5 / 18
第1部「邂逅! 伝説のヤリサー編!!」
5本目「開演! 春の新歓ランパ!!(後編)」
しおりを挟む
リングに上がった姫先輩。
対角線上に相手もまたリングへと上がって来た!
「むぅ……『サオ学』の主将か」
本多先輩が唸るようにそう呟く。
相手は本多先輩に勝るとも劣らない大男だった。
当然、姫先輩とは比べるべくもない。
……そもそも、姫先輩は女性にしても結構な小柄な方だと言える。
…………の割には胸が大きいので、昔で言うトランジスタグラマー、今風に言えばロリ巨乳というやつだったりする。たまらん!
「だ、大丈夫なんですか? あんなでかいヤツ相手にして……!?」
これが僕の想像していたような乱パだったら、むしろ興奮してくる組み合わせなんだが!
そういうわけではないのはもうわかっている。
ここから始まるのは、槍使い――いや『槍人』同士の試合なのだ。
しかもお互いに防具もつけていない。
……漫画じゃあるまいし、小柄だけど大の男を凌駕する腕力を姫先輩が持っているとも思えない。
このままじゃ怪我だけで済まないのではないか、と心配するのは自然なことだろう。
「サオ学のヤリサー主将、智弁慶孝――人呼んで『サオ学の弁慶』だ。
ヤリマンランクはA――初戦から飛ばしてくるな」
が、本多先輩をはじめヤリサーの面々は全く動揺した様子はない。
それはリングに上がった姫先輩も同じだった。
むしろ、穏やかな微笑みを浮かべたままなくらいだ。
…………っていうかスルーしたけど、『ヤリマンランク』ってなんぞ? 剣道とかの『段』みたいなもんか?
ともあれ、姫先輩と『サオ学の弁慶』がリング上で対峙。
二人の間にレフェリー、というか審判? も上がる。
……ますますボクシングっぽい感じだなー……。
「はじまるぞ、よーく見ておけよ」
「は、はぁ……」
ふと周囲を見ると、リングが一つしかないからという理由もあるが、皆の視線が集中している。
それだけ姫先輩の試合――ランパに注目すべき点がある、ということなのだろう。
どこの大学かは知らないけど、ノートPCを出してキーボードをカチャカチャしているやつもいる……データ系のかませっぽいやつだなー。
レフェリーが二人の間で手を掲げ、宣言する。
「JS4ホ別3?」
「了承です」
「いいだろう!」
「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいっ!?」
さっきまでのちょっと真面目だった雰囲気どこいった!?
「おいおい……新人、どうした? 声を出すのは応援の時だけにしておけ?」
「いやいや、おかしいこと言ってませんかねぇ!?」
隠語じゃねーか、明らかに。
しかもJS4って若すぎるだろ! しかもホ別3は安くないかい!? 相場なんて知らないけど!!
……なんで隠語を知ってるかって? 調べたからだよ!! 直前で怖くなって止めたけどな!
「? 誰もおかしなことを言っていないが?」
「いやいや、今明らかにパパ活用語っぽいの使ってたじゃないですか!?」
「――ああ、ヤリ用語がわからないから混乱しているのか」
勝手に納得する本多先輩。
混乱しているのは確かだけど。
「今レフェリーがやったのは、ルールの確認と合意だな」
「ルール……?」
「おう。JS――ジュニア・シニアのルールに則っていること。その次の4は、ジュニアルールに対して追加する……そうだな、シニアルールを適用する範囲を示している。JS4は試合の形式としてはベーシックなものとなる。
ちなみに、最近では『10yo』と略したりもするな」
その『10』とか『yo』はどこから出て来たんだと問い詰めたい。
シニアルールの適用範囲? 興味ないわ。
「ホ別は、まぁ言わんでもわかるだろう」
「わかんねっす」
この流れで僕に何をわかれというのか。
「そうか? 『ホ』――穂先は『別』――シニアルールとは異なりきちんと皮をつけておくという意味だ。
そして最後の3は、3本勝負となる」
「なるほど――何から何までおかしいっすね」
「なにがだ?」
くそぅ、突っ込む僕の方がヤリサーの常識から外れてて突っ込んでも効果がない!
「そんなことより、お前への説明で進行を止めてしまったな。
すまん、はじめてくれ」
僕が悪いのか……? いや、ヤリサーの面々からしたら悪いんだろうなぁ……納得いかねー。
本多先輩の言葉に、リング上のレフェリーが頷き姫先輩たちに構えを促す。
全然納得いってないけど、これ以上進行を妨害するわけにはいかないか。
諸々呑み込み、僕もリング上へと視線を向ける。
「両者構え――始めッ!!」
レフェリーが試合開始を宣言。
次の瞬間――
ダダンッ!!
パンッ!! 「うおっ!?」
ダンッ!! 「ぐぼぉあぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
ドダンダンッ……ゴトン
「…………」
勝負が一瞬で終わった。
何が起こったかわからずぽかーんとする僕。
結果だけ見れば、対戦相手の弁慶がリング外へと吹っ飛ばされていった。
リング外に落ちたまま動かない弁慶へとレフェリーが寄って、左腕を取り――首を横に振る。
「勝者、颶風院姫燐っ!!」
3本勝負だったはずだけど、戦闘不能により決着がついたらしい。
戦闘不能っていうか……大丈夫なのか、弁慶さん……?
「どうだ、新人」
「とりあえず弁慶さんが生きてるのか不安でたまりません」
脈とって首横に振るってもうアウトなんじゃないかな。
「おう、問題ない」
問題ないすか。
あ、おそらくサオ学のサークルメンバーなのだろう、男が数人で弁慶を運んでいってる……大きな騒ぎになってないってことは、まぁ本多先輩の言う通り問題ないんだろう、きっと。
「どうだ、新人」
やり直すのかよ。
「……何が起こったのかさっぱりでした」
素直に僕は答えた。
始まった瞬間に終わったとしか思えなかったのは事実。
うむうむ、と本多先輩は嬉しそうにうなずく。
「姫のランコウの凄さは『そこ』にある」
「はぁ……」
「新人も経験を積んで立派なヤリマンとなれば、今の姫のランコウも見切れるようになるだろう――実際に対峙したとしてもさっきの弁慶と同じことになるだろうがな」
それは嫌だなぁ……っていうか、薄々わかってはいたけど男でもヤリマンなんだ。
「先程のランコウだが、まず開始と共に互いに踏み込み突きを放つ」
ダダンッ!! のところかな。二人同時の踏み込みの音か。
「この時、弁慶の放った突きを姫の突きが迎撃した」
パンッ!! で姫先輩の槍が相手の槍の先端を突いて迎撃。「うおっ!?」は予想外に突きを弾かれて体勢を崩したところか。
「そして止まることなく姫がとどめの突き――弁慶は為す術もなく突きを食らい、吹っ飛ばされたという流れだな」
……槍の素人だけど、それがかなり凄いことだというのは僕にもわかる。
自分を狙って突いてきた槍の穂先を正確に迎撃、どころか弾いて相手の体勢を崩すなんて簡単にできるものではないだろう。
しかも、姫先輩は弁慶よりも体格的にかなり劣っているとしか言えない。筋力の差は普通の男女差以上のものがあったはずだ。
なのに姫先輩はそれをやった。
加えてすぐさま追撃し、大男を一撃でノックダウンしたのだ……。
「……世界レベルか……」
確かに姫先輩のランコウは凄かった。
何が起きたのかすぐには理解できなかったけど、『大男と対峙して一瞬で勝った』という点だけ見ても凄いのには違いない。
……でもなぁ……ここ、僕の求めた『ヤリサー』じゃないんだよなぁ……。
そんなうだうだと悩み続ける僕に当然構うことなく、ランパは進んで行く――
時々本多先輩が解説してくれたり、うちの学校のヤリサーの面々のランパがあって結果に一喜一憂したり爆笑したり……勝っても負けても彼らが楽しんでいるのは伝わって来た。
完全に退き時を見誤ってしまった僕の内心に気付くこともなく、ランパの切れ目に本多先輩が言った。
「この調子だと新人の体験会は時間がなさそうだな。
だが、安心しろ、新人!」
「え? なにがです?」
「ランパの跡片付けが終わったら、そのままお前の歓迎会はやるからな! 新人だし、当然会費はタダだ!」
おう……なるほど?
大学と言えばサークル、サークルと言えば飲み会 (※偏見)。
変なサークルではあるけど、このヤリサーもそういうところは普通の大学生っぽいことをやるらしい。
うーん……既にヤリサーから逃げることを考えてはいるけど……。
「らじゃっす!」
タダ飯食えるなら行くっきゃねぇっ!!
それに、姫先輩がお酒飲んで酔ったりしたら……お持ち帰りとかできるかも!?
――そんな下心を胸に、僕はずぶずぶとヤリサーの沼に嵌っていくのであった……。
対角線上に相手もまたリングへと上がって来た!
「むぅ……『サオ学』の主将か」
本多先輩が唸るようにそう呟く。
相手は本多先輩に勝るとも劣らない大男だった。
当然、姫先輩とは比べるべくもない。
……そもそも、姫先輩は女性にしても結構な小柄な方だと言える。
…………の割には胸が大きいので、昔で言うトランジスタグラマー、今風に言えばロリ巨乳というやつだったりする。たまらん!
「だ、大丈夫なんですか? あんなでかいヤツ相手にして……!?」
これが僕の想像していたような乱パだったら、むしろ興奮してくる組み合わせなんだが!
そういうわけではないのはもうわかっている。
ここから始まるのは、槍使い――いや『槍人』同士の試合なのだ。
しかもお互いに防具もつけていない。
……漫画じゃあるまいし、小柄だけど大の男を凌駕する腕力を姫先輩が持っているとも思えない。
このままじゃ怪我だけで済まないのではないか、と心配するのは自然なことだろう。
「サオ学のヤリサー主将、智弁慶孝――人呼んで『サオ学の弁慶』だ。
ヤリマンランクはA――初戦から飛ばしてくるな」
が、本多先輩をはじめヤリサーの面々は全く動揺した様子はない。
それはリングに上がった姫先輩も同じだった。
むしろ、穏やかな微笑みを浮かべたままなくらいだ。
…………っていうかスルーしたけど、『ヤリマンランク』ってなんぞ? 剣道とかの『段』みたいなもんか?
ともあれ、姫先輩と『サオ学の弁慶』がリング上で対峙。
二人の間にレフェリー、というか審判? も上がる。
……ますますボクシングっぽい感じだなー……。
「はじまるぞ、よーく見ておけよ」
「は、はぁ……」
ふと周囲を見ると、リングが一つしかないからという理由もあるが、皆の視線が集中している。
それだけ姫先輩の試合――ランパに注目すべき点がある、ということなのだろう。
どこの大学かは知らないけど、ノートPCを出してキーボードをカチャカチャしているやつもいる……データ系のかませっぽいやつだなー。
レフェリーが二人の間で手を掲げ、宣言する。
「JS4ホ別3?」
「了承です」
「いいだろう!」
「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇいっ!?」
さっきまでのちょっと真面目だった雰囲気どこいった!?
「おいおい……新人、どうした? 声を出すのは応援の時だけにしておけ?」
「いやいや、おかしいこと言ってませんかねぇ!?」
隠語じゃねーか、明らかに。
しかもJS4って若すぎるだろ! しかもホ別3は安くないかい!? 相場なんて知らないけど!!
……なんで隠語を知ってるかって? 調べたからだよ!! 直前で怖くなって止めたけどな!
「? 誰もおかしなことを言っていないが?」
「いやいや、今明らかにパパ活用語っぽいの使ってたじゃないですか!?」
「――ああ、ヤリ用語がわからないから混乱しているのか」
勝手に納得する本多先輩。
混乱しているのは確かだけど。
「今レフェリーがやったのは、ルールの確認と合意だな」
「ルール……?」
「おう。JS――ジュニア・シニアのルールに則っていること。その次の4は、ジュニアルールに対して追加する……そうだな、シニアルールを適用する範囲を示している。JS4は試合の形式としてはベーシックなものとなる。
ちなみに、最近では『10yo』と略したりもするな」
その『10』とか『yo』はどこから出て来たんだと問い詰めたい。
シニアルールの適用範囲? 興味ないわ。
「ホ別は、まぁ言わんでもわかるだろう」
「わかんねっす」
この流れで僕に何をわかれというのか。
「そうか? 『ホ』――穂先は『別』――シニアルールとは異なりきちんと皮をつけておくという意味だ。
そして最後の3は、3本勝負となる」
「なるほど――何から何までおかしいっすね」
「なにがだ?」
くそぅ、突っ込む僕の方がヤリサーの常識から外れてて突っ込んでも効果がない!
「そんなことより、お前への説明で進行を止めてしまったな。
すまん、はじめてくれ」
僕が悪いのか……? いや、ヤリサーの面々からしたら悪いんだろうなぁ……納得いかねー。
本多先輩の言葉に、リング上のレフェリーが頷き姫先輩たちに構えを促す。
全然納得いってないけど、これ以上進行を妨害するわけにはいかないか。
諸々呑み込み、僕もリング上へと視線を向ける。
「両者構え――始めッ!!」
レフェリーが試合開始を宣言。
次の瞬間――
ダダンッ!!
パンッ!! 「うおっ!?」
ダンッ!! 「ぐぼぉあぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
ドダンダンッ……ゴトン
「…………」
勝負が一瞬で終わった。
何が起こったかわからずぽかーんとする僕。
結果だけ見れば、対戦相手の弁慶がリング外へと吹っ飛ばされていった。
リング外に落ちたまま動かない弁慶へとレフェリーが寄って、左腕を取り――首を横に振る。
「勝者、颶風院姫燐っ!!」
3本勝負だったはずだけど、戦闘不能により決着がついたらしい。
戦闘不能っていうか……大丈夫なのか、弁慶さん……?
「どうだ、新人」
「とりあえず弁慶さんが生きてるのか不安でたまりません」
脈とって首横に振るってもうアウトなんじゃないかな。
「おう、問題ない」
問題ないすか。
あ、おそらくサオ学のサークルメンバーなのだろう、男が数人で弁慶を運んでいってる……大きな騒ぎになってないってことは、まぁ本多先輩の言う通り問題ないんだろう、きっと。
「どうだ、新人」
やり直すのかよ。
「……何が起こったのかさっぱりでした」
素直に僕は答えた。
始まった瞬間に終わったとしか思えなかったのは事実。
うむうむ、と本多先輩は嬉しそうにうなずく。
「姫のランコウの凄さは『そこ』にある」
「はぁ……」
「新人も経験を積んで立派なヤリマンとなれば、今の姫のランコウも見切れるようになるだろう――実際に対峙したとしてもさっきの弁慶と同じことになるだろうがな」
それは嫌だなぁ……っていうか、薄々わかってはいたけど男でもヤリマンなんだ。
「先程のランコウだが、まず開始と共に互いに踏み込み突きを放つ」
ダダンッ!! のところかな。二人同時の踏み込みの音か。
「この時、弁慶の放った突きを姫の突きが迎撃した」
パンッ!! で姫先輩の槍が相手の槍の先端を突いて迎撃。「うおっ!?」は予想外に突きを弾かれて体勢を崩したところか。
「そして止まることなく姫がとどめの突き――弁慶は為す術もなく突きを食らい、吹っ飛ばされたという流れだな」
……槍の素人だけど、それがかなり凄いことだというのは僕にもわかる。
自分を狙って突いてきた槍の穂先を正確に迎撃、どころか弾いて相手の体勢を崩すなんて簡単にできるものではないだろう。
しかも、姫先輩は弁慶よりも体格的にかなり劣っているとしか言えない。筋力の差は普通の男女差以上のものがあったはずだ。
なのに姫先輩はそれをやった。
加えてすぐさま追撃し、大男を一撃でノックダウンしたのだ……。
「……世界レベルか……」
確かに姫先輩のランコウは凄かった。
何が起きたのかすぐには理解できなかったけど、『大男と対峙して一瞬で勝った』という点だけ見ても凄いのには違いない。
……でもなぁ……ここ、僕の求めた『ヤリサー』じゃないんだよなぁ……。
そんなうだうだと悩み続ける僕に当然構うことなく、ランパは進んで行く――
時々本多先輩が解説してくれたり、うちの学校のヤリサーの面々のランパがあって結果に一喜一憂したり爆笑したり……勝っても負けても彼らが楽しんでいるのは伝わって来た。
完全に退き時を見誤ってしまった僕の内心に気付くこともなく、ランパの切れ目に本多先輩が言った。
「この調子だと新人の体験会は時間がなさそうだな。
だが、安心しろ、新人!」
「え? なにがです?」
「ランパの跡片付けが終わったら、そのままお前の歓迎会はやるからな! 新人だし、当然会費はタダだ!」
おう……なるほど?
大学と言えばサークル、サークルと言えば飲み会 (※偏見)。
変なサークルではあるけど、このヤリサーもそういうところは普通の大学生っぽいことをやるらしい。
うーん……既にヤリサーから逃げることを考えてはいるけど……。
「らじゃっす!」
タダ飯食えるなら行くっきゃねぇっ!!
それに、姫先輩がお酒飲んで酔ったりしたら……お持ち帰りとかできるかも!?
――そんな下心を胸に、僕はずぶずぶとヤリサーの沼に嵌っていくのであった……。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる