ぱすてるランページ

シャオえる

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28. 報告を伝えたら

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「で、今度は何をしたんだ?」
「レイさん、そんな風に言わなくても……」
 ため息混じりに問いかけるレイに、リコが苦笑いで誤魔化そうとしている 
「公園でクレープ食べてたら、いつの間にか立ち上がってて、そのまま倒れちゃったんです」
 クルミが伝えると、険しい表情になったレイ。モモカも後に続くように報告をする
「起きたら、お母さんがいたって言ってて、あと、本とうたとか何とか……」
 二人の話を聞くと、また、ふぅ。とため息ついたレイ。不穏な雰囲気に、三人に少しだけ緊張感が走る
「次、目が覚めた時、面倒なことになりそうだな」
 とレイが呟くと、コンコンと部屋の扉を叩く音が聞こえた。ガチャと扉が開き、隊員が部屋に入ってきた
「ミクさん、目を覚ましたが……」
「そうか、報告ありがとう。後で部屋に行くよ」
「分かりました。失礼します」
 レイへの報告を済ませると、隊員はすぐに部屋を出ていった

「あの……私達は……」
 リコが恐る恐るレイに聞くと、フフッと笑って答えた
「会うなと言われて、ちゃんと聞くのか?」
「えーっと……たぶん……」
 レイからの質問に、また苦笑いで答えるリコ。返事を聞いて、クルミがリコを見て呆れた顔をしている
「リコ……」
 二人にエヘヘと苦笑いするリコ。返事を聞いたレイが椅子にもたれて、クスッと笑った

「三人とも、あの子と好きに遊ぶとよい」
「えっ、でも……」
「面倒な報告をするのは慣れている。一緒にいる方が色々問題も起きそうだしな」
 戸惑うクルミとモモカに、そう返事をしながら、三人の顔を交互に見るレイ。話を聞いてキョトンとしているリコの表情を見て、またクスッと笑った
「だが、何かあれば、すぐ呼ぶように」
「はい!」
 リコがレイに勢いよく返事をすると、今度はニコニコと笑って、クルミとモモカの方に振り向いた
「今すぐ行こう!クレープの残り、一緒に食べなきゃ!」
「ちょっと、リコ!」
 二人を置いて部屋を出たリコ。慌てて追いかけるクルミとモモカ。ドタバタと騒がしく出ていった三人の足音が消えて、部屋が静かになって、ふぅ。とため息ついていると、またコンコンと部屋の扉を叩く音が響いた

「どうぞ」
 キィッと静かに部屋の扉が開いて、女性隊員が部屋の中に入ってきた
「ミクさんが持っていた真っ白な本を調べ終えました」
「で、結果は?」
 パサッと数枚の報告書をレイに渡す隊員。それを受けとると報告書を読みながら、隊員の報告を聞いていく
「魔術をかけても変化もなく、特に問題はないとして、先程ミクさんに返したそうです」
「そうか……。報告をありがとう」
 レイへの報告を終え、部屋を出る隊員の姿を見届けた後、ゆっくりと椅子から立ち上がると、窓を見て不敵に笑った
「さてと、また帰ってみるかな……」
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