こねくとノイズ

31. 呼ばれた先へと

「時間かかるのかー。どっかで甘いの食べに行く？」
　その頃、まだ何も知らないノイズは、ノオトとメメと一緒に街へ出て特に行く宛もなく歩いていた。学園が休日の今日は、いつもよりも歩く人が少なく、ノイズの機嫌が良さげにほんの少し早歩きになっている
「一旦戻ってサクラの様子見に行かないとダメでしょ？」
　ノイズの後ろを歩くノオトがノイズの様子を見て少し呆れたように話していると、お気に入りのお店を見つけたノイズが、そのお店を指差し、ノオトの腕をつかんだ
「リリがいるなら大丈夫だよ、あのお店でごはん食べよう」
「……リリがいればいいけどね」
　ノイズにグイグイと引っ張られるノオトの肩に座っていたメメが呟く。そのままノイズに引っ張られたままお店を目指していると、二人が歩いてきた方角から何やら騒がしい声が聞こえきた

「ノオトさん！ノイズさん！やっと見つけた！」
「手伝ってください！とても私達じゃ間に合わなくて……」
「あっちからも、こっちからも沢山暴れる人が多くて手に終えないんです」
　二人を見るなり一斉に話しはじめたのは、昨晩、ノオトと一緒に行動をした生徒達。次々と話し続け、二人が戸惑いつつ生徒達を落ち着かせ、話を聞くと、メメがはぁ。とため息をついた
「おやつは抜きね。急いで行きましょう」
「えー、仕方ないか……。朝から忙しいなぁ……」
　もうすぐ着く予定だったお店を見て、ノイズがしょんぼりしているとノイズ達の周りにふわりと風が吹いた

「二人とも、ここにいたのね」
　服を風になびかせながらミクが空から降りてくると、クスッと微笑む。その笑みに生徒達が頬を赤らめている
「ミクだ。久しぶりだね、リディは一緒じゃないの？」
　と、ノイズがミクに話しかけるとミクが少し困った顔で頬に手を添えた
「リディはあなた達の家よ。どうやら色々大変な事になっているみたい。リリが今すぐ帰ってこいって」
「えー、どうしよう……」
　ミクの話しにノイズも困った顔でノオトを見ると、メメがうーんと背伸びをしてノオトの肩から降り、ぎゅっと抱きしめられた
「きっとサクラの事でしょ。ノイズは家に帰って。私はメメと手伝いに行くから」
　ノオトがそう言うと、ノイズがふと生徒達を見ると、話の内容が分からず少し首をかしげていた
「……わかった」
「サクラもそうだけど、無理しちゃダメだからね」
　ノオトに返事をしてミクの所に歩くノイズにメメが言うと、少し振り向いて頷き、ミクと一緒に空を飛び家へと向かっていった

「ノオトさん、私達もそろそろ……」
　ノイズとミクの姿が見えなくなり、生徒がノオトに声をかけた。すると、抱きしめられていたメメがノオトの腕から離れ、ふわりと浮かんだ
「オンプには、私が伝えておくから。先に行ってて」
「ありがとう。無理しないでね」
　ノオトがお礼を言うと、メメがフフッと笑い姿を消した。ふぅ。と一つ深呼吸をして、心配そうにしている生徒達の方に振り向いてノオトもフフッと微笑んだ
「それじゃあ、行こうか。道案内宜しくね」