130 / 132
130. 二人の願いは、未来のため
しおりを挟む
「アゼルさん!四人を助けてあげて!」
マリヤのうたが流れて数分経ち、ノエルとクリルも、魔力の反動に耐えられず、苦しみ始めていた。側で支えているカリアの叫びも、アゼルにもリックにもどうすることができず、四人の姿が見れずにいた。反動の強さに苦しむメイナが、ポツリと呟いた
「……お母さん」
すると、どこからか聞こえてくるマリヤのうたを一緒に奏でるように、誰かの声が微かに聞こえてくる。マリヤと同じく少しずつ大きくなっていく声は、女性の歌声。マリヤと共に奏で響く
「この歌声は……カナメ!」
聞こえてきた懐かしい声にリックが叫ぶ
「それ、母さんの名前じゃ……」
「カナメ・バータナだと!どこにいるんだ!」
その名前に、クリルが驚きバルバが叫ぶ。聞かれても答えられず言葉を濁しているリック。話さないならばと、代わりにアゼルが語り始める
「カナメさんは、マリヤと一緒にあの日、フラワードで亡くなったんだ。願いを叶えたいというマリヤと思いが一緒だったから」
「……なんだと?」
カノンが険しい表情で睨む。それに気にせずアゼルが話を続ける
「二人の願いは強かったんだ。午前の人々が暮らす村で生まれたカナメさんと、午後として生まれ嫌みがられ捨てられた姉妹。もう魔法は要らないと、お互いの時間の人達が楽しく暮らしていほしい。と幸せを願った、二人の願い。それを僕らが繋ぎ叶えようと思ったんだ。何が悪いんだ!」
だんだんと荒く叫びだすアゼル。その睨みは誰に向けてか、更に険しくなっていく
「それは、ノエルやリエル、クリル君やメイナちゃんの未来のためだ!幸せな人生を願って、二人は……!」
叫び話す内容に、何も言えないカノン達。アゼルの話を聞いたメイナが、苦しい表情をしながら立ち上がる
「お母さん!私、ここにいるよ!お兄ちゃんとリーリルも一緒にいるよ!リエルやノエルさんだって、一緒にいるんだよ!」
歌声が響く空に叫ぶメイナ。その叫びにリックが背を向ける。泣いてしまったメイナに、少し離れていたリーリルが、トコトコとメイナの側に来て、優しくポンッと頭を触った
「……リーリル」
いつの間にか巨大化が止まっていたリーリルに抱きつくと、それを見ていたリエルもリーリルに抱きついた
「あれ?……苦しくない?」
ゆっくりと立ち上がるノエル。クリルも恐る恐る立ち上がる。大丈夫そうな四人を見て、カリアがほっと胸を撫で下ろす。カノン達も安心するが、まだ流れる二人の歌声の根元を探るように空を見る
「魔力が落ち着いてきているのか、二人のうたで……」
マリヤのうたが流れて数分経ち、ノエルとクリルも、魔力の反動に耐えられず、苦しみ始めていた。側で支えているカリアの叫びも、アゼルにもリックにもどうすることができず、四人の姿が見れずにいた。反動の強さに苦しむメイナが、ポツリと呟いた
「……お母さん」
すると、どこからか聞こえてくるマリヤのうたを一緒に奏でるように、誰かの声が微かに聞こえてくる。マリヤと同じく少しずつ大きくなっていく声は、女性の歌声。マリヤと共に奏で響く
「この歌声は……カナメ!」
聞こえてきた懐かしい声にリックが叫ぶ
「それ、母さんの名前じゃ……」
「カナメ・バータナだと!どこにいるんだ!」
その名前に、クリルが驚きバルバが叫ぶ。聞かれても答えられず言葉を濁しているリック。話さないならばと、代わりにアゼルが語り始める
「カナメさんは、マリヤと一緒にあの日、フラワードで亡くなったんだ。願いを叶えたいというマリヤと思いが一緒だったから」
「……なんだと?」
カノンが険しい表情で睨む。それに気にせずアゼルが話を続ける
「二人の願いは強かったんだ。午前の人々が暮らす村で生まれたカナメさんと、午後として生まれ嫌みがられ捨てられた姉妹。もう魔法は要らないと、お互いの時間の人達が楽しく暮らしていほしい。と幸せを願った、二人の願い。それを僕らが繋ぎ叶えようと思ったんだ。何が悪いんだ!」
だんだんと荒く叫びだすアゼル。その睨みは誰に向けてか、更に険しくなっていく
「それは、ノエルやリエル、クリル君やメイナちゃんの未来のためだ!幸せな人生を願って、二人は……!」
叫び話す内容に、何も言えないカノン達。アゼルの話を聞いたメイナが、苦しい表情をしながら立ち上がる
「お母さん!私、ここにいるよ!お兄ちゃんとリーリルも一緒にいるよ!リエルやノエルさんだって、一緒にいるんだよ!」
歌声が響く空に叫ぶメイナ。その叫びにリックが背を向ける。泣いてしまったメイナに、少し離れていたリーリルが、トコトコとメイナの側に来て、優しくポンッと頭を触った
「……リーリル」
いつの間にか巨大化が止まっていたリーリルに抱きつくと、それを見ていたリエルもリーリルに抱きついた
「あれ?……苦しくない?」
ゆっくりと立ち上がるノエル。クリルも恐る恐る立ち上がる。大丈夫そうな四人を見て、カリアがほっと胸を撫で下ろす。カノン達も安心するが、まだ流れる二人の歌声の根元を探るように空を見る
「魔力が落ち着いてきているのか、二人のうたで……」
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
慈愛と復讐の間
レクフル
ファンタジー
とある国に二人の赤子が生まれた。
一人は慈愛の女神の生まれ変わりとされ、一人は復讐の女神の生まれ変わりとされた。
慈愛の女神の生まれ変わりがこの世に生を得た時、必ず復讐の女神の生まれ変わりは生を得る。この二人は対となっているが、決して相容れるものではない。
これは古より語り継がれている伝承であり、慈愛の女神の加護を得た者は絶大なる力を手にするのだと言う。
だが慈愛の女神の生まれ変わりとして生を亨けた娘が、別の赤子と取り換えられてしまった。
大切に育てられる筈の慈愛の女神の生まれ変わりの娘は、母親から虐げられながらも懸命に生きようとしていた。
そんな中、森で出会った迷い人の王子と娘は、互いにそれと知らずに想い合い、数奇な運命を歩んで行くこととなる。
そして、変わりに育てられた赤子は大切に育てられていたが、その暴虐ぶりは日をまして酷くなっていく。
慈愛に満ちた娘と復讐に駆られた娘に翻弄されながら、王子はあの日出会った想い人を探し続ける。
想い合う二人の運命は絡み合うことができるのか。その存在に気づくことができるのか……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる