78 / 86
78. この本の代わりの世界へ
しおりを挟む
ソナタに呼ばれ、施設の中を歩くノイズ達。一番最後には辺りを見渡したながら不安そうにサクラが歩いている
「ねえノイズ、この先何があるの?」
「さぁ、覚えてない」
「ノオトだって覚えてないの?」
「覚えてないから聞いているの。ノイズは私よりここら辺来ているでしょ?」
「知らないもんは知らない」
ノオトの話しに不機嫌そうに答えるノイズ。そんな二人の話をサクラが困ったように聞いている
「二人とも、喧嘩しちゃダメよ」
一番前で歩くソナタが、はぁ。とため息つきながらノイズとノオトに注意すると、リリもサクラの肩に乗り、はぁ。とため息をついた
「それに二人が知らないのは当然よ。ここは私達高度術師しか入れないから。最低でも、オンプに認めてもらわないと来れないし」
メメの言葉を聞いて、言い合いをしていたノオトとノオトの会話が止まりサクラが少しホッとした顔をした。そのまま、誰も話をすることなく施設の奥へと歩いていくと、見上げても先が見えないほど大きな扉の前に来た。サクラが口を少し開いて驚いて
いる前でノイズとノオトも見慣れぬ扉に呆然としていると、ソナタが微笑みながらノイズもノオトに声をかけた
「さてと、二人とも開けて」
そう言われ顔を見合わせる二人。すると、ノイズが少しうつ向きながら顔を横に向けた
「私はどうせ……」
「どうせでもいいから、開けてみなさい。ノオトちゃんもね」
言い終わる前にソナタに言われ少しムッとしながらも大きな扉に触れる。扉は開くことなくノイズが小さく顔を横に振ると今度はノオトが扉に近寄りノイズの隣で扉に触れるが、同じく扉は開かない。それを見てソナタが少し離れて様子を見ていたサクラの方に振り向いて手招きをした
「次はサクラちゃんね」
「はっ、はい!」
ソナタに言われ少し声を大きく返事をすると、早歩きで二人のいる扉の前に来ると、恐る恐る扉に手を伸ばす。震える指先が扉に微かに触れたその時、ギィっと木の軋む音をたて扉がゆっくりと開いた
「えっと、開きました……」
「そうね、ありがとう」
少し声を震わせ言うサクラの声に対しソナタはニコッと微笑み答えると、スタスタと歩き三人を追い越し扉の先に入っていく。ノイズ達がその様子を見ていると、サクラの頭をリリが軽く叩いた
「ほら、全員さっさと入る」
リリに言われノイズを先頭に渋々入ると、見上げても天井の見えない部屋の中は暗く、側にある見上げても一番上が見えないほどの大きな本棚から本が浮び、サクラ達の周りを無数の本が飛んであちらこちらへと飛んでいる
「あの、メメさんは……」
「ノイズの家にいる。帰れたら会えるよ」
サクラが少し前を歩くノオトに恐る恐る声をかけると、ちらりと見られて答えられると、今度はノオトの隣を歩くノイズに声をかけた
「ねえノイズ、ここって……」
「さぁ、私も分からない」
サクラの話にすぐ返事をすると、さくが申し訳なさそうに少し顔をうつ向くと、リリがはぁ。とため息をつく。その間に先を歩いていたソナタが立ち止まり、本棚や本を見渡しはじめた
「モモ、来なさい」
一通り辺りを見終えた後、ソナタがそう言うと目の前にモモが現れ戸惑うようにグルグルと動く。元気そうな姿にサクラがホッと胸を撫で下ろしているとソナタがフフッと微笑みノイズ達を見た
「ノイズの側から離れないようにね」
ソナタが言うとすぐ急ぐようにノイズの側に行くと、両手で抱き締められ、ノイズとサクラがふぅ。と深呼吸をする。そんな二人を見ることなくソナタは本が浮かぶ周辺を見渡している
「えーっと、サクラちゃんには……」
ソナタが本を手に取り確認しながら呟いていると、サクラに向かって一冊の本が現れた。サクラの背よりも高く、分厚いその本に呆然と見ていると、
「それじゃあ今度はモモじゃなく、この本達の中に入ってもらおうかしら」
「ねえノイズ、この先何があるの?」
「さぁ、覚えてない」
「ノオトだって覚えてないの?」
「覚えてないから聞いているの。ノイズは私よりここら辺来ているでしょ?」
「知らないもんは知らない」
ノオトの話しに不機嫌そうに答えるノイズ。そんな二人の話をサクラが困ったように聞いている
「二人とも、喧嘩しちゃダメよ」
一番前で歩くソナタが、はぁ。とため息つきながらノイズとノオトに注意すると、リリもサクラの肩に乗り、はぁ。とため息をついた
「それに二人が知らないのは当然よ。ここは私達高度術師しか入れないから。最低でも、オンプに認めてもらわないと来れないし」
メメの言葉を聞いて、言い合いをしていたノオトとノオトの会話が止まりサクラが少しホッとした顔をした。そのまま、誰も話をすることなく施設の奥へと歩いていくと、見上げても先が見えないほど大きな扉の前に来た。サクラが口を少し開いて驚いて
いる前でノイズとノオトも見慣れぬ扉に呆然としていると、ソナタが微笑みながらノイズもノオトに声をかけた
「さてと、二人とも開けて」
そう言われ顔を見合わせる二人。すると、ノイズが少しうつ向きながら顔を横に向けた
「私はどうせ……」
「どうせでもいいから、開けてみなさい。ノオトちゃんもね」
言い終わる前にソナタに言われ少しムッとしながらも大きな扉に触れる。扉は開くことなくノイズが小さく顔を横に振ると今度はノオトが扉に近寄りノイズの隣で扉に触れるが、同じく扉は開かない。それを見てソナタが少し離れて様子を見ていたサクラの方に振り向いて手招きをした
「次はサクラちゃんね」
「はっ、はい!」
ソナタに言われ少し声を大きく返事をすると、早歩きで二人のいる扉の前に来ると、恐る恐る扉に手を伸ばす。震える指先が扉に微かに触れたその時、ギィっと木の軋む音をたて扉がゆっくりと開いた
「えっと、開きました……」
「そうね、ありがとう」
少し声を震わせ言うサクラの声に対しソナタはニコッと微笑み答えると、スタスタと歩き三人を追い越し扉の先に入っていく。ノイズ達がその様子を見ていると、サクラの頭をリリが軽く叩いた
「ほら、全員さっさと入る」
リリに言われノイズを先頭に渋々入ると、見上げても天井の見えない部屋の中は暗く、側にある見上げても一番上が見えないほどの大きな本棚から本が浮び、サクラ達の周りを無数の本が飛んであちらこちらへと飛んでいる
「あの、メメさんは……」
「ノイズの家にいる。帰れたら会えるよ」
サクラが少し前を歩くノオトに恐る恐る声をかけると、ちらりと見られて答えられると、今度はノオトの隣を歩くノイズに声をかけた
「ねえノイズ、ここって……」
「さぁ、私も分からない」
サクラの話にすぐ返事をすると、さくが申し訳なさそうに少し顔をうつ向くと、リリがはぁ。とため息をつく。その間に先を歩いていたソナタが立ち止まり、本棚や本を見渡しはじめた
「モモ、来なさい」
一通り辺りを見終えた後、ソナタがそう言うと目の前にモモが現れ戸惑うようにグルグルと動く。元気そうな姿にサクラがホッと胸を撫で下ろしているとソナタがフフッと微笑みノイズ達を見た
「ノイズの側から離れないようにね」
ソナタが言うとすぐ急ぐようにノイズの側に行くと、両手で抱き締められ、ノイズとサクラがふぅ。と深呼吸をする。そんな二人を見ることなくソナタは本が浮かぶ周辺を見渡している
「えーっと、サクラちゃんには……」
ソナタが本を手に取り確認しながら呟いていると、サクラに向かって一冊の本が現れた。サクラの背よりも高く、分厚いその本に呆然と見ていると、
「それじゃあ今度はモモじゃなく、この本達の中に入ってもらおうかしら」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる