92 / 97
2章
2-40 再戦!「巨大ゴーレム」②
しおりを挟む
嵐がやみ、再びゴーレムの姿が現れる。
あれだけの攻撃を受けて、黒光りした体には傷一つない。
今回の勝利条件はゴーレムの撃破ではない。
動きを封じてくれさえすればいいのだ。
「ふぅ、じゃあ、行くわよ!」
風の翼でリーズがゴーレムに近づく。
やはり一定の距離まで来ると迎撃するようだ。
俺はシルフィに乗り、戦闘を注意深く見守る。
起動したゴーレムはリーズへと攻撃を始めるが一撃も当たらないどころか、かする気配すらない。
リーズが上空へ飛び、ゴーレムの注意が上へ向いた瞬間にナツキとカリーナが一気に距離を詰める。
右方向からはナツキが黒い炎をまとった刀を振りかざし。
左方向からカリーナが目に見えるほどの雷撃をまとった剣での一撃を。
二人の攻撃は確実にダメージを与えた、ように見えた。
深くえぐられたゴーレムだが、それでもコアの破壊には至らない。
そして、さらな驚くべきはその回復速度。
えぐられた位置に周囲の土がかぶさり、傷を埋める。
その部分だけ色が違うが、ものの数秒で再度黒光りする。
さっきのリーズの攻撃も、恐らくこうして回復していたのだろう。
この地形は、向こうに有利すぎるのかもしれない。
ゴーレムの速度と、「奥」までの距離を考えるとこの程度の時間稼ぎでは全然足りない。
二人はゴーレムからすぐに距離を取り、苦笑いしている。
「参ったわね、まさかコアに届かないなんて…」
「でも攻撃は成功しました。
次は破壊できます。」
そう、傷つけることは出来るのだ。
攻撃に関してもでかい図体にしてはかなり早いが、俺意外のここにいるメンバーなら集中すればよけきれないほどではない。
「じゃあ、次行ってみようか。」
あらかじめいくつかの作戦は考えていたが、ナツキとカリーナの攻撃であれだけのダメージを与えられるのだ、次の作戦は成功するはず。
俺はシャーリーに合図を送る。
彼女は頷くと、槍を地面に立てて集中を始める。
「沈みなさい、デカブツやろう!」
叫び声と共にゴーレムは地面へと一気に沈む。
シャーリーの水魔法と地魔法の組み合わせで、ゴーレムの足場を泥沼にしたのだ。
自重で腰のあたりまで沈むと、サラが地面に触れてそれを一気に固める。
「次は破壊します。」
ナツキは再度黒い炎をまとった刀で今度は頭へ攻撃を行う。
大きくえぐれ、コアであろう魔石が露出するが無傷だ。
「ナツキ!」
カリーナは叫びそれを聞いてナツキは下がる。
修復される前にカリーナの剣がコアへ直撃する。
大きく火花が散り、直後爆発音が響く。
魔石にヒビが入っているが、まだ破壊は出来ていない。
「リベンジよ【ウインドカッター】」
次の瞬間、魔石は砕け散りゴーレムの頭が破壊される。
破壊された頭は再生されない。
どうやら成功したようだ。
だがそれも長くはもたない、「頭」はしょせん形だけのモノであり、10個のコアの内、一つを破壊したに過ぎないのだから。
サラとシャーリーの拘束から抜け出そうとゴーレムはもがき、すでに体は土から出始めている。
しかし、それはそれ。
今回の勝利条件は「ゴーレムの撃破」ではないのだ。
俺とシルフィはゴーレムが行かせないようにしていた「奥」へたどり着いていた。
あれだけの攻撃を受けて、黒光りした体には傷一つない。
今回の勝利条件はゴーレムの撃破ではない。
動きを封じてくれさえすればいいのだ。
「ふぅ、じゃあ、行くわよ!」
風の翼でリーズがゴーレムに近づく。
やはり一定の距離まで来ると迎撃するようだ。
俺はシルフィに乗り、戦闘を注意深く見守る。
起動したゴーレムはリーズへと攻撃を始めるが一撃も当たらないどころか、かする気配すらない。
リーズが上空へ飛び、ゴーレムの注意が上へ向いた瞬間にナツキとカリーナが一気に距離を詰める。
右方向からはナツキが黒い炎をまとった刀を振りかざし。
左方向からカリーナが目に見えるほどの雷撃をまとった剣での一撃を。
二人の攻撃は確実にダメージを与えた、ように見えた。
深くえぐられたゴーレムだが、それでもコアの破壊には至らない。
そして、さらな驚くべきはその回復速度。
えぐられた位置に周囲の土がかぶさり、傷を埋める。
その部分だけ色が違うが、ものの数秒で再度黒光りする。
さっきのリーズの攻撃も、恐らくこうして回復していたのだろう。
この地形は、向こうに有利すぎるのかもしれない。
ゴーレムの速度と、「奥」までの距離を考えるとこの程度の時間稼ぎでは全然足りない。
二人はゴーレムからすぐに距離を取り、苦笑いしている。
「参ったわね、まさかコアに届かないなんて…」
「でも攻撃は成功しました。
次は破壊できます。」
そう、傷つけることは出来るのだ。
攻撃に関してもでかい図体にしてはかなり早いが、俺意外のここにいるメンバーなら集中すればよけきれないほどではない。
「じゃあ、次行ってみようか。」
あらかじめいくつかの作戦は考えていたが、ナツキとカリーナの攻撃であれだけのダメージを与えられるのだ、次の作戦は成功するはず。
俺はシャーリーに合図を送る。
彼女は頷くと、槍を地面に立てて集中を始める。
「沈みなさい、デカブツやろう!」
叫び声と共にゴーレムは地面へと一気に沈む。
シャーリーの水魔法と地魔法の組み合わせで、ゴーレムの足場を泥沼にしたのだ。
自重で腰のあたりまで沈むと、サラが地面に触れてそれを一気に固める。
「次は破壊します。」
ナツキは再度黒い炎をまとった刀で今度は頭へ攻撃を行う。
大きくえぐれ、コアであろう魔石が露出するが無傷だ。
「ナツキ!」
カリーナは叫びそれを聞いてナツキは下がる。
修復される前にカリーナの剣がコアへ直撃する。
大きく火花が散り、直後爆発音が響く。
魔石にヒビが入っているが、まだ破壊は出来ていない。
「リベンジよ【ウインドカッター】」
次の瞬間、魔石は砕け散りゴーレムの頭が破壊される。
破壊された頭は再生されない。
どうやら成功したようだ。
だがそれも長くはもたない、「頭」はしょせん形だけのモノであり、10個のコアの内、一つを破壊したに過ぎないのだから。
サラとシャーリーの拘束から抜け出そうとゴーレムはもがき、すでに体は土から出始めている。
しかし、それはそれ。
今回の勝利条件は「ゴーレムの撃破」ではないのだ。
俺とシルフィはゴーレムが行かせないようにしていた「奥」へたどり着いていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる