も休めるときに休んでおこう。
第一章 完
俺たちをグリーグ島に運ぶ船は軍で昔使用していたという上等な物だ。
物資の運搬・管理を担当するギルド職員のお兄さん「リカルド」が言うには、今回の船でグリーグ入りするのは俺たちだけのようだ。
他にのっているのは駐屯地の兵との交代要員。
一般的には海獣対策で冒険者が同行することも有るらしい、この辺の海域では小型のものがたまに出るくらいで問題になったことは無いそうだ。
なかなかの大きさの船だが、そのほとんどは駐屯兵への物資や、冒険者から依頼された物で運航費は国から出ている為、許可を貰ったものは無料で乗船できる。
「ま、短い間だけど仲良くやろう。」
リカルドは気さくなお兄さんだが、カルドラのギルドでは物品の管理を任される程優秀らしい。
年齢は聞くことが出来なかったが、恐らく35歳前後だろうと思う。
「リカルドさんってリルドさんに似てるね!
顔も名前も!」
ミーシャに言われて気付いたが、王都で合ったギルド幹部のリルドさんによく似ている。
「リルドは俺のおじさんだからね。
ちなみにグリーグ島に駐在してるのは俺の兄貴だ、腕は保障するから困ったことがあったら頼るといい。」
なんとも頼もしい一家だ。
ーーーーーーーーー
いよいよ出発だ、この世界の船の動力は魔石を利用したエンジンのような装置で、プロペラを回し海を進む。
「ただし、大型船だと必要な魔力量も多くなるので、充填に時間がかかってしまうのです。」
との事だ、クリーンなエネルギーいつだって補充に時間がかかるものさ。
バッテリーのように、魔石の入れ替えれば…
とも思ったが、そんなことはすでにテスト中らしく。
「似たような話を聞いた事がありますが、実験段階でうまく言ったとの報告は聞いてません。」
軍部で秘匿してる可能性もありますが、と付け足してナツキが教えてくれる。
やはりこの世界、いやこの国だけなのかは分からないが、技術レベルは恐ろしく高い。
飛行船の類もどこかで動いているかもしれない。
俺たちに当てられた船の一室で、興味本位から発展した話だが、知らない技術はやはりワクワクする。
「それは難しいわね。
この船に積んでるB級魔石でもなかなか市場に出回らない上、目のくらむような金額なのよ。
空を飛ぶ船なんて採算が取れるとも思わないし、速度が出なければグリフォンやドラゴンの良い的よ。」
飛行船の話をすると、リーズから否定的な答えが返ってくる。
当たり前だが、この世界にはこの世界の事情がある。
だが、ここまで技術の進んだ国だ、そういう話が進んでいてもおかしくはないと思う。
軍が極秘で研究している可能性は十分あるだろう。
興味なさそうに話を聞いていたミーシャはすでに昼寝を始めている。
船酔いに苦しむかもしれない、俺も休めるときに休んでおこう。
第一章 完
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