こねくとノイズ

シャオえる

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11. 雨が止んだら

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「あの、お仕事って……」
「魔術とかで悪い事をする人がいるから止めさせるの。まあサクラ達の世界でいう警察みたいなものだね」
 と、家政婦が新たに持ってきたお菓子を食べながらノイズがサクラの問いかけに答えると、疑問が余計に増えたのか、サクラが首をかしげる
「ノオト様とノイズ様はその見習いですけどね」
 と、家政婦がノイズの変わりに説明の追加をすると、サクラが家政婦とノイズを交互に見てまた首をかしげた
「見習い?二人は警察になるんですか?」
「ならないよ。今、魔術を悪用する人が増えすぎて、生徒達が手伝わされてるの。まあ、お給料が良いからね、みんな文句言わないんだよね」
「……はぁ」
 と、あまり理解してないような返事をするサクラ。すると、ノイズがお菓子をサクラの口元に差し出した
「サクラも手伝う?」
「無理です」
 差し出されたお菓子をモグモグと食べながら答えるサクラに、ノイズがクスクスと笑いながらテーブルにいるモモを見た
「サクラには、モモがいるから大丈夫だよ」
「いえ、私は本当に……」
「ノイズ様、サクラさんは来たばかりですから、あまり無理は……」
「そっか、そうだね。サクラ、ごめんね」
 エヘヘと笑って少し頭を下げて謝るノイズ。サクラもモグモグとまだ食べながら、つられるようにペコリと少し頭を下げる。すると、モモが二人の間を交互に動き周り、サクラがクスッと笑ってモモを抱きしめた

「そうだ。家の中を見る?まだまだ見てないところあるでしょ?まだ雨が降っているからベランダには行けないけど」
 ノイズに言われて、ふと窓を見るとまだ小雨が降っていた
「うん、そうしょうかな……」
「では、私達がご案内します。サクラさん用意が出来たら行きましょう」
「……はい」
 家政婦に返事をすると、紅茶を一口飲んで立ち上がり、家政婦が開けてくれた部屋の入り口の方へと歩きだすサクラ。その後ろをモモが置いていかれないように急いで追いかけている
「じゃあサクラ、また後でね」
 と、手を振りサクラを見送るノイズの声にサクラが少し振り返るがパタンと部屋の扉が閉じられてしまった



「ここがお風呂場です。とても広いので、ノイズ様と一緒に入ることも可能ですよ」
 ノイズの部屋から出て最初に案内されたのは、ノイズと一緒に入ってもとても広いお風呂場。二人が入っても余裕があるほど大きな湯船から溢れ出る水に濡れないように、足元に気を付けながらお風呂場の中を見て回る
「みなさんもここで入るのですか?」
「いえ、私達はこの家から少し離れた場所にある宿舎で入ります」
「この家と同じくらい広い宿舎なんですよ。今度遊びにいらしてください」
「はい、ぜひ」
 家政婦達と会話をしていると、家政婦達の後ろでお風呂場に入れず、脱衣所で寂しさを紛らせるためバサバサと動くモモが見えて、また足を濡らさないように歩いてお風呂場を出た
「サクラさん、雨が止んでいるみたいですよ。ベランダに出てみますか?」
「はい!ぜひ」



「ノイズ」
 その頃、一人ソファーでお菓子を食べ続けのんびりしていたノイズの前にあるテーブルにメメがふわりと現れ声をかける。ノイズは驚く様子もなくメメを見てクスッと笑う
「メメ、戻ってきたの?」
「ええ、ノオトがやっぱり聞いてこいっていうからね」
「なにを?」
「サクラを無理矢理呼んだ理由は?ってね。私も聞きたいわ」
「んー、どうしようかな。何て言おうか」
 腕を組んで悩みはじめるノイズに、メメが少し苛立った様子で尻尾をテーブルに何度も叩いている。すると、窓の方から声が聞こえて、見てみると雨が止んだベランダにサクラが濡れないようにモモを抱きしめて、植えてある花を楽しそうに見ていた。それを見たノイズがまたクスッと笑い隣に来たメメの体を優しく撫でた
「まあ今はモモが呼んだってことにしておいて。いつか分かると思うからさ」
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