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2章

2-39 再戦!「巨大ゴーレム」①

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 翌日、準備を整えた俺たちは再びダンジョンへと潜る。

 前回と違うのは戦闘するメンバーの選定だ。

 途中の魔物の排除は騎士団やグーラ族の数名、ミーシャやアンナが行う。

 巨大ゴーレムとの戦闘は少数で行う事にした。
 
 数を増やしたところでどうにかなる相手ではない。

 メンバーは、ナツキ、リーズ、カリーナ、シャーリー、サラの5名とサポート役という事になっている俺・シルフィ。

 それ以外は4層で待機だ。

 人数を絞ったもう一つの理由が「聖水(改)」

 このメンバーにブーストを掛け、ゴーレムが進ませないようにしている「奥」を俺が調べる作戦だ。
 
ーーーーーーーーー

 5層へ到着すると、カリーナとサラに「聖水(改)」の説明を行う。

「お、おしっ…
 ふざけてるわけ、じゃないのよね?」

 話を聞いたカリーナは顔を真っ赤にしている。

「カリーナ、信じられないかもしれないけど本当よ。
 だまされたと思って一口だけ飲んでみて。」

 リーズが真剣に説得する。

 その横でサラは迷いもせず飲み干す。

 俺たちの秘密にうすうす感づいてはいたが、こちらが切り出すまでは触れないでくれていたのだろう。

「これは…
 すごいですね…」

 すぐに効力を実感したのか、軽くジャンプしたり手を握ったり開いたりしている。

「ほら、カリーナも。」

 それを見て、意を決して口をつけるカリーナ。

 喉を鳴らし、一気に飲み干す。

 臭いが込み上げてくるのか、吐き出さないように必死に耐えたかと思えば、次の瞬間には自分の手を見て驚く。

「信じられません。
 これほど即効性のある強化薬なんて…」

 強者ほど実感が早いのかもしれない。

「できれば内密にお願いします。」

 もちろんカリーナが漏らすはずないとリーズやナツキからの情報、そして自分で接して信頼したからこそ教えたのだが。

「約束します。」

 まっすぐにこちらを見てそう言い切った。

ーーーーーーーーー

 そして、そのまま進むといよいよ巨大ゴーレムが視界に入る。

 仁王立ちした動く建造物、リーズは一人前に出るとそれに向かって魔法を叩き込む。

「皆、そこから絶対に動かないでね。
 最初から最大風速よ、【テンペスト】!」

 リーズから放たれた小さな台風は、前方の岩を巻き込みながら巨大ゴーレムへと突撃する。

 内部の風は鋭利な刃物の用で、巻き込まれた岩が粉々になり土煙は視界を遮る。

「相変わらず出鱈目ね…」

 サラがつぶやく。

 巨大ゴーレムがどうなったのかは見えないが、どうやら失敗のようだ。

「ほらね?」

 リーズが手招きし、隣に行く。

「固すぎるわ、次の作戦で行きましょう。」

 そう、最初からこれが成功するとは思っていなかったのだ。

 リーズ本人が。

 しかしこんな機会だ、頼み込んで試してもらったのだ。

 リーズが聖水を飲み回復すると、いよいよい本来の作戦に戻る。
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