5 / 63
5. 夜、ひとときの時間に
しおりを挟む
シャロが消えた数時間後、夜も更けディオロイ城も落ち着きを取り戻しシャーロットも家政婦達と共に自室に戻り、部屋にある広いベッドに座った
「はあ、疲れた……」
「今日は剣術の練習と逃亡者の捜索をしましたからね」
「そうね……」
家政婦に小声で返事をしてフカフカなベッドに顔を埋める。その間に家政婦達が部屋のカーテンを閉めたり、部屋の電気を少し暗くしたりベッドの側のランプをつけたりと忙しく動いて、シャーロットが快適に眠れるように準備を進めている
「シャーロット様、ゆっくりとおやすみなさいませ」
「ええ、おやすみ」
シャーロットがまた返事をすると、部屋の入り口に集まった家政婦達がペコリとお辞儀をして部屋の電気を消そうとスイッチに手を伸ばした時、突然シャーロットが体を起こし家政婦達に声をかけた
「ねえ、お母様とお父様はいつ帰ってくるの?」
「申し訳ありません、私達はいつか帰ってくるかは存じ上げておりませんので……」
「そう……、そっか。ありがとう」
またフカフカなベッドに顔を埋め、動かなくなった。少し心配そうに家政婦達が少しシャーロットの様子を見た後、そーっと部屋の電気を消しゆっくり扉を閉め全員シャーロットの部屋を出ていった。廊下を歩く足音やヒソヒソと話す声が遠く離れ聞こえなくなると、またシャーロットが体を起こしベッドから降りた。ベッドの側にあるランプの小さな灯りを頼りに窓に近づき、カーテンを少し開いて夜空を見上げた
「私に似たアイツは今何をしているのかしら」
そう呟き雲に隠れそうな月を見る。すぐに部屋を照らす月明かりが小さくなり、そっとカーテンを閉じ直してベッドに戻った
「リリー、紅茶が跳ねてる。本が濡れるから止めて」
一方その頃、ディオロイ城からだいぶ離れた場所にある一軒家で、本を読んでいたシャロがリリーにティーカップに入れていた紅茶を水浴びに使われ困っていた
「リリー。話聞いてる?」
また声をかけてもリリーはご機嫌でティーカップの中に入る。紅茶が飲めなくなったシャロは、はぁ。と一つため息をついて本を閉じ椅子から立ち上がり、本棚に本を戻した
「シャロ、どこに行くの?」
離れたことに気づいたリリーが水浴びを止め声をかける
「私もお風呂。リリーも一緒に入る?」
「シャロは水を掛けて意地悪するからヤダヤダ。入らない」
「じゃあ外で見張りでもしていて」
「了解」
元気よく返事をするとまたティーカップに少し残った紅茶で水浴びをはじめたリリー。跳ねを少し広げると紅茶が跳ねてテーブルが少し濡れた。それを横目に本棚を指差し、新たに読む本を探しはじめるシャロ。バシャバシャと水が跳ねる音が部屋に響く中、一冊の古い本を本棚から取り出した
「もう読む本もなくなったか。また本を探さなきゃ」
「はあ、疲れた……」
「今日は剣術の練習と逃亡者の捜索をしましたからね」
「そうね……」
家政婦に小声で返事をしてフカフカなベッドに顔を埋める。その間に家政婦達が部屋のカーテンを閉めたり、部屋の電気を少し暗くしたりベッドの側のランプをつけたりと忙しく動いて、シャーロットが快適に眠れるように準備を進めている
「シャーロット様、ゆっくりとおやすみなさいませ」
「ええ、おやすみ」
シャーロットがまた返事をすると、部屋の入り口に集まった家政婦達がペコリとお辞儀をして部屋の電気を消そうとスイッチに手を伸ばした時、突然シャーロットが体を起こし家政婦達に声をかけた
「ねえ、お母様とお父様はいつ帰ってくるの?」
「申し訳ありません、私達はいつか帰ってくるかは存じ上げておりませんので……」
「そう……、そっか。ありがとう」
またフカフカなベッドに顔を埋め、動かなくなった。少し心配そうに家政婦達が少しシャーロットの様子を見た後、そーっと部屋の電気を消しゆっくり扉を閉め全員シャーロットの部屋を出ていった。廊下を歩く足音やヒソヒソと話す声が遠く離れ聞こえなくなると、またシャーロットが体を起こしベッドから降りた。ベッドの側にあるランプの小さな灯りを頼りに窓に近づき、カーテンを少し開いて夜空を見上げた
「私に似たアイツは今何をしているのかしら」
そう呟き雲に隠れそうな月を見る。すぐに部屋を照らす月明かりが小さくなり、そっとカーテンを閉じ直してベッドに戻った
「リリー、紅茶が跳ねてる。本が濡れるから止めて」
一方その頃、ディオロイ城からだいぶ離れた場所にある一軒家で、本を読んでいたシャロがリリーにティーカップに入れていた紅茶を水浴びに使われ困っていた
「リリー。話聞いてる?」
また声をかけてもリリーはご機嫌でティーカップの中に入る。紅茶が飲めなくなったシャロは、はぁ。と一つため息をついて本を閉じ椅子から立ち上がり、本棚に本を戻した
「シャロ、どこに行くの?」
離れたことに気づいたリリーが水浴びを止め声をかける
「私もお風呂。リリーも一緒に入る?」
「シャロは水を掛けて意地悪するからヤダヤダ。入らない」
「じゃあ外で見張りでもしていて」
「了解」
元気よく返事をするとまたティーカップに少し残った紅茶で水浴びをはじめたリリー。跳ねを少し広げると紅茶が跳ねてテーブルが少し濡れた。それを横目に本棚を指差し、新たに読む本を探しはじめるシャロ。バシャバシャと水が跳ねる音が部屋に響く中、一冊の古い本を本棚から取り出した
「もう読む本もなくなったか。また本を探さなきゃ」
0
あなたにおすすめの小説
勘当された少年と不思議な少女
レイシール
ファンタジー
15歳を迎えた日、ランティスは父親から勘当を言い渡された。
理由は外れスキルを持ってるから…
眼の色が違うだけで気味が悪いと周りから避けられてる少女。
そんな2人が出会って…
目の前で始まった断罪イベントが理不尽すぎたので口出ししたら巻き込まれた結果、何故か王子から求婚されました
歌龍吟伶
恋愛
私、ティーリャ。王都学校の二年生。
卒業生を送る会が終わった瞬間に先輩が婚約破棄の断罪イベントを始めた。
理不尽すぎてイライラしたから口を挟んだら、お前も同罪だ!って謎のトバッチリ…マジないわー。
…と思ったら何故か王子様に気に入られちゃってプロポーズされたお話。
全二話で完結します、予約投稿済み
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
【完結】私が愛されるのを見ていなさい
芹澤紗凪
恋愛
虐げられた少女の、最も残酷で最も華麗な復讐劇。(全6話の予定)
公爵家で、天使の仮面を被った義理の妹、ララフィーナに全てを奪われたディディアラ。
絶望の淵で、彼女は一族に伝わる「血縁者の姿と入れ替わる」という特殊能力に目覚める。
ディディアラは、憎き義妹と入れ替わることを決意。
完璧な令嬢として振る舞いながら、自分を陥れた者たちを内側から崩壊させていく。
立場と顔が入れ替わった二人の少女が織りなす、壮絶なダークファンタジー。
女性が少ない世界でVTuberやります!
dekoma26+ブル
恋愛
ある日朝起きてキッチンに行くとそこには知らない男性たちが! …え、お父さん⁉
なぜか突然女性の少ない世界に来てしまった少女がVTuberをしたり、学校に通ったりするお話。
※恋愛大賞の投票ありがとうございました(o´∀`o)参加したみなさんお疲れ様です!
毎週火曜・金曜日に投稿予定 作者ブル
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる