ぱすてるランページ

シャオえる

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30. 再会は笑顔と共に

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「えっ……お仕事ですか?」
 夕御飯もお風呂も終わって、ミクの部屋に着くなり、リコに仕事の為、少しだけ一緒にいれないと言われ、しょんぼりしている
「そう、ゴメンね。でも、寝るまでいるし、終わったらすぐ来るから」
 リコに促され、三人の顔をキョロキョロと見ると、またしょんぼりしつつも、ゆっくりと小さく頷くミク。それを見たリコがミクの頭を撫でていると、絵本を持っていたミクがページを開くと、朝よりも少し滑らかに動く子供たちの物語が始まった



 その頃、レイは会議の時間を越えてもなお、魔術本部に戻ることなく、ミクの家にいた。家の中を迷うことなく、リコ達が倒れていた庭に着くと、微かに見えた人影に、フフッと笑う
「あまり、無茶をさせるべきではないのでは?」
 と、近づきながら話しかけると、ゆっくりと振り返る人影。レイの顔を見て、その人影もフフッと微笑んだ
「レイか……」
「久しぶりだね。ライ兄さん。何十年ぶり?」
「そんなに歳は取ってないつもりだが……」
 レイとの久しぶりの会話に、少し顔がほころぶライ。レイも久しぶりに話をして、少し緊張していた気持ちも少しほぐれた様子
「それにしても、こんな所に家を建るから、リコ達に見つかって、こっちとしては、面倒なことになってるけれど……」
「そうか。こちらとしては予定通りのつもりなのだがな」

 二人が話をしていると、カチャと窓が開く音が聞こえて、二人のもとに近づいてくる
「……ミクは元気?」
 ライと一緒に家に帰宅していたアマネが、レイに話しかける
「ええ、リコ達と元気に遊んでいますよ。お会いしたでしょう?」
 レイに質問を返されたアマネは、答える代わりにクスッと笑う。ライの隣に着くとレイの顔を確認すると、またクスッと微笑んだ

「それで、私達を捕まえにきたの?」
「いや、気まぐれな帰宅ですよ。迷惑でした?」
「レイなら大歓迎だ。ミクと一緒だと少々困ったが……」
 ライが答えると、アマネも少し頷いて微笑んでいる
「それより、ミクの本はどう?」
 アマネに聞かれて、レイは少し困った顔で質問に答える
「少し、良くないと思いますが……」
「そう……。やっぱり、ミクに本は早すぎたかしら……」
 レイの表情や話し方で、アマネも少し困った表情でライを見た

「まあ、ミクなら大丈夫だろう」
「そうですね、ミクならきっと……」
 アマネの不安な気持ちを払うようなライの言葉に、アマネはまたニコニコと微笑む。二人のやり取りを見ていたレイが、少し苦笑いをして話しかける
「大分、あの子を過信しているようですね……」
 と、レイに言われて見つめあう二人。すると、アマネがライに体をそっと寄せてクスッと笑った
「私達の一人娘だもの。本を語り継ぐ一族と、歌をうたい繋ぐ一族の希望だもの」
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