【R18】特殊スキルは聖水でした。

日向沖

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2章

2-37 戦闘「巨大ゴーレム」

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 いよいよ巨大ゴーレムへの挑戦だ。

 道中の魔物やゴーレムは体力と魔力の温存をしながら処理する。

 ちなみにパーティーメンバー以外の戦力にはナツキの「聖水(子)」を薬草に混ぜて渡してある。

 第5層まで驚くほどの速さで到達し、奥へ進むと開けた場所が有る。
 
 ドーム型球場程の広さは有るだろう。

 その奥に、「巨大ゴーレム」は立っていた。

 3階建てのアパートより大きのではないのかというサイズ、黒光りする体。

「体自体を魔力の膜で覆ってるようですね。」

 同行した騎士団の小隊長「アーゲルト」がスキルで分析する。

「純粋な物理攻撃だけでは突破できないでしょう。」

 ただでさえ固い体をさらに魔力で覆い、どちらに対しても耐性を持っている。

 非常に厄介だ。

「では、作戦通りにお願いします。」

 俺の合図で4つのグループに分かれる。

 ゴーレムに対し、右方向に俺、シルフィ、リーズ、ナツキ、シャーリー。

 左方向にグーラ族の戦士たち。

 中央に騎士団。

 後方支援でそれぞれのメンバーから魔法に優れたものと、持ってきたアイテムの管理を任せたミーシャとアンナだ。

 巨大ゴーレムはその大きさからは想像できない速度で動くという。
 
 一撃を正面から貰うだけで戦闘不能になりかねない。

 別れた俺たちは三方向から一気に距離を詰める。

 ゴーレムまで20m程の距離まで来るとゴーレムが動く。

 グーラ族が向かっている方向へすごいスピードで距離を詰め、手を横に振る。

 何とか誰一人直撃は無かったようだが、その風圧で後ろによけた数名が吹き飛ばされる。

 後方支援のメンバーが魔法を放ち、ゴーレムの気を逸らす。

 致命傷どころかダメージ自体がほぼ無いようで、ゴーレムはすぐに騎士団の方へと踵を返す。

 騎士団の前衛が盾を構え、なんとゴーレムの一撃を正面から受け止めたのだ。

 衝撃音と共に盾兵が吹き飛ばされる。

 盾兵にミーシャが「聖水(子)」入りの回復薬を持っていき、それを飲ます。

 無事みたいだが、自力では立ち上がる事すらできそうにない。

「私と戦った時より、明らかに速度が上がってます。」

 シャーリーはゴーレムを見て全体にそれを伝える。

 想像以上に厄介な相手だ。

 直後、ゴーレムの足元を土が覆い、動きを封じる。

 サラの地魔法だ。

 数秒ではあったが、ゴーレムの動きを止める事に成功し、シルフィに乗った俺はリーズの魔法による補助を受けながら一気に距離を詰め、ゴーレムに触る。

『把握』

●ジャイアントゴーレム Lv90
 スキル 魔法「地」 魔法「風」 装甲強化 魔力増強 ブースター
 コアの位置 「頭」 「胸」 「右肩」 「左肩」 「右肘」 「左肘」 「右膝」 「左膝」 「右足首」 「左足首」
 主:サーグベルト・リズマイヤー 

 そのステータスは想像していたモノを遥かに凌駕していた。
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