ぱすてるランページ

シャオえる

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16.不思議な絵本の素敵な仕掛け

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「おや、君も呼んだかね?」
 話し合いのため、レイの仕事場に着いたリコ達。三人の後ろに隠れるように、ミクも仕事場に来ていた
「いえ……。でも、一人は嫌というので……」
 と言うと、リコがミクに探すとクルミの背中に隠れていた
「ダメなら私、ミクと一緒に部屋で待ってます!」
「いや、ここにいても構わんが……」
 リコの話に否定しながら、キィと椅子の音をたて立ち上がりミクの前に立つレイ。ジーっと見られて少し怖くて、ぎゅっとクルミの服をつかむミク。何も言わずただミクを見つめるレイに、リコ達は少し心配そうな様子で二人の様子を見守っている

「私はレイ。君は?」
 ミクの背に合わせるように少し屈んで、微笑み手を差し出して握手を求めるレイ。少し後退りして、レイの顔を見る
「……ミクです。こんにちは」
 恐る恐る手を出してレイと握手をするミク。二人の様子を見守っていたリコ達が、ふぅ。とため息ついている
「……すまないが、君の持ってるその本を、少し借りてもいいかい?」
 と、ミクが大事そうに抱えている絵本をレイが指差した
「えっ?……あっ、はい」
 勢いよく本を差し出すミク。あたふたと渡すミクを見て、レイがクスッと微笑んでいる

「レイさんって、こんな人だったっけ?」
「……さあ?」
 ヒソヒソとクルミとモモカに話しかけるリコ。いつもと様子の違うレイを見て、不思議そうにリコ達が話していると、本を受けとるとページをめくると、真っ白なページに戻っていた絵本に、そっと指をなぞる。すると本に文字が現れ物語が書かれていく。ミクが本を覗いて見ようとしたら、ページの上に、物語の主人公の少年やお家、木々や小鳥達の姿が現れ、ゆっくりと少年が動きだし、絵本に描かれた物語が進みはじめた

「すごーい!お父様もお母様も、こんな風に出来なかったです!」
「そうかい。昔からこの本に載っている物語だよ」
「はい。私も、何度かこのお話は見たことありますが、こう出てきて動いたのは、見たことないです」
 どんどん進んでいく物語に、楽しそうに見入るミク。文字しか現れないと思っていた絵本の秘密を知って、テンションが上がっていく
「気に入ってもらえたなら良かったよ」
 レイから本を受け取り、ニコニコと笑顔絶えずページをめくっていくミクを見てレイも微笑む

「あの……レイさん……」
 リコに声をかけられレイが振り返ると、絵本の事を知っていたことに、戸惑っているリコ達がいた
「三人とも、話しはもういい。明日はまた各自、他の任務についてもらう」
「えっ……でも、ミクは?」
 任務変更に戸惑う三人の横を通って、机に戻り椅子に座るレイ
「別の隊員が対応する。色々と話を聞きたがっている人達もいるしな」
「でも……」
「他の仕事も残っているだろう。先にそちらを片付けてから、また遊べばいい」
 と言うと、レイの視線はまだ絵本に夢中なミクの方へと向いて、リコ達もミクを心配そうに見つめていると、大人達の視線に気づいたミクが、絵本を閉じ慌ててリコのところに戻ってきた
「それじゃ、話しは終わり。何かあれば、すぐ報告をするように……」
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