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序章
6.咲耶の秘密
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「神守ッ! 早くしろッ!」
すべての防具を着用した齋藤が、すでに開始線の近くに立ちながら苛立ったように叫んだ。それも当然であった。面を着けに行ったと思った咲耶が、次々と防具を外したのだ。すべての防具を着け直すには時間がかかる。齋藤は咲耶が自分を苛立たせるために、故意に防具を外したのだと思った。
「待たせたようじゃの……」
白い剣道着と紺色の袴に竹刀だけを携えて、咲耶が開始線に近づいて齋藤と対峙した。
「何だ、その格好はッ! 防具はどうしたッ!」
凄まじい怒りを込めた視線で咲耶を睨みつけると、齋藤が怒鳴った。
「暑いから脱いだだけじゃ。気にするでない」
「馬鹿を言うなッ! 顧問として、防具もなしで稽古を認められるかッ!」
平然と告げた咲耶に、道場中が震撼するほどの大音声で齋藤が叫んだ。
「熊が蟻を相手にするのに、防具など必要あるまい……」
『そこは、象が蟻を、でしょう?』
思わず突っ込んだ咲希に、咲耶が不思議そうな表情を浮かべた。
(象とは何じゃ……?)
『何でもないわ……』
咲耶の時代に、日本には象がいなかったことを咲希は思い出した。
「神守ッ! 貴様、どこまで俺を馬鹿にすれば……」
ギリギリと歯ぎしりが聞こえてくるような気がしたが、咲耶は平然と笑顔を浮かべながら告げた。
「私の体に、少しでも竹刀が擦ったらお主の勝ちでよい。私からは、一度だけしか打ち込まぬ」
「この……ッ! 誰か、審判に立てッ!」
齋藤の怒号で、二年の男子が境界線の中に入ろうと駆け寄って来た。
「審判は不要じゃッ! すぐに済む故、場外で見ておれッ!」
凜と響き渡る美声で、咲耶が男子生徒の足を止めた。男子生徒は恐る恐る齋藤の顔を見つめた。
「戻っていい……」
頷きながら男子生徒にそう告げると、齋藤は親の敵を見るような凄まじい視線で咲耶の顔を睨みつけた。
「では、始めるとしようか? 最初は好きに打ち込んできて構わぬ」
そう告げると、咲耶は三歩歩いて開始線で蹲踞をした。美しく真っ直ぐに背筋を伸ばしながら膝を折り、剣先を齋藤の喉元に向けて微動だにしなかった。
(こいつ……いつの間に……?)
蹲踞の所作や姿勢を見れば、その者の実力が分かるという。齋藤は思わず怒りを忘れて、咲耶に魅入った。非の打ち所がない蹲踞の姿勢をしている咲耶の全身から、青白いオーラのようなものが揺らいでいることに齋藤は気づいた。それが咲耶の内に秘めた気であることを見抜くと、齋藤は驚愕とともに冷静さを取り戻した。
(以前の神守とは別人だ……。まるで、剣の達人を相手に対峙しているようだ……)
三十年以上も竹刀を握り続け、四段の腕前を持つ齋藤が、目の前にいる美しい少女に圧倒されていた。逆に言えば、齋藤自身がそれだけの技量を有するからこそ、咲耶の実力に気づいたのだ。
咲耶がゆっくりと立ち上がった。その所作も、かつて見たどの剣士よりも美しかった。それに呼応するように静かに息を吐くと、齋藤も立ち上がって竹刀を正眼に構えた。
「参るッ……」
自然にその言葉が齋藤の口から出た。格上の先達たちに教えを請う時に告げる言葉だった。
「きぃえぇええッ……!」
凄まじい気合いとともに、咆吼しながら齋藤が咲耶めがけて打ち込んだ。
真直ぐに斬り下ろす唐竹……。
真下から上への逆風……。
左肩から右胴にかけた袈裟……。
右下から左肩への右斬り上げ……。
右から水平に払う右薙ぎ……。
左から右への左薙ぎ……。
右肩から斬りつけた逆袈裟……。
左下から右肩へ斬り上げる左斬り上げ……。
そして、最強の刺突技である突き……。
三十年以上もの年月をかけて修得したすべての技術を、齋藤は咲耶に叩き込んだ。
だが、己の持つ全気迫を込めた連撃を、目の前の美少女はすべて防ぎ切った。
両手で、あるいは右手だけで、時には左手のみで……。たった一本の竹刀で、受け流し、払い、受け止めたのだ。
額から大粒の汗を流し、肩で大きく息をしながら齋藤は後方へ跳び退った。そして、それに気づいて驚愕した。
咲耶は開始線から一歩たりとも動いていなかったのだ。そのことに気づいた瞬間、齋藤は全身に鳥肌が沸き立った。
(馬鹿なッ……! これほどまでとはッ……!)
残る手段は一つしかなかった。
「うおぉおおッ……!」
雄叫びを上げると、齋藤は正眼に構えた竹刀の剣先をやや右にずらした。そして、上半身を真っ直ぐに伸ばし、全力で床を蹴った。百キロに及ぶ自分の体重を活かして、咲耶に体当たりをするつもりだった。
剣道において体当たりは反則ではなく、相手の姿勢を崩すための有効な攻撃だ。体当たりによって相手が崩れた瞬間に、面や小手、胴などを素早く打ち込むのだ。まして、自分の半分以下の体重しかない咲耶なら、姿勢を崩すだけでなく弾き飛ばすことさえできるはずだった。
「……ッ!」
(何ッ……?)
だが、齋藤の目論見は呆気なく崩れた。体当たりをしようとした直前に、咲耶の体が消え去ったのだ。
次の瞬間、齋藤は咲耶が大きく跳躍し、百八十センチもある自分の頭上を飛び越えていることに気づいた。助走もなく二メートル近くの高さを跳んだ咲耶に、齋藤は驚愕した。
「くッ……!」
渾身の体当たりを躱され、齋藤は踏鞴を踏んで辛うじて境界線の手前で止まった。試合中に場外に出ることは、反則を取られる行為だった。慌てて振り返ると、咲耶は何事もなかったかのように正眼に構えて齋藤を見つめていた。
(化け物か……!)
もはや齋藤に為す術はなかった。咲耶が『熊と蟻』と告げた言葉が真実であることを、齋藤は実感を持って理解した。
「そろそろ、私から打ってもよいか?」
凜と響き渡る美しい声で咲耶が告げた。それに答える代わりに、齋藤は竹刀を正眼に構えた。
剣道において、正眼の構えはすべての基本だ。攻撃、防御、いずれにも対応できる基本にして究極の構えだ。有段者が正しい正眼の構えをしている場合、簡単に一本は取れないはずだった。
「あらかじめ伝えておこう。私は面を打つ……」
面を打つと見せかけて、胴や小手を狙うことは剣道において駆け引きの一つだった。だが、これほどの実力差を見せつけられた後で、咲耶がそのような小細工を弄するはずはないと齋藤は思った。そして、咲耶の言葉を信じて、正眼から上段へと構えを移行した。防御において、上段は胴がガラ空きになるが、面を打たれることはまずないはずだった。
「喝ッ……!」
だが、次の瞬間、裂帛の気合いとともに凄まじい衝撃が齋藤の頭頂を襲った。
齋藤には面を打たれたことどころか、咲耶がいつ動いたのかさえまったく見えなかった。
(馬鹿……な……)
その思考を最後に、齋藤の意識は暗転した。自分の体が道場に崩れ落ちたことさえ、齋藤は分からなかった。
『咲耶、齋藤先生の邪気は浄化できたの?』
(完璧じゃ。今の一本に私の神気を乗せたから、もう心配いらぬ。目が覚めたら、晴れ晴れとした気分になっているはずじゃ……)
『そう……。よかった……』
これでもう無闇に体を触られることもなくなると思い、咲希はホッとした。だが、周囲に沸き起こった凄まじい歓声と拍手で、咲希はもっと大きな問題が発生したことに気づいた。
「うぉおおッ……!」
「凄げぇええッ……!」
「咲希、すごーいッ!」
「神守先輩、最高ですッ……!」
咲耶と齋藤の試合を見ていた部員たち全員が、賞賛と喝采を浴びせながら彼女を取り囲んできた。防具さえ着けていない十六歳の美少女が、鬼指導官と呼ばれる四段の齋藤を圧倒したのだから、当然と言えば当然であった。
「皆、静かにせぬかッ!」
凜と響き渡る美声を張り上げると、道場内の歓声がピタリと鳴り止んだ。たった今、咲耶の実力を目の当たりにした生徒たちが、彼女の言葉に逆らうはずはなかった。また、夏の大会を最後に三年生が引退し、ここには一年生と二年生しかいないことも大きかった。
「誰か、齋藤……先生の面を取って、仰向けに寝かせてやってくれぬか。冷えた手ぬぐいを額に乗せておいた方がよい……」
「は、はいッ……!」
一年生の生徒たちが咲耶の言葉を聞き、すぐに指示どおりに動き出した。その様子を見て満足げに頷くと、咲耶は他の部員たちに告げた。
「私は用があるため、今日はこれで失礼する。先生が気がつかれたら、私が謝っていたと伝えておくがよい」
そう告げると、咲耶は自分の鞄と竹刀を取りに歩き出した。そして、近くにいた一年生の女生徒に脱いだ防具を片付けておくように依頼すると、そのまま道場を後にした。
『そう言えば、どうするのよ、咲耶……』
(どうするとは……?)
女子更衣室で剣道着と袴を脱ぎ、制服に着替えている咲耶に向かって咲希が文句を言った。
『齋藤先生の邪気を払ったのはいいけど、あれがあたしの実力だと思われちゃったじゃないの? 次にあたし自身が稽古をするとき、どうしたらいいのよ!』
咲希が気づいた大問題が、これであった。
(簡単な話じゃ……。お前が強くなればいいだけのことではないか?)
あっさりと告げた咲耶の言葉に、咲希は一瞬言葉に詰まった。
『ちっとも簡単じゃないわよ! あんなに強くなれるはずないでしょッ!』
大人と子供どころか、咲耶は本当に熊と蟻ほどの実力差を見せつけて齋藤に勝ったのだ。今まで一度も齋藤に勝てたことがない咲希に、到達できるレベルではなかった。
(心配するでない。私が一週間もお前の体を使っておれば、入れ替わってもある程度は気を使えるようになる。そうなれば、齋藤程度なら勝てるようになるはずじゃ……)
『えッ……? そうなの……?』
守護神に体を貸すだけで気が使えるようになるなど、咲耶は初めて聞いた。そして、ふと気づいて咲耶に確認した。
『もしかして、守護神が本人に干渉しちゃいけない理由って、それじゃないの? 無闇に干渉すると、本人の能力が守護神に近づくんじゃないでしょうね?』
(うッ……、い、いや……その……。そ、そんなことは……ないと……思うぞ……)
今までにないほど慌てふためいて、咲耶が気まずそうに視線を逸らせた。
『咲耶ッ……!』
(な、何じゃ……?)
ビクンと体を震わせながら、咲耶が小声で答えた。
『今すぐ、体を返してッ!』
(や、約束まで、あと六日あるじゃろ……)
必死の表情で咲耶が抵抗した。
『すぐ返さないと、こうするわよッ!』
(何をする気か知らぬが、お前の意志では元に戻れぬぞ……)
ピクピクと頬を引き攣らせながらも、咲耶が昂然と言い放った。彼女に体を返す意志がないことを見抜くと、咲希は精神を集中して大声で叫んだ。
『天照皇大御神さまぁあッ……! 素戔嗚尊さまぁあッ……! 木花咲耶に体を奪われて困ってますッ……! どうか、お助けくださいッ……!』
(や、やめーいッ! やめてくれぇえッ……! 本当に聞こえたらどうするのじゃッ……!)
葦原中国随一と言われる美貌を蒼白に変えて、咲耶が本気で叫んだ。
『どうする? すぐに体を返す? それとも、天照皇大御神様を呼ぶ?』
(ぐぬぬ……。ひ、卑怯ぞ! 天照皇大御神に告げ口するなど……)
『素戔嗚尊様でもいいのよ……?』
ニッコリと微笑みながら告げた咲希の言葉に、咲耶がガバッと頭を下げた。
(お願いじゃ、咲希……。あと六日経ったら、必ず返すから……! それまでの間だけ、この体を使わせてくれッ……!)
まさか、女神である咲耶が頭を下げて頼んでくるとは思いもしなかった。咲希は、驚きのあまり大きく眼を見開いた。
『何でそんなにあたしの体が使いたいのよ? 別にケーキやプリンのためじゃないでしょ? きちんと納得できる理由を教えてくれたら、考えてあげてもいいわよ』
(分かった……。本当のことを説明しようぞ……。我ら八百万の神は人間の守護神となることは出来ても、守護する人間と意志を交わすことはできぬのじゃ……)
『え……? どういうこと? だって、あたしは咲耶とこうやって話しているじゃない?』
咲耶の言う意味が分からずに、咲希は首を傾げて訊ねた。
(それは、咲希が私にとって特別な人間だからじゃ……。咲希は私の生まれ変わりなのじゃ……)
『生まれ変わりって……? だって、咲耶は生きてるじゃないの?』
予想の遥か上を行く咲耶の言葉に、咲希は驚愕した。
(私たち神は、お前たちの言葉で言う精神生命体じゃと言ったであろう? 生身の肉体は疾うの昔に滅んでおるのじゃ……)
『そうなの……?』
(当然じゃろう? 生きとし生けるものには、必ず寿命がある。特に神ならざる人は、百年も生きればよい方じゃ。神とてそれは同じじゃ。人よりは長い寿命を持っておるが、それでも千年も肉体は維持できぬ。よって、私たちは肉体が老いるとそれを捨てて天に昇るのじゃ。これを昇天という……)
想像もしていなかったことを聞かされ、咲希は茫然としながら咲耶の話に耳を傾けた。
(だから、捨てた肉体は輪廻の理を経て、長い年月の後に生まれ変わるのじゃ。そして、木花咲耶の肉体の生まれ変わりが咲希、お前なのじゃ……)
『どこの誰に生まれ変わったかは、すぐに分かるの?』
当然の疑問を感じて、咲希が訊ねた。
(私も最初は、どうやって生まれ変わりを見つけるのか知らなんだ。じゃが、お前がこの世に生を受けた瞬間、はっきりと分かったのじゃ。この子が私の生まれ変わりだと……。それはまるで、お前の魂が私を呼んだかのように確かじゃった……)
『……。いくつか聞いていい?』
咲耶の話を聞いて、咲希は疑問に感じたことを訊ねることにした。
(何じゃ……?)
『さっき、七日もあたしの体を使っていれば、入れ替わっても多少の気を使えるようになるって言ったわね。もし、一ヶ月とか一年とか長い時間、咲耶があたしの体を使ったらどうなるの?』
(最後には同調するはずじゃ……)
難しい表情を浮かべながら、咲耶が告げた。
『同調って……?』
(二人の意識が一つになり、新しい人格が生まれる……)
『それって、二人ともこの世から消えるっていうこと……?』
咲耶の答えに驚いて、咲希が訊ねた。
(消えるという表現は、少し違うな。二人の人格や記憶が混ざり合って、一つになると言った方がよい。もっとも、そこまで至るのが十年なのか五十年なのかまでは分からぬ。少なくても、一、二年でそうなった例は今まで聞いたことがない……)
咲耶の答えに、咲希は取りあえずホッと胸を撫で下ろした。
『もう一つ教えて……。しばらくあたしの体を咲耶が使うとして、あたしが<咲耶刀>を使えるようになるにはどのくらいかかるの?』
<咲耶刀>の美しさを見て、咲希は一度でいいから手に取ってみたいと思っていた。
(<咲耶刀>は私の神気に反応して具現化する刀じゃ。出すだけであれば、今の咲希にも可能だと思うぞ)
咲耶の言葉を聞いて、咲希は嬉しさに目を輝かせた。
『本当に……?』
(たぶんじゃがな……。少なくても、七日も体を借りていれば、間違いなく出せるはずじゃ。ただし、使いこなすにはある程度の修行が必要じゃがな……)
別に<咲耶刀>を使いこなして、妖魔と戦うつもりは咲希にはなかった。出せるだけで十分だと思った。
『最後にもう一つ……。今、咲耶があたしに教えてくれたことって、本当は話してはいけないことなんじゃないの?』
輪廻とか昇天とか、普通の人間が知ってはいけない禁忌のような気がした。
(当然じゃ……。この話は、絶対に他に漏らしてはならぬ。他の神々の耳に入ったら、厳しい処罰の対象だと思え。特に三貴神に知られたら、記憶を消されるくらいでは済まぬ。恐らく、二人とも魂を消滅させられるほどの重罪じゃ……)
『ちょっと……。そんな大事なことを、何も言わずに教えないでよ……』
(私だけ処分されるのは割に合わぬではないか? 私の生まれ変わりなら、罪も一緒に受けてもらおうぞ……)
そう告げると、咲耶は楽しそうに笑った。
『ひどい……。性格悪いわよ、咲耶……』
(それは、鏡に向かって文句を言っているようなものじゃ)
咲耶の言い分が正論であることに気づき、咲希は言葉に詰まった。
『ところで、今言った三貴神って誰のこと……?』
(天照、素戔嗚、月詠の三兄弟じゃ。八百万の神々の最高位に就く三柱だと思っておればよい)
神様のトップ・スリーということだと、咲耶は理解した。
(これで、だいたいの説明をし終えたはずじゃ……。約束どおり、あと六日は咲希の体を使ってもよかろう?)
『うん……。仕方ないわね。でも、六日経ったら必ず入れ替わるわよ』
どうやら、咲耶とは運命共同体のようだと咲希は考えた。それに七日間、体を貸せば、<咲耶刀>が使えるようになるということも魅力だった。
(では、そろそろ行こうか?)
『行くって、どこに……?』
突然、話を打ち切って更衣室を後にした咲耶に、驚いて咲希が訊ねた。
(皆に用があると言って来たであろう?)
『何の用があるの……?』
(ケーキとプリンを食べに行くのじゃッ! 急ぐぞッ!)
シリアスな話の後でギャグを振られたように、咲希はガックリと疲れを覚えた。だが、それが最も重大な内容を悟らせないための言動だとは、咲希は考えもしていなかった。
すべての防具を着用した齋藤が、すでに開始線の近くに立ちながら苛立ったように叫んだ。それも当然であった。面を着けに行ったと思った咲耶が、次々と防具を外したのだ。すべての防具を着け直すには時間がかかる。齋藤は咲耶が自分を苛立たせるために、故意に防具を外したのだと思った。
「待たせたようじゃの……」
白い剣道着と紺色の袴に竹刀だけを携えて、咲耶が開始線に近づいて齋藤と対峙した。
「何だ、その格好はッ! 防具はどうしたッ!」
凄まじい怒りを込めた視線で咲耶を睨みつけると、齋藤が怒鳴った。
「暑いから脱いだだけじゃ。気にするでない」
「馬鹿を言うなッ! 顧問として、防具もなしで稽古を認められるかッ!」
平然と告げた咲耶に、道場中が震撼するほどの大音声で齋藤が叫んだ。
「熊が蟻を相手にするのに、防具など必要あるまい……」
『そこは、象が蟻を、でしょう?』
思わず突っ込んだ咲希に、咲耶が不思議そうな表情を浮かべた。
(象とは何じゃ……?)
『何でもないわ……』
咲耶の時代に、日本には象がいなかったことを咲希は思い出した。
「神守ッ! 貴様、どこまで俺を馬鹿にすれば……」
ギリギリと歯ぎしりが聞こえてくるような気がしたが、咲耶は平然と笑顔を浮かべながら告げた。
「私の体に、少しでも竹刀が擦ったらお主の勝ちでよい。私からは、一度だけしか打ち込まぬ」
「この……ッ! 誰か、審判に立てッ!」
齋藤の怒号で、二年の男子が境界線の中に入ろうと駆け寄って来た。
「審判は不要じゃッ! すぐに済む故、場外で見ておれッ!」
凜と響き渡る美声で、咲耶が男子生徒の足を止めた。男子生徒は恐る恐る齋藤の顔を見つめた。
「戻っていい……」
頷きながら男子生徒にそう告げると、齋藤は親の敵を見るような凄まじい視線で咲耶の顔を睨みつけた。
「では、始めるとしようか? 最初は好きに打ち込んできて構わぬ」
そう告げると、咲耶は三歩歩いて開始線で蹲踞をした。美しく真っ直ぐに背筋を伸ばしながら膝を折り、剣先を齋藤の喉元に向けて微動だにしなかった。
(こいつ……いつの間に……?)
蹲踞の所作や姿勢を見れば、その者の実力が分かるという。齋藤は思わず怒りを忘れて、咲耶に魅入った。非の打ち所がない蹲踞の姿勢をしている咲耶の全身から、青白いオーラのようなものが揺らいでいることに齋藤は気づいた。それが咲耶の内に秘めた気であることを見抜くと、齋藤は驚愕とともに冷静さを取り戻した。
(以前の神守とは別人だ……。まるで、剣の達人を相手に対峙しているようだ……)
三十年以上も竹刀を握り続け、四段の腕前を持つ齋藤が、目の前にいる美しい少女に圧倒されていた。逆に言えば、齋藤自身がそれだけの技量を有するからこそ、咲耶の実力に気づいたのだ。
咲耶がゆっくりと立ち上がった。その所作も、かつて見たどの剣士よりも美しかった。それに呼応するように静かに息を吐くと、齋藤も立ち上がって竹刀を正眼に構えた。
「参るッ……」
自然にその言葉が齋藤の口から出た。格上の先達たちに教えを請う時に告げる言葉だった。
「きぃえぇええッ……!」
凄まじい気合いとともに、咆吼しながら齋藤が咲耶めがけて打ち込んだ。
真直ぐに斬り下ろす唐竹……。
真下から上への逆風……。
左肩から右胴にかけた袈裟……。
右下から左肩への右斬り上げ……。
右から水平に払う右薙ぎ……。
左から右への左薙ぎ……。
右肩から斬りつけた逆袈裟……。
左下から右肩へ斬り上げる左斬り上げ……。
そして、最強の刺突技である突き……。
三十年以上もの年月をかけて修得したすべての技術を、齋藤は咲耶に叩き込んだ。
だが、己の持つ全気迫を込めた連撃を、目の前の美少女はすべて防ぎ切った。
両手で、あるいは右手だけで、時には左手のみで……。たった一本の竹刀で、受け流し、払い、受け止めたのだ。
額から大粒の汗を流し、肩で大きく息をしながら齋藤は後方へ跳び退った。そして、それに気づいて驚愕した。
咲耶は開始線から一歩たりとも動いていなかったのだ。そのことに気づいた瞬間、齋藤は全身に鳥肌が沸き立った。
(馬鹿なッ……! これほどまでとはッ……!)
残る手段は一つしかなかった。
「うおぉおおッ……!」
雄叫びを上げると、齋藤は正眼に構えた竹刀の剣先をやや右にずらした。そして、上半身を真っ直ぐに伸ばし、全力で床を蹴った。百キロに及ぶ自分の体重を活かして、咲耶に体当たりをするつもりだった。
剣道において体当たりは反則ではなく、相手の姿勢を崩すための有効な攻撃だ。体当たりによって相手が崩れた瞬間に、面や小手、胴などを素早く打ち込むのだ。まして、自分の半分以下の体重しかない咲耶なら、姿勢を崩すだけでなく弾き飛ばすことさえできるはずだった。
「……ッ!」
(何ッ……?)
だが、齋藤の目論見は呆気なく崩れた。体当たりをしようとした直前に、咲耶の体が消え去ったのだ。
次の瞬間、齋藤は咲耶が大きく跳躍し、百八十センチもある自分の頭上を飛び越えていることに気づいた。助走もなく二メートル近くの高さを跳んだ咲耶に、齋藤は驚愕した。
「くッ……!」
渾身の体当たりを躱され、齋藤は踏鞴を踏んで辛うじて境界線の手前で止まった。試合中に場外に出ることは、反則を取られる行為だった。慌てて振り返ると、咲耶は何事もなかったかのように正眼に構えて齋藤を見つめていた。
(化け物か……!)
もはや齋藤に為す術はなかった。咲耶が『熊と蟻』と告げた言葉が真実であることを、齋藤は実感を持って理解した。
「そろそろ、私から打ってもよいか?」
凜と響き渡る美しい声で咲耶が告げた。それに答える代わりに、齋藤は竹刀を正眼に構えた。
剣道において、正眼の構えはすべての基本だ。攻撃、防御、いずれにも対応できる基本にして究極の構えだ。有段者が正しい正眼の構えをしている場合、簡単に一本は取れないはずだった。
「あらかじめ伝えておこう。私は面を打つ……」
面を打つと見せかけて、胴や小手を狙うことは剣道において駆け引きの一つだった。だが、これほどの実力差を見せつけられた後で、咲耶がそのような小細工を弄するはずはないと齋藤は思った。そして、咲耶の言葉を信じて、正眼から上段へと構えを移行した。防御において、上段は胴がガラ空きになるが、面を打たれることはまずないはずだった。
「喝ッ……!」
だが、次の瞬間、裂帛の気合いとともに凄まじい衝撃が齋藤の頭頂を襲った。
齋藤には面を打たれたことどころか、咲耶がいつ動いたのかさえまったく見えなかった。
(馬鹿……な……)
その思考を最後に、齋藤の意識は暗転した。自分の体が道場に崩れ落ちたことさえ、齋藤は分からなかった。
『咲耶、齋藤先生の邪気は浄化できたの?』
(完璧じゃ。今の一本に私の神気を乗せたから、もう心配いらぬ。目が覚めたら、晴れ晴れとした気分になっているはずじゃ……)
『そう……。よかった……』
これでもう無闇に体を触られることもなくなると思い、咲希はホッとした。だが、周囲に沸き起こった凄まじい歓声と拍手で、咲希はもっと大きな問題が発生したことに気づいた。
「うぉおおッ……!」
「凄げぇええッ……!」
「咲希、すごーいッ!」
「神守先輩、最高ですッ……!」
咲耶と齋藤の試合を見ていた部員たち全員が、賞賛と喝采を浴びせながら彼女を取り囲んできた。防具さえ着けていない十六歳の美少女が、鬼指導官と呼ばれる四段の齋藤を圧倒したのだから、当然と言えば当然であった。
「皆、静かにせぬかッ!」
凜と響き渡る美声を張り上げると、道場内の歓声がピタリと鳴り止んだ。たった今、咲耶の実力を目の当たりにした生徒たちが、彼女の言葉に逆らうはずはなかった。また、夏の大会を最後に三年生が引退し、ここには一年生と二年生しかいないことも大きかった。
「誰か、齋藤……先生の面を取って、仰向けに寝かせてやってくれぬか。冷えた手ぬぐいを額に乗せておいた方がよい……」
「は、はいッ……!」
一年生の生徒たちが咲耶の言葉を聞き、すぐに指示どおりに動き出した。その様子を見て満足げに頷くと、咲耶は他の部員たちに告げた。
「私は用があるため、今日はこれで失礼する。先生が気がつかれたら、私が謝っていたと伝えておくがよい」
そう告げると、咲耶は自分の鞄と竹刀を取りに歩き出した。そして、近くにいた一年生の女生徒に脱いだ防具を片付けておくように依頼すると、そのまま道場を後にした。
『そう言えば、どうするのよ、咲耶……』
(どうするとは……?)
女子更衣室で剣道着と袴を脱ぎ、制服に着替えている咲耶に向かって咲希が文句を言った。
『齋藤先生の邪気を払ったのはいいけど、あれがあたしの実力だと思われちゃったじゃないの? 次にあたし自身が稽古をするとき、どうしたらいいのよ!』
咲希が気づいた大問題が、これであった。
(簡単な話じゃ……。お前が強くなればいいだけのことではないか?)
あっさりと告げた咲耶の言葉に、咲希は一瞬言葉に詰まった。
『ちっとも簡単じゃないわよ! あんなに強くなれるはずないでしょッ!』
大人と子供どころか、咲耶は本当に熊と蟻ほどの実力差を見せつけて齋藤に勝ったのだ。今まで一度も齋藤に勝てたことがない咲希に、到達できるレベルではなかった。
(心配するでない。私が一週間もお前の体を使っておれば、入れ替わってもある程度は気を使えるようになる。そうなれば、齋藤程度なら勝てるようになるはずじゃ……)
『えッ……? そうなの……?』
守護神に体を貸すだけで気が使えるようになるなど、咲耶は初めて聞いた。そして、ふと気づいて咲耶に確認した。
『もしかして、守護神が本人に干渉しちゃいけない理由って、それじゃないの? 無闇に干渉すると、本人の能力が守護神に近づくんじゃないでしょうね?』
(うッ……、い、いや……その……。そ、そんなことは……ないと……思うぞ……)
今までにないほど慌てふためいて、咲耶が気まずそうに視線を逸らせた。
『咲耶ッ……!』
(な、何じゃ……?)
ビクンと体を震わせながら、咲耶が小声で答えた。
『今すぐ、体を返してッ!』
(や、約束まで、あと六日あるじゃろ……)
必死の表情で咲耶が抵抗した。
『すぐ返さないと、こうするわよッ!』
(何をする気か知らぬが、お前の意志では元に戻れぬぞ……)
ピクピクと頬を引き攣らせながらも、咲耶が昂然と言い放った。彼女に体を返す意志がないことを見抜くと、咲希は精神を集中して大声で叫んだ。
『天照皇大御神さまぁあッ……! 素戔嗚尊さまぁあッ……! 木花咲耶に体を奪われて困ってますッ……! どうか、お助けくださいッ……!』
(や、やめーいッ! やめてくれぇえッ……! 本当に聞こえたらどうするのじゃッ……!)
葦原中国随一と言われる美貌を蒼白に変えて、咲耶が本気で叫んだ。
『どうする? すぐに体を返す? それとも、天照皇大御神様を呼ぶ?』
(ぐぬぬ……。ひ、卑怯ぞ! 天照皇大御神に告げ口するなど……)
『素戔嗚尊様でもいいのよ……?』
ニッコリと微笑みながら告げた咲希の言葉に、咲耶がガバッと頭を下げた。
(お願いじゃ、咲希……。あと六日経ったら、必ず返すから……! それまでの間だけ、この体を使わせてくれッ……!)
まさか、女神である咲耶が頭を下げて頼んでくるとは思いもしなかった。咲希は、驚きのあまり大きく眼を見開いた。
『何でそんなにあたしの体が使いたいのよ? 別にケーキやプリンのためじゃないでしょ? きちんと納得できる理由を教えてくれたら、考えてあげてもいいわよ』
(分かった……。本当のことを説明しようぞ……。我ら八百万の神は人間の守護神となることは出来ても、守護する人間と意志を交わすことはできぬのじゃ……)
『え……? どういうこと? だって、あたしは咲耶とこうやって話しているじゃない?』
咲耶の言う意味が分からずに、咲希は首を傾げて訊ねた。
(それは、咲希が私にとって特別な人間だからじゃ……。咲希は私の生まれ変わりなのじゃ……)
『生まれ変わりって……? だって、咲耶は生きてるじゃないの?』
予想の遥か上を行く咲耶の言葉に、咲希は驚愕した。
(私たち神は、お前たちの言葉で言う精神生命体じゃと言ったであろう? 生身の肉体は疾うの昔に滅んでおるのじゃ……)
『そうなの……?』
(当然じゃろう? 生きとし生けるものには、必ず寿命がある。特に神ならざる人は、百年も生きればよい方じゃ。神とてそれは同じじゃ。人よりは長い寿命を持っておるが、それでも千年も肉体は維持できぬ。よって、私たちは肉体が老いるとそれを捨てて天に昇るのじゃ。これを昇天という……)
想像もしていなかったことを聞かされ、咲希は茫然としながら咲耶の話に耳を傾けた。
(だから、捨てた肉体は輪廻の理を経て、長い年月の後に生まれ変わるのじゃ。そして、木花咲耶の肉体の生まれ変わりが咲希、お前なのじゃ……)
『どこの誰に生まれ変わったかは、すぐに分かるの?』
当然の疑問を感じて、咲希が訊ねた。
(私も最初は、どうやって生まれ変わりを見つけるのか知らなんだ。じゃが、お前がこの世に生を受けた瞬間、はっきりと分かったのじゃ。この子が私の生まれ変わりだと……。それはまるで、お前の魂が私を呼んだかのように確かじゃった……)
『……。いくつか聞いていい?』
咲耶の話を聞いて、咲希は疑問に感じたことを訊ねることにした。
(何じゃ……?)
『さっき、七日もあたしの体を使っていれば、入れ替わっても多少の気を使えるようになるって言ったわね。もし、一ヶ月とか一年とか長い時間、咲耶があたしの体を使ったらどうなるの?』
(最後には同調するはずじゃ……)
難しい表情を浮かべながら、咲耶が告げた。
『同調って……?』
(二人の意識が一つになり、新しい人格が生まれる……)
『それって、二人ともこの世から消えるっていうこと……?』
咲耶の答えに驚いて、咲希が訊ねた。
(消えるという表現は、少し違うな。二人の人格や記憶が混ざり合って、一つになると言った方がよい。もっとも、そこまで至るのが十年なのか五十年なのかまでは分からぬ。少なくても、一、二年でそうなった例は今まで聞いたことがない……)
咲耶の答えに、咲希は取りあえずホッと胸を撫で下ろした。
『もう一つ教えて……。しばらくあたしの体を咲耶が使うとして、あたしが<咲耶刀>を使えるようになるにはどのくらいかかるの?』
<咲耶刀>の美しさを見て、咲希は一度でいいから手に取ってみたいと思っていた。
(<咲耶刀>は私の神気に反応して具現化する刀じゃ。出すだけであれば、今の咲希にも可能だと思うぞ)
咲耶の言葉を聞いて、咲希は嬉しさに目を輝かせた。
『本当に……?』
(たぶんじゃがな……。少なくても、七日も体を借りていれば、間違いなく出せるはずじゃ。ただし、使いこなすにはある程度の修行が必要じゃがな……)
別に<咲耶刀>を使いこなして、妖魔と戦うつもりは咲希にはなかった。出せるだけで十分だと思った。
『最後にもう一つ……。今、咲耶があたしに教えてくれたことって、本当は話してはいけないことなんじゃないの?』
輪廻とか昇天とか、普通の人間が知ってはいけない禁忌のような気がした。
(当然じゃ……。この話は、絶対に他に漏らしてはならぬ。他の神々の耳に入ったら、厳しい処罰の対象だと思え。特に三貴神に知られたら、記憶を消されるくらいでは済まぬ。恐らく、二人とも魂を消滅させられるほどの重罪じゃ……)
『ちょっと……。そんな大事なことを、何も言わずに教えないでよ……』
(私だけ処分されるのは割に合わぬではないか? 私の生まれ変わりなら、罪も一緒に受けてもらおうぞ……)
そう告げると、咲耶は楽しそうに笑った。
『ひどい……。性格悪いわよ、咲耶……』
(それは、鏡に向かって文句を言っているようなものじゃ)
咲耶の言い分が正論であることに気づき、咲希は言葉に詰まった。
『ところで、今言った三貴神って誰のこと……?』
(天照、素戔嗚、月詠の三兄弟じゃ。八百万の神々の最高位に就く三柱だと思っておればよい)
神様のトップ・スリーということだと、咲耶は理解した。
(これで、だいたいの説明をし終えたはずじゃ……。約束どおり、あと六日は咲希の体を使ってもよかろう?)
『うん……。仕方ないわね。でも、六日経ったら必ず入れ替わるわよ』
どうやら、咲耶とは運命共同体のようだと咲希は考えた。それに七日間、体を貸せば、<咲耶刀>が使えるようになるということも魅力だった。
(では、そろそろ行こうか?)
『行くって、どこに……?』
突然、話を打ち切って更衣室を後にした咲耶に、驚いて咲希が訊ねた。
(皆に用があると言って来たであろう?)
『何の用があるの……?』
(ケーキとプリンを食べに行くのじゃッ! 急ぐぞッ!)
シリアスな話の後でギャグを振られたように、咲希はガックリと疲れを覚えた。だが、それが最も重大な内容を悟らせないための言動だとは、咲希は考えもしていなかった。
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