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18. 力を求めるが故に
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「あれ?リコさん……クルミさん、モモカさん……」
真夜中、目が覚めたミク。真っ暗な部屋に一人だと気づいて、少ししょんぼりしながらベットから降りると、月明かりを頼りに、絵本を置いていたテーブルまで歩いていく
「お母様……お父様……」
本をぎゅっと抱いてポツリと呟くミク。テーブルの隣にあるソファーに座って、しばらく月明かりを見てぼーっと過ごしていく
「さて、そろそろかな……」
ミクが目を覚ました頃、レイも仕事部屋の窓から月夜を見ていた。一人そう呟くと、部屋を後にして何処かへと歩いていった
「やった!私でも出来た!」
テーブルに絵本を置いて、本をなぞりレイのように物語を動かし読もうとしていたミク。何度か挑戦していると、ゆっくりと動き出した物語に、テンション高く絵本に見入っていた
「……あれ?待って!止まって!」
だが、一ページ目の話が終わる頃、順調に進んでいた物語が、急に戻ったり早く進んだり遅くなったりを繰り返していた
「どうしよう……壊れちゃったのかな?」
慌てて止めようとするミク。だが、止め方が分からず、
あたふたしていると、突然胸を押さえて苦しみだした
「苦しい……息が……」
と、ソファーに横に倒れるミク。どうにか耐えるが、苦しみは増えていくばかり。一人きりで苦しみに耐えていると、テーブルの足を蹴ってしまい、グラッとテーブルが揺れて絵本が床に落ちた
「本……落としちゃ……」
ミクが苦しんでいる時、まだ事務室でまだ仕事をしているリコ達。疲れて資料を枕にして寝ているリコを起こさないように、クルミとモモカは資料を書き進めていた。時間も遅く、隊員達の姿も少なくなって静かな事務室に突然、地震のような揺れが起きた
「なに?すごい揺れてる……」
だんだんと強くなる揺れに、寝ていたリコも目を覚ます。周りの人達も揺れに慌てふためく中、今度はどこからともなく、ドンッと大きな音が建物に響き渡った
「今度は何?」
「音はどこから?」
大きな音と揺れに驚き、逃げ惑う人々。逃げる人の流れに逆らうように、リコが突然走り出した
「リコ、どこ行くの?」
「ミクのところ!ミク、魔術使えないから、避難が……」
と、クルミに言い返すと、ミクのいる寝室へと走り出したリコ。戸惑いつつもクルミとモモカも後を追う
「ミク!大丈夫?」
息を切らして、ミクの部屋に到着したリコ。真っ暗な部屋の真ん中で立っていたミクに気づいて、近づいていく
「ミク、どうしたの?」
声をかけても背を向けたままのミク。リコがミクの後ろに着いた時、ミクがポツリと呟いた
「強い力……私の力に……」
「えっ?」
大きな揺れと物音で、本部の警報音が鳴り響き渡り、逃げ惑う人々の声も大きくなる中、やっとミクの部屋に着きそうなクルミとモモカ。バタンと何かかが倒れる音が聞こえて、急いで音が聞こえた部屋に向かっていく
「リコ!ミク!」
扉が開いていたミクの部屋に、叫びながら入っていくと、ミクの前にリコが倒れていた
「ミク……何を……」
クルミの声に気づいて、顔を向けるミク。無くなっていたはずの本を抱いて無言でリコの前に立つミクの姿に、後退りするクルミとモモカ。部屋の入り口でうろたえていると、二人の横を通り誰かが部屋の中に入っていく
「えっ?……レイさん」
驚くクルミの声に無視して、レイがミクに近づいていく
「強い力……私に……」
レイの存在に気づいたミクが呟き、本をめくりはじめた。リコを挟んで睨みあう二人。不穏な雰囲気にクルミとモモカが動けず、入り口に立ったままでいた
「無駄だ。私の力を奪うほどの力は君にはまだない」
と言うと、ミクの手に触れ開いていた本を閉じるレイ。すると、閉じると同時に力が抜けたように、ミクがフラッと倒れてしまった
「リコ!」
「ミクちゃん!」
慌てて駆け寄るクルミとモモカ。揺れていた本部の建物も落ち着いて、騒がしく聞こえていた人々の悲鳴が収まっていく
「リコは二人で様子を見ておくように」
「ミクは……」
「しばらく寝かしておく。また暴れだしても困るからな」
と話をしているとレイが呼んでいた、たくさんの隊員が部屋に入ってきた。声をかけても反応のないミクとリコを急いで医務室に連れていく隊員達。呆然としている間に、静かになった部屋に残されたクルミとモモカ。レイも隊員達の後を追うように、部屋の入り口へと歩いていく。部屋を出る前に部屋でレイの後ろ姿を見ていた二人に、振り向き声をかけた
「二人ともリコが起き次第、私の部屋に来るように……」
真夜中、目が覚めたミク。真っ暗な部屋に一人だと気づいて、少ししょんぼりしながらベットから降りると、月明かりを頼りに、絵本を置いていたテーブルまで歩いていく
「お母様……お父様……」
本をぎゅっと抱いてポツリと呟くミク。テーブルの隣にあるソファーに座って、しばらく月明かりを見てぼーっと過ごしていく
「さて、そろそろかな……」
ミクが目を覚ました頃、レイも仕事部屋の窓から月夜を見ていた。一人そう呟くと、部屋を後にして何処かへと歩いていった
「やった!私でも出来た!」
テーブルに絵本を置いて、本をなぞりレイのように物語を動かし読もうとしていたミク。何度か挑戦していると、ゆっくりと動き出した物語に、テンション高く絵本に見入っていた
「……あれ?待って!止まって!」
だが、一ページ目の話が終わる頃、順調に進んでいた物語が、急に戻ったり早く進んだり遅くなったりを繰り返していた
「どうしよう……壊れちゃったのかな?」
慌てて止めようとするミク。だが、止め方が分からず、
あたふたしていると、突然胸を押さえて苦しみだした
「苦しい……息が……」
と、ソファーに横に倒れるミク。どうにか耐えるが、苦しみは増えていくばかり。一人きりで苦しみに耐えていると、テーブルの足を蹴ってしまい、グラッとテーブルが揺れて絵本が床に落ちた
「本……落としちゃ……」
ミクが苦しんでいる時、まだ事務室でまだ仕事をしているリコ達。疲れて資料を枕にして寝ているリコを起こさないように、クルミとモモカは資料を書き進めていた。時間も遅く、隊員達の姿も少なくなって静かな事務室に突然、地震のような揺れが起きた
「なに?すごい揺れてる……」
だんだんと強くなる揺れに、寝ていたリコも目を覚ます。周りの人達も揺れに慌てふためく中、今度はどこからともなく、ドンッと大きな音が建物に響き渡った
「今度は何?」
「音はどこから?」
大きな音と揺れに驚き、逃げ惑う人々。逃げる人の流れに逆らうように、リコが突然走り出した
「リコ、どこ行くの?」
「ミクのところ!ミク、魔術使えないから、避難が……」
と、クルミに言い返すと、ミクのいる寝室へと走り出したリコ。戸惑いつつもクルミとモモカも後を追う
「ミク!大丈夫?」
息を切らして、ミクの部屋に到着したリコ。真っ暗な部屋の真ん中で立っていたミクに気づいて、近づいていく
「ミク、どうしたの?」
声をかけても背を向けたままのミク。リコがミクの後ろに着いた時、ミクがポツリと呟いた
「強い力……私の力に……」
「えっ?」
大きな揺れと物音で、本部の警報音が鳴り響き渡り、逃げ惑う人々の声も大きくなる中、やっとミクの部屋に着きそうなクルミとモモカ。バタンと何かかが倒れる音が聞こえて、急いで音が聞こえた部屋に向かっていく
「リコ!ミク!」
扉が開いていたミクの部屋に、叫びながら入っていくと、ミクの前にリコが倒れていた
「ミク……何を……」
クルミの声に気づいて、顔を向けるミク。無くなっていたはずの本を抱いて無言でリコの前に立つミクの姿に、後退りするクルミとモモカ。部屋の入り口でうろたえていると、二人の横を通り誰かが部屋の中に入っていく
「えっ?……レイさん」
驚くクルミの声に無視して、レイがミクに近づいていく
「強い力……私に……」
レイの存在に気づいたミクが呟き、本をめくりはじめた。リコを挟んで睨みあう二人。不穏な雰囲気にクルミとモモカが動けず、入り口に立ったままでいた
「無駄だ。私の力を奪うほどの力は君にはまだない」
と言うと、ミクの手に触れ開いていた本を閉じるレイ。すると、閉じると同時に力が抜けたように、ミクがフラッと倒れてしまった
「リコ!」
「ミクちゃん!」
慌てて駆け寄るクルミとモモカ。揺れていた本部の建物も落ち着いて、騒がしく聞こえていた人々の悲鳴が収まっていく
「リコは二人で様子を見ておくように」
「ミクは……」
「しばらく寝かしておく。また暴れだしても困るからな」
と話をしているとレイが呼んでいた、たくさんの隊員が部屋に入ってきた。声をかけても反応のないミクとリコを急いで医務室に連れていく隊員達。呆然としている間に、静かになった部屋に残されたクルミとモモカ。レイも隊員達の後を追うように、部屋の入り口へと歩いていく。部屋を出る前に部屋でレイの後ろ姿を見ていた二人に、振り向き声をかけた
「二人ともリコが起き次第、私の部屋に来るように……」
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