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79. 落ち着く場所に帰ってきたら
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「……はい」
微かに聞こえた扉を叩く音に返事をするミク。隊員が扉を開けると、少し疲れた顔をしたリコ達が部屋の中に入ってきた
「ミク……」
小さく呟いたリコの声に、ベッドで絵本を読んでいたミクが三人のもとに走っていく
「みなさん!良かった」
一番前にいたモモカに、ぎゅっと抱きつくミク。泣きそうなミクに、クルミが頭を撫でて、モモカもそっと抱きしめ返していると、リコがミクの隣に来ると、目線に合わせるため少し屈むと、ミクの涙を手で拭いた
「ゴメンね。心配かけて」
「私が悪いんです。あの人に本を渡したから、みなさんが……」
「そうだよ。だから、この本は誰にも渡しちゃダメだよ」
と、リコがミクの本を差し出すと、恐る恐る受けとるミク。パラパラとページをめくり、ぎゅっと本を抱きしめた
「……はい。ごめんなさい」
返事をすると本を持ってうつ向いてしまったミク。リコも泣きそうになって、ミクをぎゅっと抱きしめた。二人の様子をクルミとモモカが見守り、静かになった部屋。すると、コンコンと扉を叩く音が聞こえた。クルミが扉を開けると、自室で少し休息をとっていたレイが、ミクの部屋に戻ってきていた
「おや、もう帰ってきたのか」
部屋の扉の側で、グズグスと泣いているミクと同じく目を赤くして泣いているリコを見て笑うレイ。レイの姿を見てリコが慌てて涙を拭いて立ち上がると、少し緊張した面持ちでレイに報告をする
「はい。すぐにミクの家があった場所だと分かったので」
「そうか。なら、四人ともすぐに医務室に行って検査をするように」
と、レイの言葉に不思議そうに首をかしげるリコ達。すると話を聞いていたミクがリコの腕を引っ張って、ぎゅっとつかんだ
「もしかして、ミクもですか?」
「ああ、ずっと部屋で待っていたからな。一緒の方が良いだろう」
レイがリコの質問にそう返事をすると、ミクがリコの腕をつかんだまま何度も頷いている
「分かりました。でも、少し休んでから、医務室に行きます」
リコの言葉に、ミクがキョロキョロと三人の顔を見渡しはじめた。少し疲れている顔をしている事に気づき、心配そうにリコ達を見るミク。するとモモカがミクを優しく抱きしめ、リコとクルミが微笑んでミクの頭を撫でた。そんなミクやリコ達の様子を見ていたレイが、少し笑ってため息ついた
「分かった。だが、隊員達も心配していたから、早く報告も兼ねて医務室に向かうように」
「ライさん、やっぱりここが一番落ち着くわね」
リコ達が飛ばされた日の夜、ミクの家が消えていた場所には、再びミクの家である大きな建物が現れていた
「そうだな。今にもミクが笑って帰ってきそうだ」
と微笑み返事をしながら、ベランダにいたアマネの所に歩いてくるライ。持ってきた二つのグラスのうちの一つアマネに渡すと、カチンとグラスを合わせ鳴らし、グラスに入ってたお酒を一口飲んむ二人。見つめあい微笑むライとは違い、アマネは少し困った表情をしている
「でもせっかく、新しい場所で本を書こうと思っていたのに、戻ってきてしまったわね……」
「君の機嫌が悪いと、素敵な唄が聞こえないならこの場所でも構わないさ」
「あら、お褒めになったお返しに少し唄おうかしら」
「いや、唄はもう少し待ってくれ……」
と言うと、テーブルにグラスを置くと、部屋の入り口へと歩いていくライ。その後ろ姿を微笑み見ているアマネの方に振り返るとライも微笑み、アマネに話しかけた
「少し出掛けてくる。唄はその後にお願いしようか」
微かに聞こえた扉を叩く音に返事をするミク。隊員が扉を開けると、少し疲れた顔をしたリコ達が部屋の中に入ってきた
「ミク……」
小さく呟いたリコの声に、ベッドで絵本を読んでいたミクが三人のもとに走っていく
「みなさん!良かった」
一番前にいたモモカに、ぎゅっと抱きつくミク。泣きそうなミクに、クルミが頭を撫でて、モモカもそっと抱きしめ返していると、リコがミクの隣に来ると、目線に合わせるため少し屈むと、ミクの涙を手で拭いた
「ゴメンね。心配かけて」
「私が悪いんです。あの人に本を渡したから、みなさんが……」
「そうだよ。だから、この本は誰にも渡しちゃダメだよ」
と、リコがミクの本を差し出すと、恐る恐る受けとるミク。パラパラとページをめくり、ぎゅっと本を抱きしめた
「……はい。ごめんなさい」
返事をすると本を持ってうつ向いてしまったミク。リコも泣きそうになって、ミクをぎゅっと抱きしめた。二人の様子をクルミとモモカが見守り、静かになった部屋。すると、コンコンと扉を叩く音が聞こえた。クルミが扉を開けると、自室で少し休息をとっていたレイが、ミクの部屋に戻ってきていた
「おや、もう帰ってきたのか」
部屋の扉の側で、グズグスと泣いているミクと同じく目を赤くして泣いているリコを見て笑うレイ。レイの姿を見てリコが慌てて涙を拭いて立ち上がると、少し緊張した面持ちでレイに報告をする
「はい。すぐにミクの家があった場所だと分かったので」
「そうか。なら、四人ともすぐに医務室に行って検査をするように」
と、レイの言葉に不思議そうに首をかしげるリコ達。すると話を聞いていたミクがリコの腕を引っ張って、ぎゅっとつかんだ
「もしかして、ミクもですか?」
「ああ、ずっと部屋で待っていたからな。一緒の方が良いだろう」
レイがリコの質問にそう返事をすると、ミクがリコの腕をつかんだまま何度も頷いている
「分かりました。でも、少し休んでから、医務室に行きます」
リコの言葉に、ミクがキョロキョロと三人の顔を見渡しはじめた。少し疲れている顔をしている事に気づき、心配そうにリコ達を見るミク。するとモモカがミクを優しく抱きしめ、リコとクルミが微笑んでミクの頭を撫でた。そんなミクやリコ達の様子を見ていたレイが、少し笑ってため息ついた
「分かった。だが、隊員達も心配していたから、早く報告も兼ねて医務室に向かうように」
「ライさん、やっぱりここが一番落ち着くわね」
リコ達が飛ばされた日の夜、ミクの家が消えていた場所には、再びミクの家である大きな建物が現れていた
「そうだな。今にもミクが笑って帰ってきそうだ」
と微笑み返事をしながら、ベランダにいたアマネの所に歩いてくるライ。持ってきた二つのグラスのうちの一つアマネに渡すと、カチンとグラスを合わせ鳴らし、グラスに入ってたお酒を一口飲んむ二人。見つめあい微笑むライとは違い、アマネは少し困った表情をしている
「でもせっかく、新しい場所で本を書こうと思っていたのに、戻ってきてしまったわね……」
「君の機嫌が悪いと、素敵な唄が聞こえないならこの場所でも構わないさ」
「あら、お褒めになったお返しに少し唄おうかしら」
「いや、唄はもう少し待ってくれ……」
と言うと、テーブルにグラスを置くと、部屋の入り口へと歩いていくライ。その後ろ姿を微笑み見ているアマネの方に振り返るとライも微笑み、アマネに話しかけた
「少し出掛けてくる。唄はその後にお願いしようか」
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