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夜のおねがい
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その行為を、彼女は「あんまりすきじゃないの」と言う。
そのくせ彼女は毎晩、その行為を求めるのだ。
夜ごときまって繰り返されるその行為に“終わり”がくることを、俺はひっそりと恐れている。いつまでもこの行為を続けることは、彼女にとってよくないことだと重々承知していながら、それでも繰り返してしまうのだ。
俺無しでも彼女は大丈夫なのだろうかなどと、自意識過剰もいいところだが、何よりも彼女が離れていくことを、俺を求めなくなることを、俺は恐れている。
そして今宵も、またその行為は繰り返される。
始まりはいつも、彼女の「おねがい」という声からだ。
伏し目がちに近づき、俺に行為をせがむかわいらしいこの声を、あと何度聞くことができるのだろうか。
不安な気持ちをひた隠し、俺はつとめて優しく「おいで」と言って、彼女の華奢な腰をそっと抱き寄せる。
やはり気乗りはしないのだろう。彼女が小さくため息をもらす。
「すぐ終わるからね」
そう言って、さらさらとした前髪をそっとかきわけ、額に軽くキスをする。
この言葉に、彼女は少しほっとしたのか、それとも観念したのか、ふっと身体の力を抜いて、やわらかなその身を委ねてくれる。
預けられた身体を腕の中に包み込むと、自分よりも少し高めの体温と、かすかなボディソープの香りを感じた。
本当は、すぐに終わらせたくなどないのだ。
今夜が最後になるかもしれない。
そう思うと、なるべく時間をかけてじっくりと事を進めたいのだが、あまり時間をかけすぎてしまっては、行為の最中彼女に拒まれ、やはり今晩で最後になってしまうかもしれない。
一時の欲望を抑えることで、少しでもこの関わりが続くのであれば…
いつ終わるかもわからない関係を、せめて自分の手で壊さぬように、俺は今日も言葉通り素早く事を進めようと決めた
「ほら、口を開けて」
彼女の様子を伺いながら、硬く、濡れそぼった先端を、少しずつ口に挿し入れて、はじめは優しく動かしていく。
彼女の狭い口内を傷つけないように、ゆっくりと、丁寧に。
そして、時折微かな抵抗をみせる舌の動きを楽しみながら、徐々に奥深くへと…
いったん始まってしまえば、何度も繰り返した行為だけあって、つつがなく進んでいく。
「んっ」
不意に喉奥をつつくと、苦しかったのか声が漏れた。それでも口を閉じることなくけなげに耐える彼女が、たまらなく愛おしい。
「ごめんな」
即座に謝ったが、今の不意打ちでどうやら彼女の限界が来てしまったようだ。
細い腕で俺の体を押し離そうとするが、「あと少しだから」と彼女の後頭部をやんわり抑え、俺は動きを速めた。
小刻みな動きに掻き混ぜられて泡立った白濁液を小さな口いっぱいに溜め込み、薄桃色の唇をきゅっとむすんで、こちらを見つめる潤んだ瞳が行為の終わりを告げる声を待っている。
「はい、おしまい」
その声を聞くが早いか、彼女は洗面所に向かって、ぱたぱたとかけていった。
「やれやれ」
彼女は明日も俺に「おねがい」してくれるだろうか。
小さなピンクの歯ブラシを手に、うがいをする愛娘の元へと向かうのであった。
そのくせ彼女は毎晩、その行為を求めるのだ。
夜ごときまって繰り返されるその行為に“終わり”がくることを、俺はひっそりと恐れている。いつまでもこの行為を続けることは、彼女にとってよくないことだと重々承知していながら、それでも繰り返してしまうのだ。
俺無しでも彼女は大丈夫なのだろうかなどと、自意識過剰もいいところだが、何よりも彼女が離れていくことを、俺を求めなくなることを、俺は恐れている。
そして今宵も、またその行為は繰り返される。
始まりはいつも、彼女の「おねがい」という声からだ。
伏し目がちに近づき、俺に行為をせがむかわいらしいこの声を、あと何度聞くことができるのだろうか。
不安な気持ちをひた隠し、俺はつとめて優しく「おいで」と言って、彼女の華奢な腰をそっと抱き寄せる。
やはり気乗りはしないのだろう。彼女が小さくため息をもらす。
「すぐ終わるからね」
そう言って、さらさらとした前髪をそっとかきわけ、額に軽くキスをする。
この言葉に、彼女は少しほっとしたのか、それとも観念したのか、ふっと身体の力を抜いて、やわらかなその身を委ねてくれる。
預けられた身体を腕の中に包み込むと、自分よりも少し高めの体温と、かすかなボディソープの香りを感じた。
本当は、すぐに終わらせたくなどないのだ。
今夜が最後になるかもしれない。
そう思うと、なるべく時間をかけてじっくりと事を進めたいのだが、あまり時間をかけすぎてしまっては、行為の最中彼女に拒まれ、やはり今晩で最後になってしまうかもしれない。
一時の欲望を抑えることで、少しでもこの関わりが続くのであれば…
いつ終わるかもわからない関係を、せめて自分の手で壊さぬように、俺は今日も言葉通り素早く事を進めようと決めた
「ほら、口を開けて」
彼女の様子を伺いながら、硬く、濡れそぼった先端を、少しずつ口に挿し入れて、はじめは優しく動かしていく。
彼女の狭い口内を傷つけないように、ゆっくりと、丁寧に。
そして、時折微かな抵抗をみせる舌の動きを楽しみながら、徐々に奥深くへと…
いったん始まってしまえば、何度も繰り返した行為だけあって、つつがなく進んでいく。
「んっ」
不意に喉奥をつつくと、苦しかったのか声が漏れた。それでも口を閉じることなくけなげに耐える彼女が、たまらなく愛おしい。
「ごめんな」
即座に謝ったが、今の不意打ちでどうやら彼女の限界が来てしまったようだ。
細い腕で俺の体を押し離そうとするが、「あと少しだから」と彼女の後頭部をやんわり抑え、俺は動きを速めた。
小刻みな動きに掻き混ぜられて泡立った白濁液を小さな口いっぱいに溜め込み、薄桃色の唇をきゅっとむすんで、こちらを見つめる潤んだ瞳が行為の終わりを告げる声を待っている。
「はい、おしまい」
その声を聞くが早いか、彼女は洗面所に向かって、ぱたぱたとかけていった。
「やれやれ」
彼女は明日も俺に「おねがい」してくれるだろうか。
小さなピンクの歯ブラシを手に、うがいをする愛娘の元へと向かうのであった。
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