30 / 109
30. 再会は笑顔と共に
しおりを挟む
「えっ……お仕事ですか?」
夕御飯もお風呂も終わって、ミクの部屋に着くなり、リコに仕事の為、少しだけ一緒にいれないと言われ、しょんぼりしている
「そう、ゴメンね。でも、寝るまでいるし、終わったらすぐ来るから」
リコに促され、三人の顔をキョロキョロと見ると、またしょんぼりしつつも、ゆっくりと小さく頷くミク。それを見たリコがミクの頭を撫でていると、絵本を持っていたミクがページを開くと、朝よりも少し滑らかに動く子供たちの物語が始まった
その頃、レイは会議の時間を越えてもなお、魔術本部に戻ることなく、ミクの家にいた。家の中を迷うことなく、リコ達が倒れていた庭に着くと、微かに見えた人影に、フフッと笑う
「あまり、無茶をさせるべきではないのでは?」
と、近づきながら話しかけると、ゆっくりと振り返る人影。レイの顔を見て、その人影もフフッと微笑んだ
「レイか……」
「久しぶりだね。ライ兄さん。何十年ぶり?」
「そんなに歳は取ってないつもりだが……」
レイとの久しぶりの会話に、少し顔がほころぶライ。レイも久しぶりに話をして、少し緊張していた気持ちも少しほぐれた様子
「それにしても、こんな所に家を建るから、リコ達に見つかって、こっちとしては、面倒なことになってるけれど……」
「そうか。こちらとしては予定通りのつもりなのだがな」
二人が話をしていると、カチャと窓が開く音が聞こえて、二人のもとに近づいてくる
「……ミクは元気?」
ライと一緒に家に帰宅していたアマネが、レイに話しかける
「ええ、リコ達と元気に遊んでいますよ。お会いしたでしょう?」
レイに質問を返されたアマネは、答える代わりにクスッと笑う。ライの隣に着くとレイの顔を確認すると、またクスッと微笑んだ
「それで、私達を捕まえにきたの?」
「いや、気まぐれな帰宅ですよ。迷惑でした?」
「レイなら大歓迎だ。ミクと一緒だと少々困ったが……」
ライが答えると、アマネも少し頷いて微笑んでいる
「それより、ミクの本はどう?」
アマネに聞かれて、レイは少し困った顔で質問に答える
「少し、良くないと思いますが……」
「そう……。やっぱり、ミクに本は早すぎたかしら……」
レイの表情や話し方で、アマネも少し困った表情でライを見た
「まあ、ミクなら大丈夫だろう」
「そうですね、ミクならきっと……」
アマネの不安な気持ちを払うようなライの言葉に、アマネはまたニコニコと微笑む。二人のやり取りを見ていたレイが、少し苦笑いをして話しかける
「大分、あの子を過信しているようですね……」
と、レイに言われて見つめあう二人。すると、アマネがライに体をそっと寄せてクスッと笑った
「私達の一人娘だもの。本を語り継ぐ一族と、歌をうたい繋ぐ一族の希望だもの」
夕御飯もお風呂も終わって、ミクの部屋に着くなり、リコに仕事の為、少しだけ一緒にいれないと言われ、しょんぼりしている
「そう、ゴメンね。でも、寝るまでいるし、終わったらすぐ来るから」
リコに促され、三人の顔をキョロキョロと見ると、またしょんぼりしつつも、ゆっくりと小さく頷くミク。それを見たリコがミクの頭を撫でていると、絵本を持っていたミクがページを開くと、朝よりも少し滑らかに動く子供たちの物語が始まった
その頃、レイは会議の時間を越えてもなお、魔術本部に戻ることなく、ミクの家にいた。家の中を迷うことなく、リコ達が倒れていた庭に着くと、微かに見えた人影に、フフッと笑う
「あまり、無茶をさせるべきではないのでは?」
と、近づきながら話しかけると、ゆっくりと振り返る人影。レイの顔を見て、その人影もフフッと微笑んだ
「レイか……」
「久しぶりだね。ライ兄さん。何十年ぶり?」
「そんなに歳は取ってないつもりだが……」
レイとの久しぶりの会話に、少し顔がほころぶライ。レイも久しぶりに話をして、少し緊張していた気持ちも少しほぐれた様子
「それにしても、こんな所に家を建るから、リコ達に見つかって、こっちとしては、面倒なことになってるけれど……」
「そうか。こちらとしては予定通りのつもりなのだがな」
二人が話をしていると、カチャと窓が開く音が聞こえて、二人のもとに近づいてくる
「……ミクは元気?」
ライと一緒に家に帰宅していたアマネが、レイに話しかける
「ええ、リコ達と元気に遊んでいますよ。お会いしたでしょう?」
レイに質問を返されたアマネは、答える代わりにクスッと笑う。ライの隣に着くとレイの顔を確認すると、またクスッと微笑んだ
「それで、私達を捕まえにきたの?」
「いや、気まぐれな帰宅ですよ。迷惑でした?」
「レイなら大歓迎だ。ミクと一緒だと少々困ったが……」
ライが答えると、アマネも少し頷いて微笑んでいる
「それより、ミクの本はどう?」
アマネに聞かれて、レイは少し困った顔で質問に答える
「少し、良くないと思いますが……」
「そう……。やっぱり、ミクに本は早すぎたかしら……」
レイの表情や話し方で、アマネも少し困った表情でライを見た
「まあ、ミクなら大丈夫だろう」
「そうですね、ミクならきっと……」
アマネの不安な気持ちを払うようなライの言葉に、アマネはまたニコニコと微笑む。二人のやり取りを見ていたレイが、少し苦笑いをして話しかける
「大分、あの子を過信しているようですね……」
と、レイに言われて見つめあう二人。すると、アマネがライに体をそっと寄せてクスッと笑った
「私達の一人娘だもの。本を語り継ぐ一族と、歌をうたい繋ぐ一族の希望だもの」
0
あなたにおすすめの小説
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる