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34. 気づけば面倒なことばかり
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「リコ、レイさんが呼んでるよ」
「……行きたくない」
瓦礫の片付けは数時間で終わり、終了後すぐ部屋にこもってしまったリコに呼びかけるクルミ。その呼びかけに、不機嫌そうな雰囲気で返事をするリコ。背を向けたまま返事をしたリコをみたクルミとモモカがため息つくと、無理矢理リコの腕を引っ張って、部屋から出そうとする
「一緒に行くから。ほら、頑張って」
二人に身を任せ引っ張られていくリコ。すれ違う人達の不思議そうな顔も気にせず、三人はレイの部屋へと向かっていく
「どうぞ」
コンコンと鳴った扉にレイが返事をすると、部屋の扉が開いてすぐ目に入ったのは、レイから目をそらしているリコの姿。クルミとモモカに引っ張られながら、リコも部屋の中へと入っていく
「機嫌の悪そうな顔だな」
三人の様子を見て、苦笑いで話しかけるレイ。その言葉にリコが更にムッと不機嫌そうに顔を背けた
「それで、本は持ってきたかね?」
リコを無視してクルミとモモカに話しかけると、クルミが持っていた鞄からミクの絵本を取り出した
「これは、預かっておく」
と言うと、本を開いてページに触れるレイ。ミクが触れて始まる物語よりも、人物や建物、木々も多く滑らかに人物が動き物語が進んでいく
「あれ?」
リコがページに現れている少女に目を向けた。女性に抱きついて笑っている少女を指差すと、クルミとモモカもその少女を凝視する
「この子、ミクにそっくり……」
「本当だ……」
三人が少女を確認しようと見入っていると、レイが本をパタンと閉じた
「この本は、記憶を描いている」
「記憶を?」
「嫌なことも、良いことも書き続けることがこの本の役目だよ」
と、レイが話すと会話が止まり静かになった部屋。リコが
絵本に目を向けたまま、ポツリと呟き話はじめた
「ミクは、これからどうなるんですか?」
「わからない。それは、あの子次第かな」
リコの質問に、そっけなく答えるレイ。その返事を聞いたリコが、レイの前にある机をバンッと叩いた
「レイさんが……!」
「不本意だが仕方ないことだ。あの子の運命だよ」
「ミクの運命って……まだ小さいのに……」
と言いながら段々と小さくなっていく声。そのまま、リコはうつ向いてしまった。モモカがリコの背中をさすり、クルミは頭を撫でリコを慰めている姿を見て、レイが、はぁ。とため息ついた
「もう少し三人とも休め。聞きたいことは、またゆっくり話そう」
と話したレイを、三人とも不審そうな表情で見ている。レイは苦笑いをした
「そんな顔をしなくても、散歩にいくときは呼ぶよ」
笑って話すレイに、ちょっと怒ったのかリコが少しムッと怒った表情になった。頭を撫でて落ち着かせようとするモモカ。クルミがそんな二人を見て、リコに話しかける
「行こうリコ。お菓子でも食べて落ち着こう。ねっ」
「でも……」
「あの子が起きたら、さらに忙しくなる。精神的な休息もしておくように」
レイに言われて、渋々部屋を後にするリコ。三人が部屋を出てパタンと扉が閉まると、一つ深いため息をついたレイ。預かったミクの絵本を机の引き出しにしまうと、キィッと椅子に背もたれながら入り口の扉に背を向けると、レイの右手に本が一冊現れた。ミクの体に隠していたと言っていた本と同じその本を開いて、また一つ深いため息をついた
「面倒なことばかり押しつけて……本のためには仕方ないのか」
「……行きたくない」
瓦礫の片付けは数時間で終わり、終了後すぐ部屋にこもってしまったリコに呼びかけるクルミ。その呼びかけに、不機嫌そうな雰囲気で返事をするリコ。背を向けたまま返事をしたリコをみたクルミとモモカがため息つくと、無理矢理リコの腕を引っ張って、部屋から出そうとする
「一緒に行くから。ほら、頑張って」
二人に身を任せ引っ張られていくリコ。すれ違う人達の不思議そうな顔も気にせず、三人はレイの部屋へと向かっていく
「どうぞ」
コンコンと鳴った扉にレイが返事をすると、部屋の扉が開いてすぐ目に入ったのは、レイから目をそらしているリコの姿。クルミとモモカに引っ張られながら、リコも部屋の中へと入っていく
「機嫌の悪そうな顔だな」
三人の様子を見て、苦笑いで話しかけるレイ。その言葉にリコが更にムッと不機嫌そうに顔を背けた
「それで、本は持ってきたかね?」
リコを無視してクルミとモモカに話しかけると、クルミが持っていた鞄からミクの絵本を取り出した
「これは、預かっておく」
と言うと、本を開いてページに触れるレイ。ミクが触れて始まる物語よりも、人物や建物、木々も多く滑らかに人物が動き物語が進んでいく
「あれ?」
リコがページに現れている少女に目を向けた。女性に抱きついて笑っている少女を指差すと、クルミとモモカもその少女を凝視する
「この子、ミクにそっくり……」
「本当だ……」
三人が少女を確認しようと見入っていると、レイが本をパタンと閉じた
「この本は、記憶を描いている」
「記憶を?」
「嫌なことも、良いことも書き続けることがこの本の役目だよ」
と、レイが話すと会話が止まり静かになった部屋。リコが
絵本に目を向けたまま、ポツリと呟き話はじめた
「ミクは、これからどうなるんですか?」
「わからない。それは、あの子次第かな」
リコの質問に、そっけなく答えるレイ。その返事を聞いたリコが、レイの前にある机をバンッと叩いた
「レイさんが……!」
「不本意だが仕方ないことだ。あの子の運命だよ」
「ミクの運命って……まだ小さいのに……」
と言いながら段々と小さくなっていく声。そのまま、リコはうつ向いてしまった。モモカがリコの背中をさすり、クルミは頭を撫でリコを慰めている姿を見て、レイが、はぁ。とため息ついた
「もう少し三人とも休め。聞きたいことは、またゆっくり話そう」
と話したレイを、三人とも不審そうな表情で見ている。レイは苦笑いをした
「そんな顔をしなくても、散歩にいくときは呼ぶよ」
笑って話すレイに、ちょっと怒ったのかリコが少しムッと怒った表情になった。頭を撫でて落ち着かせようとするモモカ。クルミがそんな二人を見て、リコに話しかける
「行こうリコ。お菓子でも食べて落ち着こう。ねっ」
「でも……」
「あの子が起きたら、さらに忙しくなる。精神的な休息もしておくように」
レイに言われて、渋々部屋を後にするリコ。三人が部屋を出てパタンと扉が閉まると、一つ深いため息をついたレイ。預かったミクの絵本を机の引き出しにしまうと、キィッと椅子に背もたれながら入り口の扉に背を向けると、レイの右手に本が一冊現れた。ミクの体に隠していたと言っていた本と同じその本を開いて、また一つ深いため息をついた
「面倒なことばかり押しつけて……本のためには仕方ないのか」
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