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チャプター1:ガトリンガールとサー・チェーンソード
三話:鎖鋸騎士
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ヤーバンストリートの屋根の上を、とぼとぼ歩くジョセフィーヌ。
サー・チェーンソードの捜索を懸命に続けて早、数日。未だチェーンソードは見つからない。
それどころか行く先々で、ゾンビサメらしきサメを襲っていたため、銃弾用の鉄も火薬も底をつきかけていた。
「殺せど殺せど日用品とか食料の転売ヤーしてる鮫人ばかりでしたわ……。
ゾンビサメだなんてどこにいるんですの? チェーンソードもいませんでしたし。──それに……」
彼女は手に持った袋から石炭を取り出した。あまりに小さな、二本指でつまめるようなその破片が、ジョーの今日の晩御飯だった。
「はぁ……泣いても笑ってもこれが最後の一個ですのね……」
寂しそうに、黒い一欠片を見つめる。
ジョセフィーヌはその一欠片を思いっきり、鋭い歯で噛み砕く。その一噛み一噛みに、サメへの怨念が詰まっていた。
「ぜっっっっってえに皆殺しにしてやりますわ!クソサメ共が……! 一匹残らず……灰も残さず焼いてやりますわぁぁぁ!!」
ジョーが恨み節を放ったその瞬間だ。
「ギャーハハハハハ!!」
「──ッッ!?」
下の方から声が聞こえた。サメ特有のカタコトな口調だ。ジョセフィーヌは屋根の上で寝そべり、下の袋小路を覗き込む。
そこには石炭を山積した荷車と、それを囲む緑色の鮫人の姿が! 石炭の山でくつろいでいた。
「ギヘヘ! セキタン、イッパイ!!」
「タカク、ウレルゾ! ヨク、ウバイトレタナ」
「チェーンソーカラ、ニゲキレタ!! オイツカレルマエニ、ニゲキルゾ!」
アイツらはゾンビサメ! 死んだサメが怨念で起き上がった腐肉共だ!不死であるこいつらは並のサメハンターでは太刀打ち出来ない。そのため殺した鮫人は持ち帰り肉をきちんと食べる文化ができたのだ!
ちなみに普通のサメより数倍長生きであるため、言葉がわかる。個体によっては本も読む博学なサメだ!
「あんのクソ共ッ……!!」
ジョセフィーヌは地面に飛び降り、膝着地。右腕のガトリングを換装し、ゾンビサメに向ける。
「ダ、ダレダ! 」
「ごきげんよう♡ 貴様らの『死』が♡ やってまいりましたわぁ♡♡」
サメのうち一匹が戦慄する!
「コ、コノアホッポイコエ! マチガイネエ!『ジョー』ダ!!」
「ナニッ! ニゲルゾ!!」
ゾンビサメは荷車から飛び降り、持ち手を持った。
「ジャアナ! オレラ、コレウッテアソンデクラス!!」
「へぇ……盗品で儲けてる分際でいいご身分ですわねぇぇ♡♡」
ジョーは右手を変形、スナイパーライフルをサメに向けた!そう言って荷台を引くゾンビサメの脳天を狙う。
「いいですわよぅぅぅ♡♡ でもでもっ♡ 今日のわたくしはぁっ♡♡一味違いましてよっっ♡ 」
「オレラ、フジミ!! ジュウハ、キカネエゾ!!」
しかしジョーはお構い無し。
「発射ァァァァァァ♡♡」
銃口が火を吹いた。フラッシュで照り返されるジョーの顔。反動でわずかにジョーの体が浮く。銃弾は見事右側のサメの頭に命中!!当たったゾンビサメは力なく倒れた。
「キョ、キョウダイィィィ!!」
「お分かりにッ♡なられましてぇぇ♡? 今日の銃弾にはぁ……お塩♡ いれてますのっ♡♡ 」
ジョーがマスターにもらったのは、一塊の岩塩だったのだ!
銃弾を体内製造できるジョーは、カスタムも自在!フレーバーすら変えられる!!
「さぁて……成仏しやがれですわぁ゛ぁ゛ぁ゛ッッッ♡♡♡」
「「「ギャアアアアアアアア!!!」」」
銃声が数度、響く。
「ふ、ふうぅぅ……♡♡」
銃口を吹き冷まし、ジョーはへたりこむ。
「んふぅっ♡♡ ガトちゃんもいいですけれどっ♡ ライちゃんも素敵ですわっ♡♡ 一発ながらいい手応えですわぁ♡♡
……それはそうとエネルギーが残りわずかですわぁ……」
訪れた賢者タイムと燃料切れ。ジョーは腕をだらしなく投げ出した。
そんなジョーの肩を、何かが叩く。
「──ひゃうっ♡ わ、わたくし今敏感ですのよ! 触らないでくださいましっ♡♡」
そう言って振り返った先には、120センチ程度の小さな男の子。ボロボロのパーカーを着て、解れたジーンズを履いている。
「……あぶない。 ここ、まだいる」
そう言ってジョーの頬と肩をバシバシ叩く。
「いって!いっって! 痛えって言ってるじゃございませんの! やめてくださいまし!! 目覚ましならけっこうですわよ!!」
ジョーは強引にその手を払い除けた。
「ごめん……白目むいてたから、ラリってたかと……」
「失礼なやつですわね!! 私は平常でしてよ!!」
「……それはそれでやばい」
「キーッ!! なんですってぇぇぇぇっ!!!……ってんん??」
ジョセフィーヌはまじまじと少年を見つめた。背中には少年の背丈を超える、縦長の箱を背負っている。箱は無機質感に溢れ、黒くすべすべしていた。
きっと廃品回収かなにかの帰りなのだろう。ジョセフィーヌはそう考えた。ため息を吐き、少年の白い短髪を乱暴に撫でた。立ち上がり、少年の方を向いた。
「よく見たらただの薄汚ねえガキじゃねえですの! 無駄にエネルギー使っちまいましたわ。
きっとここでガタガタ震えてたんですわね? さ、もうバケモンぶっ殺しましたわよ! さっさとママのおっぱい飲みに帰るんですわねっ!!」
ジョセフィーヌがそう言うと同時。
「……!」
少年は少し身震いして、背中の箱に手をかける。
「……ヤる気でいらして? 私こう見えてまだまだイけますわよ!」
そう言ったジョセフィーヌの背後。ゾンビサメがぬっ、と顔を出す。その口には鋭い牙がビッシリと生えていた! そのサメはどこから来たのか、考えるより先に手が動くのがジョーだ。
「うふっ♡ その程度の騙し討ち、通用するととお思いでして!!」
気配に気づき、咄嗟に振り返った。今度はバルカンを構え、トリガーを引く……!しかし、銃身が虚しく回るだけだった。
「なっ……! 弾切れ!?」
「あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
仲間の恨みと言わんばかりに飛びかかってくる。鮫人はジョセフィーヌのバルカンの銃身に、横から噛み付く!人型と言えどサメはサメ。恐ろしい力でジョセフィーヌを押し退ける!
「チィッ、クソ魚類が……調子に乗らないでくださいまし……!」
しばらく押し合いが続いたその時だ。
「……頭、下げろ」
「へえっ!?」
言われるままに頭を下げると、先程の少年はとびあがる。そのまま箱をハンマーの要領でぶん回し、鮫人の顔面に食らわせた。
サメの頭はバルカンと箱に挟まれ、平たくなってしまった。ホホジロザメがシュモクザメになってしまったかのように。
「コイツら、引き受ける。 オレと……チェーンソードが」
そう言って少年は背中の箱を地べたに下ろした。
「があぁぁぁぁあ!!」
縦に顔を押しつぶされたサメは、転がりながらその痛みに悶える。
「アナタ……ただのガキじゃありませんわね?」
「……」
少年は無言のまま、無機質な箱に手を触れた。途端に棒状の持ち手が垂直に飛び出た。黒光りするその先端には、紐が着いている。少年は棒を手に取り、紐の先に着いたT字の引っかかりを握った。
「……『起きろ。 チェーンソード』」
その訴えに、箱は野太い声で答える。
『ガッハッハ!!! 待ってたぜご主人!! 対サメ殲滅兵器チェーンソード! いつでも誰でもぶっ殺せるぜ!! 』
「え、ええ!? 生きてますのそれ!?」
たまげるジョーを無視して少年は箱と話す。
「……御託はいい『殺るぞ』」
『応さ!』
そして、力の限り紐を引っ張った! 歯車か何かが噛み合う音と共に、エンジンが唸りをあげる。2回、3回と引く度に駆動音は大きく、強くなる。
「あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
低く屈んだ少年の頭上、サメが飛びかかる!!
「危ないですわ!! 避けなさいっ!!」
ジョセフィーヌの静止も間に合わず、少年の首筋にゾンビの牙が……!
刺さらなかった。
「あ゛?」
ゾンビの頭は刃渡り1メートルをゆうに超える、巨大な鎖状の刃に貫かれていた。少年はそのまま、持ち手に着いたトリガーを引く……!
「──ッッあ゛あ゛あ゛あ゛ァァァ!?!?」
鎖状の刃は激しく回転を始め、ゾンビの頭蓋を血肉を裂いては砕き、血を滴らせる。その血飛沫がかかろうと少年は身動きひとつしない。
ジョセフィーヌはさすがに不安になり、傍に駆け寄る。
「ちょっとあなた? 死血シャワーを浴びる趣味が有るんでしたら他のとこでやってくださいまし!! 早く石炭を回収しないと追っ手が……!」
「『……くるぜ』」
「はい?」
「『サメ共のシャワーが降り注いでくるぜェェェェェッッッ!!!』」
その咆哮はメタルバンドじみたソウルを感じさせた。声は少年のものでは無い。箱の野太い声に近かった。
被ったフードの隙間から、金属板が滑り降りてくる。体を伝ってまとわりつき、その板一枚一枚は鎧へと姿を変える。プレートはアサルトの体をおおってもなお出続け、足、胴、腕を細く、長く伸ばしていく。
やがてプレートの流出が止まると、ゆっくりとアサルトは立ち上がる。
「なっ、なんですってぇぇぇぇ!?」
ジョセフィーヌはその様を愕然としながら見上げた。先程の120センチ程の子供は、190を優に超える騎士に変わっていたのだ!
その姿は、まさに『サー・チェーンソード』。
「『ここにいるテメェら全員、女神様に会わせてやんよォォォ!!!』」
辺りに、悪魔のような叫びがこだました。
サー・チェーンソードの捜索を懸命に続けて早、数日。未だチェーンソードは見つからない。
それどころか行く先々で、ゾンビサメらしきサメを襲っていたため、銃弾用の鉄も火薬も底をつきかけていた。
「殺せど殺せど日用品とか食料の転売ヤーしてる鮫人ばかりでしたわ……。
ゾンビサメだなんてどこにいるんですの? チェーンソードもいませんでしたし。──それに……」
彼女は手に持った袋から石炭を取り出した。あまりに小さな、二本指でつまめるようなその破片が、ジョーの今日の晩御飯だった。
「はぁ……泣いても笑ってもこれが最後の一個ですのね……」
寂しそうに、黒い一欠片を見つめる。
ジョセフィーヌはその一欠片を思いっきり、鋭い歯で噛み砕く。その一噛み一噛みに、サメへの怨念が詰まっていた。
「ぜっっっっってえに皆殺しにしてやりますわ!クソサメ共が……! 一匹残らず……灰も残さず焼いてやりますわぁぁぁ!!」
ジョーが恨み節を放ったその瞬間だ。
「ギャーハハハハハ!!」
「──ッッ!?」
下の方から声が聞こえた。サメ特有のカタコトな口調だ。ジョセフィーヌは屋根の上で寝そべり、下の袋小路を覗き込む。
そこには石炭を山積した荷車と、それを囲む緑色の鮫人の姿が! 石炭の山でくつろいでいた。
「ギヘヘ! セキタン、イッパイ!!」
「タカク、ウレルゾ! ヨク、ウバイトレタナ」
「チェーンソーカラ、ニゲキレタ!! オイツカレルマエニ、ニゲキルゾ!」
アイツらはゾンビサメ! 死んだサメが怨念で起き上がった腐肉共だ!不死であるこいつらは並のサメハンターでは太刀打ち出来ない。そのため殺した鮫人は持ち帰り肉をきちんと食べる文化ができたのだ!
ちなみに普通のサメより数倍長生きであるため、言葉がわかる。個体によっては本も読む博学なサメだ!
「あんのクソ共ッ……!!」
ジョセフィーヌは地面に飛び降り、膝着地。右腕のガトリングを換装し、ゾンビサメに向ける。
「ダ、ダレダ! 」
「ごきげんよう♡ 貴様らの『死』が♡ やってまいりましたわぁ♡♡」
サメのうち一匹が戦慄する!
「コ、コノアホッポイコエ! マチガイネエ!『ジョー』ダ!!」
「ナニッ! ニゲルゾ!!」
ゾンビサメは荷車から飛び降り、持ち手を持った。
「ジャアナ! オレラ、コレウッテアソンデクラス!!」
「へぇ……盗品で儲けてる分際でいいご身分ですわねぇぇ♡♡」
ジョーは右手を変形、スナイパーライフルをサメに向けた!そう言って荷台を引くゾンビサメの脳天を狙う。
「いいですわよぅぅぅ♡♡ でもでもっ♡ 今日のわたくしはぁっ♡♡一味違いましてよっっ♡ 」
「オレラ、フジミ!! ジュウハ、キカネエゾ!!」
しかしジョーはお構い無し。
「発射ァァァァァァ♡♡」
銃口が火を吹いた。フラッシュで照り返されるジョーの顔。反動でわずかにジョーの体が浮く。銃弾は見事右側のサメの頭に命中!!当たったゾンビサメは力なく倒れた。
「キョ、キョウダイィィィ!!」
「お分かりにッ♡なられましてぇぇ♡? 今日の銃弾にはぁ……お塩♡ いれてますのっ♡♡ 」
ジョーがマスターにもらったのは、一塊の岩塩だったのだ!
銃弾を体内製造できるジョーは、カスタムも自在!フレーバーすら変えられる!!
「さぁて……成仏しやがれですわぁ゛ぁ゛ぁ゛ッッッ♡♡♡」
「「「ギャアアアアアアアア!!!」」」
銃声が数度、響く。
「ふ、ふうぅぅ……♡♡」
銃口を吹き冷まし、ジョーはへたりこむ。
「んふぅっ♡♡ ガトちゃんもいいですけれどっ♡ ライちゃんも素敵ですわっ♡♡ 一発ながらいい手応えですわぁ♡♡
……それはそうとエネルギーが残りわずかですわぁ……」
訪れた賢者タイムと燃料切れ。ジョーは腕をだらしなく投げ出した。
そんなジョーの肩を、何かが叩く。
「──ひゃうっ♡ わ、わたくし今敏感ですのよ! 触らないでくださいましっ♡♡」
そう言って振り返った先には、120センチ程度の小さな男の子。ボロボロのパーカーを着て、解れたジーンズを履いている。
「……あぶない。 ここ、まだいる」
そう言ってジョーの頬と肩をバシバシ叩く。
「いって!いっって! 痛えって言ってるじゃございませんの! やめてくださいまし!! 目覚ましならけっこうですわよ!!」
ジョーは強引にその手を払い除けた。
「ごめん……白目むいてたから、ラリってたかと……」
「失礼なやつですわね!! 私は平常でしてよ!!」
「……それはそれでやばい」
「キーッ!! なんですってぇぇぇぇっ!!!……ってんん??」
ジョセフィーヌはまじまじと少年を見つめた。背中には少年の背丈を超える、縦長の箱を背負っている。箱は無機質感に溢れ、黒くすべすべしていた。
きっと廃品回収かなにかの帰りなのだろう。ジョセフィーヌはそう考えた。ため息を吐き、少年の白い短髪を乱暴に撫でた。立ち上がり、少年の方を向いた。
「よく見たらただの薄汚ねえガキじゃねえですの! 無駄にエネルギー使っちまいましたわ。
きっとここでガタガタ震えてたんですわね? さ、もうバケモンぶっ殺しましたわよ! さっさとママのおっぱい飲みに帰るんですわねっ!!」
ジョセフィーヌがそう言うと同時。
「……!」
少年は少し身震いして、背中の箱に手をかける。
「……ヤる気でいらして? 私こう見えてまだまだイけますわよ!」
そう言ったジョセフィーヌの背後。ゾンビサメがぬっ、と顔を出す。その口には鋭い牙がビッシリと生えていた! そのサメはどこから来たのか、考えるより先に手が動くのがジョーだ。
「うふっ♡ その程度の騙し討ち、通用するととお思いでして!!」
気配に気づき、咄嗟に振り返った。今度はバルカンを構え、トリガーを引く……!しかし、銃身が虚しく回るだけだった。
「なっ……! 弾切れ!?」
「あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
仲間の恨みと言わんばかりに飛びかかってくる。鮫人はジョセフィーヌのバルカンの銃身に、横から噛み付く!人型と言えどサメはサメ。恐ろしい力でジョセフィーヌを押し退ける!
「チィッ、クソ魚類が……調子に乗らないでくださいまし……!」
しばらく押し合いが続いたその時だ。
「……頭、下げろ」
「へえっ!?」
言われるままに頭を下げると、先程の少年はとびあがる。そのまま箱をハンマーの要領でぶん回し、鮫人の顔面に食らわせた。
サメの頭はバルカンと箱に挟まれ、平たくなってしまった。ホホジロザメがシュモクザメになってしまったかのように。
「コイツら、引き受ける。 オレと……チェーンソードが」
そう言って少年は背中の箱を地べたに下ろした。
「があぁぁぁぁあ!!」
縦に顔を押しつぶされたサメは、転がりながらその痛みに悶える。
「アナタ……ただのガキじゃありませんわね?」
「……」
少年は無言のまま、無機質な箱に手を触れた。途端に棒状の持ち手が垂直に飛び出た。黒光りするその先端には、紐が着いている。少年は棒を手に取り、紐の先に着いたT字の引っかかりを握った。
「……『起きろ。 チェーンソード』」
その訴えに、箱は野太い声で答える。
『ガッハッハ!!! 待ってたぜご主人!! 対サメ殲滅兵器チェーンソード! いつでも誰でもぶっ殺せるぜ!! 』
「え、ええ!? 生きてますのそれ!?」
たまげるジョーを無視して少年は箱と話す。
「……御託はいい『殺るぞ』」
『応さ!』
そして、力の限り紐を引っ張った! 歯車か何かが噛み合う音と共に、エンジンが唸りをあげる。2回、3回と引く度に駆動音は大きく、強くなる。
「あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
低く屈んだ少年の頭上、サメが飛びかかる!!
「危ないですわ!! 避けなさいっ!!」
ジョセフィーヌの静止も間に合わず、少年の首筋にゾンビの牙が……!
刺さらなかった。
「あ゛?」
ゾンビの頭は刃渡り1メートルをゆうに超える、巨大な鎖状の刃に貫かれていた。少年はそのまま、持ち手に着いたトリガーを引く……!
「──ッッあ゛あ゛あ゛あ゛ァァァ!?!?」
鎖状の刃は激しく回転を始め、ゾンビの頭蓋を血肉を裂いては砕き、血を滴らせる。その血飛沫がかかろうと少年は身動きひとつしない。
ジョセフィーヌはさすがに不安になり、傍に駆け寄る。
「ちょっとあなた? 死血シャワーを浴びる趣味が有るんでしたら他のとこでやってくださいまし!! 早く石炭を回収しないと追っ手が……!」
「『……くるぜ』」
「はい?」
「『サメ共のシャワーが降り注いでくるぜェェェェェッッッ!!!』」
その咆哮はメタルバンドじみたソウルを感じさせた。声は少年のものでは無い。箱の野太い声に近かった。
被ったフードの隙間から、金属板が滑り降りてくる。体を伝ってまとわりつき、その板一枚一枚は鎧へと姿を変える。プレートはアサルトの体をおおってもなお出続け、足、胴、腕を細く、長く伸ばしていく。
やがてプレートの流出が止まると、ゆっくりとアサルトは立ち上がる。
「なっ、なんですってぇぇぇぇ!?」
ジョセフィーヌはその様を愕然としながら見上げた。先程の120センチ程の子供は、190を優に超える騎士に変わっていたのだ!
その姿は、まさに『サー・チェーンソード』。
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