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29. みんな集まって見つけたもの
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「みなさん!」
リコ達がミクの部屋に入るなり、走って駆け寄るミク。三人に代わる代わる、ぎゅっと抱きついて嬉しそうな表情をしている
「ミク、体調はどう?」
「元気です!でも、ごめんなさい……せっかくのクレープが……」
話しながら少しずつしょんぼりしていくミクに、リコが頭を撫でて微笑む
「いいの。また食べに行こうね」
「はい」
楽しそうに話す二人の様子を見ながら、一人掛けのソファーに座ったクルミが、側にあるテーブルに置かれた絵本に気づいた
「絵本、戻ってきたんだ」
「はい、さっき返してくれました」
と、絵本を取りページをめくりそっと触れると、文字と共に現れた、絵本の物語の女性が、ぎこちなく動はじめた
「レイさんみたいに、動かせるようになったんだ」
「はい。お母様の夢を見てから」
クルミの膝の上に座って、ページをめくる。まだ動きはぎこちなくとも、物語は進んでいく
「あれ?前と話が違うような……」
「お話はいつも変わっていくので。このお話もたまに現れます」
みんなで絵本を読んでいると、主人公の女性を見てリコが首をかしげた
「あれ?この人、どこかで見たような……ねえ?」
絵本のページの上に現れている地面にペタンと座っている女性を指差すリコ。それを聞いて、クルミとモモカがその女性を凝視する
「えー。見たかなぁ?」
「あっ、たぶん……」
モモカがなにか言おうとした時、コンコンと部屋の扉を叩く音が聞こえた。ミクが返事をすると、ゆっくりと扉が開いて、女性隊員がリコ達に声をかけた
「あの……。レイさん、見ませんでしたか?」
「えっ?見てないけれど……部屋にいないの?」
女性隊員の問いかけに驚くリコ達。クルミの返事を聞いて、女性隊員はちょっと落ち込んでいる
「はい、どこにも居なくて……会議の時間が迫ってるのに……」
「まあ、少し遅れても大丈夫じゃない?」
「一応、来たら行くように伝えておくよ」
「お願いします。では、失礼します」
パタンと扉が閉じると、リコが窓の方を見る。外はいつの間にか夕暮れになっていた
「レイさんって、意外と気まぐれだからなぁ。散歩に行ったのかな?」
「でも、もうすぐ夜になるけど……」
みんなで窓を見ていると、突然リコがパンッと両手を叩いた
「そうだ。夜ご飯食べに行こうよ」
「えっ?クレープ食べたのに、また食べるの?」
呆れるクルミに、ニコニコ笑って頷くリコ。ミクの手をつかんで話しかけた
「美味しいご飯食べて、一緒にお風呂入ろう。ねっ」
「えっ?あっ、はい……」
と、ミクからちょっと無理矢理に返事を聞くと、そのままミクの手を引っ張り、クルミとモモカを置いたまま、走って部屋を出てしまったリコ
「ちょっと、リコ……」
慌てて二人を追いかけ、廊下を走る後ろ姿を呆れて見ているクルミ。モモカもクスッと笑ってクルミと一緒に二人の後を歩いていく。その頃、森の中にあるミクの家に、レイが到着してた。レイの右手には、ミクの消えた本とよく似た、ほんの少し色の違う本を持って、ゆっくりと家の中に入っていく
「さてと、本にはもう少し頑張ってくれないとな……」
リコ達がミクの部屋に入るなり、走って駆け寄るミク。三人に代わる代わる、ぎゅっと抱きついて嬉しそうな表情をしている
「ミク、体調はどう?」
「元気です!でも、ごめんなさい……せっかくのクレープが……」
話しながら少しずつしょんぼりしていくミクに、リコが頭を撫でて微笑む
「いいの。また食べに行こうね」
「はい」
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「あれ?前と話が違うような……」
「お話はいつも変わっていくので。このお話もたまに現れます」
みんなで絵本を読んでいると、主人公の女性を見てリコが首をかしげた
「あれ?この人、どこかで見たような……ねえ?」
絵本のページの上に現れている地面にペタンと座っている女性を指差すリコ。それを聞いて、クルミとモモカがその女性を凝視する
「えー。見たかなぁ?」
「あっ、たぶん……」
モモカがなにか言おうとした時、コンコンと部屋の扉を叩く音が聞こえた。ミクが返事をすると、ゆっくりと扉が開いて、女性隊員がリコ達に声をかけた
「あの……。レイさん、見ませんでしたか?」
「えっ?見てないけれど……部屋にいないの?」
女性隊員の問いかけに驚くリコ達。クルミの返事を聞いて、女性隊員はちょっと落ち込んでいる
「はい、どこにも居なくて……会議の時間が迫ってるのに……」
「まあ、少し遅れても大丈夫じゃない?」
「一応、来たら行くように伝えておくよ」
「お願いします。では、失礼します」
パタンと扉が閉じると、リコが窓の方を見る。外はいつの間にか夕暮れになっていた
「レイさんって、意外と気まぐれだからなぁ。散歩に行ったのかな?」
「でも、もうすぐ夜になるけど……」
みんなで窓を見ていると、突然リコがパンッと両手を叩いた
「そうだ。夜ご飯食べに行こうよ」
「えっ?クレープ食べたのに、また食べるの?」
呆れるクルミに、ニコニコ笑って頷くリコ。ミクの手をつかんで話しかけた
「美味しいご飯食べて、一緒にお風呂入ろう。ねっ」
「えっ?あっ、はい……」
と、ミクからちょっと無理矢理に返事を聞くと、そのままミクの手を引っ張り、クルミとモモカを置いたまま、走って部屋を出てしまったリコ
「ちょっと、リコ……」
慌てて二人を追いかけ、廊下を走る後ろ姿を呆れて見ているクルミ。モモカもクスッと笑ってクルミと一緒に二人の後を歩いていく。その頃、森の中にあるミクの家に、レイが到着してた。レイの右手には、ミクの消えた本とよく似た、ほんの少し色の違う本を持って、ゆっくりと家の中に入っていく
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