悠久、空が結ぶ。

シャオえる

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3. お互いが見つめる先

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「良かった、また会えましたね」
 フフッと微笑む優しい声に、ハッと目が覚めたように目を開けた。学校で授業を受けていたはずが、視界は大雨の中、木の下で隣に一人見覚えのある女性がびしょ濡れで立っていた
「この傘は……」
 左手に見たことのない透明な傘を持っていた悠が不思議そうに呟くと、女性が少し顔を上げ悠を見てニコリと微笑む
「濡れてしまいますから、お貸しします」
「でも、あなたが濡れては意味が……」
 隣にいる女性に少し近づいて傘を少し女性に近づける。まだ降り続ける雨で悠の右肩が濡れていく
「雨、止むでしょうか」
「止みますよ。きっとすぐ」
「……そうです、ね」
 二人の会話が雨音で段々と聞き取りづらくなっていく。困った悠がまた少し女性に近づいて、グッと一つ息を飲んだ
「あの……。名前、悠って言います」
 ポツリと呟くように言うと、女性が少し驚いた顔で悠を見た
「あっ、その前に確かその……」
 目線が合った悠が慌ててつつそう言うと、持っている傘がユラユラ揺れて、二人の体に雨がしたり落ちた
「あっ、ごめんなさい……」
 謝りながら傘を女性側に寄せる。一瞬で悠の体が雨でびしょ濡れになり、女性が驚きつつも悠の姿を見てクスクスと笑う
「あの私も……」
 と、女性が何かを言いかけた時、雨が止み、悠の体がユラユラと勝手に揺れはじめた
「おい、悠。起きろ!」
 聞き覚えのある声が聞こえ、ゆっくりと目を開けると、怜が悠の体をユラユラ揺らし、心配そうに見ていた。目線が合い体を起こすと、悠の目の前で微笑む教師と目が合った
「あっ、すみません……」
「もう授業は終わりですよ。寝ていて聞いてなかった所は、お友達に写してもらうようにね」
「……はい」
 悠が小声で返事をすると同時にチャイムが鳴り、静かだった教室が少しざわつきはじめた
「みなさん、まだ席から離れないで下さいね」
 生徒達に声をかけながら悠の前から教師が離れていくと、悠がはぁ。大きくため息をついて、怜に差し出されたノートを手に取った



「また会えたね」
 その頃、悠の学校の近くの公園に傘をさした女性がまた子猫と出会い、嬉しそうに声をかけ手を差し出していた。子猫が指先に鼻をつけ、何度か匂いを嗅ぐとすぐ手のひらにグリグリと頭をつけはじた
「君の名前、なにしようかな……」
 傘を畳み地面に置くと子猫を抱きしめて呟く。グルグルと喉を鳴らす子猫の背中を撫でてフフッと微笑む
「あの人と私、同じ名前にしよっか」
 じっと子猫の顔を見ながらそう言うと、子猫がにゃあ。と鳴いて、女性の指を噛んで遊びはじめた
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