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シャオえる

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31. 目覚めのうた

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 朝、耳元に寝息の音が聞こえて目が覚めたミク。目を開けるとリコが隣で寝ていた。ゆっくりと体を動かして反対側にいたクルミとモモカにも気づいて、起こさないように布団の中に潜り込んで、足元からベットから降りるミク。リコ達が寝られるように、いつの間にか増えていたベットのせいで、とても狭くなったミクの部屋。静かにゆっくり三人を起こさないように、テーブルに置いていた絵本を手に取って、ぎゅっと抱きしめる
「お母様……」
 本を抱いてソファーに座り窓から外を見ると、眩しい日差しが部屋に入っている


「……なに?」
 ミクが起きてしばらくすると、部屋から聞こえる声に、リコが目を覚ました。クルミとモモカも声に気づいて目を覚ます。窓に向かいソファーに座って唄をうたうミクを見つけた。ベットに座ってその唄う姿を見つめるリコ達
「あっ……。ごめんなさい、起こしちゃった……」
 しばらく一人唄っていると、リコ達が起きたのに気づいたミク。慌てて唄うのを止めると、恥ずかしそうに絵本で顔を隠してしまった
「ううん。とても、唄うまいね」
「ミク、続きうたって」
「……はいっ!」
 リコに言われて、三人の前に立って唄いはじめたミク。楽しそうに唄うミクの姿を微笑ましく見ているリコ達。そして唄い終わると、また恥ずかしくなったのか、ミクがエヘヘと笑う
「ミクちゃん、この曲は……」
「お母様が、いつも唄ってくれたうたです。でも……」
 と、また唄いはじめたミク。唄い続けていると、突然唄うのを止めてしまった
「この唄の続きがわからなくて……お母様の唄を、いつも聞いていたのに……」
 しょんぼりしていると、コンコンとミクの部屋の扉を叩く音が聞こえてきた


「はい」
 ミクが返事をすると、ガチャと扉が開いて部屋に入ってきたのは、少し眠そうな顔をしたレイ。ミクやリコ達が起きているのを見て、微笑み話しかけた
「おはよう。みんな、体調はどうかね?」
 明るく声をかけるレイに、クルミがちょっと怒った様子で返事をする
「体調はいいと思いますが……。レイさん、昨日どこ行ってたんですか?みんな探してましたよ。会議終わっても帰ってこないって……」
「んー。ちょっと寄り道をね。長話に付き合わされたのもあるけど……」
 クルミの質問に、のんきに返事するレイ。その返事に不満そうなリコ達に気にせず、レイはまた話を進める

「ところで、朝御飯は食べ終えたかね?」
「いえ、さっき起きたばかりですし……」
「そうか。なら、後程、魔術練習場に全員集まるように」
 と、レイに言われてリコ達は、目を合わせ少し戸惑う
「えっ?ミクちゃんもですか?」
「もちろん。この子に用があるのでね」
 モモカの問いかけにレイがそう答えると、ミクに目を向けるリコ達。全員の視線を感じて、ミクが絵本を持って少し後退りする
「分かりました。準備が整い次第、連絡します」
 クルミがレイにそう言うと、レイは一度頷いて部屋の入り口へと歩いていく。眠そうに欠伸をしながら、扉を閉めようとした時、急に振り返ってリコ達に話しかけた
「そうだ。今から少し仮眠をとるから、なるべく遅く準備をしてね」
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