15 / 109
15. 甘い誘惑に言葉をかけて
しおりを挟む
「ここのアイスが美味しいんだよ」
本部から少し離れたお店にやって来たミク達。人が多く、不安そうなミクを支えるように、モモカと手を繋いでお店に入っていく
「待ってて。買ってるから」
ソファーに座り、本を抱いてキョロキョロとお店にいる人達を見ているミクと、その隣に座りミクを見守るモモカを残して、クルミとリコが注文のため席を離れていく
「ミク、モモカ。お待たせ!」
しばらくすると、大きなカップにアイスをたくさん乗せて、リコとクルミが戻ってきた
「ちょっとリコ……。買いすぎじゃない?」
「そう?でも、ミクが食れなくても私が食べれるし」
お店にいる人達もみんな見るほどの量の多さに呆れるモモカ。だがその隣で、ミクがテンション上がってニコニコと笑っている
「スゴいです!こんなに食べていんですか?」
「もちろん。でも、お腹壊さないようにね」
「はいっ!」
「レイさん、何話すのかな?怒られるの嫌だなぁ……」
アイスを半分食べ終える頃、待ち合わせの時間が近づいて、不安そうにアイスを頬張るリコ。隣で聞いていたクルミが、アイスを食べつつため息混じりで返事をする
「怒らないでしょ。今日の報告を聞きたいだけじゃないの?」
「そうだけどさぁ……。そういえばミク、持ってた本、どこ行ったかわかる?」
「あっ、本は……」
リコに聞かれて、隣に置いていた絵本をぎゅっと抱きしめた
「お母様が、これはもう私の本と言って、私の中に入れて消えてしまいました。でも、この本がまた来てくれたので、本当に嬉しいです!」
嬉しそうにニコニコと微笑み話すミク。だが、リコ達は話す内容が分からず、少し首をかしげている
「えっと……ミクのお母さんが?」
「はい。夢の中でお父様と一緒に、私に会いに来てくれたんです」
話を聞いても、いまいち話が読めないリコ。モモカとクルミも顔を見合わせて不思議そうな表情をしている
「ちょっと、この本の中、見てもいい?」
「はい。もちろんです」
本をリコに渡すと、モモカとクルミも一緒に絵本の中を確認していく
「でも、どうしてこの本を持ってきてくれたのですか?」
「リコが、本がなくなっていたから、新しいのをってね。でも何もなくて、本は唯一これだけあったんたけど……」
「でもこれ、何も書かれてないよ」
パラパラとページをめくっていくが、何一つ書かれていない本に、リコ達が不思議そうな顔で本を見ていると、ミクが本を渡すようにと、リコに手を差し出した
「いえ、この本は……」
リコから絵本を受け取ると、そっとページに触れると、何も書かれていない真っ白なページに、少しずつ文字が浮かび上がってきた
「文字が……」
「この本は、お婆様が生まれる前から、代々受け継がれている本だそうで……。いつもは真っ白な本なのですが、触れる度に、いつも違う物語が書かれて出てくるんです」
驚くリコ達に、絵本を読みながら楽しそうに話すミク。その様子を呆然とクルミとモモカが見ている
「モモカ……クルミ」
リコに声をかけられて、クルミが慌ててミクに声をかけた
「ミクちゃん、本を読むのは素敵なことだけど、おやつのアイスが溶けちゃうから、あとで一緒に読もっか」
「あっ!本当だ、もう溶けてる!」
モモカに言われて、絵本をソファーに置くと慌ててアイスを食べはじめるミク。美味しそうに頬張る姿を見て、クルミが小さく頷いた
「これも急いで報告をしましょう。ミクに何が起こっているのかも聞かなきゃね……」
本部から少し離れたお店にやって来たミク達。人が多く、不安そうなミクを支えるように、モモカと手を繋いでお店に入っていく
「待ってて。買ってるから」
ソファーに座り、本を抱いてキョロキョロとお店にいる人達を見ているミクと、その隣に座りミクを見守るモモカを残して、クルミとリコが注文のため席を離れていく
「ミク、モモカ。お待たせ!」
しばらくすると、大きなカップにアイスをたくさん乗せて、リコとクルミが戻ってきた
「ちょっとリコ……。買いすぎじゃない?」
「そう?でも、ミクが食れなくても私が食べれるし」
お店にいる人達もみんな見るほどの量の多さに呆れるモモカ。だがその隣で、ミクがテンション上がってニコニコと笑っている
「スゴいです!こんなに食べていんですか?」
「もちろん。でも、お腹壊さないようにね」
「はいっ!」
「レイさん、何話すのかな?怒られるの嫌だなぁ……」
アイスを半分食べ終える頃、待ち合わせの時間が近づいて、不安そうにアイスを頬張るリコ。隣で聞いていたクルミが、アイスを食べつつため息混じりで返事をする
「怒らないでしょ。今日の報告を聞きたいだけじゃないの?」
「そうだけどさぁ……。そういえばミク、持ってた本、どこ行ったかわかる?」
「あっ、本は……」
リコに聞かれて、隣に置いていた絵本をぎゅっと抱きしめた
「お母様が、これはもう私の本と言って、私の中に入れて消えてしまいました。でも、この本がまた来てくれたので、本当に嬉しいです!」
嬉しそうにニコニコと微笑み話すミク。だが、リコ達は話す内容が分からず、少し首をかしげている
「えっと……ミクのお母さんが?」
「はい。夢の中でお父様と一緒に、私に会いに来てくれたんです」
話を聞いても、いまいち話が読めないリコ。モモカとクルミも顔を見合わせて不思議そうな表情をしている
「ちょっと、この本の中、見てもいい?」
「はい。もちろんです」
本をリコに渡すと、モモカとクルミも一緒に絵本の中を確認していく
「でも、どうしてこの本を持ってきてくれたのですか?」
「リコが、本がなくなっていたから、新しいのをってね。でも何もなくて、本は唯一これだけあったんたけど……」
「でもこれ、何も書かれてないよ」
パラパラとページをめくっていくが、何一つ書かれていない本に、リコ達が不思議そうな顔で本を見ていると、ミクが本を渡すようにと、リコに手を差し出した
「いえ、この本は……」
リコから絵本を受け取ると、そっとページに触れると、何も書かれていない真っ白なページに、少しずつ文字が浮かび上がってきた
「文字が……」
「この本は、お婆様が生まれる前から、代々受け継がれている本だそうで……。いつもは真っ白な本なのですが、触れる度に、いつも違う物語が書かれて出てくるんです」
驚くリコ達に、絵本を読みながら楽しそうに話すミク。その様子を呆然とクルミとモモカが見ている
「モモカ……クルミ」
リコに声をかけられて、クルミが慌ててミクに声をかけた
「ミクちゃん、本を読むのは素敵なことだけど、おやつのアイスが溶けちゃうから、あとで一緒に読もっか」
「あっ!本当だ、もう溶けてる!」
モモカに言われて、絵本をソファーに置くと慌ててアイスを食べはじめるミク。美味しそうに頬張る姿を見て、クルミが小さく頷いた
「これも急いで報告をしましょう。ミクに何が起こっているのかも聞かなきゃね……」
0
あなたにおすすめの小説
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる