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シャオえる

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83. 昔ながらの馴染みとして

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「レグスに話を聞きに行こうか……」
 ミクの部屋から出た後のレイは、少しうつ向きながらブツブツと呟きながら廊下を歩いていた
「レイ、久しぶりだな」
 レイの前から声をかけられ顔をあげると、ニッコリ笑って、近寄ってくる男性がいた

「カフカ。お久しぶりです。帰ってきてたんですね」
「ああ、昨日帰ってきたよ。到着早々に会議に呼び出されたりしてな。困ったもんだよ」
「それは、大変でしたね」
 廊下の端で会話をはじめた二人。昨日の会議の内容を思い出し、困ったように話をするカフカ。カフカから少し話を聞いて、大変だったであろう会議の様子が思い浮かび、レイが苦笑いで返事をする

「それでな、レイ。その会議だが……」
 さっきまでの明るい声と一変し、少し重々しい雰囲気で話はじめた
「レグスがどうやら、暴れているようだな。なかなか面倒なことをしていると」 
「まあ、レグス一人という訳でもありませんが……」
 カフカの話に、また苦笑いで返事をするレイ。その笑った声にカフカもフフっと笑う
「そうだな。だが、本部としては本は手を離すと言ってたが……」
 と、会議の内容を聞いて、レイが少し驚いた表情をしている
「何年もかけて本を探していたのに、意外とあっさりですね」
「欲しがっていたのは年寄りばかりだからな。いざ、本を目の前にして怖じ気づいたんだろうな」
「そうですか。レグスもそうだったら良かったのに……」
 ため息まじりに話したレイの言葉に、カフカが笑って答えた
「まあ、アイツは仕方ないな。興味を持ったことはとことんだ。昔から変わらん」
 と話したカフカの話に納得してレイも笑う。その笑っている姿を見て、カフカがふぅ。と一息ついた

「ところでレイ」
 カフカに真顔で声をかけられ笑顔が消えたレイ。ジーっとレイを見つめるカフカ。二人とも何も言わず、無言の時間が過ぎていく。しばらくすると、ニコニコと微笑み話の続きを待つレイに、カフカはフッと口元を緩ませた
「色々あるんだろ?昔からの馴染みとして、手を貸してやるぞ」
「……なぜ急に、そんなこと言い出すんです?」
「昔から変に秘密主義だからな。今から言わないとレグスもそうだが、レイも勝手に突き進むからな。何かあれば、手助けするぞ」
 と言いながら大声で笑いはじめたカフカ。二人の側を歩いていた隊員達がその声に驚き、カフカとレイの方に振り返っている。急に騒がしくなった廊下で、レイはカフカの話を聞いて何やら考えはじめた
「ありがとう。それじゃあ早速お願いがあるんだが……」
 と、少し笑って話はじめたレイに、カフカが頷いて話を聞いている
「今から一緒に朝御飯でもどうかい?」
 予想外のお願いに一瞬、戸惑うカフカ。だが、すぐまたニッコリ笑ってレイの背中を強く叩いた
「もちろんだ。久々に街で食事でもしようか」
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