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2. 大丈夫、怖くなんかない
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「昼寝し過ぎたな。いい加減、眠らないと……」
深夜、ベッドの上でゴロゴロと動く。何度も携帯を触っては閉じてを繰り返し、眠れるのを待ってみるが、時間がたてば立つほど目は覚めていくばかり
「今日は満月か……」
窓を見てため息混じりに呟く。早く動く雲があっという間に月を隠し、部屋が薄暗くなり急にウトウトと睡魔が襲ってきた
「あのう……」
突然、背後から微かに声か聞こえてきた。声が聞こえてきた方に振り向くと、さっきまで暗かったはずの視界が明るく、少し眩しく感じ目を細めて辺りを見渡すと、透明な傘をさして立つ髪の長い女性がこちらを見ていた
「あなたは……」
女性から悠まで少し離れているはずなのに耳元に女性の声が聞こえてくる。透明な傘をよく見ると、うっすらと女性の顔が見えた。大きな瞳でこちらを見るその女性に見とれていると、どこからともなくピピピと聞き覚えのある音が聞こえてきた
「朝か……。いつの間に眠ってたんだ……」
寝ぼけつつ手探りで目覚ましが鳴り続ける携帯を探すが中々見つからずにいると、ベッドから携帯が床に落ち、ガタンと大きな音が響いた
「猫ちゃん、おいで」
悠が起きた頃、家の近くにある公園で傘をさした女性が近くにいた子猫に手を伸ばしていた。突然声をかけられこちらを見ている人に驚いた猫が一瞬逃げようと身を屈める
「大丈夫、怖くないよ」
そう言いながら、ちょっとだけ猫に近づく。警戒していた子猫が、差し出した指の先に顔を近づけた
「今日は暑くなったね」
顔を指先にすり寄せ甘える子猫に微笑みながら話しかけると、子猫が手のひらに頭をつけてグルグルと喉を鳴らしはじめ、子猫の頭を優しく撫でた
「雨じゃなく、こんなに良い天気に会えたら良かったのにね」
そう呟いた時、風がふわりと吹いた。近くにある木々が揺れてガサガサと音を立てる。その音に驚いた子猫がくるりと背を向け走り出した
「またね」
去っていく子猫に手を振りフフッと微笑み、ふぅ。と一つため息をつくと、子猫が去っていった方とは逆の道を歩きだした
「おっ、猫だ」
数分後、怜と学校への登校中、怜が突然目の前に飛び出してきた子猫に指を差した。アクビをしていた悠が怜が指差した先に見えた子猫を見つけ足を止めた
「本当だ」
悠が少し屈んで猫に手を差し出すと、その手を見た子猫が怯えて一瞬後退りをした
「大丈夫だ、怖くない」
子猫に優しくそう言うと、恐る恐る子猫が悠に近づいて、指先に鼻を近づかせ匂いを嗅ぐ。グルグルと喉を鳴らし悠に近づく子猫をそっとつかんで抱きしめた
「なんだか懐かれてるな」
「ああ、そうだな」
悠が子猫の体を撫でながら答えると、腕の中で落ち着いていた子猫が突然体を起こし腕から離れ去っていった
深夜、ベッドの上でゴロゴロと動く。何度も携帯を触っては閉じてを繰り返し、眠れるのを待ってみるが、時間がたてば立つほど目は覚めていくばかり
「今日は満月か……」
窓を見てため息混じりに呟く。早く動く雲があっという間に月を隠し、部屋が薄暗くなり急にウトウトと睡魔が襲ってきた
「あのう……」
突然、背後から微かに声か聞こえてきた。声が聞こえてきた方に振り向くと、さっきまで暗かったはずの視界が明るく、少し眩しく感じ目を細めて辺りを見渡すと、透明な傘をさして立つ髪の長い女性がこちらを見ていた
「あなたは……」
女性から悠まで少し離れているはずなのに耳元に女性の声が聞こえてくる。透明な傘をよく見ると、うっすらと女性の顔が見えた。大きな瞳でこちらを見るその女性に見とれていると、どこからともなくピピピと聞き覚えのある音が聞こえてきた
「朝か……。いつの間に眠ってたんだ……」
寝ぼけつつ手探りで目覚ましが鳴り続ける携帯を探すが中々見つからずにいると、ベッドから携帯が床に落ち、ガタンと大きな音が響いた
「猫ちゃん、おいで」
悠が起きた頃、家の近くにある公園で傘をさした女性が近くにいた子猫に手を伸ばしていた。突然声をかけられこちらを見ている人に驚いた猫が一瞬逃げようと身を屈める
「大丈夫、怖くないよ」
そう言いながら、ちょっとだけ猫に近づく。警戒していた子猫が、差し出した指の先に顔を近づけた
「今日は暑くなったね」
顔を指先にすり寄せ甘える子猫に微笑みながら話しかけると、子猫が手のひらに頭をつけてグルグルと喉を鳴らしはじめ、子猫の頭を優しく撫でた
「雨じゃなく、こんなに良い天気に会えたら良かったのにね」
そう呟いた時、風がふわりと吹いた。近くにある木々が揺れてガサガサと音を立てる。その音に驚いた子猫がくるりと背を向け走り出した
「またね」
去っていく子猫に手を振りフフッと微笑み、ふぅ。と一つため息をつくと、子猫が去っていった方とは逆の道を歩きだした
「おっ、猫だ」
数分後、怜と学校への登校中、怜が突然目の前に飛び出してきた子猫に指を差した。アクビをしていた悠が怜が指差した先に見えた子猫を見つけ足を止めた
「本当だ」
悠が少し屈んで猫に手を差し出すと、その手を見た子猫が怯えて一瞬後退りをした
「大丈夫だ、怖くない」
子猫に優しくそう言うと、恐る恐る子猫が悠に近づいて、指先に鼻を近づかせ匂いを嗅ぐ。グルグルと喉を鳴らし悠に近づく子猫をそっとつかんで抱きしめた
「なんだか懐かれてるな」
「ああ、そうだな」
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