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シャオえる

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98. 笑って誤魔化し伝えたら

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「レグス。よくこの場所が分かったね」
 レグスの登場にどこか嬉しそうなレイ。ニコニコと笑っているレイに、レグスも微笑む
「ああ、なんだか本部内が騒がしくてな」
 微笑み話す二人に挟まれているカフカは、部屋中に浮かぶ本を避けながら、近づいてくるレグスを険しい表情で見ている
「しかしレイ。昔から、不思議な奴だったが、ここまで変わり者だとは。やはり、一緒にいて飽きないな」
「それは、お互い様でしょ。ねぇ、カフカ」
 カフカの思いとは裏腹に楽しそうに話をするレグスとレイ。そんな二人に話をふられ、返事の代わりに思わず大きなため息が出たカフカ。そんなカフカを見てレイがクスッと笑う

「それで、何をしようとしている?」
 同じくカフカの反応を見ていたレグスも、一度ため息ついて、視線はレイの方に向き話しかけた。すると、少し緩んでいた部屋の雰囲気が一気に緊張感が溢れだす中、レグスの問いかけを聞いたレイはニコッと笑った
「少し本部の本を借りようかと……」 
 と、ふわふわ浮いている本達に目を向ける。レイの周りには本棚から飛び出してきた本が段々と増えていた。レグスとカフカも周りに浮かぶ本を見てると、部屋には更に緊張感が流れだす
「すべての本を貸すわけにはいかないな。ここの本は、歴史や魔術の本が多い。それに本の一族の資料もあるからな」
「安心して大丈夫です。すぐに返しますから……」
 相変わらずニコニコと笑って返事をするレイの側まで来たレグス。たくさんの本に囲まれているレイの姿を真剣な眼差しで見ているレグスの側では、同じく二人の様子をずっと険しい表情でカフカが見ている





 その頃、ミクが一通り思い出話を終えて、部屋にあるソファーに座りアマネと紅茶を飲んで一息ついていた
「ねぇ、ミク。お願いがあるの……」
 カチャンと音を鳴らし、テーブルにコップを置くとアマネの隣に座るミクに声をかけた
「お願いですか?」
「そう。ミクの唄を聞きたいの。うたを唄ってくれる?」
 アマネのお願いを聞いて、ご機嫌だったミクの表情が段々とうつ向き困った表情に変わっていく
「唄いたいです……。でも、みなさんが、私は唄ってはいけないと言っていたので……」
 リコ達の約束を思いだし、嬉しいはずのお願いに答えられずにいると、アマネがミクをぎゅっと抱きしめた
「大丈夫。私と一緒に唄うから」
「お母様と?」
「そうよ。一緒に唄ってくれる?」
「はい!お母様と一緒なら」
 うつ向いていた顔を上げアマネを見てニコニコと微笑むミク。二人見つめあい微笑むと、ミクが紅茶と共に用意されていたお菓子を美味しそうに食べ始め、元気を取り戻していく。そんなミクを見てアマネがまたミクをぎゅっと抱きしめた
「ありがとう。素敵なうたを、あなたの未来のために唄いましょう」
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