こねくとノイズ

シャオえる

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65.私の家が一番素敵だから

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「さてと、ここら辺でいいかな」
「ここでって言っても、ここは……」
 空を移動し続け、ノイズが立ち止まった場所にノオトが困惑した顔で辺りを見渡しているとノイズがニコニコと笑顔でノイズの家の屋上に舞い降りた
「だって、私の家が一番魔力が高いんだもん。色々術を使うのはここが一番だし」
「まあそりゃあ、ソナタさんの家だからね」
 ノイズの隣にノオトも降りると、隠れていたリリがふぅ。と一つ深呼吸をした
「でも、わざわざサクラと出掛けなくても良かったんじゃないの?」
「だってノオトが邪魔するでしょ?術を使おうにも、お母様の結界があったら絶対使えないし」
 と、ノイズとノオトが話しているとモモが現れ、二人の周りをグルグルと動き回る。リリが慌ててノオトの服の中に入り息を潜め隠れた
「でも、もうサクラがこの本の中にいるもんね。だからもう大丈夫かなって」
 モモを呼びフフッと微笑みながら言うノイズに気づかれないように、ノオトが少し後ろに歩いて、リリに話しかけた

「リリ、体調は大丈夫?」
「ええ。それより、家政婦達とリディとミクを守るために、オンプ達が今からここに来るそうよ」
 ノオトの服の首元から少し顔を出して、ふぅ。と深呼吸をしながらリリが返事をすると、ノオトが少し下を向き、ノオトの家から見える明かりを見た
「リディとミクはまだ気づいていないの?」
「そうね。リディはミクにお願いして、さっき眠ってもらったわ。サクラの影響で、ソナタの術を一度破っているしね」
「じゃあ、メメみたいに移動した方が……」
「ノイズに気づかれたら色々と面倒だからね。この家にいてもらった方がいいのよ」
 と、二人でヒソヒソと話している間に、モモがノイズの頭の少し上でページをパラパラと開きはじめていた。少し光を放つモモを見て、リリが気合いを入れるようにふぅ。とまた大きく深呼吸をした
「もうお喋りの時間は終わりね。ノイズに私を気づかれないようにね。ノオト」
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