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第七章 夢魔と銀龍
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意識を取り戻すと、ティアは周囲を見渡した。
寝台から起き上がろうとするが、アルヴィスに何度も絶頂に押し上げられたため、すぐには体に力が入らなかった。
両手の拘束は解かれていたが、全裸のままだった。ティアは着るものを探そうとして、部屋の片隅に腰掛けているフレデリックの視線に気づいた。慌ててシーツを引き剥がし、素肌に巻き付けて裸身を隠した。
しかし、フレデリックの様子がおかしかった。目は開いているものの、意志がまったく感じられないのだ。ティアのことにも眼に入っていないかのようだった。
「フレデリック……」
テイアが声に反応して、フレデリックが顔を上げた。
「私が分かる?」
フレデリックはスカーレットの弟だ。ティアと同じ年で幼なじみの一人だった。
しかし、フレデリックの碧い瞳には、何の感情も宿されていなかった。
ティアはゆっくりと寝台から降り立ち、フレデリックに近づいた。
フレデリックは先ほどティアを凌辱した。
そのことを許すつもりはなかったが、自分の意志ではなかったことは今のフレデリックの様子から分かった。おそらく、アルヴィスに何かされたのだろう。
「立てる?」
ティアはフレデリックの左腕を掴んで、椅子から立ち上がらせた。
「今のうちに逃げるわよ」
フレデリックの手を引きながら、ティアは扉の前に移動した。そっと扉に耳を押し当てて、外の様子を窺った。
ドアの向こう側に、人の気配はなかった。ティアは扉の取っ手に手をかけたが、鍵が掛かっていた。
「<イルシオン>!」
愛用の神刀を呼び寄せるべく、ティアは右手を掲げて呟いた。次の瞬間、右手に慣れ親しんだ重さと感触を感じた。
<イルシオン>が現れたことを確認すると、ティアは鞘から抜刀して扉の隙間に沿って振り下ろした。ほとんど何の抵抗も感じさせずに、<イルシオン>が鍵を切り裂いた。
ティアはゆっくりと扉を開いて、廊下を確認した。廊下には人影一つなかった。
「行くわよ」
フレデリックの手を引いて、ティアは廊下に出た。
その時、凄まじい轟音とともに、廊下が波打つように揺れた。足を取られて転びそうになり、ティアは壁に手をついて転倒を防いだ。
「この揺れは……!」
ティアはその衝撃が激しい戦闘によって生じたものであることを、瞬時に見抜いた。それと同時に、ティアは瞳を閉じて覇気を探った。
「この覇気は……」
ヘテロクロミアの瞳を開くと、ティアは覇気の迸る方向に顔を向けた。
「スカーレット姉さん!」
ユピテル皇国最強の剣士が来てくれたことを、ティアは確信した。
左手に<イルシオン>を鞘ごと持ち、右手でフレデリックの手を掴むと、ティアはスカーレットと合流するために、廊下を駆け出していった。
(ここまでとはな……)
スカーレットは驚きとともにアルヴィスを見つめた。身に纏っている紫色の司祭服には、埃一つ付いていなかった。それはアルヴィスの余裕をそのまま示すものだった。
それに対して、スカーレットは満身創痍の状態だった。
その美しい顔は煤けて黒ずみ、左頬には一筋の傷が刻まれて血を流していた。白銀の鎧はあちこちがひび割れて、自慢の真紅のマントも大きく切り裂かれていた。
「どうしたの? もう戦意を喪失した? それなら、ティアと同じように私の玩具(おもちゃ)にしてあげるから、付いていらっしゃい」
アルヴィスが満面の笑みを浮かべながら告げた。
今の戦いで、スカーレットの魔力がティアの持つそれを大きく上回っていることを見抜いたのだ。勇者の「先祖返り」と言われていることもあながち嘘ではなさそうだと思い、その魔力の味を想像するだけで、アルヴィスは恍惚に秘唇を濡らした。
「玩具? ティアをどうしたのだ?」
スカーレットのスミレ色の瞳に、危険な色が浮かんだ。
「何度も抱いてあげたわ。あの娘も、夢魔(インキュバス)の私の技巧に、涙を流して悦んでくれたわ。代わりに、美味しい魔力をたくさん分けてもらったけどね」
「なるほど、あのティアが泣いたのか。フレデリックはどうした?」
「あの坊やの魔力は、それほど美味しくなかったから、単に精力だけいただいたわ。今は私の忠実な下僕の一人よ」
アルヴィスの言葉を聞き、スミレ色の瞳にかつてない濃厚な紫炎が燃え上がった。スカーレットは愛剣<ブリューナク>をゆっくりと持ち上げると上段に構えた。
「もうひとつだけ教えて欲しい。夢魔の下僕と化した男は、その夢魔が倒されるまで解放されることはないというのは本当か?」
「よく知っているわね。そう。フレデリック坊やを解放したければ、私を殺すしかないわ。もっとも、あなたにそれが可能とはとても思えないけど」
「素直に教えてくれて感謝する。アルフィ、最も強力な結界で自分を護っていろ」
「は、はい」
スカーレットの言葉に従い、アルフィが得意の氷壁魔法でアイスウォールを作り出した。
だが、スカーレットはアルフィの方を振り向きもせずに、怒鳴った。
「アルフィ、私の命令を聞けないのか! 私は『最も強力な結界で』と言ったはずだ!」
アルフィはその意味を理解し、即座に詠唱を始めた。
「黄泉を支配する氷雪の女王よ! 汝に命ずる! 我が名は『氷麗姫』! 黄泉の門を開き、我に力を貸せ! スノープリンセスシールド!」
詠唱が終わると同時に、アルフィの周囲に無数の氷の結晶が浮かび上がった。その数は数億。それらが複雑に重なり合い、融合し結束していった。
<アプソリュートゼロ>という氷系禁呪魔法がある。絶対零度の氷の結晶を無数に作り出し、それを対象に向かって放出する魔法だ。<アプソリュートゼロ>を受けた対象は、瞬時に絶対零度の氷に覆われ、その生命活動が停止するまでそこを出ることができない。氷系では最強クラスの攻撃魔法だった。
アルフィはその<アプソリュートゼロ>を元に、オリジナル魔法を編み出した。攻撃に特化する<アプソリュートゼロ>を、防御に特化させることによって新禁呪魔法を創造したのだ。
アルフィの周囲に、絶対零度の氷結晶の壁が形成された。その厚さは、優に二メッツェ以上あった。
アルフィの魔法を確認し、満足げに頷くとスカーレットはアルヴィスに言い放った。
「お前もアルフィ以上の結界が張れるのであれば、張ってみるか?」
「その娘、思っていた以上に才能があるわね。残念ながら、私にはその娘以上の結界は張れそうにないわ」
「そうか、それならば仕方ない。頼むから一撃で死んでくれるなよ」
そう告げると、スカーレットは上段に構えていた<ブリューナク>を一気に振り下ろした。
次の瞬間、轟音とともにケラヴノス大聖堂が震撼した。
凄まじい衝撃波の奔流が、アルヴィスに襲いかかった。
だが、アルフィには何が起こったのか、まったく見えなかった。
舞い上がった粉塵が晴れて視界が戻ると、血だらけになって倒れているアルヴィスの元へ、スカーレットがゆっくりと歩いていくのが見えた。
「何か言い残すことはあるか?」
スカーレットが右手に剣を構えて、いつでもアルヴィスの首を切り落とせる位置に立った。
「ここまで……とは……ね」
アルヴィスは口から血を流しながら、呟くように言った。
それだけではなかった。アルヴィスの右半身が消滅していた。床を大量の青黒い血で染め上げながら、アルヴィスが苦悶の表情で続けた。
「勇者の……再来……って……言われるだけ……あるわ」
「まだまだだ。悪魔公爵(デーモンデューク)に梃子摺るようでは、勇者に遠く及ばん」
「そう……ね。もっと……精進……なさい」
そう告げると、アルヴィスはがくりと首を落とした。
「そうさせてもらおう」
スカーレットは<ブリューナク>を振り上げると、躊躇わずにアルヴィスの首を切り落とした。
「これで、馬鹿な弟の目が覚めてくれるといいんだが……」
<ブリューナク>に付いた血痕を振り落として納刀すると、スカーレットはアルフィを振り返った。アルフィは絶対零度の氷壁を解放することさえ忘れて、呆然としていた。
たった一振り……。それだけで、アルフィの数倍の魔力を持つ悪魔公爵(デーモンデューク)を倒すとは……。
スカーレットの実力は、アルフィの想像の遥か上であった。
今の戦いでさえも、スカーレットが全力を出したとはアルフィには思えなかった。最初のうちに苦戦していたのは、力加減を間違えるとアルフィを巻き込んでしまうからだった。スカーレット一人であれば、おそらく瞬時に悪魔公爵(アルヴィス)を倒せたのだろう。
スカーレットは紛れもなく勇者イシュタールの再来であった。
「アルフィ、ティアの魔力を感じることができるか?」
「は、はい……」
スカーレットの言葉で正気を取り戻すと、アルフィは絶対零度の氷壁を解除して答えた。
「向こうの方に、大きな魔力を三つ感じます。おそらく、悪魔伯爵(デーモンアール)二柱とティアです」
アルフィが魔力を感じた方向を指差しながら言った。
「分かった。急ぐぞ」
スカーレットは短く告げると、広間のドアを開けて廊下に出た。
皇国元帥のみに着用が許された真紅のマントを見つめながら、アルフィは思った。
マントの背中部分には、銀龍騎士団の徽章である「双頭の銀龍」が大きく描かれていた。スカーレットこそは、勇者の名に恥じない「双頭の銀龍」そのものだとアルフィは確信した。
心の底から安堵と信頼の笑顔を浮かべると、アルフィは慌ててスカーレットの後を追いかけていった。
寝台から起き上がろうとするが、アルヴィスに何度も絶頂に押し上げられたため、すぐには体に力が入らなかった。
両手の拘束は解かれていたが、全裸のままだった。ティアは着るものを探そうとして、部屋の片隅に腰掛けているフレデリックの視線に気づいた。慌ててシーツを引き剥がし、素肌に巻き付けて裸身を隠した。
しかし、フレデリックの様子がおかしかった。目は開いているものの、意志がまったく感じられないのだ。ティアのことにも眼に入っていないかのようだった。
「フレデリック……」
テイアが声に反応して、フレデリックが顔を上げた。
「私が分かる?」
フレデリックはスカーレットの弟だ。ティアと同じ年で幼なじみの一人だった。
しかし、フレデリックの碧い瞳には、何の感情も宿されていなかった。
ティアはゆっくりと寝台から降り立ち、フレデリックに近づいた。
フレデリックは先ほどティアを凌辱した。
そのことを許すつもりはなかったが、自分の意志ではなかったことは今のフレデリックの様子から分かった。おそらく、アルヴィスに何かされたのだろう。
「立てる?」
ティアはフレデリックの左腕を掴んで、椅子から立ち上がらせた。
「今のうちに逃げるわよ」
フレデリックの手を引きながら、ティアは扉の前に移動した。そっと扉に耳を押し当てて、外の様子を窺った。
ドアの向こう側に、人の気配はなかった。ティアは扉の取っ手に手をかけたが、鍵が掛かっていた。
「<イルシオン>!」
愛用の神刀を呼び寄せるべく、ティアは右手を掲げて呟いた。次の瞬間、右手に慣れ親しんだ重さと感触を感じた。
<イルシオン>が現れたことを確認すると、ティアは鞘から抜刀して扉の隙間に沿って振り下ろした。ほとんど何の抵抗も感じさせずに、<イルシオン>が鍵を切り裂いた。
ティアはゆっくりと扉を開いて、廊下を確認した。廊下には人影一つなかった。
「行くわよ」
フレデリックの手を引いて、ティアは廊下に出た。
その時、凄まじい轟音とともに、廊下が波打つように揺れた。足を取られて転びそうになり、ティアは壁に手をついて転倒を防いだ。
「この揺れは……!」
ティアはその衝撃が激しい戦闘によって生じたものであることを、瞬時に見抜いた。それと同時に、ティアは瞳を閉じて覇気を探った。
「この覇気は……」
ヘテロクロミアの瞳を開くと、ティアは覇気の迸る方向に顔を向けた。
「スカーレット姉さん!」
ユピテル皇国最強の剣士が来てくれたことを、ティアは確信した。
左手に<イルシオン>を鞘ごと持ち、右手でフレデリックの手を掴むと、ティアはスカーレットと合流するために、廊下を駆け出していった。
(ここまでとはな……)
スカーレットは驚きとともにアルヴィスを見つめた。身に纏っている紫色の司祭服には、埃一つ付いていなかった。それはアルヴィスの余裕をそのまま示すものだった。
それに対して、スカーレットは満身創痍の状態だった。
その美しい顔は煤けて黒ずみ、左頬には一筋の傷が刻まれて血を流していた。白銀の鎧はあちこちがひび割れて、自慢の真紅のマントも大きく切り裂かれていた。
「どうしたの? もう戦意を喪失した? それなら、ティアと同じように私の玩具(おもちゃ)にしてあげるから、付いていらっしゃい」
アルヴィスが満面の笑みを浮かべながら告げた。
今の戦いで、スカーレットの魔力がティアの持つそれを大きく上回っていることを見抜いたのだ。勇者の「先祖返り」と言われていることもあながち嘘ではなさそうだと思い、その魔力の味を想像するだけで、アルヴィスは恍惚に秘唇を濡らした。
「玩具? ティアをどうしたのだ?」
スカーレットのスミレ色の瞳に、危険な色が浮かんだ。
「何度も抱いてあげたわ。あの娘も、夢魔(インキュバス)の私の技巧に、涙を流して悦んでくれたわ。代わりに、美味しい魔力をたくさん分けてもらったけどね」
「なるほど、あのティアが泣いたのか。フレデリックはどうした?」
「あの坊やの魔力は、それほど美味しくなかったから、単に精力だけいただいたわ。今は私の忠実な下僕の一人よ」
アルヴィスの言葉を聞き、スミレ色の瞳にかつてない濃厚な紫炎が燃え上がった。スカーレットは愛剣<ブリューナク>をゆっくりと持ち上げると上段に構えた。
「もうひとつだけ教えて欲しい。夢魔の下僕と化した男は、その夢魔が倒されるまで解放されることはないというのは本当か?」
「よく知っているわね。そう。フレデリック坊やを解放したければ、私を殺すしかないわ。もっとも、あなたにそれが可能とはとても思えないけど」
「素直に教えてくれて感謝する。アルフィ、最も強力な結界で自分を護っていろ」
「は、はい」
スカーレットの言葉に従い、アルフィが得意の氷壁魔法でアイスウォールを作り出した。
だが、スカーレットはアルフィの方を振り向きもせずに、怒鳴った。
「アルフィ、私の命令を聞けないのか! 私は『最も強力な結界で』と言ったはずだ!」
アルフィはその意味を理解し、即座に詠唱を始めた。
「黄泉を支配する氷雪の女王よ! 汝に命ずる! 我が名は『氷麗姫』! 黄泉の門を開き、我に力を貸せ! スノープリンセスシールド!」
詠唱が終わると同時に、アルフィの周囲に無数の氷の結晶が浮かび上がった。その数は数億。それらが複雑に重なり合い、融合し結束していった。
<アプソリュートゼロ>という氷系禁呪魔法がある。絶対零度の氷の結晶を無数に作り出し、それを対象に向かって放出する魔法だ。<アプソリュートゼロ>を受けた対象は、瞬時に絶対零度の氷に覆われ、その生命活動が停止するまでそこを出ることができない。氷系では最強クラスの攻撃魔法だった。
アルフィはその<アプソリュートゼロ>を元に、オリジナル魔法を編み出した。攻撃に特化する<アプソリュートゼロ>を、防御に特化させることによって新禁呪魔法を創造したのだ。
アルフィの周囲に、絶対零度の氷結晶の壁が形成された。その厚さは、優に二メッツェ以上あった。
アルフィの魔法を確認し、満足げに頷くとスカーレットはアルヴィスに言い放った。
「お前もアルフィ以上の結界が張れるのであれば、張ってみるか?」
「その娘、思っていた以上に才能があるわね。残念ながら、私にはその娘以上の結界は張れそうにないわ」
「そうか、それならば仕方ない。頼むから一撃で死んでくれるなよ」
そう告げると、スカーレットは上段に構えていた<ブリューナク>を一気に振り下ろした。
次の瞬間、轟音とともにケラヴノス大聖堂が震撼した。
凄まじい衝撃波の奔流が、アルヴィスに襲いかかった。
だが、アルフィには何が起こったのか、まったく見えなかった。
舞い上がった粉塵が晴れて視界が戻ると、血だらけになって倒れているアルヴィスの元へ、スカーレットがゆっくりと歩いていくのが見えた。
「何か言い残すことはあるか?」
スカーレットが右手に剣を構えて、いつでもアルヴィスの首を切り落とせる位置に立った。
「ここまで……とは……ね」
アルヴィスは口から血を流しながら、呟くように言った。
それだけではなかった。アルヴィスの右半身が消滅していた。床を大量の青黒い血で染め上げながら、アルヴィスが苦悶の表情で続けた。
「勇者の……再来……って……言われるだけ……あるわ」
「まだまだだ。悪魔公爵(デーモンデューク)に梃子摺るようでは、勇者に遠く及ばん」
「そう……ね。もっと……精進……なさい」
そう告げると、アルヴィスはがくりと首を落とした。
「そうさせてもらおう」
スカーレットは<ブリューナク>を振り上げると、躊躇わずにアルヴィスの首を切り落とした。
「これで、馬鹿な弟の目が覚めてくれるといいんだが……」
<ブリューナク>に付いた血痕を振り落として納刀すると、スカーレットはアルフィを振り返った。アルフィは絶対零度の氷壁を解放することさえ忘れて、呆然としていた。
たった一振り……。それだけで、アルフィの数倍の魔力を持つ悪魔公爵(デーモンデューク)を倒すとは……。
スカーレットの実力は、アルフィの想像の遥か上であった。
今の戦いでさえも、スカーレットが全力を出したとはアルフィには思えなかった。最初のうちに苦戦していたのは、力加減を間違えるとアルフィを巻き込んでしまうからだった。スカーレット一人であれば、おそらく瞬時に悪魔公爵(アルヴィス)を倒せたのだろう。
スカーレットは紛れもなく勇者イシュタールの再来であった。
「アルフィ、ティアの魔力を感じることができるか?」
「は、はい……」
スカーレットの言葉で正気を取り戻すと、アルフィは絶対零度の氷壁を解除して答えた。
「向こうの方に、大きな魔力を三つ感じます。おそらく、悪魔伯爵(デーモンアール)二柱とティアです」
アルフィが魔力を感じた方向を指差しながら言った。
「分かった。急ぐぞ」
スカーレットは短く告げると、広間のドアを開けて廊下に出た。
皇国元帥のみに着用が許された真紅のマントを見つめながら、アルフィは思った。
マントの背中部分には、銀龍騎士団の徽章である「双頭の銀龍」が大きく描かれていた。スカーレットこそは、勇者の名に恥じない「双頭の銀龍」そのものだとアルフィは確信した。
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