4 / 4
チャプター1:ガトリンガールとサー・チェーンソード
四話:銃鋸共闘
しおりを挟む
ジョーの目の前で、少年は化け物に変わった。
「は? ──はぁ!?」
流石のジョセフィーヌも当惑し、腰を抜かしたまま動けない。目の前の少年がいきなり、サー・チェーンソードに姿を変えたのだから。しかし現実は待ってはくれない。
一匹のゾンビサメが、壁を突き破って現れた。
「ヨクモナカマヲ!!許サネェッ!」
ゾンビサメがそう叫ぶと、コンクリートの地面から死屍累々の緑の腕が、次々に飛び出した。それと同時に両側の建物の窓を次々に突き破り、ゾンビサメ共がなだれて来た!さながら津波のように!空を緑の腐臭が覆う!
「くっ……ここら辺丸ごとゾンビサメの巣だったんですわね……!」
「『おい、猥褻女ァ! 飛ぶぞッッ!』」
そう言うが早いか、ジョセフィーヌを肩に担いだ。
「えっ、ちょ! ええっ!?なにゆえ私を抱えておりますの!? そしてどうしてお米様抱っこですの!? それに猥褻女はあんまりですわ!! ちょっとは乙女心に配慮してくださいまし!!」
サー・チェーンソードは要望に答えない。あざけり笑うその口元には、ギザギザとした鋭い牙が並んでいた。
「『おい、発砲絶頂女!!』」
二重に聞こえる声でチェーンソードは言う。
「……あ、私のことですの? ってか、絶頂ってませんわよ!! 急に変身して、あなた一体何者なんですの!?」
質問にも一切答えず、目の前の男は言う。
「『お前弾切れって言ってたよな? お前普通の弾丸を装填して撃ってるわけじゃねえだろ? 何が必要なんだ?』」
「えぇ……!? とりあえず屑鉄が……十キロほどあれば問題ないですわよ!!」
嘘である。ジョセフィーヌは今後の分も数えてかなり多めに要求した。しかしチェーンソードは豪快に笑う。
「『ギャハハハハッ!! お前見かけによらずよく食うなぁ! 気に入ったぜ!』」
そう言って屋根の上に着地。ジョセフィーヌをゆっくりと支えながら立たせた。
「あら、レディにそんなことを言う割には、紳士的な下ろし方じゃないですの」
「『アァ? 勘違いすんなよ。 お前がよく食う女だから気に入ったまでだから……よッ!!』」
そう言いながら下へと続く配管に手をかける。そして──。
「『ふんッぬゥゥゥゥッッ!!』」
「な、何してますの!?」
「『何って、決まってんだろ!? 弾丸用意してんだよ!! ウリャァァアアア!!!』」
5メートルはあろうダクトを引き上げながら握って、押し潰し始めた。チェーンソードの手のひらにスルスルと吸い込まれていくダクトは、いつの間にか一抱えほどの鉄の塊になっていた。
「『ふぅ……こんなもんでいいだろ。喰え』」
そう言って鉄塊を差し出してくる。
「はぁ!? 何言ってますの! 犯罪ですわよ犯罪!!合法じゃねぇ略奪行為はしちゃいけないんですわよ!!」
「『ええい黙れ黙れッ! どの道このビルは鮫人に襲われりゃ窓枠ひとつ残らねえッ! その前に使ってやった方がこのビルのためってもんだろ!』」
「はぁ……。高貴な私がそんな提案に乗るとガチでお思いで?」
ジョーの質問にチェーンソードは一笑し、胸を張って答える。
「『ああ!乗るさ!! お前は面白い女だからな!!』」
「ギャハッ! 殊勝な野郎ですわね! 気に入りましたわ!」
そういうなり、ジョセフィーヌは鉄塊にかぶりついた。りんごでもかじっているかのように、むしゃむしゃと食べ進める。
一方チェーンソードは建物の下を覗いた。
「コワセ! ユラセ!! ツキオトセ!!」
なんとサメゾンビが路地のあちこちに体当たりしていた。奴らは生気のある方向が匂いで分かる。それ故に、上のふたりを下ろそうとビルを壊し始めていたのだ。
「『じゃあ俺は下のやつぶっ殺して来るからよ! さっさと食いきれよ!!』」
「ええっ!? ちょっと!?」
そう言うと回転するチェーンソードを手に、頭から飛び降りる。程なくして血飛沫とサメの悲鳴が下から聞こえてくる。
「『元気そうだなテメェらァァァ!!! そんなテメェらにプレゼントだッッ! 死ねェェェ!!』」
「ギャアアアア! 来ルナァァ!!」
「『いい返事だッッ! 死ねッ!!』」
「ダ、ダガシカシ。ワスレテモラッテハ、コマル。ワレワレハ、サメゾンビ……ユエ二……」
「『うるせぇ!! 死ねっ!!』」
「ギャアアアアア!! セツメイノ、トチュウデ、キルナアアアア!!!」
再生し続けるゾンビと、切り続けるチェーンソード。終わる気配のないダメージレースが続いている。
その様子を、鉄塊を食みながらジョーは見物していた。
「うっわぁ……バカですわ。バクッ……あのお方アンデット殺し三原則すら理解してませんの? モグモグ……ああいうのは塩分か熱か聖なる攻撃でしか殺しきれませんのに……なのに……ゴックン」
回るチェーンソー。コマのように回転し続けるチェーンソード。そのコマが右へ左へ移動する度に、ゾンビのかさは不思議と減っている。さながら人間フードプロセッサーだ。
「アンデットの再生を上回るペースで殺せるって、人の業じゃありませんわよ……」
ジョーが鉄塊を食べ終わる頃には、路地裏は液状になったサメゾンビで浸水していた。しかし、チェーンソードの昂りは収まらない。
「『ギャハハハハハ!! 血だァ!!血をよこせ!! もっとッッ!!もっとだああああっ!!』」
膝下まで浸かる血溜まりの中で、降り注ぐ血の雨に濡れながら。チェーンソードは空に向かって叫ぶのだ。
「はぁ……わたくし鉄を食っただけで終わりましたわね」
その様をあくび混じりに眺めるジョー。その視界の端に、水面を三角形の何かを捉えた。
「なんですのあれ。まさか背びれ? ……まずいですわ……!」
チェーンソードと同等かそれ以上の大きさのそれは、ゆっくりとチェーンソードの方に進んでいく。
ジョーはチェーンソードに手を振って叫ぶ。
「前っ!前見てくださいましー!! ヨークシャンクごっこしてる場合じゃねえですわよ!!」
しかしそう叫ぶ頃には深く潜り、姿を消してしまった。チェーンソードは遅れて前を向き、首を傾げる。
「『あー? 前? 何もいねえじゃねぇ──かァァァ!?』」
「──ばくんッッ!!」
チェーンソードの足元から巨大なサメが急襲! 足からその巨躯を丸呑みにしてしまった。サメは飛び上がる。そして勢いそのままゆらりと浮かんだ。ちょうどジョーに顔を向ける形で。
「『テメェ!!! 何しやがるっ!!! 』」
口の中でぐぐもった叫び声が聞こえる。中に浮かんだゾンビサメは口を閉じたまま決して開かない。恐らく飲み込んだはいいものの噛み殺すこともできないのだろう。
「『ほう……いい度胸だ!!! 死ねぇぇぇぇぇ!!!』」
エンジンの駆動音がした。内側からバリバリと肉を裂き、歯を砕く音。しかし音がするばかりで外からは何も変化がない。
「『クソっ!! 何がどうなってる!!』」
「無駄なんですのよバーカ!!」
手を突き出しながらジョーは言う。その両腕はグレネードランチャーに姿を変えた。そのままチェーンソードに向かって叫ぶ。
「でかくなればサメとしての力が強くなる! つまり再生力も高まるんですのよ!! 常ッ識ッですわよ!!そんなことも分かりませんの!?
歯なんてその最たる例。生え変わるスピードは毎秒五層。 近接武器では、とても破壊しきれませんわ~!!」
「『そこまで言うなら……何か策があるんだろ!』」
チェーンソードは叫ぶ。次々生え揃う牙を、変わらないペースで壊しながら。対するジョーは不敵な笑みを浮かべる。
「ええ! 単純明快でしてよっ♡」
両手のグレネードランチャーの装填が完了し、リボルバーが子気味良い音を立てて一周した。
「これから私が集中砲火致しますからぁ……♡♡ ぜーんぶ♡ よけて、口から出てきてくださいまし♡♡」
「『……は? 狂ってんのか? こんな狭い空間に撃たれる爆弾を避けながら今と変わらないペースで切り続けろだァ?バカじゃねえのお前!!』」
「四の五の言わずにやるんですわよ♡♡ ──発射ぁぁ♡♡♡」
「おいてめえ待ちやが──」
[ドーン! ドーン!! ドドーン!!]
次々打ち込まれる爆弾。そしてそれらが時間差で炸裂していく。瞬く間にゾンビサメの顔は黒煙にまみれた。
「──!! ッッ──!!」
その中、ダメージを受けつつも必死に歯を食いしばるサメゾンビ。しかし内外からの波状攻撃に耐えきれず、
[バキィーッッッ!!!]
「『貫通だァァァッッ!!!』」
チェーンソードは器用にも一発も受けることなく、煙を突っ切ってジョーの後ろに降り立った。そしてジョーをドヤ顔で見下ろす。
「『ヘヘン。 これくらい俺にとっちゃ朝飯前だぜぇぇ!!』」
「気ぃ抜くんじゃねえですわ。本丸、残ってますわよ 」
ジョーが指さす先、円く歯の欠けたゾンビサメが怒りに震えていた。
「キ、キシャマア……チョウシニ……ノリヤガッテェェェ!!!」
そして大口を開けて突っ込んでくる!!
「『しっかたねぇ!!こいつをブッ殺して最後だァァァ!!』」
エンジンがかかる。その度に熱が昂り、立ち上る。陽炎が揺らぎ、降り注ぐ血の雨が即座に蒸発し、焼けていく。回転する刃は、ついに音を超えて赤熱し始める。そして突っ込んでくるサメに真っ向から立ち向かう!!
「クッテヤル……クッテヤルゾオオオオオ!!!」
「『自己主張できて偉いな!サメのくせに!! 死ねェェェェッッ!!』」
真っ直ぐ突っ込んできたサメの体は、チェーンソード体を貫く!! 猛スピードで突っ込み、口の中に再び入った。
「ギャーッハッハッハ!! ドンナニツヨクテモ、ニンゲンハ、ニンゲン!! ヒンジャク! アマリニモ、ヒンジャ──」
そこでゾンビサメは気づいたのだ。自分の体が左右で真っ二つになっていたことに。
「……クゥ?」
チェーンソードに触れた瞬間裂けていったその巨体は、燃えながらあさっての方向に飛んで行った。
「ギャアアアアアアア!!!」
「『じゃあな! とっととくたばれサメ野郎!! 』」
断末魔を上げて燃えるサメに、チェーンソードはビルの上から手を振った。
「は? ──はぁ!?」
流石のジョセフィーヌも当惑し、腰を抜かしたまま動けない。目の前の少年がいきなり、サー・チェーンソードに姿を変えたのだから。しかし現実は待ってはくれない。
一匹のゾンビサメが、壁を突き破って現れた。
「ヨクモナカマヲ!!許サネェッ!」
ゾンビサメがそう叫ぶと、コンクリートの地面から死屍累々の緑の腕が、次々に飛び出した。それと同時に両側の建物の窓を次々に突き破り、ゾンビサメ共がなだれて来た!さながら津波のように!空を緑の腐臭が覆う!
「くっ……ここら辺丸ごとゾンビサメの巣だったんですわね……!」
「『おい、猥褻女ァ! 飛ぶぞッッ!』」
そう言うが早いか、ジョセフィーヌを肩に担いだ。
「えっ、ちょ! ええっ!?なにゆえ私を抱えておりますの!? そしてどうしてお米様抱っこですの!? それに猥褻女はあんまりですわ!! ちょっとは乙女心に配慮してくださいまし!!」
サー・チェーンソードは要望に答えない。あざけり笑うその口元には、ギザギザとした鋭い牙が並んでいた。
「『おい、発砲絶頂女!!』」
二重に聞こえる声でチェーンソードは言う。
「……あ、私のことですの? ってか、絶頂ってませんわよ!! 急に変身して、あなた一体何者なんですの!?」
質問にも一切答えず、目の前の男は言う。
「『お前弾切れって言ってたよな? お前普通の弾丸を装填して撃ってるわけじゃねえだろ? 何が必要なんだ?』」
「えぇ……!? とりあえず屑鉄が……十キロほどあれば問題ないですわよ!!」
嘘である。ジョセフィーヌは今後の分も数えてかなり多めに要求した。しかしチェーンソードは豪快に笑う。
「『ギャハハハハッ!! お前見かけによらずよく食うなぁ! 気に入ったぜ!』」
そう言って屋根の上に着地。ジョセフィーヌをゆっくりと支えながら立たせた。
「あら、レディにそんなことを言う割には、紳士的な下ろし方じゃないですの」
「『アァ? 勘違いすんなよ。 お前がよく食う女だから気に入ったまでだから……よッ!!』」
そう言いながら下へと続く配管に手をかける。そして──。
「『ふんッぬゥゥゥゥッッ!!』」
「な、何してますの!?」
「『何って、決まってんだろ!? 弾丸用意してんだよ!! ウリャァァアアア!!!』」
5メートルはあろうダクトを引き上げながら握って、押し潰し始めた。チェーンソードの手のひらにスルスルと吸い込まれていくダクトは、いつの間にか一抱えほどの鉄の塊になっていた。
「『ふぅ……こんなもんでいいだろ。喰え』」
そう言って鉄塊を差し出してくる。
「はぁ!? 何言ってますの! 犯罪ですわよ犯罪!!合法じゃねぇ略奪行為はしちゃいけないんですわよ!!」
「『ええい黙れ黙れッ! どの道このビルは鮫人に襲われりゃ窓枠ひとつ残らねえッ! その前に使ってやった方がこのビルのためってもんだろ!』」
「はぁ……。高貴な私がそんな提案に乗るとガチでお思いで?」
ジョーの質問にチェーンソードは一笑し、胸を張って答える。
「『ああ!乗るさ!! お前は面白い女だからな!!』」
「ギャハッ! 殊勝な野郎ですわね! 気に入りましたわ!」
そういうなり、ジョセフィーヌは鉄塊にかぶりついた。りんごでもかじっているかのように、むしゃむしゃと食べ進める。
一方チェーンソードは建物の下を覗いた。
「コワセ! ユラセ!! ツキオトセ!!」
なんとサメゾンビが路地のあちこちに体当たりしていた。奴らは生気のある方向が匂いで分かる。それ故に、上のふたりを下ろそうとビルを壊し始めていたのだ。
「『じゃあ俺は下のやつぶっ殺して来るからよ! さっさと食いきれよ!!』」
「ええっ!? ちょっと!?」
そう言うと回転するチェーンソードを手に、頭から飛び降りる。程なくして血飛沫とサメの悲鳴が下から聞こえてくる。
「『元気そうだなテメェらァァァ!!! そんなテメェらにプレゼントだッッ! 死ねェェェ!!』」
「ギャアアアア! 来ルナァァ!!」
「『いい返事だッッ! 死ねッ!!』」
「ダ、ダガシカシ。ワスレテモラッテハ、コマル。ワレワレハ、サメゾンビ……ユエ二……」
「『うるせぇ!! 死ねっ!!』」
「ギャアアアアア!! セツメイノ、トチュウデ、キルナアアアア!!!」
再生し続けるゾンビと、切り続けるチェーンソード。終わる気配のないダメージレースが続いている。
その様子を、鉄塊を食みながらジョーは見物していた。
「うっわぁ……バカですわ。バクッ……あのお方アンデット殺し三原則すら理解してませんの? モグモグ……ああいうのは塩分か熱か聖なる攻撃でしか殺しきれませんのに……なのに……ゴックン」
回るチェーンソー。コマのように回転し続けるチェーンソード。そのコマが右へ左へ移動する度に、ゾンビのかさは不思議と減っている。さながら人間フードプロセッサーだ。
「アンデットの再生を上回るペースで殺せるって、人の業じゃありませんわよ……」
ジョーが鉄塊を食べ終わる頃には、路地裏は液状になったサメゾンビで浸水していた。しかし、チェーンソードの昂りは収まらない。
「『ギャハハハハハ!! 血だァ!!血をよこせ!! もっとッッ!!もっとだああああっ!!』」
膝下まで浸かる血溜まりの中で、降り注ぐ血の雨に濡れながら。チェーンソードは空に向かって叫ぶのだ。
「はぁ……わたくし鉄を食っただけで終わりましたわね」
その様をあくび混じりに眺めるジョー。その視界の端に、水面を三角形の何かを捉えた。
「なんですのあれ。まさか背びれ? ……まずいですわ……!」
チェーンソードと同等かそれ以上の大きさのそれは、ゆっくりとチェーンソードの方に進んでいく。
ジョーはチェーンソードに手を振って叫ぶ。
「前っ!前見てくださいましー!! ヨークシャンクごっこしてる場合じゃねえですわよ!!」
しかしそう叫ぶ頃には深く潜り、姿を消してしまった。チェーンソードは遅れて前を向き、首を傾げる。
「『あー? 前? 何もいねえじゃねぇ──かァァァ!?』」
「──ばくんッッ!!」
チェーンソードの足元から巨大なサメが急襲! 足からその巨躯を丸呑みにしてしまった。サメは飛び上がる。そして勢いそのままゆらりと浮かんだ。ちょうどジョーに顔を向ける形で。
「『テメェ!!! 何しやがるっ!!! 』」
口の中でぐぐもった叫び声が聞こえる。中に浮かんだゾンビサメは口を閉じたまま決して開かない。恐らく飲み込んだはいいものの噛み殺すこともできないのだろう。
「『ほう……いい度胸だ!!! 死ねぇぇぇぇぇ!!!』」
エンジンの駆動音がした。内側からバリバリと肉を裂き、歯を砕く音。しかし音がするばかりで外からは何も変化がない。
「『クソっ!! 何がどうなってる!!』」
「無駄なんですのよバーカ!!」
手を突き出しながらジョーは言う。その両腕はグレネードランチャーに姿を変えた。そのままチェーンソードに向かって叫ぶ。
「でかくなればサメとしての力が強くなる! つまり再生力も高まるんですのよ!! 常ッ識ッですわよ!!そんなことも分かりませんの!?
歯なんてその最たる例。生え変わるスピードは毎秒五層。 近接武器では、とても破壊しきれませんわ~!!」
「『そこまで言うなら……何か策があるんだろ!』」
チェーンソードは叫ぶ。次々生え揃う牙を、変わらないペースで壊しながら。対するジョーは不敵な笑みを浮かべる。
「ええ! 単純明快でしてよっ♡」
両手のグレネードランチャーの装填が完了し、リボルバーが子気味良い音を立てて一周した。
「これから私が集中砲火致しますからぁ……♡♡ ぜーんぶ♡ よけて、口から出てきてくださいまし♡♡」
「『……は? 狂ってんのか? こんな狭い空間に撃たれる爆弾を避けながら今と変わらないペースで切り続けろだァ?バカじゃねえのお前!!』」
「四の五の言わずにやるんですわよ♡♡ ──発射ぁぁ♡♡♡」
「おいてめえ待ちやが──」
[ドーン! ドーン!! ドドーン!!]
次々打ち込まれる爆弾。そしてそれらが時間差で炸裂していく。瞬く間にゾンビサメの顔は黒煙にまみれた。
「──!! ッッ──!!」
その中、ダメージを受けつつも必死に歯を食いしばるサメゾンビ。しかし内外からの波状攻撃に耐えきれず、
[バキィーッッッ!!!]
「『貫通だァァァッッ!!!』」
チェーンソードは器用にも一発も受けることなく、煙を突っ切ってジョーの後ろに降り立った。そしてジョーをドヤ顔で見下ろす。
「『ヘヘン。 これくらい俺にとっちゃ朝飯前だぜぇぇ!!』」
「気ぃ抜くんじゃねえですわ。本丸、残ってますわよ 」
ジョーが指さす先、円く歯の欠けたゾンビサメが怒りに震えていた。
「キ、キシャマア……チョウシニ……ノリヤガッテェェェ!!!」
そして大口を開けて突っ込んでくる!!
「『しっかたねぇ!!こいつをブッ殺して最後だァァァ!!』」
エンジンがかかる。その度に熱が昂り、立ち上る。陽炎が揺らぎ、降り注ぐ血の雨が即座に蒸発し、焼けていく。回転する刃は、ついに音を超えて赤熱し始める。そして突っ込んでくるサメに真っ向から立ち向かう!!
「クッテヤル……クッテヤルゾオオオオオ!!!」
「『自己主張できて偉いな!サメのくせに!! 死ねェェェェッッ!!』」
真っ直ぐ突っ込んできたサメの体は、チェーンソード体を貫く!! 猛スピードで突っ込み、口の中に再び入った。
「ギャーッハッハッハ!! ドンナニツヨクテモ、ニンゲンハ、ニンゲン!! ヒンジャク! アマリニモ、ヒンジャ──」
そこでゾンビサメは気づいたのだ。自分の体が左右で真っ二つになっていたことに。
「……クゥ?」
チェーンソードに触れた瞬間裂けていったその巨体は、燃えながらあさっての方向に飛んで行った。
「ギャアアアアアアア!!!」
「『じゃあな! とっととくたばれサメ野郎!! 』」
断末魔を上げて燃えるサメに、チェーンソードはビルの上から手を振った。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる