ぱすてるランページ

25. 寂しさを誤魔化すために

「リコ、さっきから何してるの？」
　部屋に戻ると、ずっと落ち着かずにウロウロしているリコに、今日もリコの部屋のベットで、くつろいでいるクルミとモモカが、少し呆れながら見ている
「今からミク見れないかなぁって……」
　と、答えたリコに、
「さっき怒られたばかりなんだから……夜も遅いし、ミクも寝てるって連絡来てたし、リコも休もう」
「うん……」
　ボフッと少し勢いつけて、二人の足元の間に入るように座るリコ。すると、モモカにグイッと腕を引っ張られてベットに倒れてしまった。驚いているリコを見て、クルミがクスッと笑う
「今日は、昔みたいに三人で寝よっか」
「う、うん……」
　ちょっと戸惑いながらも、狭く身動きの取りづらくなったベットに三人並んで、すぐに眠りについてしまった


「……あの」
「はい、なんでしょうか？」
　朝、目が覚めて少し寝ぼけているミク。体を起こし、部屋の中をボーッと見てみると、リコ達がいないのに気づいて近くにいた女性隊員に話しかけた
「あの……リコさん達は……」
「みなさんは、他の仕事をしていますよ」
　隊員からの答えを聞いて、ミクが少しうつ向いていると、隊員がミクに飲み物を渡した
「朝ごはん、頂きますか？」
「……はい」
　ミクの返事を聞いて、朝ごはんを取りに部屋を出た女性隊員。ご飯が来るその間に身体検査を受けて、更に顔をうつむいてしまうミク。身体検査が終わりそうな頃、朝ご飯を取りに行っていた隊員が、美味しそうなサンドイッチを持ってきた

「お父様やお母様もそうだったけど……」
　一人きり部屋でサンドイッチを頬張るミク。誰の返事も聞こえない部屋では、ミクの呟いたつもりの独り言がよく響いている
「みんな、お仕事ばかり……」
　モグモグと怒りながら食べ進めていく。あっという間に食べ終えて、今度は空になったお皿をもって、しょんぼりしている
「つまんないの……」
　カチャンとお皿をテーブルに置くと、突然なにかを思い出した思い出した表情をするなり、部屋の中を見て回り隊員がいないか確認していく

「ミクさん、お食事……」
　数分後、食器を取りに来た女性隊員数名がミクの部屋にやって来た。だが、部屋の中を見るなり慌てはじめ、バタバタと走って部屋を出ていった



　バンバンと勢いよく女性隊員が扉を叩いている。叩き続けていると、ゆっくりと扉が開いてリコが出てきた
「……はい」
　眠そうな顔なリコに、慌てふためいている女性隊員が、リコの姿を見るなり、グイッと顔を寄せていく
「あの……ミクさん来てますか？」
「えっ？来てないけど……」
　二人の声に、クルミとモモカも体を起こし、リコ達の様子を見てる
「居なくなったんです！本部からは出られないとは思うのですが……」
「えっ……。報告はした？」
「はい。今、総出で探してるんですが、見当たらなくて……」
　報告を聞いて、驚き後ろを振り返ると、クルミとモモカも驚いた表情をしている

「……分かりました。私達も一緒にミクを探します」
「了解です。ですが、リコさんはあまり接触はしないようにと……」
「……分かった。報告ありがとう」
　ペコリとリコに頭を下げ、廊下を走り捜索へと戻っていった女性隊員の姿を見届けると、ゆっくりと扉を閉め、ふぅ。とため息つきながらソファーに座った
「探すっていっても、当てはあるの？」
　と、リコに話しかけながらベットから降りるクルミ。モモカもベットから降りて、リコの隣に座って二人の話を聞いていると、勢いよくソファーから立ち上がり、部屋着から制服に着替えはじめた
「んー。何となくね。急いで着替えてミクを探しにいこう」