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80. 今、願いのために
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医務室での診察が終わり、泣き疲れと移動と診察疲れで、夜ご飯も食べず、早々にミクやリコ達が眠りについた深夜。一人自室で仕事の資料に目を通していたレイが、何かの気配に気づいて、部屋の窓を開けた
「レイ、久しぶりだな」
暗闇の中、突然聞こえてきた男性の声。その声の主がすぐライだと気づいたレイが、不機嫌そうに窓辺に頬杖をついた
「久しぶりじゃないですよ。一体何をしているんですか?」
ライの方に振り向くことなく、呆れながら返事をすると、レイの返事を聞いて、ライが楽しそうに笑っている
「なに、家が見つかってしまってから本部の者が来るようになったので、引っ越しをしようとな。だが、他の場所は合わなかったようでな、同じ場所に帰ってきたよ」
「そうですか。今度はちゃんと、見つからないようにしてくださいよ」
「そうだな。また家に入られても困るしな」
ライの機嫌の良い返事に、レイがはぁ。とため息ついた。二人、顔を見合わせないまま、しばらく時間が過ぎた頃、ライがレイに話しかけた
「ところで、レイ……」
先程とは違い、少し緊迫した雰囲気でレイを呼ぶ。レイが隣にいるライの方を見ると、暗闇の中にうっすらと見えるライの影。レイの視線に気づいたのか、ライもレイの方を向いてクスッと笑う
「私達の手伝いをしないか?」
「……手伝いですか?」
「そうだ。私とアマネは願いのために動いている。是非、ミクと一緒に私達の願いの手伝いをしないか?」
「それは困りましたね。貴方の思いつきの行動で、私は何度、面倒を見てきたと思っているのです……」
幼い頃を思い出し、嫌そうに返事をするレイ。その返事にライが思わず苦笑いをした
「昔のことをまだ覚えているのか」
「ええ、ライ兄さんと過ごしていたのは、小さい頃でしかないですからね」
と、レイが話していると、ライもまたレイといた幼き頃を思い出して、ふふっと笑う
「そうだな。昔を重んじるのは大切なことだ」
その笑いながら話すライの様子に、ほんの少しだけ不機嫌が増したレイが、ライから顔をそむけ、満月の空を見た
「だが、レイ。私の願いは未来のためにあると聞けばどうする?」
「ミクの未来のために、我が一族のため。少しでも力が欲しい。どうだ、手伝う気はないか?」
また楽しそうに語りはじめたライに、レイがまた窓辺に頬杖をついて、はぁ。とため息ついた
「それは、本気で言っています?」
「もちろん」
質問に即答で返され、少し困った様子のレイ。しばらく無言で、考え込んでしまった
「……少し考えさせてください。本部も今、我らの本のことで更に騒がしくなっているので」
と言うと、窓に背を向け机に散らばった資料に目を向けたレイ。ライからはレイの姿が見えなくなり、部屋から漏れる光で、レイが窓から離れたことに気づき、フッと笑ってライも満月の空を見た
「そうか。また今度、返事を聞こう。それじゃあ、レイ。良い夢を……」
「レイ、久しぶりだな」
暗闇の中、突然聞こえてきた男性の声。その声の主がすぐライだと気づいたレイが、不機嫌そうに窓辺に頬杖をついた
「久しぶりじゃないですよ。一体何をしているんですか?」
ライの方に振り向くことなく、呆れながら返事をすると、レイの返事を聞いて、ライが楽しそうに笑っている
「なに、家が見つかってしまってから本部の者が来るようになったので、引っ越しをしようとな。だが、他の場所は合わなかったようでな、同じ場所に帰ってきたよ」
「そうですか。今度はちゃんと、見つからないようにしてくださいよ」
「そうだな。また家に入られても困るしな」
ライの機嫌の良い返事に、レイがはぁ。とため息ついた。二人、顔を見合わせないまま、しばらく時間が過ぎた頃、ライがレイに話しかけた
「ところで、レイ……」
先程とは違い、少し緊迫した雰囲気でレイを呼ぶ。レイが隣にいるライの方を見ると、暗闇の中にうっすらと見えるライの影。レイの視線に気づいたのか、ライもレイの方を向いてクスッと笑う
「私達の手伝いをしないか?」
「……手伝いですか?」
「そうだ。私とアマネは願いのために動いている。是非、ミクと一緒に私達の願いの手伝いをしないか?」
「それは困りましたね。貴方の思いつきの行動で、私は何度、面倒を見てきたと思っているのです……」
幼い頃を思い出し、嫌そうに返事をするレイ。その返事にライが思わず苦笑いをした
「昔のことをまだ覚えているのか」
「ええ、ライ兄さんと過ごしていたのは、小さい頃でしかないですからね」
と、レイが話していると、ライもまたレイといた幼き頃を思い出して、ふふっと笑う
「そうだな。昔を重んじるのは大切なことだ」
その笑いながら話すライの様子に、ほんの少しだけ不機嫌が増したレイが、ライから顔をそむけ、満月の空を見た
「だが、レイ。私の願いは未来のためにあると聞けばどうする?」
「ミクの未来のために、我が一族のため。少しでも力が欲しい。どうだ、手伝う気はないか?」
また楽しそうに語りはじめたライに、レイがまた窓辺に頬杖をついて、はぁ。とため息ついた
「それは、本気で言っています?」
「もちろん」
質問に即答で返され、少し困った様子のレイ。しばらく無言で、考え込んでしまった
「……少し考えさせてください。本部も今、我らの本のことで更に騒がしくなっているので」
と言うと、窓に背を向け机に散らばった資料に目を向けたレイ。ライからはレイの姿が見えなくなり、部屋から漏れる光で、レイが窓から離れたことに気づき、フッと笑ってライも満月の空を見た
「そうか。また今度、返事を聞こう。それじゃあ、レイ。良い夢を……」
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