こねくとノイズ

シャオえる

文字の大きさ
51 / 86

51. 呼び止めたその先に

しおりを挟む
「ノイズ、ちょっと待って!」
 ガサガサと木や草の音をたてて歩き続けるノイズの後をノオトが呼び止め続ける。無視してどんどん早歩きでノイズに追い付けず更に離れていく
「ノイズってば!危ないから落ちついて!」
 そう言うと、目の前にあった木を避けるように曲がったノイズ。後を追いかけるノオトも曲がり走ると、林を抜けた場所に出た

「ノイズ……!」
 大声で名前を呼びながら林を出ると、目の前に瓦礫を椅子にして座り、突然ノオトが出てきて驚いた顔をしたミクとメメがいた
「メメ、ここにいたの?」
 ピョンと飛びはねノオトの肩に飛び乗るメメに、ノオトが頭を撫でなから問いかけた
「ええ、ミクに傷を治してもらったわ」
「そっか。ミクありがとう」
「いえいえ、どういたしまして」
 二人の様子を微笑み見ていたミクがニコリとまた微笑むと、メメが大きく尻尾を振りノオトの背中に何度当たった
「ところで、ノイズって声が聞こえたけど何かあった?」
「まあ一応。二人はノイズを見てない?」
「見てないわね」
 と、メメが言うとミクも頷く。二人の返事を聞いて、ノオトが困ったように、ふぅ。とため息をつくと突然ノオトの前に影が現れた

「皆さん、お揃いで!」
 空からふわりと舞い降りてきたオンプとリズム。
トンっと足音をたてて地面に着くと付近の状況を確認して、うんうんと何度も頷いた
「オンプ。やっと来たの」
「いえ、オンプはだいぶ前から居ましたよ。皆さんが隠れて見えなかっただけです」
 メメの言葉にニコニコと微笑みながら答えるオンプ。その側でリズムが本を浮かべ、真剣な眼差しで辺りを見渡している
「ところで、他の方々は?」
「ノイズはどこかに行っちゃったけど、リディはサクラと一緒にいるはず」
「なら、すぐにお二人のいる場所に向かいましょうか」
 ピョンピョンと瓦礫を踏みながら飛び、リズムの居るところに行くと二人で話をし始めた。しばらくすると、二人の話が一通り終わったのか、リズムと一緒にオンプがノオト達のところに戻ってきた
「オンプ。サクラのいる場所分かるの?」
「はい。リリさんに言われて私達と一緒に来ましたから」
 オンプの返事にノオト達三人が顔を見合わせる。オンプとリズムは気にすることなく、ふわりと空を飛び、ノオト達に手招きをした
「ノイズさんは、まあ一人でも生きて帰れるでしょうから、サクラさんを優先に帰りましょう」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...