35 / 109
35. 嫌な思いだけを残して
しおりを挟む
「ねぇ、リコ。もうちょっとだけ元気でない?」
「……でない。ミクもいないし、バタバタしてるし」
食堂で夕御飯を食べているリコ達。食の進まないリコは、ため息混じりにゆっくりと食べている
「ミクちゃん、今日起きるかなぁ……」
モモカが呟いた言葉を聞いて、リコが持っていたお箸を置いて、うつ向いた
「リコ、どうしたの?」
クルミが心配そうにリコに話しかけると、リコは少し目を潤ませて話はじめた
「私が倒れていたミクを見つければ、こんな事にならなかったのかなって……大事な本を無くしたり奪おうとしたり、魔力を無理矢理上げて苦しい思いさせて……」
「それを言うなら、私だってリコと一緒にミクちゃんを見つけて……私だってミクちゃんに謝らなきゃ……」
リコの話を聞いて、モモカもうつ向いてしまった。二人の向かいに座っているクルミは、二人の気持ちを聞いて、ちょっと戸惑ってしまう
「でも、元々はミクの持つ本を探せって命令だったんだから……」
「そうなんだけどさぁ……」
気持ちを落ち着かせようと、ゆっくりとご飯を食べはじめたリコ。半分ほど食べ終えると、またお箸を置いて、ふぅ。とため息ついた
「もう、お腹一杯……」
「まだあるよ。ちゃんと食べないと……」
「そうだよ。ミクに何かあった時、すぐ動けるように食べないと」
好きなおかずも残して食べ終えようとするリコに、クルミとモモカが、ミクのために食べろと言うと、仕方なしにまた食べはじめたリコ。一口ゆっくり食べると、またお箸を置いて、しょんぼりしてしまう。二人が、リコにどう言葉をかけようか困っていると、同じく困った顔で、女性隊員が三人に話しかけてきた
「みなさん、すみません……。ミクさんのお話を聞きたいそうなので、会議室に集まれますか?」
「あっ、うん……」
あたふたと聞いてくる女性隊員の姿に、リコも少し戸惑いぎみに答えると、リコ達に伝え終えて、少しホッとしている女性隊員にモモカが話しかけた
「ねぇ、ミクちゃんは今、どうなってる?」
「まだ寝ています。目覚めてすぐ魔力が暴走しないように、部屋には術をかけたそうで、皆さんはしばらく会えないそうですが……」
ミクの報告を聞いて、また落ち込みはじめたリコ。隣に座るモモカが、リコの頭を撫でて励ます
「ありがとう。片付けたら会議室にいくよ」
「了解です。なるべく早くお願いします」
クルミが返事をすると、ペコリと頭を下げ三人から離れていく女性隊員。食堂を出て姿が見えなくなると、リコがペタンとテーブルに右頬を乗せると、リコを見て微笑むモモカと目があった
「嫌だなぁ……」
と呟くリコに、クルミもはぁ。とため息ついて、行きたくない気持ちからか、さっきよりも少しゆっくり目に、残ったご飯を食べはじめた
「文句言っても仕方ないよ。早く会議室に行って、早く休もう……」
「……でない。ミクもいないし、バタバタしてるし」
食堂で夕御飯を食べているリコ達。食の進まないリコは、ため息混じりにゆっくりと食べている
「ミクちゃん、今日起きるかなぁ……」
モモカが呟いた言葉を聞いて、リコが持っていたお箸を置いて、うつ向いた
「リコ、どうしたの?」
クルミが心配そうにリコに話しかけると、リコは少し目を潤ませて話はじめた
「私が倒れていたミクを見つければ、こんな事にならなかったのかなって……大事な本を無くしたり奪おうとしたり、魔力を無理矢理上げて苦しい思いさせて……」
「それを言うなら、私だってリコと一緒にミクちゃんを見つけて……私だってミクちゃんに謝らなきゃ……」
リコの話を聞いて、モモカもうつ向いてしまった。二人の向かいに座っているクルミは、二人の気持ちを聞いて、ちょっと戸惑ってしまう
「でも、元々はミクの持つ本を探せって命令だったんだから……」
「そうなんだけどさぁ……」
気持ちを落ち着かせようと、ゆっくりとご飯を食べはじめたリコ。半分ほど食べ終えると、またお箸を置いて、ふぅ。とため息ついた
「もう、お腹一杯……」
「まだあるよ。ちゃんと食べないと……」
「そうだよ。ミクに何かあった時、すぐ動けるように食べないと」
好きなおかずも残して食べ終えようとするリコに、クルミとモモカが、ミクのために食べろと言うと、仕方なしにまた食べはじめたリコ。一口ゆっくり食べると、またお箸を置いて、しょんぼりしてしまう。二人が、リコにどう言葉をかけようか困っていると、同じく困った顔で、女性隊員が三人に話しかけてきた
「みなさん、すみません……。ミクさんのお話を聞きたいそうなので、会議室に集まれますか?」
「あっ、うん……」
あたふたと聞いてくる女性隊員の姿に、リコも少し戸惑いぎみに答えると、リコ達に伝え終えて、少しホッとしている女性隊員にモモカが話しかけた
「ねぇ、ミクちゃんは今、どうなってる?」
「まだ寝ています。目覚めてすぐ魔力が暴走しないように、部屋には術をかけたそうで、皆さんはしばらく会えないそうですが……」
ミクの報告を聞いて、また落ち込みはじめたリコ。隣に座るモモカが、リコの頭を撫でて励ます
「ありがとう。片付けたら会議室にいくよ」
「了解です。なるべく早くお願いします」
クルミが返事をすると、ペコリと頭を下げ三人から離れていく女性隊員。食堂を出て姿が見えなくなると、リコがペタンとテーブルに右頬を乗せると、リコを見て微笑むモモカと目があった
「嫌だなぁ……」
と呟くリコに、クルミもはぁ。とため息ついて、行きたくない気持ちからか、さっきよりも少しゆっくり目に、残ったご飯を食べはじめた
「文句言っても仕方ないよ。早く会議室に行って、早く休もう……」
0
あなたにおすすめの小説
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる